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俺、この戦争が終わったら結婚するんだ。
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我が世に春が来た。
ふんふんふーん、と鼻歌が止めどなく漏れてしまう。だって春来たんだよ。超春来たんだよ。
何故なら俺は、子供の頃から好きだった幼馴染のジュリアと結婚することになったんだ。村一番の美少女と名高かったジュリアと俺がだ。いやマジで。
ああ、自己紹介が遅れたな。俺はギルフォード、二十五歳だ。
帝国軍に所属する第二騎士団の一員で、一応大隊長を務めている。
まぁ、でも正直あんまり難しいことは分からないから、俺の役目は言われた場所に向けて突撃を敢行するだけだ。
俺が先頭に立って、とにかく敵を倒していればいいって副官に言われた。だから、その通りにしている。だがこれが大成功して、何度も戦果を上げてきた。時には、敵の総大将の首を取ったこともある。
故郷の農村は、決して豊かじゃない。だが俺は農村の三男坊だし、畑を継ぐ必要もないから、十五のときに軍に入ったんだ。今でも年に二度ほど帰省はしているけれど、軍の給金から仕送りもしているし、俺の実家は今のところ問題ない。
だが、そのときにジュリアに偶然会ったんだ。
ジュリアは、随分とやつれていた。何でも、親父さんとお袋さんが一斉に流行病で亡くなってしまって、田畑の管理を自分だけで行わなければいけなくなったんだとか。
だから俺は、そのときジュリアに言ったんだ。
俺に、ジュリアの人生を支えさせてくれないか――と。
端的に言うなら、プロポーズだ。
すると、ジュリアも俺のことを少なからず想っていてくれていたらしく、頷いてくれた。
これを、我が世の春と呼ばずに何と言おう!
俺は軍を除隊して、結婚するんだ!
「失礼します、将軍閣下」
「うむ、入れ」
ちなみにそんな俺は今日、俺の所属する第二騎士団の団長、デュラン将軍に呼び出された。昨日、除隊申請書は出したし、理由も問われたから説明した。これ以上、何か話あるのだろうか。
俺の周りでも、農村出身の兵士は「親父が倒れたから故郷に帰る」とか「両親も年だから畑の管理がー」とか言って除隊した者が多い。だから俺も、同じように申請書を出したのだ。俺だって平民の出自だし。
「ギルフォード、お呼びとのことで参りました」
「ああ……そこに座ってくれ」
「……?」
執務机の椅子から立ち上がり、ソファを勧められる。
本来、俺は大隊長――特級騎士であり、デュラン将軍は騎士団長だ。俺よりも遥かに偉い立場にあるため、俺は立っておかねばならない身である。
だというのに、ソファを勧められるとは珍しい――何気なくそう勘ぐりながらも、俺だって立っているより座っている方が楽であるため、ソファに座らせてもらった。
これ、別に失礼って言われないよな? だって、向こうが勧めてくるわけだし。
「ギルフォード。まず、除隊の方だが……考え直すつもりはないか?」
「は、は……?」
え?
思わぬ言葉に、眉根が寄ってしまう。
俺は除隊申請書を出したし、除隊の理由もちゃんと伝えたはずだ。他の連中のことを考えても、俺は間違いなく除隊できるはずだ。あいつら、別に引き留められたって言われてなかったし。
でも、まぁ、俺は大隊長だからな。あいつらのような兵士と違って、一応は率いている身だ。
だから俺に対しては、一応そういう感じで言ってくるってことか。
「ええと……申し訳ありません、将軍閣下。おれ……私は、故郷に戻って結婚し、彼女と共に余生を過ごそうと思っております」
「二十五歳という若さで、余生か……まだまだ現役で戦えるだろうに」
「ですが、戦場は危険です。いつ、私が命を落とすか分かりません」
将軍の言葉に、淀みなくそう答える。
いや実際、戦場って超危険なのよ。矢めっちゃ飛んでくるし、なのに俺先頭を走らないといけないし。
特に俺、大隊長だから自分とこの兵士はちゃんと守らないといけない。だから、いつも必死で戦ってんの。
なんか気付いたら、「ガーランドの死神が来たぁぁぁ!!」とか「げぇっ、ガーランドの悪魔だぁっ!」とか敵兵に叫ばれて、物騒なあだ名がついたもんだ、と思ったけど。
