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本編
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自分の好みの味になるだろうという量のブレンドをした茶葉は、香り高く出来たように思う。
「紅茶の色が薄い? けれど綺麗ですね…」
そう言うと、レイス様は紅茶に口をつけた。
お父様とお母様も香りを楽しんだあとに、口をつける。
「薔薇の香りがして美味しいわ! 香りが変わるだけで随分と雰囲気が変わるものね…」
お母様がそう言うと、お父様が、ラベンダーティーも楽しみだと言う。
「好き嫌いが分かれる味だと思うのですが…」
私はそういい、ラベンダーティーを注ぎ、口をつける。うんいい味になったと思う。
「美味しいよ! レイ。全然違うものになるのだね。元の茶葉は同じものなんだよね?」
…とレイス様。
「薔薇のお茶の方が華やかで好きだけど、ラベンダーのお茶もなんだか気持ちが安らいで美味しいわ」
「ラベンダーティーには、確か…、鎮静効果や鎮痛効果、それにリラックス効果があったと思うので、気が張っている時に飲むと安らげるのではと思います…」
「ローズティー? そちらにも何か効果があったりするのかしら…?」
お母様からの質問に、少し考え記憶を探る。
「確かこちらも鎮静効果や口内炎などに効果があったと思いますよ」
ずっと黙っていたお父様が、レイのおかげでなんとかなりそうだという。
「ラベンダーが咲き誇る領地があって、特産も特になくて、丁度ラベンダーの土地を開拓するかどうか悩んでいたのだよ。レイのおかげでその土地を有効に使い領民の暮らしも豊かに出来る可能性が出てきたよ」
嬉しそうにお父様がそう言うと、レイス様も微笑む。
「綺麗な光景ではあったけど、領民の生活の為に失くす方向に決まりかけていたんだ。素敵なアイデアをくれて、ありがとう!」
いや、破壊力抜群の笑顔でこっちを見ないでくれませんか。元の世界で、よく遊んでいた乙女ゲームの攻略対象って言われても信じてしまいそうな、イケメンっぷり、妹に発揮しないでください。悪役令嬢になる未来しかみえませんから~!
私がやっていたゲームには、レイス様やレイシアが出るゲームはなかった気がする…。余計なフラグはいりませんから!
慎ましく、暮らしながらお金をためて、自立できる様に頑張らなくては!
クッキーをつまみながら、フレーバーティーを楽しむ私達。
「あらあら」
「ふぅむ…」
何かお父様とお母様に生温かく見られてる気がする。
なんとも言えない居心地の悪さに、先程作って貰ったスプレーの瓶に、ホホバオイルに香りをつけたアロマオイルを入れる。
手のひらに、何度かプシュプシュッと押すと中身が霧状で吹き出す。
瓶をテーブルに置き、オイルを手のひらに満遍なく伸ばしてみる。おぉ、いい感じかも。思ったよりすぐに手に馴染んで、つるつるすべすべになる。
「優しい良い香りがするのね」
お母様が顔を寄せ、確かめる。
「顔にも使えるのかしら?」
言いつつ、スプレーを手に取り、私の真似をしながら言う。
「顔は大丈夫かテストをしてからが安全だと思いますが。素材的には問題ないかと…」
嬉しそうにお父様を見るとお母様は言うのだ。
「貴方! 顔用も開発するべきだわ! 手に塗っただけでこんなに違うんですもの!」
嬉しそうなお母様を止めることは出来ず、レイス様にサシェを渡して、しばらくお茶をしてから、また部屋へと戻るのだった。
「紅茶の色が薄い? けれど綺麗ですね…」
そう言うと、レイス様は紅茶に口をつけた。
お父様とお母様も香りを楽しんだあとに、口をつける。
「薔薇の香りがして美味しいわ! 香りが変わるだけで随分と雰囲気が変わるものね…」
お母様がそう言うと、お父様が、ラベンダーティーも楽しみだと言う。
「好き嫌いが分かれる味だと思うのですが…」
私はそういい、ラベンダーティーを注ぎ、口をつける。うんいい味になったと思う。
「美味しいよ! レイ。全然違うものになるのだね。元の茶葉は同じものなんだよね?」
…とレイス様。
「薔薇のお茶の方が華やかで好きだけど、ラベンダーのお茶もなんだか気持ちが安らいで美味しいわ」
「ラベンダーティーには、確か…、鎮静効果や鎮痛効果、それにリラックス効果があったと思うので、気が張っている時に飲むと安らげるのではと思います…」
「ローズティー? そちらにも何か効果があったりするのかしら…?」
お母様からの質問に、少し考え記憶を探る。
「確かこちらも鎮静効果や口内炎などに効果があったと思いますよ」
ずっと黙っていたお父様が、レイのおかげでなんとかなりそうだという。
「ラベンダーが咲き誇る領地があって、特産も特になくて、丁度ラベンダーの土地を開拓するかどうか悩んでいたのだよ。レイのおかげでその土地を有効に使い領民の暮らしも豊かに出来る可能性が出てきたよ」
嬉しそうにお父様がそう言うと、レイス様も微笑む。
「綺麗な光景ではあったけど、領民の生活の為に失くす方向に決まりかけていたんだ。素敵なアイデアをくれて、ありがとう!」
いや、破壊力抜群の笑顔でこっちを見ないでくれませんか。元の世界で、よく遊んでいた乙女ゲームの攻略対象って言われても信じてしまいそうな、イケメンっぷり、妹に発揮しないでください。悪役令嬢になる未来しかみえませんから~!
私がやっていたゲームには、レイス様やレイシアが出るゲームはなかった気がする…。余計なフラグはいりませんから!
慎ましく、暮らしながらお金をためて、自立できる様に頑張らなくては!
クッキーをつまみながら、フレーバーティーを楽しむ私達。
「あらあら」
「ふぅむ…」
何かお父様とお母様に生温かく見られてる気がする。
なんとも言えない居心地の悪さに、先程作って貰ったスプレーの瓶に、ホホバオイルに香りをつけたアロマオイルを入れる。
手のひらに、何度かプシュプシュッと押すと中身が霧状で吹き出す。
瓶をテーブルに置き、オイルを手のひらに満遍なく伸ばしてみる。おぉ、いい感じかも。思ったよりすぐに手に馴染んで、つるつるすべすべになる。
「優しい良い香りがするのね」
お母様が顔を寄せ、確かめる。
「顔にも使えるのかしら?」
言いつつ、スプレーを手に取り、私の真似をしながら言う。
「顔は大丈夫かテストをしてからが安全だと思いますが。素材的には問題ないかと…」
嬉しそうにお父様を見るとお母様は言うのだ。
「貴方! 顔用も開発するべきだわ! 手に塗っただけでこんなに違うんですもの!」
嬉しそうなお母様を止めることは出来ず、レイス様にサシェを渡して、しばらくお茶をしてから、また部屋へと戻るのだった。
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