僕らは言葉から恋をした

ぽんだ夜光

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僕らは言葉から恋をした

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その昔、魔物を崇めていた時代がありました。魔物は神よりも人間に近しい存在だったので、こちらが下手に出ていれば危害は加えられず恩恵をもたらしてくれたからです。
しかし、人間はいつしか自分たちの存在の方が上なのだと思い込むようになりました。そして各地で魔物が殺され始めました。

けどやられてばかりの魔物ではありません、かつての自分たちの力を思いだし、呪いをかけたり食い殺したり集落ごと壊滅させたりと争いを起こしました。

人も魔物もあらゆる手を使いましたが、勝利したのは人間側でした。しかし、死んで行った魔物たちは様々な呪いを残して逝ったので普通の人間とは違う存在の人が極わずかにいました。







生まれてこの方、誰も傍に居てくれなかった。まぁ無理もない、だって俺は人間じゃないから。両親は至って普通の人間だ、なんで俺が人間じゃないか…それは俺の家系が代々メドゥーサを崇拝していた。けど、ある日俺の両親は崇拝していた存在を危惧して殺した。
しかし、死の間際に、力を振り絞ったメドゥーサが俺の両親にある呪いをかけたらしい。それは産まれてくる子供にメドゥーサの力を与え、ゆくゆくは完全にメドゥーサになるというもの

そのせいで俺はずっと離れに隔離されて育ってきた。両親以外は俺を知らず、その両親は俺を愛さずに最低限育て自意識が芽生える頃には俺は樹海に捨てられた。

でも、俺には知識があった。離れは元々は物置だったため、たくさんの本があったのだ。俺はその知識を元にうろ覚えながらも家を建て、狩りや森の木の実で生きながらえていた。たまに動物が果物を届けてくれたりしたが、それでも俺はひとりぼっちだった。

だって…

俺の目を見たら石になってしまうから

みんな俺を仲間だと思って沢山の食べ物をくれたけど、不意に俺の目を見てしまい、何匹もの友達を石にしてしまった。そして、数が増えると共に俺の元へは誰も来なくなってしまった。悲しくて、寂しかったけど石にしてしまうよりはマシだと思った。メドゥーサは不老不死という話を昔読んだ。俺は生涯一人ぼっちなのだの思っていた。涙の熱さも人の温度も知らない。誰も愛さず誰にも愛されず…そんな日々がある日突然変わった。あの子によって

その日は突然訪れた。俺はいつものように森へ食べ物を探しに行ってて、帰りに昔作った手作りのブランコの存在をふと思い出した。久しぶりに見に行ってみようかと思って行ったら、俺と同い年くらいの青年がいた。
まずい、急いで逃げなきゃ!と思って引き返そうとしたがどうもその男の子の様子はおかしかった。ロープをぺたぺたしたり、板に手を滑らせたりしていて一向に乗る気配が無かった。

💠「…?」

しばらく木の影に隠れて様子を見守っていたが、どうにもブランコの乗り方を知らないらしく困っているようだった。
ロープを下にギシギシと引っ張ったり、もう片方のロープを手にしたりしているが一向に乗ろうとしないためいい加減もどかしくなり、俺は深く注意を払ってその青年に話しかけることにした

