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本編

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「プリン? すごく綺麗で可愛くてどんな味がするのかなって気になっていたので嬉しいです」

 ティーファさんが、部屋についてから、頬を赤らめながら言った。

 あー…。可愛い…! やっぱり女の子は可愛いスイーツ好きよね。なんて事を思いつつ、彼女の分も頼んで良かったと改めて思う。

 午前中は、家庭教師との勉強。午後はお料理って好きな事をさせてもらっているのでありがたい。

 お母様もお茶会や舞踏会に出かける事もあるらしいけど、今は兎のチャムに夢中らしくて、めったに外に出ないらしい。

 お父様は、領地の件で普段は外出する機会が多いらしいけれど、アイスクリーム、アロマオイル、白米と、自領に良い影響を与えてくれる案件が色々出てきたので、屋敷でレイス様と事業計画を練っているらしい。

今日も寝る前にお風呂に入られますか?」

 ティーファさんに言われ、夕食前にお風呂を頂くことにした。

 髪をしっかりと乾かし、銀色の生地に紫の刺繍の入ったリボンを編み込んだ、ゆるいみつあみを後ろに一つ垂らす。

 淡い藤色のドレスに銀色のレースを施してあるドレスを着せられ、夕食への準備をする。

 リボンや持っているドレスの色合いを見ると、改めてレイシアさんはレイス様を大好きだったのだと痛感する。

「本当に私が乗っ取ったんじゃないのかな……。いつか一つに下さいなれる日が来るのかな」

 少し弱気になって口にする。

「異世界の知識に詳しくなっただけで、レイス様を大好きなのも、優しい所も変わっていませんよ……」

「ありがとうございます。今の私ができる事も、限られているけど、その中で出来ると思う事をやって行きたいです。自己満足だろうけど……」

「そんな事はありません。アイスクリームやオイル、セッケン等は職業率の向上に繋がりそうです。あ…、頂いたセッケン使わせていただきましたが、手荒れも軽くなりツヤツヤになりました。ありがとうございます。」

 ペコリと感謝の言葉と共に会釈すると、言葉を続けた。

「それに……、稲は飢えで命を落とす者を減らします。自己満足ではありませんよ」

「そうかな…。そうだといいな……。あ…、年上相手にタメ口かも…。ごめんなさい」

「タメグチ……? よくわかりませんが、近しい話し方で嬉しいです。レイ様はレイ様らしくが、私は一番嬉しいです…」

 そう言ってドレスの着付けの仕上げや、メイクを仕上げていってくれる。

 ティーファさんが喜ぶ事も、もっと出来ればいいなとそんな事もこっそりと思う。ゆずの種とかお酒を入手出来たら化粧水とか作ってみようかななんて、そろそろ行かなくてはと声をかけられるまで、想像を巡らせた。
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