そんな俺の言葉に、将軍は小さく「お前はそんなことないと思うが……」と呟いていた。いや、俺人間だからね。死んだら死ぬよ。今んとこ死ぬような傷は受けたことないけど。
「お前が騎士団に残ってくれるのならば……現在の給金を、倍に上げてもいい」
「給金は関係ありません。私は、彼女を幸せにしたいと思っています。彼女は、亡き両親の田畑を守っていくことを望んでいて、私は彼女の力になりたいんです」
「……そうか。いくら説得しても、その気持ちは変わらないということだな」
「はい」
将軍に対して、真剣な眼差しでそう答える。
俺は、ジュリアの幸せのためにこれから生きていくのだ。ジュリアと共に過ごし、ジュリアと子を育み、ジュリアと共に死んでいく。そんな人生を求めている。
やっべ、ジュリアと子供作るとこ想像したら、今からもう興奮しちゃってるよ俺。
「だがギルフォード、私は……いや、軍は、それに陛下も、ギルフォードのことを高く評価している」
「えっ……へ、陛下、も……?」
「ああ。『ガーランドの英雄』と名高いギルフォードの武勇は、陛下の耳にも届いている。陛下にも除隊を伝えたところ、非常に残念だと嘆いておられた」
「そんな……」
え、『ガーランドの英雄』ってそんな呼ばれ方したことないけど。
俺いつも聞くの、常に『ガーランドの死神』『ガーランドの悪魔』って恐ろしく物騒なものばかりだったんだけど。誰が呼んでんのそれ。
それに、たかだか平民出身の俺のことを、陛下が知っているとか。
陛下、どんだけ暇なん。
「だが、我々はお前の自由意志を尊重したいと思う。除隊を、認めよう」
「ありがとうございます」
「しかしだな……すぐというわけにはいかない」
「はぁ」
何だろう。
まぁ、確かに引き継ぎとか必要になんのかな。大隊長だし、俺の率いる『切り込み隊』のことを、後任の大隊長にも知ってもらわなきゃならないよな。副官のレインにも目通ししとかなきゃいけないし。
あれ、それともレインがそのまま大隊長になるのかな。分からん。
「これより、ガーランド帝国は大規模作戦を展開する予定だ。詳細はまだ言えないが、かなりの規模になるだろう。そして、その作戦にはお前の名前も既に載っている」
「えっ……」
「除隊は認める。だが軍人たる者、責任は果たせ。この大規模作戦を終え、帰還したとき……それが、ギルフォード。お前の、除隊するときだ」
「……」
大規模作戦。
その内容は、俺には分からない。
だけれど、既にその作戦は、俺がいることを前提で作られている。
ならば、軍人としてそれに参加することは、間違いない義務だ。結婚が延びるのは嫌だけど、仕方ない。そこは、ジュリアにも納得してもらおう。
「承知いたしました」
だから俺は、頷く。
最後の作戦――それに参加して、俺は生き延び、帰ってみせよう。
俺、この戦争が終わったら結婚するんだ。
ふんふんふーん、と鼻歌が止めどなく漏れてしまう。だって春来たんだよ。超春来たんだよ。
何故なら俺は、子供の頃から好きだった幼馴染のジュリアと結婚することになったんだ。村一番の美少女と名高かったジュリアと俺がだ。いやマジで。
ああ、自己紹介が遅れたな。俺はギルフォード、二十五歳だ。
帝国軍に所属する第二騎士団の一員で、一応大隊長を務めている。
まぁ、でも正直あんまり難しいことは分からないから、俺の役目は言われた場所に向けて突撃を敢行するだけだ。
俺が先頭に立って、とにかく敵を倒していればいいって副官に言われた。だから、その通りにしている。だがこれが大成功して、何度も戦果を上げてきた。時には、敵の総大将の首を取ったこともある。
故郷の農村は、決して豊かじゃない。だが俺は農村の三男坊だし、畑を継ぐ必要もないから、十五のときに軍に入ったんだ。今でも年に二度ほど帰省はしているけれど、軍の給金から仕送りもしているし、俺の実家は今のところ問題ない。
だが、そのときにジュリアに偶然会ったんだ。
ジュリアは、随分とやつれていた。何でも、親父さんとお袋さんが一斉に流行病で亡くなってしまって、田畑の管理を自分だけで行わなければいけなくなったんだとか。
だから俺は、そのときジュリアに言ったんだ。
俺に、ジュリアの人生を支えさせてくれないか――と。
端的に言うなら、プロポーズだ。
すると、ジュリアも俺のことを少なからず想っていてくれていたらしく、頷いてくれた。
これを、我が世の春と呼ばずに何と言おう!
俺は軍を除隊して、結婚するんだ!
