6 / 50
出逢い 樹里視点
5★
しおりを挟む
ん…?なんで?1つの木にパインとオレンジなってんのかな??
今朝にょきにょきと生えてきた樹木からは、やたらめったら美味しそうな果物がなっている。
「なんで…、違う果実が…、同じ木になってるのかな?しかもパインって、地面に生えるやつじゃ??」
混乱のあまり叫ぶ私に、雪くんは笑っていう。
「これはあやかしの木と言って、あやかしと恩人としての絆を結んだ人にしか、手にできない植物の種です。穢れた土地ではあまり育たないので、ここまでなるのは凄いです!僕は種を生み出すのは初めてなのですが、嬉しいです!」
雪くんはそう言いニコリと笑った。可愛いなぁ……。
「しかも樹里さんは、龍脈の上に植えられた。その直感力とセンスは素晴らしいです!それに人間界と共存共栄しているあやかしにしか生み出せない種なのです。
それをものの数分で、育てあげてしまうなんて…!おかげで失ってた妖力も回復出来たので、こんなに回復できました」
そう言い、うっとりと頬を染めながら、おショタが私を見上げてくる。雪くんがクリクリとしたお目々で見上げてくる姿が、なんとも言えずあざとい…。
とりあえず頭を撫でとこう…、と呆然としながらも小鳥の姿と変わらずツルリとした雪くんの頭を撫でていると、彼はうっとりと少し細められた。キラキラした瞳で、こちらを見つめている。うん、やはりあざとい。
★★★
深呼吸を一つ。
「雪くん、それじゃなんで…、いろんな種類の果物がなってるのかな?」
「僕のあやかしの木は、授けられた人の思いに反応するので、なにか食べたい!とか思わなかったですか?あとは与えるあやかしの気質によって、はえるものが違うらしいですが……」
一度言葉を切って、また口を開く雪くん。
「多分、黒毛和牛食べたいと念じたら、最高級の出てきますよ?僕は食べるのが大好きなので、生えてくるのは食材の様です。仕上げの料理をしないといけないもの。でもチーズや、バター、ベーコンや生ハムといった食材カテゴリでも認識されてるものは、生えてきますね、多分ですけど…」
「雪くん!なにそれ!すごく便利じゃないです?いや……、でもそれ他所の人に見つかると不味いものなんじゃ……?」
少し不安になる私。
「僕の眷属やあやかしにしか、この木は見えませんので…」
むむ。料理の素材が生えてくる木…。
便利だけど何か試してみるかな。
「唐揚げとか私は食べたいけど、雪くんだと、共喰いになっちゃうかな」
「僕、鳥に見えるかもだけど、文鳥のあやかしなので鶏肉食べますよ。食べ飽きた粟とかよりずっといい……!」
「そっか。じゃあ鶏肉で唐揚げ作りたいな~!あとサラダ用にトマトときゅうりと……、水菜とか、いりごまとかほしいな。それで遅くなったけど、お昼の準備しようっか??」
★★★
気がついたらもう14時近いもの。
あ、小鳥さん用に、ご飯頼んだけど無駄になっちゃったかな…。
置き配で頼んでるから、そろそろ届いてるはず。
「雪くんは、雀さんとかのお友達いるの??」
「何故ですか?」
「今日から粟のご飯で看病しようと思って、買ってしまったの。もしお友達がいたら、食べてもらえないかなって思って」
「樹里さん!ありがとうございます!なんて優しいんでしょう!」
頬を染めながらそう言う雪くんが……、うんあざと可愛い。
「わかりました。ちょっと待ってくださいね」
雪くんはそう言うと、チョッチョピーヨーと長めに、文鳥らしいお声で高く声を上げた。
今朝にょきにょきと生えてきた樹木からは、やたらめったら美味しそうな果物がなっている。
「なんで…、違う果実が…、同じ木になってるのかな?しかもパインって、地面に生えるやつじゃ??」
混乱のあまり叫ぶ私に、雪くんは笑っていう。
「これはあやかしの木と言って、あやかしと恩人としての絆を結んだ人にしか、手にできない植物の種です。穢れた土地ではあまり育たないので、ここまでなるのは凄いです!僕は種を生み出すのは初めてなのですが、嬉しいです!」
雪くんはそう言いニコリと笑った。可愛いなぁ……。
「しかも樹里さんは、龍脈の上に植えられた。その直感力とセンスは素晴らしいです!それに人間界と共存共栄しているあやかしにしか生み出せない種なのです。
それをものの数分で、育てあげてしまうなんて…!おかげで失ってた妖力も回復出来たので、こんなに回復できました」
そう言い、うっとりと頬を染めながら、おショタが私を見上げてくる。雪くんがクリクリとしたお目々で見上げてくる姿が、なんとも言えずあざとい…。
とりあえず頭を撫でとこう…、と呆然としながらも小鳥の姿と変わらずツルリとした雪くんの頭を撫でていると、彼はうっとりと少し細められた。キラキラした瞳で、こちらを見つめている。うん、やはりあざとい。
★★★
深呼吸を一つ。
「雪くん、それじゃなんで…、いろんな種類の果物がなってるのかな?」
「僕のあやかしの木は、授けられた人の思いに反応するので、なにか食べたい!とか思わなかったですか?あとは与えるあやかしの気質によって、はえるものが違うらしいですが……」
一度言葉を切って、また口を開く雪くん。
「多分、黒毛和牛食べたいと念じたら、最高級の出てきますよ?僕は食べるのが大好きなので、生えてくるのは食材の様です。仕上げの料理をしないといけないもの。でもチーズや、バター、ベーコンや生ハムといった食材カテゴリでも認識されてるものは、生えてきますね、多分ですけど…」
「雪くん!なにそれ!すごく便利じゃないです?いや……、でもそれ他所の人に見つかると不味いものなんじゃ……?」
少し不安になる私。
「僕の眷属やあやかしにしか、この木は見えませんので…」
むむ。料理の素材が生えてくる木…。
便利だけど何か試してみるかな。
「唐揚げとか私は食べたいけど、雪くんだと、共喰いになっちゃうかな」
「僕、鳥に見えるかもだけど、文鳥のあやかしなので鶏肉食べますよ。食べ飽きた粟とかよりずっといい……!」
「そっか。じゃあ鶏肉で唐揚げ作りたいな~!あとサラダ用にトマトときゅうりと……、水菜とか、いりごまとかほしいな。それで遅くなったけど、お昼の準備しようっか??」
★★★
気がついたらもう14時近いもの。
あ、小鳥さん用に、ご飯頼んだけど無駄になっちゃったかな…。
置き配で頼んでるから、そろそろ届いてるはず。
「雪くんは、雀さんとかのお友達いるの??」
「何故ですか?」
「今日から粟のご飯で看病しようと思って、買ってしまったの。もしお友達がいたら、食べてもらえないかなって思って」
「樹里さん!ありがとうございます!なんて優しいんでしょう!」
頬を染めながらそう言う雪くんが……、うんあざと可愛い。
「わかりました。ちょっと待ってくださいね」
雪くんはそう言うと、チョッチョピーヨーと長めに、文鳥らしいお声で高く声を上げた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
27
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる