51 / 173
第2章 Alea iacta est!(本編本格始動の章です)
13話5Part (元)魔王と堕天使と大悪魔、色んなところで色んな事情が渦巻くものです!
しおりを挟む
......そして皆で騒ぎ立ててすっかり疲れきった様子の面子が桃塚宅から退散し、同様に望桜達も自宅へと戻った。1LDKの中の1つの部屋を望桜の貸切(一応4人の中で一番位が高いから)にしてある部屋。照明の落とされた仄暗い寝室の寝台の上で、望桜とその推しである瑠凪は並んで横になっていた。......え、まって何この状況...... ?
「あのー......瑠凪さん?これは一体......」
「なんで敬語?てか俺、前に泊まるって言ったし」
「いや、そーだけどよ......」
望桜も瑠凪も布団をお腹の辺りまでかぶり、望桜は壁に背をつけて座りながら横でスマホを弄っている瑠凪を眺める。
望桜が魔王軍で見た事のある他の悪魔とは比べ物にならないほど綺麗な色白の肌、一般的な悪魔よりも小柄ながら存在感はしっかりあって、藍色の端麗な髪を今はそのまま流していて時折ちらちらと覗く項が微かに暖色の豆電球の明かりでますます妖美で。
確かに望桜の"お花畑フィルタ"を通しているため多少なり大袈裟な部分もあるが、それがなくとも勇者である聖火崎に"見た目と性能だけはいい"と言わせるほどの美人ではある瑠凪だ。......流石は神が"美の極み"の存在として作っただけはある。
......ああ、抱きたいです、俺......でも手は出すな、幻滅されるから、許可ありになるまでは絶対に手は出すなよ......!
「あのさ、俺、結構やばいんだけど」
「え、何が......?」
「今めっちゃ瑠凪のこともふもふってしたい」
「は......?」
スマホから視線を望桜の方に移し、不思議そうな表情を浮かべる瑠凪。その仕草すらも望桜には尊みなものに思えてならない。
「俺、猫じゃないよ......?」
「分かってるぞ?」
「え、なら......」
「や、でももふもふしたい」
そう言って期待の目を向ける望桜に、瑠凪はスマホを放り投げて渋々体を起こし望桜の膝の上に移動した。そして......
「はい、どうぞ」
「へ......?」
「......撫でていいよ?」
「え、良いのか?」
「ダメって言ったらやらないの?」
「や、多分やめないけど......」
......膝の上でくるりと反転し、望桜の足の上で向き合う形になった。瑠凪の意地の悪い質問返しにも応えて、望桜は手を目の前で構える。
「はあ......なら聞くな」
「分かったよ......では、いきます!」
「いちいち宣言するなよ......」
ため息をひとつついて瑠凪は目を瞑った。そして望桜は目の前にある瑠凪の頭を愛おしげに軽く撫でた。ふわふわ、というよりさらさらに近い感覚が指先から伝わってきて、望桜は思わず静かに愉悦に浸った。これは............最高だ!
