山神様と身代わりの花嫁

村井 彰

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番外編2 螢花と汐季

「では、行ってまいります」
  今日も綺麗に身支度を整えた汐季は、昨日と同じように玄関に立ってそう言った。
「ん、気をつけてな」
  口では素っ気ない態度を取ってみたが、螢花の頭の中はそれどころではない。
  今日の汐季は、特別に綺麗だ。いや、昨日も同じ事を思った気がする。一昨日も、その前も、汐季がこの家にやって来た時からずっと、螢花は今日の汐季が一番綺麗だと思っている。かつては見た目にこだわる人間を愚かだと笑ったものだが、今なら分かる。容姿だって、愛しく思う相手を形作る、大切な要素のひとつなのだと。
「螢花様?」
  まじまじと汐季の顔を見つめている螢花を見返して、汐季が不思議そうな顔をする。そんな些細な表情の変化も好ましいと思うけれど、それを口に出すのはなかなか難しい。こういう時、いつも思い出すのはあの時のことだ。


  螢花が汐季と出会うずっと前、鸛良が初めて隼吉を連れて、この家にやって来た時のことだ。二人が帰る直前、ちょうどこの玄関で、鸛良がいきなり隼吉に口付けたのを目の当たりにした。
  隼吉の方は「人前で何するん?!」などと言いながら、怒って先に出て行ってしまったが、鸛良の方はなぜ怒られたのか分からない様子で首を傾げていた。
「……なんだ、今のは」
「いや……隼吉が螢花の前で緊張している様子だったのが可愛らしかったから、つい」
「意味が分からない。それならそうと、本人に直接言えば良かっただけだろう」
「分かっていないのはお前の方だよ。言葉では伝えきれない気持ちだってあるだろう」
  そう言って肩をすくめる鸛良の姿に、なぜか置いていかれたような気持ちになったことを、未だに覚えている。


  あの頃は、鸛良が言う意味がまるで理解できなかった。けれど今ならなんとなく分かる気がする。言葉にし難い思いは確かにある。だからこそ、その代わりに行動で示すのだ。
「……汐季。ちょっと」
「はい?」
  螢花が手招きするままに、汐季は少し身を屈めて、顔を近づけてきた。その肩に手を乗せて、ちょっとだけ背伸びをする。
「…………え」
  驚いて目を見開いた汐季の唇に、自らの唇を一瞬だけ触れ合わせた。
「……じゃあ、いってらっしゃい」
  唇を離すと同時に湧き上がってきた照れ臭さをごまかすために、汐季の肩を軽く押して、転移の術で送り出す。目を丸くしたままの汐季の姿が白い光に包まれて、その光の余韻も消え去った後で、螢花はそっと自分の唇に触れてみた。
  鸛良達が、こんなふうに仲睦まじく触れ合う様子を見るたびに、一体何の意味があるのだろうと疑問に思ってきた。だけど、ようやく分かった。
  意味なんて、求める必要はないのだ。ただ触れ合うだけで、心が満たされて、幸せな気持ちになる。
  これは、そういう類のものなのだ。


  *


  螢花に送られて、鸛良達が営む呉服屋の前に辿り着いた汐季は、しかしどうする事も出来ずに、その場に立ち尽くしていた。
「おはよう、汐季くん。……どないしたん?」
  店から暖簾のれんを掻き分けて姿を見せた隼吉に、訝しげな声で訊ねられ、汐季はぎこちない動きで振り返った。
「隼吉さん……」
「な、なんやなんや、螢花さんと喧嘩でもしたんか?」
  汐季の情けない声に驚いた隼吉は、慌てて店から飛び出してきて、その顔を覗き込んだ。
「隼吉さん、俺……っ」
「あーわかったわかった! 汐季くん、一回店入ろか! な?!」
  隼吉にガシッと肩を掴まれ、そのまま店の中に引きずり込まれる。その途端、入り口付近で掃き掃除をしていたフミに不思議そうな顔で見上げられた。
「汐季ちゃん、どうしたん? なんか変やで」
「そうやねんフミちゃん……せやしちょっと上で汐季くんとお話してくるって、お母さんに言うといてくれるか」
「はーい」
  小さな竹箒を持ったまま元気よく答えたフミを置いて、隼吉は裏口の引き戸を勢いよく開けたのだった。