💠「………」

🌻「ねぇ」

ビクッと体を震わせてこちらを振り返ったけどやっぱり変だ。だって、目を閉じて俺ではなく周囲をキョロキョロと見渡していたのだから。

🌻「俺はここだよ?」

💠「…えっと…こっちか?」

と左を指さして

🌻「あ~、違う違う。もう少し右だよ。」

するとこうか?とこっちを指さしてきたから

🌻「正解、ってか俺からそっちに行けば良かったね
。」

と青年に向かって足を進めることにした。

💠「あの…ここは一体何処なんだ?今はお昼?それとも夜?」

🌻「え、ここは森だよ。人は普通来られないくらい深い森だけど…あと、今は昼。」

💠「そうだったのか。教えてくれてありがとう」

と不意に目を開けられてしまい、俺は目が合ってしまった。

🌻「しまった!」

とまた俺は生きるものを手にかけたと思ったが、一向に青年は石にならない。

💠「?どうかしたか?」

🌻「え…」

青年の目を見てみると、どこか濁っていて焦点は合わず光は無かった。

🌻「君…もしかして目が見えないの?」

💠「あぁ、生まれてこの方何も見た事がないぞ」

なんてサラリと言いながら笑う青年は、再び目を閉じた。正直ホッとしたし嬉しかった、俺の姿は見えず、石にならない。初めての存在になってくれるかもしれない

🌻「そうなんだ…すごく綺麗な目なのにもったいないね。」

💠「綺麗?どんな目をしているんだ、俺は」

教えてくれと急かされて俺は上手く伝わる言葉は無いかと昔読んだ本を頼りに言葉にしてみた。

🌻「えっとね、アメジストの紫色と琥珀の黄金色」

💠「アメジスト…琥珀…ふふ、見たことがないし分からないが俺はそんなに綺麗な目をしているのか。宝の持ち腐れだな」

クスクスと笑うその顔は、優しくて。悲しいことを言っているだけに恐ろしく感じた

🌻「自分で言ってて悲しくないの?」

💠「ふふ、今までたくさんのものを諦めてきたんだ。今更どうってことない」

穏やかに、優しく波打っていない水面のように何処までも真っ直ぐに言葉を紡ぐ目の前の青年に俺は親近感を抱いた。



🌻「はは、奇遇だね。俺も色々諦めてきたよ」

💠「お前も?」

🌻「うん、俺も普通の人間じゃないからさ」

💠「…そうだったのか。」

俺の痛みには触れず、何も言及してこないこの青年はやっぱり不思議だった。

🌻「…ところで、君は名前は何ていうの?」

💠「俺は暗だ。…お前の名も聞いていいか?」

🌻「俺はね、明。人に名前を教えるのは初めてだなぁ。」

…誰にも求められてこなかった俺が初めて求められたのは名前だった。嬉しかった、石のように固まっていた俺の心が熱を帯びたような気分だ

💠「明…明…、優しい響きだな。」

🌻「暗の方こそ…ところで、さっきからブランコ触ってるけど乗りたいの?」

💠「ん?あぁ…これがブランコだったのか」

そうかこれが、と嬉しそうにブランコを触る暗は無邪気な子供のようで愛らしかった

🌻「乗る?これ、昔俺が作ったんだ」

💠「明はブランコを作れるのか、凄いなぁ。…乗りたいけど、落ちたら怖くて…」

🌻「そんなに高くは振り上がんないし、大丈夫。俺がサポートしてあげるし万が一落ちても地面は草と苔でふかふか。怪我しないよ」

そう言うとおずおすとブランコに乗って両手にロープを持ったが、漕ぎ出そうとしない

🌻「漕がないの?」

💠「ど、どうやって漕ぐんだ」

🌻「あぁ~、そういう事か。両足を閉じて」

💠「こ、こうか?」

🌻「そうそう、んで地面を後ろに蹴って、足を折り曲げて、前に進んだら伸ばして?それを繰り返したら大丈夫。俺も押してあげるから心配しないで?」

俺の言った通りに漕ぎ出したものの、覚束無い動作で不安定なため、俺は優しくゆっくりとブランコを押した。

💠「わわ、落ちる!」

🌻「手放さなきゃ大丈夫、安心して?」

そう言うと暗はギュッと両手に力を入れて足を折り曲げ、俺に押されることによって振れるブランコを楽しむことにしたようだ

💠「ふふ、ブランコは面白いんだな。風が後ろからも前からも来る」

🌻「はは、風が面白いなんて感性が素敵だね。暗は」

💠「そうなのか?」

🌻「うん。俺はそんな感性は無いからすごいなって思うよ」

💠「俺は、明もすごいと思うぞ。」

🌻「俺?」

💠「うん、本を読んでそれを形にして俺にも出来るだけわかるようにと例え話をしてくれる。目の見えない俺に優しくしてくれて、こうしてブランコを押してくれて…普通の人にはできないと思う」

🌻「…」

嬉しかった。初めて誰かに褒めてもらえて…俺にとっての当たり前を特別だと言葉にして伝えてくれて…
俺は感極まってしまい、ついブランコを押す手が止まってしまった

💠「明?…どうかしたか?」

🌻「ううん、違う…違うんだ」

💠「俺はなにか失言を…?」

🌻「違う、逆だよ。…ありがとうね」

💠「変なやつだな、お前は。」

そろそろと手を動かしたかと思うと俺の頭にポンッと手を置いて優しく撫でてくれた

🌻「ふふ、頭を撫でてもらうなんて初めて」

💠「俺も撫でるのは初めてだ、同じがあるのは嬉しいな」

なんて屈託のない笑顔で言ってくれるその言葉が、今だけは俺も普通の人間にしてくれたようで、すごく不思議な気持ちだった

🌻「俺、誰かの笑顔なんて初めて見た。こんなに綺麗なんだね」

💠「ふふ、俺もいつか明の笑顔が見たいな」

🌻「…そう、だね」

残酷で有り得もしない希望を口にされ、俺はその希望におずおずと手を伸ばして口にした

💠「そう言えば、明はこの辺に住んでいるのか?」

🌻「そうだよ、もう…3年はいるのかな」

💠「そうか…寂しいだろう。一人は」

🌻「もう慣れたなぁ…」

💠「そうか…俺は慣れない。ずっと」

暖かい言葉をずっと口にしていた暗が、途端に温度を無くした

💠「俺を愛してくれた両親も一年前に亡くなってしまった。俺に目の手術費用を残して…まぁ、親族にほとんど持ってかれたんだけどな。今は少ないお金でどうにか食べられているってところだ」

🌻「そうだったんだ…愛されていたんだね。それなら寂しいと思うなぁ」

💠「明は…ご両親と仲が悪かったのか?」

🌻「うーん、両親は悪くない。どっちかって言うと可哀想な人だったのかな、俺が普通の人じゃないから」

💠「明は…何が人と違うんだ?」

🌻「えっと…ね。」

メドゥーサです!なんて言えたら苦労しない。でも暗は初めて俺に優しくしてくれた…目が見えないとはいえ、俺の心を温めてくれた。…化け物だって、異常なんだって知られたくない。

💠「明?」

🌻「俺の…違うは…教えたくないなぁ…」

💠「ふふ、明は盲目の俺を受け入れてくれたんだ。俺も、明のことを受け入れる。約束しよう」

一筋の光だった。なんで教えないんだと文句を言うのではなく受け入れるから大丈夫だと言ってくれた。 

🌻「…俺、ね。化け物なの」

💠「化け物?角でも生えているのか?」

🌻「ううん、蛇。俺、メドゥーサなの」

💠「メドゥーサって…何だ?」

ついズコッと転けかけそうになったのも許して欲しい。俺はメドゥーサは一般的に知れ渡っているものだから疑問に持たれるなんて夢にも思っていなかったんだから

🌻「もしかして…暗、メドゥーサ知らないの?」

💠「知らないな」 

🌻「そっか~…メドゥーサはね。簡単に言ってしまえば蛇の怪物だよ」

💠「蛇って…確か細長くてツルツルとした生き物だよな?」

🌻「そうだよ、俺の髪には蛇がいるんだ」

💠「そうなのか!?触ってみたい、蛇は本当にツルツルしているのか?それとも、明の髪にいるならフサフサしているのか?」

🌻「ふふ、残念。ツルツルしているよ、ほらどうぞ?」

俺は暗の手の横に顔を移動させ、蛇に触れさせる。

💠「っ!これが…蛇なのか。ふふ、本当にツルツルしているんだな。そして少し冷たい…不思議だな」

少しの嫌悪感を抱かずに蛇に触る暗がとても愛おしいもののように思えた。

🌻「ふふ、蛇も喜んでいるよ。」

💠「メドゥーサは蛇が頭にいるのか。他には何か無いのか?例えば火を吹いたり、雨を降らせたりとか。」

🌻「うーん、残念ながらハズレ。俺はね、目に恐ろしい力を持ってるの。」

💠「目に…どんな力だ?キラキラしているのか?」

ワクワクしながら俺の方を向く暗に、俺はふいっとそっぽを向いて言葉を紡いだ

🌻「俺の目ね…目が合った人を石にしちゃうの。生物関係無しにね。」

💠「石?石ってあの…固くて冷たい石だよな?」

🌻「そうだよ、活き活きとしていた動物だってカチコチになっちゃうんだよ。どう?俺が怖くなったでしょ」

💠「やっぱり凄いじゃないか!」

🌻「は?」

💠「俺は見えなくて不便だが、明は見えるし能力があるんだろう?凄いじゃないか!」

…一瞬、この子が何を言ってるのか理解が出来なかった。石にしちゃうんだよ?死んじゃうんだよ?

🌻「暗…それ本気?」

💠「本気だとも。それに、明は望んでその力を持っている訳でもないんだろう?明は優しいし大丈夫だ、怖くない。」

キッパリと暗は、見えない目を開けて俺の目を見て言った。心が洗われた気がした、固まっていた俺の心がホロホロと崩れていき、本来の俺の心に戻っていった気がした。

🌻「…優しいのは暗だって俺は思うな」

💠「そうか?俺はこうして話すことしか出来ないんだ、優しいとかは分からないな」

🌻「…君の口から出る綺麗な言葉が、俺好きだなぁ」

💠「そうか、俺も耳に入ってくるお前の言葉が大好きだ」

なんて甘酸っぱい言葉を交わして、ふと空を見上げると日が暮れ始めていることがわかった

🌻「暗、そろそろ帰らなくて大丈夫?もう暗いし、熊が出るよ?」

💠「そうか…まぁ帰り道も分からないし、帰れたとしても俺の居場所は無いから意味が無いな」

ハハッと乾いた笑いを零しながら穏やかに言う暗に背筋が凍った

🌻「居場所がないって…どういうこと?」

💠「そうだなぁ…まず、盲目の人間は少なからず誰かの助けがいるだろう?でも、そんな面倒なことをしたがる人間はいない。俺は友達もいないしな、毎日俺の耳届くのは早く消えてくれという陰口と子供たちの無邪気な悪口。それに、見えない以上何にどのような価値があるかも分からない。無意味なんだ、俺の居た村は」