「っ......」
「どした......?」
......ふと、瑠凪が身体を震わせた。一瞬の事だが、その感覚も指先からダイレクトに伝わってきた望桜は瑠凪におずおずと問いかけた。......胸騒ぎ、というより何か聞いてはいけない、聞きにくいことを自分は聞こうとしているような気がしたから、おずおずと。
「......いや、なんでも、ない......」
「......?」
「......はぁ............昔のことを思い出したんだよ」
「昔......?」
そう言って瑠凪は膝をゆっくりと抱えた。望桜が深い影が差すその表情を盗み見たら、それに気づいているのか居ないのか瑠凪はそのまま顔を填めてしまった。
「......俺は堕天した時、上空で追手の天使に翼をやられた。それで魔界大陸に墜落した時に足も怪我して、その時に1代目と出会ったんだ」
「ほえ......」
「......そこで或斗に出会うまで軍にいようと思ったんだけど、結局ずっと居てさ......」
「へええ......」
「......再開したばっかりの時の或斗とあいつ、会う度凄い剣幕でめちゃくちゃ怖くてさ、でも頼りになるし軍のみんなも悪い奴らじゃない。或斗は軍から離れるつもりなかったらしいし、俺もやっぱり離れるのは惜しいってなってそこからだらだらと7000年も......」
「......いつか、また再会できるんじゃないかって思ったのか?1代目に......」
「っ......!......まあ、ね......会えると思ってたんじゃないかな......あの時の俺は」
声がいつしかしゃくりあげるようなものに変わり、顔を膝に填める力も自然と強くなる。望桜はそれを今までのように愛おしげに撫でるのではなく、慰めるふうにそっとゆっくり撫でつけた。
「......死んだか死んでないか、今でも分かんないんだよな、確か」
「そ......でも俺は、さ......この目でしっかり見たから......」
「......っ、」
「......それでもやっぱり、記録書を何度見返しても"行方不明"としか書かれてないし、あれ、俺が見たことはやっぱり嘘だったんじゃないかなって......まだ、帰ってくるんじゃないかって......帰ってきて、皆の前では軍の皆を鼓舞しなきゃいけない"王"だからって明るく気丈に振舞って......それでもやっぱり俺の前では暗く神妙になって、それでもまた大袈裟に明るく笑いながら軍に戻っていくんだよ......」
「......」
「もうちょっと素直でいい、自分らしく振る舞えばいい、どんなお前でも軍のみんなはついて行くだろって一言言ってやれば良かったのに......だから不安なら1回戻ればいいって言えてればっ......」
「......お疲れ様」
「......ほんと弄れてるよね、俺......」
「......俺から言えることはないわなあ、その事情には......」
「......」
「 ......まあ、とりあえず寝ろ」
「......うん......」
気丈な彼にしては珍しくしおらしい瑠凪に、望桜はとりあえずそう声をかけた。今は撫でていたいとか言っている場合じゃない、寝れば一旦は"今考えなくていい"ってなるから。望桜も昔気持ちを切り替えるのには一旦寝たものだ。
そしてベッドサイドのランプの灯りを消して、2人で布団に潜り込んだ。望桜はその後も妙に落ち着かず数10分おきに起きたのだが、瑠凪は朝まで目を覚まさなかった。
──────────────Now Loading───────────────
早朝6時半、リビングの机に突っ伏して寝るスタイルを未だに貫き通し続けている葵雲は目を覚まし、早くもパソコンを起動させ怠惰な1日の幕を開けていた。
パソコンの画面にはいつもの動画サイトではなく、ネットショッピングサイト·安天市場の画面が表示されている。そして葵雲は検索フォームで、ある単語で商品を探し出した。
「んっふっふ~......」
そしてその商品の購入画面に飛び、カーソルを"注文を確定する"の位置に合わせて......
「あと5日で晴瑠陽と交代だもんね~......よし、今のうちにパソコンで買い物しちゃえ、えいっ!」
カチッ、
......クリックした。お急ぎ便だから発送は遅くても3日後......交代までには届く!そう考えて葵雲は近所迷惑になるほど大きく高笑いした。
「にゃっはっは~!これでこいつは僕のものだ!!」
「葵雲、私や望桜の許可も取らずになに買ったんだい?」
「わあっ!ちょっと的李、驚かせないで!」
