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本編
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そうして、身持ちの固い女などつまらないと、必要ないと魔族領の森へと捨て置かれた。
すごく怖かったのも本当。けれど解放されてホッとしたのも事実だった。
これでやっと自由になれる。そして、魔族領でアレク様達に出逢った。
アレクシア様に、どんな意図かはわからない。けれど、領民の為に力を貸してほしいと言われた。多分、精霊様の見せてくれる、見知らぬ食材や、料理を再現出来る力があった。
その力を使ってみたいと思った、気まぐれでも手を差し伸べてくれたアレクシア様の恩に、少しの間でも酬いたいと思った。
そして数日が経ち、彼らの態度は変わらず、むしろ好感を向けてきてくれた。
「精霊様の力ってすごいな」
「食べた事もない食材でこんなのつくれるのはさすがっス!」
「リルといると楽しいし、大好き」
彼らからはいつもそんな温かい言葉を投げかけてくれた。両親のそばにいた時みたいに、優しくて温かい気持ちをくれる。
嬉しいから頑張ろう。笑顔を見たいから、美味しく作りたい。そういった願望が日に日に強くなった。
気がつくとアレク様をみると、嬉しいような恥ずかしい様な、そんな気持ちがあふれてくる。
あの方には、抱いた事のない気持ち……。
この気持ちの正体はなんだろう。いつもそばにいたいのに、恥ずかしい気もする。長い時間一緒にいても、部屋に戻る時にすごくさみしい気持ちになる。
何なんだろう。アレク様を煩わせちゃいけないのに。それが好きという気持ちたなんて、少しも思いもしなかった。
短い間にわかった事は、少し見た目が、幼いところがコンプレックスの様で、視察や外出用のアレク様は、泣きぼくろに色気のある大人の男性になる事。
でも、少年の様な無邪気さの残る彼も素敵だと思うのに……。
夢の中、過去を振り返ってはくすぐったい気持ちになっていた私に声がかけられた。姿は見えない。
『リフィル、幸せそうで良かった! 前の場所では辛そうだったから…。前の国には、ボクの愛し子を苦しめたんだ、それ相応の報いは受けてもらうよ。けれど良くしてくれた、君の両親の領地の加護はそのままにしてあるよ』
「豊穣の精霊様?」
『そう呼ばれている。君はボクの愛し子さ。でも。力を私利私欲の為に使わないでね。与えた力がなくなっちゃうから…。また夢でお話しようね』
その後、不意に目が覚めた。精霊様とお話したのかしら…。少し不穏な事も言われた気もするけれど、いつも見守っていてくれたのだろうか。
感謝の気持ちを果物やスイーツを捧げて伝えたいなとそんな事を考えつつ、モモやナシといった、フルーツを自室のローテーブルに捧げる私だった。
すごく怖かったのも本当。けれど解放されてホッとしたのも事実だった。
これでやっと自由になれる。そして、魔族領でアレク様達に出逢った。
アレクシア様に、どんな意図かはわからない。けれど、領民の為に力を貸してほしいと言われた。多分、精霊様の見せてくれる、見知らぬ食材や、料理を再現出来る力があった。
その力を使ってみたいと思った、気まぐれでも手を差し伸べてくれたアレクシア様の恩に、少しの間でも酬いたいと思った。
そして数日が経ち、彼らの態度は変わらず、むしろ好感を向けてきてくれた。
「精霊様の力ってすごいな」
「食べた事もない食材でこんなのつくれるのはさすがっス!」
「リルといると楽しいし、大好き」
彼らからはいつもそんな温かい言葉を投げかけてくれた。両親のそばにいた時みたいに、優しくて温かい気持ちをくれる。
嬉しいから頑張ろう。笑顔を見たいから、美味しく作りたい。そういった願望が日に日に強くなった。
気がつくとアレク様をみると、嬉しいような恥ずかしい様な、そんな気持ちがあふれてくる。
あの方には、抱いた事のない気持ち……。
この気持ちの正体はなんだろう。いつもそばにいたいのに、恥ずかしい気もする。長い時間一緒にいても、部屋に戻る時にすごくさみしい気持ちになる。
何なんだろう。アレク様を煩わせちゃいけないのに。それが好きという気持ちたなんて、少しも思いもしなかった。
短い間にわかった事は、少し見た目が、幼いところがコンプレックスの様で、視察や外出用のアレク様は、泣きぼくろに色気のある大人の男性になる事。
でも、少年の様な無邪気さの残る彼も素敵だと思うのに……。
夢の中、過去を振り返ってはくすぐったい気持ちになっていた私に声がかけられた。姿は見えない。
『リフィル、幸せそうで良かった! 前の場所では辛そうだったから…。前の国には、ボクの愛し子を苦しめたんだ、それ相応の報いは受けてもらうよ。けれど良くしてくれた、君の両親の領地の加護はそのままにしてあるよ』
「豊穣の精霊様?」
『そう呼ばれている。君はボクの愛し子さ。でも。力を私利私欲の為に使わないでね。与えた力がなくなっちゃうから…。また夢でお話しようね』
その後、不意に目が覚めた。精霊様とお話したのかしら…。少し不穏な事も言われた気もするけれど、いつも見守っていてくれたのだろうか。
感謝の気持ちを果物やスイーツを捧げて伝えたいなとそんな事を考えつつ、モモやナシといった、フルーツを自室のローテーブルに捧げる私だった。
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