【本編完結】私のキャビンへようこそ!

皇ひびき

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番外編

ワタシの過去と日常(雨夏視点)

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 私はシックステイルの群れの中で生まれた。みんなは全身綺麗な銀糸の様な銀一色の身体。青い瞳をしていた。

 ワタシだけが異質。毛が生え揃う頃には、群れから追い出されて、一人でいろいろな所を彷徨ってた気がする…。

 多分ワタシは死に場所を探してた。温かい場所を夢見ながら、ワタシには与えられる事はないのだと諦めていた。でも本能は別物みたいで、襲われれば生き残るために戦ってしまうし、生き残ってしまってた。

 そんな風にお腹を空かせて、ケメルの森で蹲っていると、何やら人間が寄ってくる。

 襲う気配もなく近くに来るだけ。何なんだろう。この人間たちは…、そう戸惑っていると、あるじが唐揚げという食べ物と、名前をくれた。

 その後にキャビンとかいう不思議な所に連れて行かれ洗われた。

「モフモフ~」

 そう言いながら暇さえあれば、ワタシを撫でてくれる。その温かさに時折ワタシは孤独だった時代を思い出し胸が痛くなる。このぬくもりを無くしたくはないと。
 
 ワタシをテイムした気はなかったらしいあるじとシルに名前を呼び捨てにしてと頼まれ、シルは一貫してるのに…、たまにあるじと呼んでがっかりされる。でも思う時はいつも私のあるじと思っているよ。シルもだけど、ワタシに温かい気持ちをくれた人たち。


 そのうちに牧場という所に連れて行かれ、雑草を採ったりという作業を手伝ったりしていた。

『ワタシにもお料理出来たら良いのに』

 そう言うとあるじが「試して見たら?」と、そう言ってくれたので、料理をやってみた。結果から言うと出来た。でも、石や木材を選ぶと何やら怪しい料理が完成した。

 最近は失敗した料理をシルに頼んで敵に投げつけてもらって、どんな効果が出るのかを楽しんでいる。そもそもわざと普段使わない物を料理にしている。そんなワタシを呆れたみたいにあるじとシルが見てる時があるけど、気がつかない振りをする。


雨夏うかも木を切れれば良いのにねぇ、伐採と鉱石のスキルは、出来ないから上がらないねー」

 あるじがそう言うと、「風の魔法とか使えたら木は切れそう」ってシルが言い、スクロールを装備し、試すと切れる事がわかった。

 おかげで伐採というスキルも少しずつ上がってきた。

 モンスターと言われる存在らしのに、「ワタシだけ家で眠っていいよ」ってあるじとシルが言ってくれる。「もうワタシたちは家族みたいなものだから」って。
 何故だろう。嬉しいのに泣きそうな気持ちになる。

 すごく幸せで楽しい時間が過ぎていく。でもあるじは、たまに夜中に飛び起きて、シルやワタシには気づかれない様に外で泣いてる時がある。そんなあるじを何度となく見かけた。でも声はかけられなかった。もっと傷つけたらと思うと怖いから……。

 失った記憶や自身の存在が原因で、シルやワタシを傷つけないか…、それをあるじは恐れてるみたいだった。

 行き場を無くしてたワタシたちに、安心して過ごせる居場所を与えてくれたのは、他でもないあるじなのに…。あるじは一人で泣いてる…。

『いつかシルやワタシを、安心して頼ってくれる日がきます様に』

 そう願いながら、こっそりと寝床にもどるワタシだった。
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