そしてその高笑いを聞き付けてか葵雲の背後に着いていた的李が声をかけ、葵雲は机に膝を打ち付けるのも構わず大きく左に後ずさった。......流石は下界1の体術使い、気配を消すのは魔王軍だけでなく、きっと勇者軍の誰よりも上手いだろう。
「いや、私たちに許可を取らずに買い物しているから、てっきりやましい物を買おうとしているのかと思って......」
「そんな怪しいもの買わないよ!!や、"やましい"ってよく意味わかんないけど......これ、これ買ったの!」
「......ピアス?なんでなんだい?......はっ!!ついにお洒落に目覚めた......?」
「いや、違うけど......1番これがいいかなって、これ可愛いでしょ?」
「まあ、ダサくはないのだよ」
「でしょ!」
ディスプレイに表示された画像のピアスは、綺麗な深紅の宝石の周りに6色の宝石......紺青色、紫色、翠色、鴇色、紅色、鉛丹色の色鮮やかな宝石。ディスプレイ越しでも各々が綺麗に光り輝いているのが分かるほど鮮明な画像、よほどサイトの管理をしっかりしているところのものなのだろう。
しかし値段はそれなりで、高すぎず、安すぎずという適価格だ。とお金に余裕がでてきたことに緩みきっている的李はそれの購入についてあまり言及することはせず、すぐにまたベッド型ソファの毛布の中に潜って数分後に規則正しい寝息を立て始めた。
「んふふ~......」
「あれ、葵雲今日ご機嫌だね~」
「あ、瑠凪!おはよ!」
「うん、おはよう。ところで葵雲、唐突で悪いんだけど......」
「うん、なに?」
ゆっくりと起きてきた瑠凪は葵雲の方に駆け寄っていって、葵雲の耳元に口をよせてあることを呟いた。葵雲はそれを聞いている間擽ったそうに身をよじり、最終的に不機嫌そうな表情を浮かべた。
「......で、それについて、今更何を聞きたいの?」
「聞きたいと言うより具体的にはね......」
そう言って数秒溜めたあと、
「葵雲......いや、アスモデウス......きっちり話、突き詰めようか」
と言い放った。その瞳には光など一切無く、それはかつて葵雲が少しだけ見た事のある"大天使筆頭熾天使·ルシフェル"その者の瞳であった。
───────────────To Be Continued─────────────
「あのー......瑠凪さん?これは一体......」
「なんで敬語?てか俺、前に泊まるって言ったし」
「いや、そーだけどよ......」
望桜も瑠凪も布団をお腹の辺りまでかぶり、望桜は壁に背をつけて座りながら横でスマホを弄っている瑠凪を眺める。
望桜が魔王軍で見た事のある他の悪魔とは比べ物にならないほど綺麗な色白の肌、一般的な悪魔よりも小柄ながら存在感はしっかりあって、藍色の端麗な髪を今はそのまま流していて時折ちらちらと覗く項が微かに暖色の豆電球の明かりでますます妖美で。
確かに望桜の"お花畑フィルタ"を通しているため多少なり大袈裟な部分もあるが、それがなくとも勇者である聖火崎に"見た目と性能だけはいい"と言わせるほどの美人ではある瑠凪だ。......流石は神が"美の極み"の存在として作っただけはある。
......ああ、抱きたいです、俺......でも手は出すな、幻滅されるから、許可ありになるまでは絶対に手は出すなよ......!
「あのさ、俺、結構やばいんだけど」
「え、何が......?」
「今めっちゃ瑠凪のこともふもふってしたい」
「は......?」
スマホから視線を望桜の方に移し、不思議そうな表情を浮かべる瑠凪。その仕草すらも望桜には尊みなものに思えてならない。
「俺、猫じゃないよ......?」
「分かってるぞ?」
「え、なら......」
「や、でももふもふしたい」
そう言って期待の目を向ける望桜に、瑠凪はスマホを放り投げて渋々体を起こし望桜の膝の上に移動した。そして......
「はい、どうぞ」
「へ......?」
「......撫でていいよ?」
「え、良いのか?」
「ダメって言ったらやらないの?」
「や、多分やめないけど......」
......膝の上でくるりと反転し、望桜の足の上で向き合う形になった。瑠凪の意地の悪い質問返しにも応えて、望桜は手を目の前で構える。
「はあ......なら聞くな」
「分かったよ......では、いきます!」
「いちいち宣言するなよ......」
ため息をひとつついて瑠凪は目を瞑った。そして望桜は目の前にある瑠凪の頭を愛おしげに軽く撫でた。ふわふわ、というよりさらさらに近い感覚が指先から伝わってきて、望桜は思わず静かに愉悦に浸った。これは............最高だ!
