君との時間 The Time Between Us

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第3章 14歳の夏 Part18

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 弟がいなくなった、その瞬間に体が硬直した。

 ドカッ。

 和臣が私の左側に、大きな体で胡坐をかいた。
 ものすごく距離が近い。
 私がすっぽり入りそうなほど大きい。
 3年前はまだ12歳で、でも背は私より大きかった。
 今回はゴールキーパーらしい大きな上半身が、Tシャツ越しでも分かる。
(どうしよう……ちょっと怖い……)

 和臣は、私の左が定位置だった。
 真由美姉の寝相から助けてくれた次の日から。
 大きくなったけど、やっぱり和臣だと自覚してしまう。
 怖くてまだ体は動かない。
 だけど、不思議と嫌じゃない。
 変わってしまったのに、私を見る目はあの夜と同じで、深くて優しい。

 時間が経つにつれて、足の裏がビリビリと電流でも流れたように痺れ始めた。
 すぐ真横に和臣がいるから、うかつに倒れられない。
 思わず脂汗がにじむ。
 頭では分かっているのに、今にも悲鳴をあげそうなほど痛い。

 グラッ。

 思わず痺れを逃がそうとしたら、体が右に傾いた。
(おぉっと……ふぅ……)
 危機一髪で転がるのは回避できたけど、気が抜けたら何だかおかしくなって、一人で苦笑いしてしまった。
(あ、今、絶対あいつ気付いた)

 隣で和臣が、声が出そうになるのをこらえながらフッと笑った。
 その笑い方が、昔と同じで、でもどこか少しだけ大人びていて、胸がきゅっとなる。
 私の小さな失敗すら、和臣の中では“可愛い”に変換されている気がして、余計に顔が熱くなった。
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