温度を無くした暗の言葉に、俺は上手く返せているか不安になりながらも会話を続けた。

🌻「帰りたくない?」

💠「そうだな、このままこうして明と話していたいな」

🌻「俺は怪物だよ?」

💠「怪物だろうと何だろうと両親がいなくなってから俺に優しくしてくれたのはお前だけだ。両親は高齢の共働きだったし、俺はこんな風に会話が楽しいと思えたのも明が初めてだ。」

俺の話をし始めた途端に再び暗の言葉に温度が灯った。

🌻「…じゃあさ、俺の家に来る?」
 
💠「え…でも、迷惑じゃ」

🌻「いいや?全然迷惑なんかじゃない。だって、暗は家に帰っても何も楽しくないんでしょ?…俺だって、初めて誰かと会話したけど、俺のことを認めてもらえて嬉しかった。友達がいるって素敵なことなんだなって思えたからさ…俺と住まない?ご飯は困らないと思うしさ」  

なんて恥ずかしいことを言ってしまったことを誤魔化すかのように俺は、暗の頬に手を滑らせた。

💠「…俺も、友達がいるって素敵だなって思った。明がそう言うなら、俺も明と一緒に住みたいな」

暗は俺の手を優しく包み、頬擦りをしながら微笑んでくれた。所々に蛇の鱗がある冷たい俺の手に、暗の体温は酷く暖かくて初めて感じた自分以外の体温に心踊った。



💠「ふふ、体温が低いんだな。」

🌻「…君は温かいね。人肌ってこんなにいいものなんだ」

💠「はは、俺は明の体温が落ち着くな。…好きだ」

好き、というその言葉にドキッとした。これは…俺も好きって言ってもいいのかな

🌻「俺も…暗の体温が好きだよ」

💠「…ふふ、同じがまた増えた。」

🌻「さて、行こうか。俺の手を取って?」

昔読んだ本にあった王子様の言葉を真似てみる。…結構恥ずかしいなこれ、よくあんなにすらっと言えたな

💠「え…と、どこだ?」

🌻「あぁ、ごめんごめん。ここだよ」

盲目であることを忘れさせるくらい、俺の頭は直ぐに見つけたくせに手を見つけるのは迷ってるのを見るとやはり盲目なのだと実感させた

💠「あぁ、ありがとう。…エスコートを頼んだぞ、明」

🌻「うん、任せてよ。暗」

いつもより慎重に帰り道を進み、時折暗の方を振り向いて何か異常はないかと確認しながらあっという間に家に着いた。途中、聞こえてくる鳥の鳴き声を聞いて鳥の名前を聞いてきたりしてそれを俺は教えたりなんて、初めての経験にまた2人ではしゃいだりした。

🌻「ん、着いたよ暗。ようこそ、我が家へ」

💠「…ふふ、静かで空気が綺麗だな。獣道だったから人が来ることは無いだろうし、穢れを知らない土地だってわかるぞ。」

🌻「そういえば暗はどうしてあのブランコまで辿り着いたの?」

💠「そうだな…逃げてきたんだ。」

🌻「逃げてきた?」

💠「あぁ、村のちびっこどもに石を投げられたりその親に罵詈雑言を吐かれたり…そして熊がいると騒がれているあの深い森に追いやられて無我夢中で逃げたんだ。途中転んだりしてしまったから俺の足はきっと汚いだろう?」

🌻「そういえば、汚れてるね。怪我とかはないの?」

💠「うーん、分からない」

🌻「そりゃそっか」

とりあえず、暗にお風呂に入ってもらって体を綺麗にして手当がてら診察をすることにした。

💠「悪いな明、服まで借りてしまって」

🌻「あぁ、気にしなくていいよ。たまに頭を隠して街に行ったりしてその時に服を沢山買うんだ。もうこれ以上は大きくならないし、布も買ったから本さえあれば作れる。」

💠「…俺も目が見えたらなぁ。明と一緒にやりたいことが沢山あるのに」

🌻「そうしたら、暗とは出会えてなかったし何より石になっちゃうよ」

💠「そうか…」

🌻「さ、とっとと手当しちゃおう。上脱いで」

そう指示を促すと素直に上着を脱ぎ、裸体を素直に晒す暗にもう少し危機感を持った方がいいんだろうなと思いながら触診を始めた。

🌻「…ここに痣、こっちには擦り傷。…足も見るね」

💠「ん…擽ったいな」

🌻「がまんがまん」

真っ白で、所々に歪な傷のある暗の背中に蛇の鱗が混じった俺の奇怪な手が滑る。
足は草で切ったと分かるような擦り傷と打撲だらけ

🌻「よしよし、これくらいなら消毒と湿布で直ぐに治るよ」

💠「うん、分かった。ありがとう、明」

🌻「お易い御用だよ」

擽ったい感謝の言葉を聞きながら暗の身体は傷を覆う包帯だらけになった

🌻「よし、これで大丈夫」

💠「…ん、ふわぁ~…」

🌻「あ、暗もう眠い?」

💠「そうだな…昼に無我夢中で獣道を走ったから疲れたな」

🌻「分かった、ベッドはこっちだよ。一緒に行こう」

暗の手に自分の手を重ね、ギュッと握られたのを嬉しく思った。
時折、ここはどんな部屋なのか、足元に注意をするのはここだとかそんな話をしながらあっという間に寝室へついた