「失礼します、将軍閣下」
「うむ、入れ」
ちなみにそんな俺は今日、俺の所属する第二騎士団の団長、デュラン将軍に呼び出された。昨日、除隊申請書は出したし、理由も問われたから説明した。これ以上、何か話あるのだろうか。
俺の周りでも、農村出身の兵士は「親父が倒れたから故郷に帰る」とか「両親も年だから畑の管理がー」とか言って除隊した者が多い。だから俺も、同じように申請書を出したのだ。俺だって平民の出自だし。
「ギルフォード、お呼びとのことで参りました」
「ああ……そこに座ってくれ」
「……?」
執務机の椅子から立ち上がり、ソファを勧められる。
本来、俺は大隊長――特級騎士であり、デュラン将軍は騎士団長だ。俺よりも遥かに偉い立場にあるため、俺は立っておかねばならない身である。
だというのに、ソファを勧められるとは珍しい――何気なくそう勘ぐりながらも、俺だって立っているより座っている方が楽であるため、ソファに座らせてもらった。
これ、別に失礼って言われないよな? だって、向こうが勧めてくるわけだし。
「ギルフォード。まず、除隊の方だが……考え直すつもりはないか?」
「は、は……?」
え?
思わぬ言葉に、眉根が寄ってしまう。
俺は除隊申請書を出したし、除隊の理由もちゃんと伝えたはずだ。他の連中のことを考えても、俺は間違いなく除隊できるはずだ。あいつら、別に引き留められたって言われてなかったし。
でも、まぁ、俺は大隊長だからな。あいつらのような兵士と違って、一応は率いている身だ。
だから俺に対しては、一応そういう感じで言ってくるってことか。
「ええと……申し訳ありません、将軍閣下。おれ……私は、故郷に戻って結婚し、彼女と共に余生を過ごそうと思っております」
「二十五歳という若さで、余生か……まだまだ現役で戦えるだろうに」
「ですが、戦場は危険です。いつ、私が命を落とすか分かりません」
将軍の言葉に、淀みなくそう答える。
いや実際、戦場って超危険なのよ。矢めっちゃ飛んでくるし、なのに俺先頭を走らないといけないし。
特に俺、大隊長だから自分とこの兵士はちゃんと守らないといけない。だから、いつも必死で戦ってんの。
なんか気付いたら、「ガーランドの死神が来たぁぁぁ!!」とか「げぇっ、ガーランドの悪魔だぁっ!」とか敵兵に叫ばれて、物騒なあだ名がついたもんだ、と思ったけど。
そんな俺の言葉に、将軍は小さく「お前はそんなことないと思うが……」と呟いていた。いや、俺人間だからね。死んだら死ぬよ。今んとこ死ぬような傷は受けたことないけど。
「お前が騎士団に残ってくれるのならば……現在の給金を、倍に上げてもいい」
「給金は関係ありません。私は、彼女を幸せにしたいと思っています。彼女は、亡き両親の田畑を守っていくことを望んでいて、私は彼女の力になりたいんです」
「……そうか。いくら説得しても、その気持ちは変わらないということだな」
「はい」
将軍に対して、真剣な眼差しでそう答える。
俺は、ジュリアの幸せのためにこれから生きていくのだ。ジュリアと共に過ごし、ジュリアと子を育み、ジュリアと共に死んでいく。そんな人生を求めている。
やっべ、ジュリアと子供作るとこ想像したら、今からもう興奮しちゃってるよ俺。
「だがギルフォード、私は……いや、軍は、それに陛下も、ギルフォードのことを高く評価している」
「えっ……へ、陛下、も……?」
「ああ。『ガーランドの英雄』と名高いギルフォードの武勇は、陛下の耳にも届いている。陛下にも除隊を伝えたところ、非常に残念だと嘆いておられた」
「そんな……」
え、『ガーランドの英雄』ってそんな呼ばれ方したことないけど。
俺いつも聞くの、常に『ガーランドの死神』『ガーランドの悪魔』って恐ろしく物騒なものばかりだったんだけど。誰が呼んでんのそれ。
それに、たかだか平民出身の俺のことを、陛下が知っているとか。
陛下、どんだけ暇なん。
「だが、我々はお前の自由意志を尊重したいと思う。除隊を、認めよう」
「ありがとうございます」
「しかしだな……すぐというわけにはいかない」
「はぁ」
何だろう。
まぁ、確かに引き継ぎとか必要になんのかな。大隊長だし、俺の率いる『切り込み隊』のことを、後任の大隊長にも知ってもらわなきゃならないよな。副官のレインにも目通ししとかなきゃいけないし。
あれ、それともレインがそのまま大隊長になるのかな。分からん。
「これより、ガーランド帝国は大規模作戦を展開する予定だ。詳細はまだ言えないが、かなりの規模になるだろう。そして、その作戦にはお前の名前も既に載っている」
「えっ……」
「除隊は認める。だが軍人たる者、責任は果たせ。この大規模作戦を終え、帰還したとき……それが、ギルフォード。お前の、除隊するときだ」
「……」
大規模作戦。
その内容は、俺には分からない。
だけれど、既にその作戦は、俺がいることを前提で作られている。
ならば、軍人としてそれに参加することは、間違いない義務だ。結婚が延びるのは嫌だけど、仕方ない。そこは、ジュリアにも納得してもらおう。
「承知いたしました」
だから俺は、頷く。
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