【本編完結】森の中に取り残された私と…

皇ひびき

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本編

23

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 両親と領民が魔族領に移住し、異文化交流が始まって1ヶ月が過ぎた。

 魔力が多くない人族はは、パンやウドン、パスタというものの量産を始めた。

 それらが長持ちするよう加工したり、バターやマヨネーズやケチャップといった、魔力があった方が楽なものに関しては、魔族の人々が制作を担当してくれた。

 人族の中で魔法が使えるのは、貴族といった数少ない人数しかいないから。

 その中で、自領で培ってきた、武器や農具の生成。植物を使った布の形成、作物栽培ノウハウ。そういったものを魔族に伝え知識を共有した。

 最初は私やお父様やお母様がついていないと、この領地の人達と、話も出来なかった人々も、文化の違いに、試行錯誤しつつ少しずつこの環境に慣れていった。

 その一つに温泉というものがあった。男女に別れた個室を作り、人が複数人入れる大きな入れ物があり、体をお湯で流し他あとにお湯に浸かるというもの。

 知らない時には体を拭くだけで良かったけれど、一度知ってしまえばもうやめられない代物だった。

 そういえば……、セッケンと言う、体や顔を洗う物も夢で見ましたわね……。

 オリーブオイルもたくさん出来てきたので、作ってみよう。

 香りつけもしたいのに、夢てみたせいか、香りの強い植物はわからない……。

 そうシュンとしていると、グレープフルーツ? それにバラとラベンダー、ペパーミントだっただろうか。それらが、何もない空間から降ってきた。

「もしかして…、精霊様? すごく落ち着く香りと、華やかな香りに、スッとした爽やかな香り……、スッキリとした香りがするわ……」

 グレープフルーツを軽く洗い、皮を剥いてみると、柑橘の爽やかな香りが広がる。皮に含まれる油が香りの成分かしら。他の柑橘類にも含まれていそうね……。


 以前許可をもらった、城の外の一角にある庭園に、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、バラ、ラベンダー、ペパーミントを植えてみた。

「今はやしたやつの香油作るっスか? 頼んで来るっスよ。ロイさんに伝えればいいっスよね! じゃあ少し外すっス。フィール、あと頼んだ!」

 そう言ってセイルは、別館の方へと走って行った。

 そして私は、最近出来たオリーブオイルを使い、セッケンを作っていく。

 香りは今後、詳しい人に調合してもらえば良いだろうし。

 時間をかけてセッケンを作って行く。少し多めかも知れないけれど、手洗いにも使えると言うことで、温泉だけではなく、厨房などにも置かれ使ってみてもらう事にした。


 セッケンだけだと、髪はキシキシするみたいなので、それ専用のセッケンも研究され開発された。

 温泉の為に、色々なフレーバーのセッケンが開発され領地中に定着して行った。私が好きなのは、ラベンダーの香りとオレンジの香りだろうか。

 そうして人気商品になるのは、また別のお話…。
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