🌻「はい、ここに腰かけて?…そうそう、そしたら横になってもらって大丈夫」

💠「あぁ…明は?」

🌻「俺はクッションを並べて絨毯で寝るよ」  

💠「それだと体を痛めてしまうぞ?」  

🌻「…でも他に寝るとこないし」

💠「あるだろ」

そう言うと暗は自分の隣をぽんぽんと叩いてここだと言ってきた

🌻「でも俺、その…」

💠「何か問題でもあるのか?」

🌻「い、いや…大丈夫。」

💠「問題が無いのなら一緒に寝よう?明」

…言える訳ない、俺の体は刻一刻と本当のメドゥーサに近づいているなんて…眠っている間に俺は気が抜けて下半身は大蛇になる。それだけは知られたくない…暗が起きる前にベッドから出ればいいかな

🌻「うん…一緒に寝ようか暗」

💠「あぁ」



数時間後、目を覚ました俺はまだ暗が寝ていることにホッとしてそそくさと寝室を出た。

朝ごはんが出来て、暗を呼びに行くと手をフラフラとさせて俺を探していた。近づいてようやく俺の気配に気づき、暗は少し眠そうに俺に話しかけてきた

💠「おはよう、明」 

🌻「うん、おはよう。ご飯できたよ」

💠「すまない、まだ場所を把握出来ていないんだ。」

🌻「連れていくよ、安心して」

💠「ふふ、ありがとう」

昨日よりスっと手を取ってくれた暗に嬉しく思いながら、俺は暗とリビングへ向かい1人じゃない食事を楽しんだ。

それからというもの、暗と2人だけの生活はとても楽しかった。洗濯物を干している間に暗と今日の天気について話し、また洗濯物の畳み方を教えるとあっという間にできるようになった。
いつか本を一緒に読みたいからと指文字で暗に文字を教えて、寝る前は本を読み聞かせたりした。もう飽きたはずの本は暗と一緒というだけでワクワクしながら読めた。

暗は物覚えが良くて、一度聞いた話はまるで今読んだかのようにスラスラと話すことが出来た。なぜそんなに物覚えがいいのか聞いてみたけど明の読み方が上手だからと笑ってくれるだけだった。

💠「どの物語にも夢を持った人が出てくるなぁ。どれも素敵な夢で憧れるな」

🌻「暗は夢とかないの?」

💠「夢?…そうだなぁ、もし目が見えるようになったら一番最初に目に映るのはとても綺麗なものがいいな」 

🌻「綺麗なもの?例えば何?」

💠「そうだなぁ、明が俺の瞳の色をした宝石があると言ってくれたから宝石も見たいし、花も見てみたい。向日葵と紫陽花って花が気になるなぁ。あ、でも」

🌻「でも?」

💠「俺は明の姿の方が見たいかもしれないな」

🌻「石になっちゃうから無理だね、諦めよう?」

💠「諦めたくないなぁ…明も自分がどんな顔をしているのか分からないんだろう?だったら俺が顔を見てみたい!」

🌻「まぁ期待しないでおこう?するだけ俺は無駄だって思うし」

💠「夢がないな、明も小さなことでもいいから夢を言ってみてくれ」

🌻「えぇ…じゃあ俺が誰かと目を合わせられる日が来たら、その目は暗が良い」

💠「…ふふ、照れるな。ありがとう」

🌻「~~っ////」

暗には見えないのに照れを隠すために布団をガバッと頭までかけて俺は一気に眠ることにした

💠「わぶっ、明息苦しいぞ!」

🌻「はいはい、寝るよ」

💠「…ふふ、おやすみ明。」

スヤスヤと眠り始めた暗の方を向く。月光に照らされた暗の顔は元々の美しさをさらに際立たせていて、とても愛おしかった。そして自分の手をちらっとみると暗と出会った頃よりずっと鱗が増えていて自分が完全にメドゥーサに近づいていっていることが身に染みてわかった。

🌻「…あとどのくらい一緒にいられるのかな」

暗には未だに自分の下半身が大蛇になっていることは知られていない。この間は暗に巻きついていたし…

俺は気がつくと暗に恋をしていた。優しい言葉をかけてくれて、普通の友達のようにふざけあってくれるかけがいのない存在になってくれた暗に…
だからこそ、醜い俺の姿を見られたくなくて俺は居なくなる決心を決めた