  *


「……それで? そんなことで、あんなこの世の終わりみたいな顔しとったん?」
「そ、んなことじゃないです……少なくとも、俺にとっては」
  隼吉が渡してくれた湯呑みで顔を隠しながら、汐季はうなだれた。その向かいに正座する隼吉は、ちゃぶ台に肘をついて大きなため息を吐く。
「むしろ、ひとつ屋根の下に暮らしとって今までなんも無かったことの方が驚きやわ。君ら夫婦なんやろ?」
「で、でも、螢花様も俺も男ですし……」
「そんなん関係あらへんよ。僕とカンさんかって、出会った時は男同士やったしな」
  肘をついたまま、隼吉はあっけらかんとした口調で言う。
「あの、前から気になっていたんですけど、隼吉さんって……」
「ん? ……ああ、僕は元々女の人を愛せへん質でなあ。向こうで許嫁やった人放り出してきてしもうたんも、そういう理由や」
  自分の湯呑みに口をつけて、隼吉は肩をすくめる。
「えっと……でも鸛良さんは、女性の姿でいる時の方が多いですよね」
「そらヒヨちゃんにお乳あげなあかんからなあ。……まあ、僕らも子供ができるまでは色々あってん。けど螢花さんは、汐季くんが初めて会った時からあの姿やろ? ほな今さら困ることなんか無いんと違うか」
「それは、そうなんですけど……俺はこういうことの経験もないですし、今まで螢花様に、その、そういうふうに求められたこともないので……驚いてしまって」
  恋や愛という感情を一足飛びにして家族になることを選んだからか、汐季はまだ螢花のことを、そういった対象として見られないでいる。もちろん螢花のことは好きだし、彼に触れられること自体が嫌な訳ではないのだが。
  己の感情に上手く整理がつけられず、もごもごと口ごもる汐季を見つめ、隼吉は小さく息を吐いた。
「まあ、夫婦やからって必ずそういう事せなあかんわけと違うし、結局は君ら次第やからなあ。それやったら、帰ってから螢花さんと話してみた方がええんとちゃう? 心配せんでも、汐季くんの気持ちが追いついてへんのに無理強いするような人と違うやろ」
「……そう、ですね」
  隼吉の言う通り、螢花本人がいない場所でどれだけ彼について話してみても、その本心なんて分かる訳がない。とは言え、一体彼と何を話せばいいのか。どうして突然口付けなんてしたんですか、なんて面と向かって聞ける訳がない。
「さて、ほなそれ飲んだら店開けよか」
「あ、はい」
  隼吉に言われ、汐季は慌てて湯呑みに口をつけた。自分はここに働きに来ているのだから、いつまでも隼吉に甘えている訳にはいかない。
「……隼吉さん。いつもありがとうございます」
「ん? どないしたん急に」
「いえ、隼吉さんにはいつも相談に乗って貰っているので、そのお礼を言いたくて」
  湯呑みを手に腰を浮かせかけていた隼吉は、汐季を見返してメガネの奥の目を丸くした。
「そんなん、気にせんでええよ。僕は汐季くんと話すんが好きなだけやし、相談に乗るなんて大層なことしてるつもりはないしな」
  そう言って、隼吉は優しく笑った。結局のところ、この世界でも色んな人に助けられて生きている。
  まだ温かい緑茶を飲み干して、汐季は窓の外を見上げた。秋の空はどこまでも高く、遥か遠くに鱗のような雲が浮かんでいた。


