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② 住処の有り様
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私が在学している国立霊能高等学校の授業は選択制だ。
私はそこで霊言の授業を受けている筈だ。と言っても、それは私が怠慢じゃなければって話なんだけど。
霊言って言うのは、生まれた時から死ぬまで自分を守ってくれる精霊に精霊言語を用いた話術で自分を守護する精霊に超自然的な現象を起こしてってお願いする技術なんだけど、霊言は起こす現象の詳細を言葉で精霊に伝えるから、言葉の使い方とか文法が間違っていたら、想定外の現象が起こる危険性がある。
霊言に用いる精霊言語とその使い方を学ぶのが霊言の授業なんだけど、生活に必須な知恵じゃないから、初等学校では習わない。
私はそれなりに大きな町で生まれ育ったんだけど、霊力が高いからって理由で国立霊能高等学校に入学すべきって初等学校の先生に推薦された。
当時の私は田舎で農家にでもなろうかなって考えていたんだけど、霊力の高い人にそんな生活は送れないって先生から言われて、仕方なく進学を受け入れたんだけど、今のところ、その選択は悪くはないって思っているから、その先生には心の中で感謝している。
心の中に留まっている理由は、その先生と再会する機会がないからなんだけど。
国立霊能高等学校は真面目に授業を受けて単位を取得しないと卒業できないって国立霊能高等学校の先生から説教された事があったけど、その授業に私は自分の意思で出席していない。
国立霊能高等学校を卒業した証は、優れている証明に等しいって常識が千王国にはあるから、その名誉を欲して卒業したがっている人は多いって噂を耳にするけど、私の場合は優れている証明とか要らないから、卒業せず、この命が尽きるまで学校生活を続けるのも良いのかなって思っている。
私みたいな霊力が異常に高い人を放置して問題を起こされたら社会を混乱させかねないって理由で、監視できる環境に置くってやり方が千王国の主流だって噂を聞いた事がある。
霊力がA位の鼠はE位の獅子に勝てるってぐらい、高い霊力は危ないから、千王国のやり方が間違っていると思わないんだけど、私はその扱いを受ける程度の危険物だって思われているわけだ。
そう思われるのは嬉しくないけど、死ぬまで後天的に失えない先天的なモノと向き合って生きていくしかない私は、ここ数年の間にそれをある程度は受け入れられた気がする。
そんな私は千王国の国民である限り、千王国から監視されながら生き続けなくちゃいけない。
私は妥協って感じで、その環境を受け入れているけど、そんな環境を受け入れがたい人は隣国の霊王国って国に行くらしい。
まあ、私の場合は霊王国に行っても望みが叶うとは思えないから、妥協して千王国に留まっているんだけど。
千王国の隣国、霊王国は霊力の高さで序列が決まる価値観の大国だ。霊王国で霊力が低いって事は支配されるって事を意味しているらしい。
自分より霊力の高い者には逆らってはいけない。自分より霊力の低い者には何をしても良い。それが霊王国の常識らしい。
霊力だけで人の価値を計る霊王国から千王国に逃げてきた人は結構いるって噂を耳にする。
霊力の位がEなんかだと、奴隷にされるって話だから、脱国する人が居るのは当然だと思う。
千王国は霊王国からの難民を受け入れているけど、難民の返還を霊王国から求められる事も珍しくないらしい。
思想の異なる両国が対立しているって話は初等学校で習った。
霊王国に行けば私は誰にも縛られる事のない生活を送れるのかもしれないけど、霊王国で上位者になるって事は人を支配するって事だから、私は成し遂げたい大義は無いし、贅沢な暮らしを送りたいって気持ちもあんまりないし、そもそも、霊力で序列が決まる思想が気に入らないから、霊王国に魅力を感じない。
私が望むのは、誰も裏切らず小さな幸せで満足できる素朴な生活を送る事だから、大きな事を成したいとは思わない。否、思いたくない。
だから、私は小さな箱庭の中で与えられる自由な生活が良いと思っている。
怠惰な私を飼うためにお金を使っている国立霊能高等学校に罪悪感を抱かない訳では無いけど、私が外で勝手な生活を送るより、監視とか対処が楽なんじゃないかなって考える事で、目を背けているって事は内心に留めている。