🌻「手紙でも書いて居なくなろうかな…」

綺麗な言葉を並べて…あ、でも暗目が見えないじゃん、どうしよう

💠「すぅ…すぅ…んぅ…め……い」

🌻「…チュッ」

額にそっとキスをして俺はまた早起きに備えて気を引き締めて寝た。今までの努力が崩れるとは夢にも思わずに


~次の日~

💠「…め、……ぃ…めい……」

うぅ、今日の朝寒すぎ…もう少しベッドに入っていよ…
俺は寒さから逃げるかのように体を丸め、ギューッと身体に力を入れた。はぁ、温かい…それになんか…良い…匂…い

また夢の世界に行きそうになっていると俺の耳に声が入ってきた

💠「明…ちょっと起きてくれないか?」

🌻「ん…?ハッ!」

バッと目を覚ますと、俺の下半身は見事に大蛇になっていて暗にギュウギュウと巻きついていた

💠「その…おはよう?」

🌻「あ……うん、おはよう」

先程までの眠気は吹っ飛び、俺はいそいそと下半身を2本の足に戻した。

💠「明…大丈夫か?」

🌻「は?」

💠「すごく気持ちよさそうに眠っていたから、疲れていたんじゃないか?」

🌻「いやいや、暗の方こそ大丈夫?俺、あんなに締め付けちゃってたけど…怖かったでしょ?」

💠「いいや、全然怖くなかったぞ」

ケロリと言い放つ暗に得体の知れない怒りが湧いた俺は、体を起こして暗の両手首を掴み、シーツに強く縫いつける

💠「っ、…いった…」

🌻「怖いでしょ?見えないんだから俺に何されるかも分からないんだよ?…怖いよね?っねぇ!」

💠「め…い…」

🌻「出会った時からずっと怖くない…怖くないって…嘘なんじゃないの?」

💠「嘘なんかじゃ!」

🌻「…くそっ、俺の気持ちも知らないでふざけたこと言うな!」

ギリっと骨が軋む音がした。俺は相当な力を暗に与えているんだ…ねぇ、早く怖いって言ってよ。じゃないと俺の何かが壊れそうで…

💠「は、はは…怖いのは明の方だろう」

🌻「…は?何馬鹿なこと言って…」

💠「…眠っている時、お前言ってたんだ。どこにも行かないで、俺を独りにしないで…ってな」

🌻「何それ…」

💠「大丈夫だ、明。俺はこれくらいの痛みはどうって事ない…」

パチッと暗は目を開けて、何も映さない瞳が俺と目が合う

💠「…俺にはお前の姿が見えないし、自分の体も…表情も何一つ知らない。でも、お前が今苦しい顔をしているんだろうなって事くらい…俺には分かる」

🌻「暗…」

💠「お前がどんな生き物で、どんな姿をしていようと明は明だ…何も変わらない。俺はお前の優しさを知っている…お前が俺を失うことを恐れていることも…。明は俺を愛してくれているんだろう?」

🌻「愛…?」

💠「はは、明にも知らないことがあったんだな。やった、初めて俺が明に教えてあげられるな。」

とても嬉しそうに笑う暗に俺は何も言えなくなってしまった。愛?そんなもの俺は知らない、だって俺が愛を知るきっかけなんて今まで無かった…それに、俺が暗に抱いているのは恋なんだから

そんな俺の劣情とは正反対に、手の力は緩みきって暗は俺の両頬に手を当てた

💠「愛って言うのは…形は様々だ。親から子へと注がれる愛、家族として分け合う愛、友人として与え合う愛…愛する人同士が育む愛…。俺は親としての愛は明にあげることは出来ないが、家族として、友人として…そして愛する人としてお前に分けて、与えて育む愛を明にあげよう。俺に明という愛と居場所をくれた明に、俺…暗という愛と心の在処を明、お前だけに…愛しているぞ、明」

その全ての言葉が俺の耳に届いた瞬間、俺の目から生まれて初めて涙が溢れ、暗の目に…そして俺の体に落ちていった

💠「っ!?熱!」

🌻「暗!?…何これ…俺…」

暗が俺の涙の熱に苦しんでいるのを助けようと手を伸ばしたその瞬間、俺の手からは次々と鱗が消え、暗と同じく人の手になり、俺の頭にいた蛇もいなくなり髪の毛へと変化した。

