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本編
65(レイス視点)
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「お米…、稲でもいいからないのかなぁ…」
「家畜の飼料の?」
僕は、レイが口にした事に驚く。稲なんてどうするつもりだ…。それは家畜の飼料にしかならなくて、消費が追いつかず、今にも廃棄を考えていたものであったから。
「家畜の餌…。でも…、あるんですか? 籾殻取って糠取って炊いたら美味しいのに…」
稲を手に入れたら彼女は何をするつもりなのだろう。
「少し乾いた稲貰ったら怒られますか? 無理に皆さんに食べさせたりしないので…」
レイは食べるといったのか……? レイが作り出すカテイリョウリなるものは、どれも美味しいと思う。どうにも使いようがなくて、廃棄をしなくてはならない稲が、どう変化するのかすごく興味もあった。
「レイが作るものは美味しいんだから、食べるに決まってるよ! あと稲だけど……、うちの領内で近年取れすぎて、消費が追いつかないから廃棄処分も検討されているんだよ。そこで人も食べられるとわかったら、領内の人達がパンよりも手軽に食べれる様になるかもしれないよ? 仕事も増えるだろうし…」
「この覆いかぶさっている籾殻を取ったら、茶色いお米が出てきます。健康にはいいのですが、美味しくはないので研磨して白くしたいのです…」
「ふぅ~ん。風魔法で出来そうだよね…」
そう言うと僕は、魔法を使う。
「すごい風が…」
レイは強風に煽られてよろけてしまう。魔法の風は収まり、穏やかさを取り戻す。
「はぁ、急に風が起こるから驚きました!」
レイの事だから、使い分けするかも知れないと思い、分けて見たけど意味があるのか。
「すごい! なんで?」
「レイなら使い道知ってるかもしれないから分けておいたよ!」
そういうと笑顔を見せるレイに、笑みが自然と浮かぶ。
「ありがとうございます! これでぬか漬けも出来ちゃいます! 嬉しい!」
「お礼のキスはしてくれないの?」
僕がそういうと、何か決死の覚悟といった体で、頬にキスをするレイ。僕は嬉しくて微笑んでしまう。
「わぁ! 白いご飯~! 早速炊いて見てもいいですか? あ、籾殻は私の世界で昔枕として使われてみたいです」
すごく嬉しそうなレイを見るとなんだか和む。
「いいよ」と一言いうと分けた物を、レイはアイテムバッグにいれて、僕の腕を引っ張る様に厨房へと歩き出した。
「こんにちは~、また厨房をお借りします」
そう料理人の面々に声をかけられ、レイは瞳を潤ませながら言った。
「心配をおかけしました。皆さんが頑張って作ってくれたクルミ入りのパンやレモンピール入りのパンも美味しかったです」
「良かったです。頑張ったかいがありました。今日もなにか作られるんですか?」
欲しい材料を伝え、代用出来るものを確認し、アイテムバッグから、ハクマイと読んでいたものを出す。
ハクマイを洗い、しばらく水につけておくようだ。
「家畜の飼料の?」
僕は、レイが口にした事に驚く。稲なんてどうするつもりだ…。それは家畜の飼料にしかならなくて、消費が追いつかず、今にも廃棄を考えていたものであったから。
「家畜の餌…。でも…、あるんですか? 籾殻取って糠取って炊いたら美味しいのに…」
稲を手に入れたら彼女は何をするつもりなのだろう。
「少し乾いた稲貰ったら怒られますか? 無理に皆さんに食べさせたりしないので…」
レイは食べるといったのか……? レイが作り出すカテイリョウリなるものは、どれも美味しいと思う。どうにも使いようがなくて、廃棄をしなくてはならない稲が、どう変化するのかすごく興味もあった。
「レイが作るものは美味しいんだから、食べるに決まってるよ! あと稲だけど……、うちの領内で近年取れすぎて、消費が追いつかないから廃棄処分も検討されているんだよ。そこで人も食べられるとわかったら、領内の人達がパンよりも手軽に食べれる様になるかもしれないよ? 仕事も増えるだろうし…」
「この覆いかぶさっている籾殻を取ったら、茶色いお米が出てきます。健康にはいいのですが、美味しくはないので研磨して白くしたいのです…」
「ふぅ~ん。風魔法で出来そうだよね…」
そう言うと僕は、魔法を使う。
「すごい風が…」
レイは強風に煽られてよろけてしまう。魔法の風は収まり、穏やかさを取り戻す。
「はぁ、急に風が起こるから驚きました!」
レイの事だから、使い分けするかも知れないと思い、分けて見たけど意味があるのか。
「すごい! なんで?」
「レイなら使い道知ってるかもしれないから分けておいたよ!」
そういうと笑顔を見せるレイに、笑みが自然と浮かぶ。
「ありがとうございます! これでぬか漬けも出来ちゃいます! 嬉しい!」
「お礼のキスはしてくれないの?」
僕がそういうと、何か決死の覚悟といった体で、頬にキスをするレイ。僕は嬉しくて微笑んでしまう。
「わぁ! 白いご飯~! 早速炊いて見てもいいですか? あ、籾殻は私の世界で昔枕として使われてみたいです」
すごく嬉しそうなレイを見るとなんだか和む。
「いいよ」と一言いうと分けた物を、レイはアイテムバッグにいれて、僕の腕を引っ張る様に厨房へと歩き出した。
「こんにちは~、また厨房をお借りします」
そう料理人の面々に声をかけられ、レイは瞳を潤ませながら言った。
「心配をおかけしました。皆さんが頑張って作ってくれたクルミ入りのパンやレモンピール入りのパンも美味しかったです」
「良かったです。頑張ったかいがありました。今日もなにか作られるんですか?」
欲しい材料を伝え、代用出来るものを確認し、アイテムバッグから、ハクマイと読んでいたものを出す。
ハクマイを洗い、しばらく水につけておくようだ。
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