45 / 53
また公園で
しおりを挟む今日は朝から覚悟が必要な一日だった
自然体でいようとすればするほど意識しちゃってなんも考えれなかった
誰になに話しかけられても頭に入ってこない感じ
こんなんでわたしどうなっちゃうんだろう?なんてずっと考えてた
朝もお昼も花凜ちゃんに「どうしたの? 大丈夫?」って言われたのは覚えてる
そんくらいなんもかんも上の空だったんだろうな
部活も急に顧問が会議とかで来れなくなって自主練になったんだけど ストレッチや筋トレしててもなんかぼーっとしてた
先輩が今日は好きにしていいから帰りたい人は帰ってねって言ってたけどこんな時にかぎって予定があるから早く帰ってもなぁって感じだった
結局学校を早く出ることになったんだけどこんなだとゆっくり行っても5時には公園についちゃう、なんて考えてた 仕方ないと思ってても公園に足が向かう
ほらね、やっぱこんなに早く着いちゃう 時計を見るとまだ5時を少し過ぎた頃だった…
えっ!?いる!?フミアキが公園にいた
なにをするとでもなくいつものベンチに座って考え込んでるようにも見えた
「早すぎん!? なにしてんの!?」
フミアキを見るなりわたしは駆け寄りながら話しかけた
「おつー 別に…。ずっと家にいたから退屈だったんでな」
それにしても早いだろ いつからいたんだ?
「弟くん、カイトくんだっけ 大丈夫だった?」
まずは気になってたことを聞く
「うん 大丈夫 やっぱ医者に大丈夫って言われるとホッとするわ 今はかあさんいるから安心だしな」
「そりゃね とりあえずよかったね」
ホッと胸を撫でおろす
落ち着いて公園を見回すとチラホラと人がいた
わたしたちはどんな風に見えるんだろ?なんて考えてるわたし
やっぱり空はオレンジ色してた
「ネオンの方こそ早すぎん? 部活なかったん?」
「顧問が会議とかで自主練だったんよ んで早目に解散したってわけ」
「ほーん」
当たり障りのない会話 間を取り繕う会話になってた
お互い手探りな感じが漂う
いつものベンチに座りながら町を二人して見下ろしてた
「話しあるって言ってたけど…」
不意にフミアキが話し出す
きた! いつ切りだそうかとは思ってたけどなんて切り出せばいいのか悩んでた
「それさ、やっぱおれに先に話させてくれんかな? おれも話したいことあったわけだし」
思いもがけぬフミアキからの提案だった
断る理由なんてないよ…わたしは黙って頷いた
「こないだ言ったこと、引っ越し、転校、ぜんぶホントのことだ」
フミアキは話し出した
ひとつひとつ言葉を選んで正確にわたしに伝えようとしてた
「誰にも言いたくなかったけど、ネオンだけにはちゃんと伝えておきたかった」
「……。」
「ネオンとここで話して以来おれは自分で作ってた壁をとっぱらってたつもりだったから… 少しでも親しくなったみんなに転校するって言って余計な気をつかってほしくなかったし、なにより転校ってことで特別扱いされるのはいやだったから」
「それでもネオンにだけは言わなきゃって思ってた おれのことなんにも知らないまま離れちゃうのはなんかいやだったから」
「なにも知らないってことはないだろ…」
黙って聞いてたけど黙ってられなかった
なにも知らないってどういうことだよって思った
「そうじゃない 他の誰かと同じようには扱えないってことだよ」
回りくどい言い方に思えた フミアキがなに言おうとしてるかはわかんないけど それでも回りくどく感じた
「ネオンが知ってるようにおれは不器用な生き方してきた この年齢になるまでそれは仕方のないことだと思ってた それに気づかせてくれる存在もいなかった だっておれは自分を閉ざしていたから 友だちって呼べる関係ももたなかったから」
「そんなおれをネオンは動かした いつの間にか懐に入り込んでた そんな大きい体してるくせに」
またくだらない冗談言ってる
「何年ぶりだろ?って思った 離れるのが、別れるのがイヤでツラくて悲しくなるのなんて… こうなるのがイヤでおれは友だちがいらないって思ってたって、また思い知らされてる」
「でもな、今までとは違うってのも感じてる
こんな気持ちになれるのも友だちや親しく接してくれた仲間がいるからなんだって思えてる」
「それもこれもネオン、おまえのおかげだ」
なんか震える…震える感情が込み上げてくる
フミアキのひとつひとつの言葉がわたしを昂《たかぶ》らせる
「前のフミアキだったら おまえのせいだ って言ってそうだよな」
皮肉を込めたジョーク 冗談ってのはこう言うんだぞ? フフッて笑うフミアキを見て思う
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
結婚する事に決めたから
KONAN
恋愛
私は既婚者です。
新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。
まずは、離婚してから行動を起こします。
主な登場人物
東條なお
似ている芸能人
○原隼人さん
32歳既婚。
中学、高校はテニス部
電気工事の資格と実務経験あり。
車、バイク、船の免許を持っている。
現在、新聞販売店所長代理。
趣味はイカ釣り。
竹田みさき
似ている芸能人
○野芽衣さん
32歳未婚、シングルマザー
医療事務
息子1人
親分(大島)
似ている芸能人
○田新太さん
70代
施設の送迎運転手
板金屋(大倉)
似ている芸能人
○藤大樹さん
23歳
介護助手
理学療法士になる為、勉強中
よっしー課長
似ている芸能人
○倉涼子さん
施設医療事務課長
登山が趣味
o谷事務長
○重豊さん
施設医療事務事務長
腰痛持ち
池さん
似ている芸能人
○田あき子さん
居宅部門管理者
看護師
下山さん(ともさん)
似ている芸能人
○地真央さん
医療事務
息子と娘はテニス選手
t助
似ている芸能人
○ツオくん(アニメ)
施設医療事務事務長
o谷事務長異動後の事務長
ゆういちろう
似ている芸能人
○鹿央士さん
弟の同級生
中学テニス部
高校陸上部
大学帰宅部
髪の赤い看護師
似ている芸能人
○田來未さん
准看護師
ヤンキー
怖い
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる