【本編完結】貴方のそばにずっと、いられたらのならばいいのに…。

皇ひびき

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番外編

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 熱々の焼きリンゴにアイスクリームの冷たさ。レイス達も口に合うと良いな。そんな事を考えていると、レイスが「食べさせて欲しいな」なんて甘えてきた。

 ここ人前なんだよー…と思いながらも、可愛くおねだりされると、ついお願いを聞いてしまう私。

「仕方ないですね~…。あ~ん」

 デザートスプーンに小さく切ったリンゴとアイスを乗せ彼の口元へと運ぶ。

「自分で食べるより、ずっと美味しいよ、レイ!」

 ニッコーと輝かんばかりの笑顔をみせてくれるレイス。私はこの笑顔に弱いらしい。

 クッキーやスコーンをつまみながら、軽くお父様達とお茶を楽しみ、しばらく庭園をレイスと腕を組んでお散歩。している内に夕食の時間を迎えた。


「今日は何を作ってくれたの?」

 お母様が小首を傾げて言う。本来であれば、前菜からのフルコースメニューを口にしていたはずなのに、私の影響でポテサラダ、ラザニア、コンソメスープと言ったものが一斉にテーブルへと並んだ。

「今日はレイスのリクエストに答えてラザニアにしてみました」

 そう言うと、お父様とお母様は嬉しそうに微笑む。

 料理を運んできた料理人が、ラザニアを切り分けてそれぞれのお皿に盛り付けてくれる。

「温かい内に頂きましょう?」

 温度を保つお皿の為、冷めることはあまりないと理解はしつつそう言うと、各々がラザニアを口にした。

「ミートソースと白いソースが絶妙に絡み合っているね。美味しいよ」

「見た目的にこってりしてるのかと思ったけれど、トマトの爽やかさもあるせいなのか、想像よりもさっぱり食べやすいわ」

「ポテトサラダも卵やツナを入れるせいか、味に深みがあるね。以前の食事に戻れそうもないよ。レイが食事を変えてくれたから、そんな事は起こりえないけど。ありがとう、レイ。大好きだよ」

 私達は夕食を済ませ、アイスを添えた温かい焼きリンゴがデザートとして出てきた。

「ちょっと茶色くて地味なのですが…、どうぞ。お父様に甘過ぎるようだったら、アイスに濃いコーヒーをかける形のデザートもありますが…」

「両方頂こうかな、皆も食べたいだろうし」

 少し癖のあるシナモンパウダー入りのリンゴとアイスをぺろりと食べてしまい、前世でエスプレッソをかけるアフォガードもテーブルへと並べ、思い思いに会話をする楽しい時間を過ごす。

 アフォガードも食べ物のような飲み物のような、不思議な食感が喜ばれ、お茶の時間にテーブルにのぼる
ことが増える事になる。

「御馳走様、今日も美味しい食事をありがとう」

 食後にそう言って、額にキスを落とすレイスに、翻弄されるのはまた別のお話。
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