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本編

26(レイス視点)

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 その後、建物が完成したらしい、僕が牛とやらとと鶏とやらを召喚する事になった。動物の世話する者も集めなくては。父上に、アイスクリームの機器を作って貰う事が決まった。

「それが出来ればアイスクリームがいつでも出来るのか!」

 父上も母上も、もちろん僕も嬉しい。動物に夢中らしく、モフモフとした背中をやわやわと撫でている。

 ふとレイは僕へと向き帰り、サシェを渡してきてくれた。

「遅くなりましたが…。今日乾燥してもらったラベンダーの花で作りました。本来なら時間がかかるのに乾燥してもらい、ありがとうございます」

 そう言って僕にくれる。レイからの初めての贈り物。可愛い妹のレイシアからは色々と貰ったはずなのに。すごく嬉しくて、大切な宝物だ。


「良い香りがするね。大切にするよ」

 僕はお礼を言い微笑んだ。嬉しすぎて、上手く笑えてる自信はなかったけど。ふと思い出すとさっき何かしたいと言っていたと思い出す。

「何かやりたい事あるんじゃないの?」

「えっと…、この瓶を消毒して欲しくて」

 そう言って、アイテムバッグに入れていた、瓶を出してきた。レイのお願いだもの。魔法で消毒をする。

「明日には酵母作りチャレンジしてみます!」

 そういった所で、何か気がついたように言い募る。

「あ、円柱の型と四角い型になりそうなものは、ありませんか? お菓子と石鹸の型に使いたいのですが」

「確かあったな…」

「いくつか頂いても?」

 レイは父上に確認しつつ、円柱の型と四角いの型をバッグに入れていく。

「呼び出した動物に、母上がハマったみたいだね…。離しそうにもないね…」

「離れたくないわ~。つぶらな瞳で可愛いいし」

「お母様が名前をつけて、可愛がってくれるなら安心です。私も飼った事はないので、野菜を食べるくらいしか知らなくて…」

「そうなのね、チャムちゃん、私のお部屋に来るかしら?」

「母上…、もう名前つけてるし、連れて帰る気満々じゃないか…」

 呆れた様に苦笑いし、レイス様は言った。

「レイ…。チャム…は、母上が帰る気みたいだから、欲しい動物いたら、また召喚しようね」

「そしたら、そのうちにで良いので、文鳥が良いです。桜文鳥! 可愛くて気が強くて好きなのです!」

「わかったよ。約束しよう。僕の姫君…」

 僕は、そう言うと跪き、手の甲にキスを落としたかと思うと「お休み! 良い夢を」と部屋を去った。


 僕らが去った後に二人が
「若いっていいわね…」とか「あれで二人共、無自覚なのか…?」と呟いた事を僕は知らない。
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