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出遭い
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下拵えの終わった私達は食堂へと向かった。
お父様もお母様もお兄様も食卓についていて、私の家庭料理にしか過ぎないものを楽しみにしてくれているみたいだ。
下味をつけて焼くだけにしたステーキや薄く切ったローストビーフ、トロリとしたコーンポタージュ、前菜にサラダも付けてくれた厨房のみんなには感謝しかない。
「温かい内に頂こうか。ルカの分もあるようだし、アンジェが作ってくれたのに無駄にしてはいけないね」
そう言ってお父様はルカにウインクする。
「ですが…」
「ルカ…。今後は侯爵家の子息として一緒に食べようか。アンジェの気持ちを無駄にするのが本意なのかい?」
「わかりました。ご一緒させて下さい」
「それじゃあ今度こそ頂こうか」
そう言って興味深げにローストビーフへと、フォークをのばすお父様。
お兄様とルカはステーキから。お母様は興味深そうにコーンのポタージュスープから食べるみたいだ。ドキドキとみんなの反応を見守る私。
「ん…! このほんのり甘いコーンのスープ、とても美味しいわ!」
「こんな深い味わいは初めてだよ。美味しいよ、妖精ちゃん!」
「この薄い肉は生の様で違うんだね。上にかけてあるソースと合っていて美味しいよ、アンジェ」
「お嬢様、この肉は味付けをして置いていた物ですよね? とても美味しいです」
みんな喜んでくれてるみたいでとても嬉しい。でもルカのお嬢様呼びは、侯爵家子息として食べてるなら私だってルカお兄様と呼びたいし、アンジェと呼ばれたいのに。
「お食事の時だけでも、アンジェって呼んで欲しい。私もルカお兄様と呼ぶから」
「なら、僕も妖精ちゃんにフェルドお兄様と、久しぶりに呼んで欲しいな。ルカの呼び捨てに慣れる為にとか言って呼んでくれなくなったけど、慣れたし解禁でしょ?」
「わかったわ。フェルドお兄様とお呼びすればいいのね」
「いつもでもいいよ?」
そういう言ったお兄様は、いたずらっぽく微笑んだ。
「そういえばアンジェ、また魔法生物を作ったんだって? その子は今日はいないのかい?」
前回動かなくなったそれを抱きしめ、泣き喚いてしまったせいか、お父様は心配そうにそう言った。
「今日はお部屋で魔法結晶を食べているわ。むっちりもふもふで可愛いの」
「今度はその子も、連れてきなさい」
「はい。わかりました、お父様。今日の料理に使った食材も、その子が見つけてきてくれたのですよ」
「食材を異世界から取って来てもらったの。ハーブミックスとかこの世界には無いでしょう?」
ぽかんとした表情で私を見つめる彼らに、今まで伝えられなかった事を話す覚悟を決めた。
お父様もお母様もお兄様も食卓についていて、私の家庭料理にしか過ぎないものを楽しみにしてくれているみたいだ。
下味をつけて焼くだけにしたステーキや薄く切ったローストビーフ、トロリとしたコーンポタージュ、前菜にサラダも付けてくれた厨房のみんなには感謝しかない。
「温かい内に頂こうか。ルカの分もあるようだし、アンジェが作ってくれたのに無駄にしてはいけないね」
そう言ってお父様はルカにウインクする。
「ですが…」
「ルカ…。今後は侯爵家の子息として一緒に食べようか。アンジェの気持ちを無駄にするのが本意なのかい?」
「わかりました。ご一緒させて下さい」
「それじゃあ今度こそ頂こうか」
そう言って興味深げにローストビーフへと、フォークをのばすお父様。
お兄様とルカはステーキから。お母様は興味深そうにコーンのポタージュスープから食べるみたいだ。ドキドキとみんなの反応を見守る私。
「ん…! このほんのり甘いコーンのスープ、とても美味しいわ!」
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「この薄い肉は生の様で違うんだね。上にかけてあるソースと合っていて美味しいよ、アンジェ」
「お嬢様、この肉は味付けをして置いていた物ですよね? とても美味しいです」
みんな喜んでくれてるみたいでとても嬉しい。でもルカのお嬢様呼びは、侯爵家子息として食べてるなら私だってルカお兄様と呼びたいし、アンジェと呼ばれたいのに。
「お食事の時だけでも、アンジェって呼んで欲しい。私もルカお兄様と呼ぶから」
「なら、僕も妖精ちゃんにフェルドお兄様と、久しぶりに呼んで欲しいな。ルカの呼び捨てに慣れる為にとか言って呼んでくれなくなったけど、慣れたし解禁でしょ?」
「わかったわ。フェルドお兄様とお呼びすればいいのね」
「いつもでもいいよ?」
そういう言ったお兄様は、いたずらっぽく微笑んだ。
「そういえばアンジェ、また魔法生物を作ったんだって? その子は今日はいないのかい?」
前回動かなくなったそれを抱きしめ、泣き喚いてしまったせいか、お父様は心配そうにそう言った。
「今日はお部屋で魔法結晶を食べているわ。むっちりもふもふで可愛いの」
「今度はその子も、連れてきなさい」
「はい。わかりました、お父様。今日の料理に使った食材も、その子が見つけてきてくれたのですよ」
「食材を異世界から取って来てもらったの。ハーブミックスとかこの世界には無いでしょう?」
ぽかんとした表情で私を見つめる彼らに、今まで伝えられなかった事を話す覚悟を決めた。
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