「っ......」
「どした......?」
......ふと、瑠凪が身体を震わせた。一瞬の事だが、その感覚も指先からダイレクトに伝わってきた望桜は瑠凪におずおずと問いかけた。......胸騒ぎ、というより何か聞いてはいけない、聞きにくいことを自分は聞こうとしているような気がしたから、おずおずと。
「......いや、なんでも、ない......」
「......?」
「......はぁ............昔のことを思い出したんだよ」
「昔......?」
そう言って瑠凪は膝をゆっくりと抱えた。望桜が深い影が差すその表情を盗み見たら、それに気づいているのか居ないのか瑠凪はそのまま顔を填めてしまった。
「......俺は堕天した時、上空で追手の天使に翼をやられた。それで魔界大陸に墜落した時に足も怪我して、その時に1代目と出会ったんだ」
「ほえ......」
「......そこで或斗に出会うまで軍にいようと思ったんだけど、結局ずっと居てさ......」
「へええ......」
「......再開したばっかりの時の或斗とあいつ、会う度凄い剣幕でめちゃくちゃ怖くてさ、でも頼りになるし軍のみんなも悪い奴らじゃない。或斗は軍から離れるつもりなかったらしいし、俺もやっぱり離れるのは惜しいってなってそこからだらだらと7000年も......」
「......いつか、また再会できるんじゃないかって思ったのか?1代目に......」
「っ......!......まあ、ね......会えると思ってたんじゃないかな......あの時の俺は」
声がいつしかしゃくりあげるようなものに変わり、顔を膝に填める力も自然と強くなる。望桜はそれを今までのように愛おしげに撫でるのではなく、慰めるふうにそっとゆっくり撫でつけた。
「......死んだか死んでないか、今でも分かんないんだよな、確か」
「そ......でも俺は、さ......この目でしっかり見たから......」
「......っ、」
「......それでもやっぱり、記録書を何度見返しても"行方不明"としか書かれてないし、あれ、俺が見たことはやっぱり嘘だったんじゃないかなって......まだ、帰ってくるんじゃないかって......帰ってきて、皆の前では軍の皆を鼓舞しなきゃいけない"王"だからって明るく気丈に振舞って......それでもやっぱり俺の前では暗く神妙になって、それでもまた大袈裟に明るく笑いながら軍に戻っていくんだよ......」
「......」
「もうちょっと素直でいい、自分らしく振る舞えばいい、どんなお前でも軍のみんなはついて行くだろって一言言ってやれば良かったのに......だから不安なら1回戻ればいいって言えてればっ......」
「......お疲れ様」
「......ほんと弄れてるよね、俺......」
「......俺から言えることはないわなあ、その事情には......」
「......」
「 ......まあ、とりあえず寝ろ」
「......うん......」
気丈な彼にしては珍しくしおらしい瑠凪に、望桜はとりあえずそう声をかけた。今は撫でていたいとか言っている場合じゃない、寝れば一旦は"今考えなくていい"ってなるから。望桜も昔気持ちを切り替えるのには一旦寝たものだ。
そしてベッドサイドのランプの灯りを消して、2人で布団に潜り込んだ。望桜はその後も妙に落ち着かず数10分おきに起きたのだが、瑠凪は朝まで目を覚まさなかった。
──────────────Now Loading───────────────
早朝6時半、リビングの机に突っ伏して寝るスタイルを未だに貫き通し続けている葵雲は目を覚まし、早くもパソコンを起動させ怠惰な1日の幕を開けていた。
パソコンの画面にはいつもの動画サイトではなく、ネットショッピングサイト·安天市場の画面が表示されている。そして葵雲は検索フォームで、ある単語で商品を探し出した。
「んっふっふ~......」
そしてその商品の購入画面に飛び、カーソルを"注文を確定する"の位置に合わせて......
