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第4章 (元)魔王と勇者の憩場に
25話8Part Parallel⑧
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「......別に主を倒さなくたって、脱出くらいならできるよ......」
「え?」
瑠凪から告げられた意外な言葉に望桜は思わず素っ頓狂な声を上げるが、瑠凪は気にせず説明を始める。
「......この空間は、魔力で形成された......異空間、なんでしょ?......なら、この空間にある魔力をっ......げふっ、ぉえ............、......まとめて消費するなり、神気で打ち消す......なり、すればいい」
「つまりー......」
長く話すと喉に響くのか、所々咳き込みながらの解説に望桜が相槌を打つと瑠凪はこくりと頷き、
「聖火崎達がもっと派手に、一気にドンパチやれば出られる、ってこと」
と、望桜とその後ろで黙って聞いていた帝亜羅の方を、真っ直ぐ見据ながらそう言った。
「もっと派手に、一気にドンパチか......」
「聖火崎とアヴィに......神気で打ち消すのを、鐘音とガルダには、魔力を......消費するのを、成り行きでやってもらおうと、思ってね。ただ、問題は......」
「まだ神気の量が、異空間が崩壊するくらいまで魔力を打ち消すのには足りないんだな。うーむ、困ったな......」
「そっちは聖火崎さんとアヴィスフィアさんに言えば、やってくれるんじゃないですか?」
「や、それが......」
「?」
望桜と瑠凪が2人同時に眉をひそめて頭を抱えだしたので、帝亜羅は自分が思ったことを素直に口にした。が、2人の表情が晴れることはなかった。
それに加えて、妙に口篭りながら何かを言おうとしたので、帝亜羅は2人の方を不思議そうに見つめながら続きを待った。
「空間全体を、濃い魔力で......覆われてるせいか、魔力を打ち消すより、先に、神気の方が......消されてってるんだよね......まあ、少しずつ......魔力の方も、減ってってるけど......」
「この空間全体の魔力量は、聖火崎とアヴィスフィアが持ってる神気の量よりは多いが、それも多少ってレベル。異空間の保持には、魔力って確か......ゲートを開けるぐらいはないと駄目なんだよな」
「そ。それに......この空間自体は、異空間展開の魔法を......使ってるはず、なのに、ゲートを3回開ける......程度の魔力しか、行使されてる感じが......ない......」
「昔魔王城にあった書庫の文献で読んだんだが、異空間展開魔法ってゲートの比じゃないぐらい魔力消費するんだよな。でもここは、その文献に書いてあった量の魔力は使われてない」
「なら、崩壊させるのは普通よりも簡単なんじゃないんですか......?」
「いや、それがな」
「え?」
帝亜羅からの問いに、望桜は直ぐに首を横に振って深刻そうな表情を浮かべる。
「この空間、通常より量が少ない代わりに、神気で消された分の魔力が復活?してってるんだ」
「え、ど、どういうことですか?」
「さあ?よく分からん」
「そ、そんな......」
望桜のあっけらかんとした態度とそれに反して割と深刻な現状に、今度はむしろ帝亜羅の方が頭を抱えてしまった。
「......」
「......る、瑠凪さん?」
そんな二人の会話の最中、瑠凪はゆっくりと体を起こした後、すっかり黙り込んでしまっていた。
少し経ってから2人は瑠凪が一点を見つめたまま固まっているのに気づき、帝亜羅は恐る恐ると言った様子で声をかけ、望桜もそれに便乗して瑠凪の方に視線を向ける。
「瑠凪?どした?」
「......え、あ、いや............もしかして......」
望桜の問いかけに返答するのと同時に妙に不安げに顰められた顔に、望桜と帝亜羅は固唾を飲み、"あ、やっぱり今ほんとにやばいんだ......"と状況の深刻さを改めて再認識した。
「..僕達以外も、こうなってる......?」
「「え」」
そして、今までの話からなんとなく予想出来た"現状"とは斜め上を行く発言に、2人は思わず声を上げた。
──────────────Now Loading──────────────
「ぐっ!!」
「葵雲!!」
......一方その頃、富士山頂では、悪魔、人間、天使の3種入り交じった激闘が繰り広げられていた。夜空に星が微かに煌めき、それに負けない程明るく魔力の弾幕と薄い神気の斬撃の波が瞬きぶつかり合っては消えてを繰り返している。
そんな中、葵雲の脇腹にカエレスイェスのなんの力も纏わぬ打撃がクリティカルヒットした。
その様子を視界の端で捉えた来栖亭は、葵雲がそのまま富士山麓の樹の海に堕ちていく様子をカエレスイェスに圧されながらも確と目撃し、無事かどうかの確認その他諸々の意味を込めて名を呼んだ。
「......」
「やはり翼を展開させなければ、簡単に倒せるようだねぇ。魔力がないってのは、悪魔にとっては致命傷ってわけか」
「っ、くそっ......!」
その呼び声が聞こえているのかいないのか不明だが、葵雲の返事はなかった。それを察し、来栖亭は思わず悪態を吐いた。
それと同刻で瞬間的に葵雲の堕ちた先、青木ケ原樹海に視線を向ける。
「あれ、敵から目ぇ離していいのかなぁ?」
「っ!!が、あっ......!」
その一瞬を、カエレスイェスは見逃さなかった。
刹那で来栖亭の至近距離まで近づき、その動きに対応しきれていない来栖亭を大きく振りかぶった聖剣·エクスカリバーでざっくりと斬りつけた。
重量級の剣での袈裟斬りを食らった事により、瞬間的に発生した重い風圧に押され、来栖亭はドサッと地面に倒れ付した。
「っ来栖亭!!......、っ、ちっ、邪魔......!」
「ラファエルさっ............う、くっ......」
「......」
来栖亭の悲鳴を聞きつけた我厘と天仕が救援に向かおうとするも、金髪の少年......謎の元宮廷魔導師が絶え間なく撃ち出す神気の弾幕が容赦なく襲いかかって来ており、被弾を避けようと弾いたり避けたりするのに精一杯。
妙に息が上がり、心做しか立っているのですら辛い。そんな、仲間の救助どころか、自分すら危ういという最悪な状況に一同は陥っていた。
「......油断しちゃったね、大天使聖ラファエル」
「......ぅ、は..!」
肩口から腹にかけてを大きく斬られても、なお抵抗すべく藻掻こうとしている来栖亭を、カエレスイェスは笑みを浮かべながら眺めていた。
「君は能力こそ強いが、戦闘向きじゃなかったはずだ。相手に戦闘特化型の僕がいるのに、しゃしゃり出てきたのが運の尽きだったねぇ」
「っ......!」
右手に持ったエクスカリバーを、来栖亭から溢れる血で形成された水溜まりの中心部に刺し、溢れた血液に含まれている神気を吸収しながら、来栖亭が忌々しげにこちらを睨みつけている様子をじっと見つめる。
「こ、の......せいふ、の......傀儡、め......!」
「あれぇ、失血しすぎてもはや状況の優劣すら正常に判断できなくなったか」
「な、にを、......ほざいて、る......のか......」
「......なら、早く終わらせようか」
そして、
「さようなら、7大天使の一角。守護天使、ラファエル」
エクスカリバーを天高く振り上げたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
......その頃、勢い良く樹海に墜落した葵雲は、地面に倒れたままゆっくりと目を開けて、自分がどこにいるのかを覚醒し始めた頭でようやく理解した。
ズキズキと脇腹が痛むので体に力が入らないのと、先の戦闘で負った大量の小さな傷が猛烈に痒いのをありありと感じながら、自分より少し上に覆い被さるように生い茂った木々を暫しぼーっと眺めていた。
「......んー、傷口を痒くしても、そこまで優勢?にはならないよね......」
強くもじつよーせー?もない法術を、あのカエレスイェスがわざわざ使うかなぁ......?
そう思いながら、耳障りなほど不気味で大きな木々のざわめきを聞き流す。木がたくさん犇めいている樹海では、少しのそよ風ですらおどろおどろしい不協和音を奏でることができる。
「......そういえば、こないだ擦りむいた傷にかさぶたができて1日くらいたった時も、こんな感じで痒かったなー......」
あれ、けっこうきついんだよね~......かかないようにするの......
掻きたいのに搔けない、あのどうしようもないもどかしい感覚を思い出して身震いし、その直後に真冬の夜の低い気温に再び身震いする。
「......あー、少しでも魔力があれば、翼を展開させられて、あの一撃は避けられたはずなのに......」
そこまで言って、
「......ん?」
ふと、自分が言ったことの中の一部が引っかかり、思わず首を傾げて声を上げる。
「痒い?傷が?............あ、思い出した!!あれ傷が治りかけてる時のかゆいやつだ!!ってことはー......」
そして、その引っかかった事の正体等色々がはっきりして、自身の手と足を見て傷跡しかない事を確認し、
「......んふふ、やった!!傷が治っ......」
ガバッと勢いよく体を起こして、喜びの衝動に任せて両手を掲げようとした瞬間だった。
「......あれ?」
再び、何かが引っかかった。
「今、お腹、痛くない......?」
先程、カエレスイェスに思い切り打撃を食らわされた脇腹。それで葵雲は目に見えた傷こそ負わなかったものの、内出血や骨折等、割と深手は負っていた。
そして、翼を展開する程度の魔力すら持っていなかった(自覚している上では)はずなのに、"重症を数分で自己治癒する"という、翼を展開する以上に魔力を消費する能力は無自覚ながらきちんと行使できていた。
つまり......
「......魔力がある、今、この世界に、傷を治せるほどの魔力が......」
......と、そこまで考えて、葵雲はふと疑問に思った事を口にした。
「......日本って、元々そんなに魔力あったっけ?」
──────────────To Be Continued─────────────
「え?」
瑠凪から告げられた意外な言葉に望桜は思わず素っ頓狂な声を上げるが、瑠凪は気にせず説明を始める。
「......この空間は、魔力で形成された......異空間、なんでしょ?......なら、この空間にある魔力をっ......げふっ、ぉえ............、......まとめて消費するなり、神気で打ち消す......なり、すればいい」
「つまりー......」
長く話すと喉に響くのか、所々咳き込みながらの解説に望桜が相槌を打つと瑠凪はこくりと頷き、
「聖火崎達がもっと派手に、一気にドンパチやれば出られる、ってこと」
と、望桜とその後ろで黙って聞いていた帝亜羅の方を、真っ直ぐ見据ながらそう言った。
「もっと派手に、一気にドンパチか......」
「聖火崎とアヴィに......神気で打ち消すのを、鐘音とガルダには、魔力を......消費するのを、成り行きでやってもらおうと、思ってね。ただ、問題は......」
「まだ神気の量が、異空間が崩壊するくらいまで魔力を打ち消すのには足りないんだな。うーむ、困ったな......」
「そっちは聖火崎さんとアヴィスフィアさんに言えば、やってくれるんじゃないですか?」
「や、それが......」
「?」
望桜と瑠凪が2人同時に眉をひそめて頭を抱えだしたので、帝亜羅は自分が思ったことを素直に口にした。が、2人の表情が晴れることはなかった。
それに加えて、妙に口篭りながら何かを言おうとしたので、帝亜羅は2人の方を不思議そうに見つめながら続きを待った。
「空間全体を、濃い魔力で......覆われてるせいか、魔力を打ち消すより、先に、神気の方が......消されてってるんだよね......まあ、少しずつ......魔力の方も、減ってってるけど......」
「この空間全体の魔力量は、聖火崎とアヴィスフィアが持ってる神気の量よりは多いが、それも多少ってレベル。異空間の保持には、魔力って確か......ゲートを開けるぐらいはないと駄目なんだよな」
「そ。それに......この空間自体は、異空間展開の魔法を......使ってるはず、なのに、ゲートを3回開ける......程度の魔力しか、行使されてる感じが......ない......」
「昔魔王城にあった書庫の文献で読んだんだが、異空間展開魔法ってゲートの比じゃないぐらい魔力消費するんだよな。でもここは、その文献に書いてあった量の魔力は使われてない」
「なら、崩壊させるのは普通よりも簡単なんじゃないんですか......?」
「いや、それがな」
「え?」
帝亜羅からの問いに、望桜は直ぐに首を横に振って深刻そうな表情を浮かべる。
「この空間、通常より量が少ない代わりに、神気で消された分の魔力が復活?してってるんだ」
「え、ど、どういうことですか?」
「さあ?よく分からん」
「そ、そんな......」
望桜のあっけらかんとした態度とそれに反して割と深刻な現状に、今度はむしろ帝亜羅の方が頭を抱えてしまった。
「......」
「......る、瑠凪さん?」
そんな二人の会話の最中、瑠凪はゆっくりと体を起こした後、すっかり黙り込んでしまっていた。
少し経ってから2人は瑠凪が一点を見つめたまま固まっているのに気づき、帝亜羅は恐る恐ると言った様子で声をかけ、望桜もそれに便乗して瑠凪の方に視線を向ける。
「瑠凪?どした?」
「......え、あ、いや............もしかして......」
望桜の問いかけに返答するのと同時に妙に不安げに顰められた顔に、望桜と帝亜羅は固唾を飲み、"あ、やっぱり今ほんとにやばいんだ......"と状況の深刻さを改めて再認識した。
「..僕達以外も、こうなってる......?」
「「え」」
そして、今までの話からなんとなく予想出来た"現状"とは斜め上を行く発言に、2人は思わず声を上げた。
──────────────Now Loading──────────────
「ぐっ!!」
「葵雲!!」
......一方その頃、富士山頂では、悪魔、人間、天使の3種入り交じった激闘が繰り広げられていた。夜空に星が微かに煌めき、それに負けない程明るく魔力の弾幕と薄い神気の斬撃の波が瞬きぶつかり合っては消えてを繰り返している。
そんな中、葵雲の脇腹にカエレスイェスのなんの力も纏わぬ打撃がクリティカルヒットした。
その様子を視界の端で捉えた来栖亭は、葵雲がそのまま富士山麓の樹の海に堕ちていく様子をカエレスイェスに圧されながらも確と目撃し、無事かどうかの確認その他諸々の意味を込めて名を呼んだ。
「......」
「やはり翼を展開させなければ、簡単に倒せるようだねぇ。魔力がないってのは、悪魔にとっては致命傷ってわけか」
「っ、くそっ......!」
その呼び声が聞こえているのかいないのか不明だが、葵雲の返事はなかった。それを察し、来栖亭は思わず悪態を吐いた。
それと同刻で瞬間的に葵雲の堕ちた先、青木ケ原樹海に視線を向ける。
「あれ、敵から目ぇ離していいのかなぁ?」
「っ!!が、あっ......!」
その一瞬を、カエレスイェスは見逃さなかった。
刹那で来栖亭の至近距離まで近づき、その動きに対応しきれていない来栖亭を大きく振りかぶった聖剣·エクスカリバーでざっくりと斬りつけた。
重量級の剣での袈裟斬りを食らった事により、瞬間的に発生した重い風圧に押され、来栖亭はドサッと地面に倒れ付した。
「っ来栖亭!!......、っ、ちっ、邪魔......!」
「ラファエルさっ............う、くっ......」
「......」
来栖亭の悲鳴を聞きつけた我厘と天仕が救援に向かおうとするも、金髪の少年......謎の元宮廷魔導師が絶え間なく撃ち出す神気の弾幕が容赦なく襲いかかって来ており、被弾を避けようと弾いたり避けたりするのに精一杯。
妙に息が上がり、心做しか立っているのですら辛い。そんな、仲間の救助どころか、自分すら危ういという最悪な状況に一同は陥っていた。
「......油断しちゃったね、大天使聖ラファエル」
「......ぅ、は..!」
肩口から腹にかけてを大きく斬られても、なお抵抗すべく藻掻こうとしている来栖亭を、カエレスイェスは笑みを浮かべながら眺めていた。
「君は能力こそ強いが、戦闘向きじゃなかったはずだ。相手に戦闘特化型の僕がいるのに、しゃしゃり出てきたのが運の尽きだったねぇ」
「っ......!」
右手に持ったエクスカリバーを、来栖亭から溢れる血で形成された水溜まりの中心部に刺し、溢れた血液に含まれている神気を吸収しながら、来栖亭が忌々しげにこちらを睨みつけている様子をじっと見つめる。
「こ、の......せいふ、の......傀儡、め......!」
「あれぇ、失血しすぎてもはや状況の優劣すら正常に判断できなくなったか」
「な、にを、......ほざいて、る......のか......」
「......なら、早く終わらせようか」
そして、
「さようなら、7大天使の一角。守護天使、ラファエル」
エクスカリバーを天高く振り上げたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
......その頃、勢い良く樹海に墜落した葵雲は、地面に倒れたままゆっくりと目を開けて、自分がどこにいるのかを覚醒し始めた頭でようやく理解した。
ズキズキと脇腹が痛むので体に力が入らないのと、先の戦闘で負った大量の小さな傷が猛烈に痒いのをありありと感じながら、自分より少し上に覆い被さるように生い茂った木々を暫しぼーっと眺めていた。
「......んー、傷口を痒くしても、そこまで優勢?にはならないよね......」
強くもじつよーせー?もない法術を、あのカエレスイェスがわざわざ使うかなぁ......?
そう思いながら、耳障りなほど不気味で大きな木々のざわめきを聞き流す。木がたくさん犇めいている樹海では、少しのそよ風ですらおどろおどろしい不協和音を奏でることができる。
「......そういえば、こないだ擦りむいた傷にかさぶたができて1日くらいたった時も、こんな感じで痒かったなー......」
あれ、けっこうきついんだよね~......かかないようにするの......
掻きたいのに搔けない、あのどうしようもないもどかしい感覚を思い出して身震いし、その直後に真冬の夜の低い気温に再び身震いする。
「......あー、少しでも魔力があれば、翼を展開させられて、あの一撃は避けられたはずなのに......」
そこまで言って、
「......ん?」
ふと、自分が言ったことの中の一部が引っかかり、思わず首を傾げて声を上げる。
「痒い?傷が?............あ、思い出した!!あれ傷が治りかけてる時のかゆいやつだ!!ってことはー......」
そして、その引っかかった事の正体等色々がはっきりして、自身の手と足を見て傷跡しかない事を確認し、
「......んふふ、やった!!傷が治っ......」
ガバッと勢いよく体を起こして、喜びの衝動に任せて両手を掲げようとした瞬間だった。
「......あれ?」
再び、何かが引っかかった。
「今、お腹、痛くない......?」
先程、カエレスイェスに思い切り打撃を食らわされた脇腹。それで葵雲は目に見えた傷こそ負わなかったものの、内出血や骨折等、割と深手は負っていた。
そして、翼を展開する程度の魔力すら持っていなかった(自覚している上では)はずなのに、"重症を数分で自己治癒する"という、翼を展開する以上に魔力を消費する能力は無自覚ながらきちんと行使できていた。
つまり......
「......魔力がある、今、この世界に、傷を治せるほどの魔力が......」
......と、そこまで考えて、葵雲はふと疑問に思った事を口にした。
「......日本って、元々そんなに魔力あったっけ?」
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