🌻「っ、暗!」

今だに目を抑えて苦しんでいる暗は、ずっと俺の名前を呼んでいて探しているのだとわかった

💠「明っ…明っ怖い!助けて!」

🌻「ど、どうしたら…」

頭にパッと浮かんだのは…キスだった。こんな時なのに俺は暗に欲情して…心を決めた

🌻「暗…初めてのキス貰うね」

💠「んむっ!?め…んぅ」

顎を掴んで唇を合わせて、暗の唇の隙間から覗いた赤い舌が俺の体温を上げて、柔らかいキスにするつもりが段々と深くなっていった

🌻「ん…んぅ…」

💠「ん…ん~‪♡‪♡」

暗を見ると涙を流しながらも俺のキスにしっかりと応じてくれて、それが俺の心にあった劣情を柔らかいものへと変えていった

💠「ん…んぅ…ん~!!」

苦しくなってきたのか俺の胸をトントンっと優しく叩いて、俺は暗の舌をジュっと吸うと暗の唇を解放した

💠「はぁ…はぁ…」

🌻「暗…落ち着いた?…俺の涙が目に入ったみたいだけど大丈夫?」

💠「ん…ぅ…」

パチリと目を開けると今まで焦点が合わず、曇っていた暗の目がキラッと宝石のように輝いて、俺の目を真っ直ぐに見つめていた

🌻「あ、目が合っちゃった!どうしようどうしよう!」

ワタワタと慌てている俺の両頬をそっと包んで、暗の方に顔を向けさせられた

🌻「…暗、石になってない…よかったぁ…どうかした?」

💠「…め…い?」

ペタペタと俺の顔を触り、信じられないとでも言うような顔になったかと思うと顔が歪み、大粒の涙を流し始めた

💠「ふ…ぅ…明…明っ」

🌻「わわ、どうしたの暗!目が痛い!?」

💠「違う…違うんだ明…ははっ、夢が叶ったぞ明っ!」

🌻「え?」

💠「こんなに…あぁ…こんなに綺麗な姿をしているんだな…明は…俺が初めて見たものが明だってこと…凄く嬉しいっ!」

🌻「…暗、俺の事見えるの?」

信じられない、俺の涙が暗の目を治した?そんな奇跡…本当に?

🌻「暗…本当に?本当に俺は綺麗?…醜い姿じゃない?」

💠「っあぁ!すごく…すごく綺麗だ。醜いというものがどういうものかは分からないが明はすごく綺麗だ!明も、俺の目が見えるか?俺は顔をしているんだ?教えてくれ、明!」

次々と溢れてくる涙を親指で拭ってあげても一向に止まる気配がない
…俺も、目を見ていいのかな?
不安に思い、チラッと暗を見る。石になる気配は全く無い…もしかして俺

🌻「人間に…なれた?俺、普通の…人間に…っ、」

💠「はは、メドゥーサの姿がどういうものか見れなかったのは残念だが俺と同じがまた増えたな」

🌻「うんっ...///暗、すごく綺麗。俺より少し白い肌が暗めの髪色に合ってて、目がすごく綺麗。盲目の時よりずっと輝きが増していて、本当の宝石みたい。」

💠「そうか…明がそういうなら俺も綺麗なんだな。明は…俺より少し肌がこう…何色って言うのか分からないが濃いめだな。その髪色も、目も明の言葉を借りるなら宝石みたいだ!」

🌻「は…あはは、こんな奇跡…おとぎ話なんかじゃないんだ…」

俺の目から溢れる涙が再び暗の顔に落ちても今度は痛がる素振りは見せない。俺は人間になれたんだ…もう自分の醜さに…運命に絶望しなくていいんだ…




💠「なぁ、明」

🌻「うん?どうしたの暗」

💠「その…さっきのキス…もう1回したい…目を合わせながら」

願ってもいないオネダリに一瞬石になるかと思った。

🌻「…石になるってこういうことも言うのかも」

💠「何がだ?なぁ明、目の見える俺とはキスしてくれないのか?」

不安そうに瞳を揺らす暗を俺は優しく抱きしめ、額にひとつキスを落として暗を見つめる

🌻「まさか、キスしたいに決まってる。…ふふ」

💠「ふふ」

額をすりすりとして、目が合うとどちらともなく唇を合わせ、俺たちはそのままシーツへと深く沈んだ







💠「いったた…あ~、腰が変な感じがするな」

🌻「ごめん、がっつきすぎたかも」

💠「ふふ、幸せの痛みだ。心配するな」

キスなんかで止まらなくなってしまった俺はあの後、両思いだけの特権を使い暗を抱き潰してしまい腰が痛い暗のわがままを今日は1日聞いてあげることにした。

🌻「はいこれ、暗の言っていたメドゥーサの本。」

💠「あぁ、ありがとう明。えっと…これは…ち?これが…な…」

🌻「指文字だけだったから読みづらいでしょ?俺が読んであげるよ」

💠「すまない明、助かる」

🌻「これくらいで謝らなくていいよ、大丈夫。」

そう言うとへにゃっと顔を緩ませて俺の目を見てくれる暗をまた襲いそうだったので俺は頭を切りかえて本を読むことにした

🌻「えっと…メドゥーサの石化や呪いを解くにはメドゥーサ自身の涙が効きます。また、首を切られた際に流れた血は人を蘇生させたり、殺したりする毒になったりしたそうです。…俺が流したの涙なんだけどなぁ」