だって、私は、怠惰な女王で居たいから。
私はそこで霊言の授業を受けている筈だ。と言っても、それは私が怠慢じゃなければって話なんだけど。
霊言って言うのは、生まれた時から死ぬまで自分を守ってくれる精霊に精霊言語を用いた話術で自分を守護する精霊に超自然的な現象を起こしてってお願いする技術なんだけど、霊言は起こす現象の詳細を言葉で精霊に伝えるから、言葉の使い方とか文法が間違っていたら、想定外の現象が起こる危険性がある。
霊言に用いる精霊言語とその使い方を学ぶのが霊言の授業なんだけど、生活に必須な知恵じゃないから、初等学校では習わない。
私はそれなりに大きな町で生まれ育ったんだけど、霊力が高いからって理由で国立霊能高等学校に入学すべきって初等学校の先生に推薦された。
当時の私は田舎で農家にでもなろうかなって考えていたんだけど、霊力の高い人にそんな生活は送れないって先生から言われて、仕方なく進学を受け入れたんだけど、今のところ、その選択は悪くはないって思っているから、その先生には心の中で感謝している。
心の中に留まっている理由は、その先生と再会する機会がないからなんだけど。
国立霊能高等学校は真面目に授業を受けて単位を取得しないと卒業できないって国立霊能高等学校の先生から説教された事があったけど、その授業に私は自分の意思で出席していない。
国立霊能高等学校を卒業した証は、優れている証明に等しいって常識が千王国にはあるから、その名誉を欲して卒業したがっている人は多いって噂を耳にするけど、私の場合は優れている証明とか要らないから、卒業せず、この命が尽きるまで学校生活を続けるのも良いのかなって思っている。
私みたいな霊力が異常に高い人を放置して問題を起こされたら社会を混乱させかねないって理由で、監視できる環境に置くってやり方が千王国の主流だって噂を聞いた事がある。
霊力がA位の鼠はE位の獅子に勝てるってぐらい、高い霊力は危ないから、千王国のやり方が間違っていると思わないんだけど、私はその扱いを受ける程度の危険物だって思われているわけだ。
そう思われるのは嬉しくないけど、死ぬまで後天的に失えない先天的なモノと向き合って生きていくしかない私は、ここ数年の間にそれをある程度は受け入れられた気がする。
そんな私は千王国の国民である限り、千王国から監視されながら生き続けなくちゃいけない。
私は妥協って感じで、その環境を受け入れているけど、そんな環境を受け入れがたい人は隣国の霊王国って国に行くらしい。
まあ、私の場合は霊王国に行っても望みが叶うとは思えないから、妥協して千王国に留まっているんだけど。
千王国の隣国、霊王国は霊力の高さで序列が決まる価値観の大国だ。霊王国で霊力が低いって事は支配されるって事を意味しているらしい。
自分より霊力の高い者には逆らってはいけない。自分より霊力の低い者には何をしても良い。それが霊王国の常識らしい。
霊力だけで人の価値を計る霊王国から千王国に逃げてきた人は結構いるって噂を耳にする。
霊力の位がEなんかだと、奴隷にされるって話だから、脱国する人が居るのは当然だと思う。
千王国は霊王国からの難民を受け入れているけど、難民の返還を霊王国から求められる事も珍しくないらしい。
思想の異なる両国が対立しているって話は初等学校で習った。
霊王国に行けば私は誰にも縛られる事のない生活を送れるのかもしれないけど、霊王国で上位者になるって事は人を支配するって事だから、私は成し遂げたい大義は無いし、贅沢な暮らしを送りたいって気持ちもあんまりないし、そもそも、霊力で序列が決まる思想が気に入らないから、霊王国に魅力を感じない。
私が望むのは、誰も裏切らず小さな幸せで満足できる素朴な生活を送る事だから、大きな事を成したいとは思わない。否、思いたくない。
だから、私は小さな箱庭の中で与えられる自由な生活が良いと思っている。
怠惰な私を飼うためにお金を使っている国立霊能高等学校に罪悪感を抱かない訳では無いけど、私が外で勝手な生活を送るより、監視とか対処が楽なんじゃないかなって考える事で、目を背けているって事は内心に留めている。
だって、私は、怠惰な女王で居たいから。
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