「あと5日で晴瑠陽と交代だもんね~......よし、今のうちにパソコンで買い物しちゃえ、えいっ!」
カチッ、
......クリックした。お急ぎ便だから発送は遅くても3日後......交代までには届く!そう考えて葵雲は近所迷惑になるほど大きく高笑いした。
「にゃっはっは~!これでこいつは僕のものだ!!」
「葵雲、私や望桜の許可も取らずになに買ったんだい?」
「わあっ!ちょっと的李、驚かせないで!」
そしてその高笑いを聞き付けてか葵雲の背後に着いていた的李が声をかけ、葵雲は机に膝を打ち付けるのも構わず大きく左に後ずさった。......流石は下界1の体術使い、気配を消すのは魔王軍だけでなく、きっと勇者軍の誰よりも上手いだろう。
「いや、私たちに許可を取らずに買い物しているから、てっきりやましい物を買おうとしているのかと思って......」
「そんな怪しいもの買わないよ!!や、"やましい"ってよく意味わかんないけど......これ、これ買ったの!」
「......ピアス?なんでなんだい?......はっ!!ついにお洒落に目覚めた......?」
「いや、違うけど......1番これがいいかなって、これ可愛いでしょ?」
「まあ、ダサくはないのだよ」
「でしょ!」
ディスプレイに表示された画像のピアスは、綺麗な深紅の宝石の周りに6色の宝石......紺青色、紫色、翠色、鴇色、紅色、鉛丹色の色鮮やかな宝石。ディスプレイ越しでも各々が綺麗に光り輝いているのが分かるほど鮮明な画像、よほどサイトの管理をしっかりしているところのものなのだろう。
しかし値段はそれなりで、高すぎず、安すぎずという適価格だ。とお金に余裕がでてきたことに緩みきっている的李はそれの購入についてあまり言及することはせず、すぐにまたベッド型ソファの毛布の中に潜って数分後に規則正しい寝息を立て始めた。
「んふふ~......」
「あれ、葵雲今日ご機嫌だね~」
「あ、瑠凪!おはよ!」
「うん、おはよう。ところで葵雲、唐突で悪いんだけど......」
「うん、なに?」
ゆっくりと起きてきた瑠凪は葵雲の方に駆け寄っていって、葵雲の耳元に口をよせてあることを呟いた。葵雲はそれを聞いている間擽ったそうに身をよじり、最終的に不機嫌そうな表情を浮かべた。
「......で、それについて、今更何を聞きたいの?」
「聞きたいと言うより具体的にはね......」
そう言って数秒溜めたあと、
「葵雲......いや、アスモデウス......きっちり話、突き詰めようか」
と言い放った。その瞳には光など一切無く、それはかつて葵雲が少しだけ見た事のある"大天使筆頭熾天使·ルシフェル"その者の瞳であった。
───────────────To Be Continued─────────────
0
あなたにおすすめの小説
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
溺愛兄様との死亡ルート回避録
初昔 茶ノ介
ファンタジー
魔術と独自の技術を組み合わせることで各国が発展する中、純粋な魔法技術で国を繁栄させてきた魔術大国『アリスティア王国』。魔術の実力で貴族位が与えられるこの国で五つの公爵家のうちの一つ、ヴァルモンド公爵家の長女ウィスティリアは世界でも稀有な治癒魔法適正を持っていた。
そのため、国からは特別扱いを受け、学園のクラスメイトも、唯一の兄妹である兄も、ウィステリアに近づくことはなかった。
そして、二十歳の冬。アリスティア王国をエウラノス帝国が襲撃。
大量の怪我人が出たが、ウィステリアの治癒の魔法のおかげで被害は抑えられていた。
戦争が始まり、連日治療院で人々を救うウィステリアの元に連れてこられたのは、話すことも少なくなった兄ユーリであった。
血に染まるユーリを治療している時、久しぶりに会話を交わす兄妹の元に帝国の魔術が被弾し、二人は命の危機に陥った。
「ウィス……俺の最愛の……妹。どうか……来世は幸せに……」
命を落とす直前、ユーリの本心を知ったウィステリアはたくさんの人と、そして小さな頃に仲が良かったはずの兄と交流をして、楽しい日々を送りたかったと後悔した。
体が冷たくなり、目をゆっくり閉じたウィステリアが次に目を開けた時、見覚えのある部屋の中で体が幼くなっていた。
ウィステリアは幼い過去に時間が戻ってしまったと気がつき、できなかったことを思いっきりやり、あの最悪の未来を回避するために奮闘するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる