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恩田美夜のはなし
しおりを挟む「こないだおばあちゃんに聞いた話なんですけどね、」
この前置きがいかにも怖い話ぽかった
『友だちに聞いた』、『友だちの友だちに聞いた』、と言った実話怪談は山ほどある
内容の真意はともかく『実際に友だちに聞いた事』が事実であればそれは実話怪談なのだ
「うんうん」
いかにもな雰囲気を作りながら話す美夜《みや》ちゃんの表情に吸い込まれそうになる
美夜ちゃんの持つ雰囲気はこのような場合とくに強い武器になっていた
「この辺りじゃ有名な〇〇町にある廃墟あるじゃないですか?」
知ってる わたしたちも一度行ったことがある
中にこそ入れなかったが戦前昭和の初期に建てられた建物で当時の建築物じゃ珍しくコンクリートの建造物だった そのおかげで形も崩れず比較的当時のままの面影を残して現存していた
この辺りじゃ知らない人はいないと言っても言い過ぎではない程有名な心霊スポットだった
「知ってるよ わたしたちも見に行ったし けど、あそこはもう散々探索されてるよ? 今更なんかあんのかな?」
「まぁ聞いてください おばあちゃんにわたしが聞いた話しじゃあそこは昔病院だったらしいです」
それも知ってた 戦時中は沢山の負傷者が運び込まれて来て病院の外まで患者さんが溢れてた、なんて話まで聞いたくらいだから 廃墟の病院ってだけでも簡単に心霊スポットになり得るのにここの病院はそう言ったエピソードがいくつかあった
「うんうん それで?」
わたしたちが知ってる以上の情報が果たして出てくるのか?なんて疑問がこの時わたしの頭の中に浮かんだ
「おばあちゃんは小さい頃にあの病院に通ってた時期があるらしいんですが 一度だけ不思議な体験をしたらしいんです」
「不思議な体験?」
「はい、どうやらそれはあの病院には地下室があるんじゃないか?と言ったものでした」
「地下室!?」
初めて聞くワードだった 廃病院に霊が出るだのの類の話しは何度も聞いたけど地下室なんて聞いた事なかった
「どうしてそんなことがわかるの?」
「小さい時、診察帰りにトイレの帰りに奥の院長室の扉が開いてたみたいで お世話になってる院長先生に挨拶していこうと思い部屋の中を覗いたみたいなんですね その時床の一部から扉のようなものが開いてるのが見えて そこから人が出てきたのを見たらしいんです」
「ほほう…」
思わずわたしは顎に手をあてながら声が出た
初耳だったその情報に喜びを噛み殺しながら
どうして喜びを噛み殺しているかと言うと、わたしの好奇心がウズウズとしていたから
はやる気持ちを悟られぬ様 冷静さを保とうと必死だったのだ
「神子《みこ》、落ち着け 落ち着け」
深鈴《みすゞ》の冷静なわたしをたしなめるかの様な声が聞こえる こんなに落ち着こうと必死なのにわたしの動揺が見て取れるかのような口ぶりだ
「鼻の穴、鼻の穴」
「えっ!? まじ!?」
すかさず手鏡で自分の鼻を見る
わたしは興奮すると鼻の穴が大きく開いてしまう癖があった さすが深鈴、見るとこが違う!!
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