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本編
32(メルア視点)
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厨房へと足を運び、料理人達を呼ぶ。
「レイちゃんの事だけど、自分がレイシアを乗っ取ったと思ってるのかもしれないの。お料理であの子を癒やしたいの。あの子が作っていたレモンピールを使って、柔かいパンを。そして、パンチェッタを作ってくれないかしら…。あの子が今までにやった事が無駄ではないし、あの子が私達には必要だと伝えたいの…。貴方達は作り方を伝授されたのでしょう? レイちゃんが、元気になる様に、力を貸して貰えないかしら?」
私がそう言うと、料理人達は「勿論です」と答え、新たにパンを焼く為に彼等は、生地を作り始める。小さくみじん切りにしたレモンピール入りと、くるみ入りのパンを、料理人達は作ってくれた。
旦那様であるメルヴィス様とレイスにも意見を聞き改良を加える。
メルヴィス様も、私と同じ様に考えたみたいで、急ピッチで牛舎と鶏小屋の製作を進めているみたいだわ。
レイスはというと、レイが姿を見せなくなってから、目に見えるみたいに疲弊していった様に感じるわ。
多分、レイスにとってもレイちゃんが、特別な存在へとなって来ているように見える。以前のあの子なら誤解を持たせない様に、手を繋ぐなんて考えられなかったわ。
レイちゃんにとっても、レイスは特別に見えるわ…。
レイスが自身の持っている気持ちを伝え、血など気にしなくて良いのだと伝えられれば、好転するような気がする…。
だけど、私なりのやり方でも、レイちゃんが必要だと、各々がきちんと伝えなければいけないと漠然と感じる…。
レイちゃんの為だと思い、言わなかった事がレイちゃんを苦しめる事になるとは思わなかった…。
レイスの事だって、血が繋がっていなのだと、もっと早くに伝えていたら、塞ぎ込むより先にレイスを頼れたかもしれないのに……。
血の繋がりのない異性は緊張してしまうかもと、明かさなかったのが仇になった状況ね……。
一生懸命に笑って、私達の役に立とうと頑張って……。いつも笑ってくれるから大丈夫なのだと、辛くなんかないのだと過信してしまった。
私達は失いたくないから
、藻掻くしかないわ。確実な方法なんて、私達にはわからないもの。けれど藻掻いた先に、どんな結果が待っていても、何もしないよりずっとマシなはずよ…。
私達を拒絶するレイちゃんは見たくないけど、何もしないで彼女が離れていったり、失う事になってしまったら、悔やんでも悔やみきれないに違いないわ…。
最悪のシナリオを考えてしまうのは、私の癖ね…。自分の心を守る為に、最悪の事態を考えてしまう。
けれど、そうならない為に考え、努力することが出来るはず。
今は最善を掴み取る為に、出来る事をするしかないわ。メルヴィル様やレイス料理人達やティーファの笑顔を守るためにも…。必ず。
「レイちゃんの事だけど、自分がレイシアを乗っ取ったと思ってるのかもしれないの。お料理であの子を癒やしたいの。あの子が作っていたレモンピールを使って、柔かいパンを。そして、パンチェッタを作ってくれないかしら…。あの子が今までにやった事が無駄ではないし、あの子が私達には必要だと伝えたいの…。貴方達は作り方を伝授されたのでしょう? レイちゃんが、元気になる様に、力を貸して貰えないかしら?」
私がそう言うと、料理人達は「勿論です」と答え、新たにパンを焼く為に彼等は、生地を作り始める。小さくみじん切りにしたレモンピール入りと、くるみ入りのパンを、料理人達は作ってくれた。
旦那様であるメルヴィス様とレイスにも意見を聞き改良を加える。
メルヴィス様も、私と同じ様に考えたみたいで、急ピッチで牛舎と鶏小屋の製作を進めているみたいだわ。
レイスはというと、レイが姿を見せなくなってから、目に見えるみたいに疲弊していった様に感じるわ。
多分、レイスにとってもレイちゃんが、特別な存在へとなって来ているように見える。以前のあの子なら誤解を持たせない様に、手を繋ぐなんて考えられなかったわ。
レイちゃんにとっても、レイスは特別に見えるわ…。
レイスが自身の持っている気持ちを伝え、血など気にしなくて良いのだと伝えられれば、好転するような気がする…。
だけど、私なりのやり方でも、レイちゃんが必要だと、各々がきちんと伝えなければいけないと漠然と感じる…。
レイちゃんの為だと思い、言わなかった事がレイちゃんを苦しめる事になるとは思わなかった…。
レイスの事だって、血が繋がっていなのだと、もっと早くに伝えていたら、塞ぎ込むより先にレイスを頼れたかもしれないのに……。
血の繋がりのない異性は緊張してしまうかもと、明かさなかったのが仇になった状況ね……。
一生懸命に笑って、私達の役に立とうと頑張って……。いつも笑ってくれるから大丈夫なのだと、辛くなんかないのだと過信してしまった。
私達は失いたくないから
、藻掻くしかないわ。確実な方法なんて、私達にはわからないもの。けれど藻掻いた先に、どんな結果が待っていても、何もしないよりずっとマシなはずよ…。
私達を拒絶するレイちゃんは見たくないけど、何もしないで彼女が離れていったり、失う事になってしまったら、悔やんでも悔やみきれないに違いないわ…。
最悪のシナリオを考えてしまうのは、私の癖ね…。自分の心を守る為に、最悪の事態を考えてしまう。
けれど、そうならない為に考え、努力することが出来るはず。
今は最善を掴み取る為に、出来る事をするしかないわ。メルヴィル様やレイス料理人達やティーファの笑顔を守るためにも…。必ず。
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