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第3章 14歳の夏 Part16
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階段を颯爽と上る彼の父の両手には、荷物がいっぱいだ。
私は弟の手を握ったまま、足がすくみそうなのを悟られないように必死で、気づくのが遅れていた。
これから顔を合わせるのは、3年ぶりに再会する和臣だということに——。
ガチャッ。
「ただいまー」
彼の父が大きな体でバッグを抱えたまま玄関のドアを開けて入っていく。
一気に懐かしい風景が目の前に広がり、ひとりだったら倒れそうだった。
胸の奥がぎゅっと縮んで、呼吸が浅くなる。
「美央ちゃん、樹くん、いらっしゃい」
彼の母が、まさかこんなに温かく迎えてくれるなんて思っていなかった。
靴を脱ぐ間、背後の子ども部屋の気配を感じて胸が震える。
12歳だった和臣は、今は15歳のはずだ。
中学3年生の彼がそこにいると思うと、今度こそ足がすくむ。
(いっそのこと逃げ出したい……)
「ほら、ボーっとしてないで、早くゆっくりしろ」
彼の父の声で我に返り、冷静さが少し戻る。
年の離れた弟を守れるのは私だけだ。
その思いが、震える足をなんとか前へと動かしてくれた。
心臓はまだ暴れているのに、体だけが前へ進んでいく。
和臣に会うのが怖いのか、楽しみなのか、自分でも分からなかった。
私は弟の手を握ったまま、足がすくみそうなのを悟られないように必死で、気づくのが遅れていた。
これから顔を合わせるのは、3年ぶりに再会する和臣だということに——。
ガチャッ。
「ただいまー」
彼の父が大きな体でバッグを抱えたまま玄関のドアを開けて入っていく。
一気に懐かしい風景が目の前に広がり、ひとりだったら倒れそうだった。
胸の奥がぎゅっと縮んで、呼吸が浅くなる。
「美央ちゃん、樹くん、いらっしゃい」
彼の母が、まさかこんなに温かく迎えてくれるなんて思っていなかった。
靴を脱ぐ間、背後の子ども部屋の気配を感じて胸が震える。
12歳だった和臣は、今は15歳のはずだ。
中学3年生の彼がそこにいると思うと、今度こそ足がすくむ。
(いっそのこと逃げ出したい……)
「ほら、ボーっとしてないで、早くゆっくりしろ」
彼の父の声で我に返り、冷静さが少し戻る。
年の離れた弟を守れるのは私だけだ。
その思いが、震える足をなんとか前へと動かしてくれた。
心臓はまだ暴れているのに、体だけが前へ進んでいく。
和臣に会うのが怖いのか、楽しみなのか、自分でも分からなかった。
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