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本編
12(アレク視点)
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リフィルと名乗った女性は、ブレスレットの魔道具を取り、セイルとフィールの方へと向き直る。
「はじめまして。リフィルといいます。アレクシア様に勧誘されましてお二人の下につく事となると思います」
『確かに城に住んで力を貸してほしいと、言ったつもりだが…。勧誘なのか…?』
そう思い悩んでいると、セイルが口を開く。
「もしかして、アレクシア様、また拾ったんスか? オレはセイルっス」
「まぁ、あたし達も拾われた訳だし、仲間になるのかな。あたしはフィールって言うの」
『自己紹介も兼ねて、俺をからかってないか?』そんな風に思っているとリフィル嬢が話し始めた。
「セイル様に、フィール様ですね。私今までいた国の王子からこの森に捨てられてしまって…。本来の姿を隠したいのです。ですのでリルと呼んでください」
そう言うと、またブレスレットを再びつけ、赤髪の姿に戻る。青空の様な水色の髪も綺麗なのに、何故かそう感じ、勿体ないな…と思った。
「勧誘した理由がこれだ」
そう言って、セイルとフィールにリンゴを差し出した。
「初めて見たっス」
困惑したようにリンゴ
見つめるセイル。
「なんか甘くていい匂い……」
ふんふんと、果実の表面の匂いを嗅ぐとフィールが言った。
「食べてみろ」
俺がそう言うと、恐る恐る齧りつく2人は、美味かったのか、目を爛々と輝かせながら、食べ尽くした。気持ちはわかる。俺達には魔物の肉以外を、口にする機会は殆ど無いから。
「これらを小屋のすぐそばで、ものの数分で作ってくれた。そういえば、あの野菜は一度きりなのか?」
「数回取れるものもありますし、一回限りのものもありますね。りんごの木はずっと取れるかと……」
「すごいな…」
少し考えるようにして、リフィル嬢は口を開く。
「土質が野菜など我育つ、環境に適していなかったのでしょうね…。畑の部分だけは土質を変えたので問題なく育つかと…」
「は? こんなのが普通に育てて、食えるんスか?」
「そう思うよな……、俺も驚いた。とりあえず、ワープゲート使って城に帰るぞ。フィールはリルの世話頼めるか? 命を狙われてたみたいだし、姿を変えたとは言っても一人にするのは危険だろう? 護衛も兼ねて頼む」
「リルはやじゃない? 獣人……」
「ううん! 大丈夫です。寧ろうさ耳可愛いと思いますわ!」
「ありがとうございます?」
「セイルさんもラフな感じで、素敵だと思います。アレクシア様は、変身後と本来の姿の印象がだいぶ違いますね。何というか本来のお姿の方が幼い様な?」
「これでも140歳だ! だが、なめられても困るので大人な印象に化けている…」
「そうなのですね。けれど、どちらの姿も素敵だと思いますわ」
ふいに笑いがこぼれてしまい誤魔化すように、「とっとと、手紙を書け!」と急かしてしまったのは恥ずかしくて言えない。
「はじめまして。リフィルといいます。アレクシア様に勧誘されましてお二人の下につく事となると思います」
『確かに城に住んで力を貸してほしいと、言ったつもりだが…。勧誘なのか…?』
そう思い悩んでいると、セイルが口を開く。
「もしかして、アレクシア様、また拾ったんスか? オレはセイルっス」
「まぁ、あたし達も拾われた訳だし、仲間になるのかな。あたしはフィールって言うの」
『自己紹介も兼ねて、俺をからかってないか?』そんな風に思っているとリフィル嬢が話し始めた。
「セイル様に、フィール様ですね。私今までいた国の王子からこの森に捨てられてしまって…。本来の姿を隠したいのです。ですのでリルと呼んでください」
そう言うと、またブレスレットを再びつけ、赤髪の姿に戻る。青空の様な水色の髪も綺麗なのに、何故かそう感じ、勿体ないな…と思った。
「勧誘した理由がこれだ」
そう言って、セイルとフィールにリンゴを差し出した。
「初めて見たっス」
困惑したようにリンゴ
見つめるセイル。
「なんか甘くていい匂い……」
ふんふんと、果実の表面の匂いを嗅ぐとフィールが言った。
「食べてみろ」
俺がそう言うと、恐る恐る齧りつく2人は、美味かったのか、目を爛々と輝かせながら、食べ尽くした。気持ちはわかる。俺達には魔物の肉以外を、口にする機会は殆ど無いから。
「これらを小屋のすぐそばで、ものの数分で作ってくれた。そういえば、あの野菜は一度きりなのか?」
「数回取れるものもありますし、一回限りのものもありますね。りんごの木はずっと取れるかと……」
「すごいな…」
少し考えるようにして、リフィル嬢は口を開く。
「土質が野菜など我育つ、環境に適していなかったのでしょうね…。畑の部分だけは土質を変えたので問題なく育つかと…」
「は? こんなのが普通に育てて、食えるんスか?」
「そう思うよな……、俺も驚いた。とりあえず、ワープゲート使って城に帰るぞ。フィールはリルの世話頼めるか? 命を狙われてたみたいだし、姿を変えたとは言っても一人にするのは危険だろう? 護衛も兼ねて頼む」
「リルはやじゃない? 獣人……」
「ううん! 大丈夫です。寧ろうさ耳可愛いと思いますわ!」
「ありがとうございます?」
「セイルさんもラフな感じで、素敵だと思います。アレクシア様は、変身後と本来の姿の印象がだいぶ違いますね。何というか本来のお姿の方が幼い様な?」
「これでも140歳だ! だが、なめられても困るので大人な印象に化けている…」
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