暗の方を見ると何か考え込んでいるようで、おずおずと俺の目を見てきて、ポツリと

💠「涙と血は確か、ほとんど同じ成分なんだろう?けれど、涙は完全な血ではないからそれが緩和されて、毒ではなく薬になって…死んでいた俺の目の細胞を蘇生できたって考えたら…」

🌻「確かに、その説だったら俺も納得できる。…そして俺はメドゥーサの呪いが解けてる。…」

💠「明、この本読んだこと無かったのか?」

🌻「うん、メドゥーサのことに関しては避け続けていたから…全く読んだこと無かった。そもそも、俺泣いたこと無かったしね」

呪いがかかってるって知った時も、両親に捨てられた時も、涙ひとつ流さなかった。

💠「…明が今まで涙が出なかったのは」

🌻「うん?」

💠「愛を知らなかったからなのかもしれないな」

🌻「愛を?」

💠「昔両親が話してくれたんだ。人を愛することを知ると、人は愛おしさで涙が出ることがある…と。俺も今までどんなに辛くても泣けない子供だった。初めてだ、愛する人への想いで胸が熱くなったのは」 

🌻「…そうか、愛だったんだ。俺、誰かを愛するのは初めてだったし暗と出会って色んな感情を持ったよ。…ありがとう、暗…俺を人間にしてくれて。愛しているよ」

💠「ふふ、俺も愛してる。明だけをずっと」

甘い雰囲気になりながらも、ふとお腹がすいているのを思い出し、暗を横抱きに持ち上げてリビングに歩き出した。

🌻「ご飯食べたら、今日は暗がやりたいことを一緒にやろう」

💠「ふふ、楽しみだ。…なぁ明はなんで盲目だった俺を好きになったんだ?」

真っ直ぐで、問いかけるような目をしていた暗に俺は素直に答えを教えてあげることにした

🌻「暗の柔らかくて綺麗な言葉に心惹かれたからだよ」

💠「そうか…俺の言葉に…ふふ、おとぎ話みたいだ」

🌻「俺たちの話はおとぎ話顔負けだって思うよ」

💠「そうだな、俺たちの話はどのおとぎ話よりも素敵だって自信があるな。愛する人の涙で治った目に一番最初に映ったのが最愛の人なんて…素敵じゃないか」

🌻「ふふ、俺も呪いが解けるきっかけが最愛の人の言葉で溢れた涙だって…素敵だなって思うよ。…暗は?暗はなんで俺を好きになってくれたの?」

俺は教えたんだから暗も教えてくれるよね?なんて言うと、暗は出会った頃と変わらない優しいく俺に微笑みかけた

💠「そんなの…俺も同じだ。」

🌻「同じ?」

💠「あぁ。俺も明の優しい言葉に恋をしたんだ。」

🌻「ふふ、嬉しい。ありがとうチュッ」

額にキスをひとつ落として俺は暗を椅子におろし、2人で遅めの朝ごはんを食べた。俺も暗も、今までで1番美味しく感じたご飯だった。

世界が広がった俺たちは、四季折々の花を楽しんだり、旬の山菜を取ってきたりなどとても有意義な時間を過ごし始めた。意外にも暗は料理の才能があって、あっという間に俺よりも料理上手になってしまった。
俺は暗とお揃いの洋服を作ったり、本で見た動物をぬいぐるみで作ったりなど裁縫を楽しむようになった。年に一度、2人で街へ買い物に行って山菜を売ったりなどして調味料や布を買ったりしている。質が良く、山菜は街の人にとって貴重なものらしく高く売れるため一年分は絶対困らない量の生活品が買える。また、新しい分厚い本や料理の本、野菜の苗を買って育てたり、色違いのアクセサリーを買ってみたりなど恋人っぽいこともしてみた。念願の紫陽花と向日葵の苗も植えて早く咲かないかと2人でソワソワしている。

こっそり買った指輪を渡した時の暗の笑顔は一生忘れない。…まぁその後暗もこっそり買っていた指輪を渡してくれて俺は大号泣したんだけどね…

あの時の言葉通り、暗は俺にたくさんの愛をくれた。家族として、友人として…なにより愛し合う者として最大の喜びをくれて…かけがえの無い存在だって思ってる。恥ずかしいからあんまり言えないけど

この先、再び俺がメドゥーサになったとしても、暗がまた盲目になったとしても俺たちはずっと幸せだ。俺と暗の言葉があるのなら


「僕らは言葉から恋を始めた」


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