  *


  その日の仕事を終え、鸛良に自宅まで送り届けられた汐季は、玄関の前に立って考え事をしていた。考えているのは、もちろん螢花と何を話すべきか、ということである。いつも通り接すればいいだけの話なのだが、あまりにも考えすぎて、そのいつも通りすら分からなくなってしまった。普段自分は、螢花とどんな話をしているんだっけ。
  引き戸を見つめたまま考え込んでいると、その向こうからパタパタと近づいてくる足音が聞こえてきた。
「汐季か? おかえり」
  どうやら、汐季の帰宅に気づいた螢花が、出迎えに来てくれたらしい。もう悩んでいる暇はないと、急いで引き戸に手をかけた時、ほぼ同時に向こう側からも戸が引かれ、支えを失った体が前に傾いた。
「うわ」
「はっ?!」
  ぎょっとした螢花の顔が間近に迫ってきて、そのまま二人でもつれあうようにして、玄関先に倒れ込む。
「い、たた……」
  膝や手のひらに鈍い衝撃が走り、汐季は顔を歪ませた。しかしそのわずか後には、自分たちがとんでもない状況に陥っていることに気がついて、心臓が飛び跳ねた。
「うう……」
「あ、す、すみません、大丈夫ですか螢花様……っ」
  どうやら自分は、螢花を巻き込んで完全に彼を押し倒す形で転んでしまったらしい。鼻先が触れ合いそうな距離に螢花の顔があることに動揺しながら、汐季は慌てて体を起こした。
「はあ……びっくりした。怪我は無いか、汐季」
  焦る汐季とは反対に、螢花はけろりとした様子でさっさと立ち上がり、汐季に手を差し伸べた。しかし、その手を取ろうとした汐季の右手を見て、螢花は眉をひそめた。
「……その手、擦りむいてるじゃないか」
「えっ」
  指摘された途端、手のひらにジリジリとした痛みが走った。よく見れば、手のひらの皮膚が少しささくれて、そこからじわじわと血が滲んでいる。その傷に触れないよう、優しく汐季の手を取って、螢花は悲しそうな顔をした。
「……僕も、鸛良みたいな大人の男の姿になれていれば、君を受け止めてやれたし、怪我もさせなかったのに」
  その言葉を聞いて気づく。いくら彼らが自在に姿を変えられるとはいえ、それを苦手とする螢花にとって、今の姿は、彼自身が望んだものとは違っているのかもしれない。
「……俺は、転んだ後に手を差し伸べてくれる、今の螢花様が好きですよ」
  螢花の手を握り返して立ち上がり、汐季は微笑んだ。
(良かった。ちゃんといつも通り話せてる)
  不意の出来事のおかげで、直前まで感じていた緊張はどこかに行ってしまったようだ。こっそりと安堵の息を吐く汐季とは反対に、螢花は難しい顔をしている。
「すぐに手を洗った方がいい。こっちに来てくれ」
  汐季の手を離して袖を掴み直し、螢花はそのまま玄関を出た。
「え、あの、螢花様……?」
  戸惑う汐季を連れて家の裏に向かったかと思うと、勝手口のそばにある井戸端で足を止め、螢花はそこで水を汲み上げ始めた。
「螢花様……そこまでしなくて大丈夫ですよ。水がもったいないですし」
「大丈夫じゃない。……人間は小さな傷で死んでしまう事もあるだろう。人里に降りた時、何度も見てきた」
  汲み上げた水を桶に移すと、螢花は汐季をそのそばに座らせて手を取り、優しく撫でるようにして手のひらの傷を洗い始めた。
「ん……」
  幸いなことにほとんど痛みはなかったが、傷のせいで感覚が鋭敏になっているのか、はたまた今朝のことで意識してしまっているせいか、螢花に触れられるたびに鼓動が速くなっていく。
「螢花様、あの」
「もうちょっと我慢してくれ。……なんだ、よく見たら膝のところが汚れているじゃないか。そこも擦りむいていないだろうな」
  そんな言葉と共に無造作な手つきで着物の裾を捲られそうになり、汐季は驚いて飛び退いた。その時に螢花の手を振り払ってしまい、水桶がひっくり返る。勢いよく零れた水が汐季の足袋を濡らしたが、そんなことを気にする余裕はなかった。
「だ、大丈夫ですから!」
「大丈夫かどうかは、ちゃんと見てみないと分からないだろう」
「本当に大丈夫です! あとで、自分で確認しますから!」
  いたたまれなくなって、汐季は螢花をその場に残し、バタバタと勝手口に逃げ込んだ。
「汐季! 走ったら危ないだろう!」
  後ろから螢花の声が追ってくるが、今さら立ち止まることも出来ない。土間に草履を脱ぎ散らかしたまま、板の間を飛び出して寝室に向かう。座敷の真ん中に座り込んだ途端、奥の鏡台に写った自分の顔が真っ赤になっている事に気がついて、さらにいたたまれなくなった。
  意識しないようにすればするほど、頬が熱くなっていくのが分かる。触れた唇の柔らかさや、間近で見た色素の薄い瞳や、優しい手つき。それらを思い出すごとに、息苦しいくらいの胸の高鳴りを感じた。
「なんだ、これ……」
  自分の中から湧き上がってくる感情の名前も分からないまま、汐季はただ、答えのない問いを吐き出すことしか出来なかった。


  *


  汐季の様子が、おかしい。
「……なぜ、そんなに離して布団を敷くんだ」
「えっ、あ、あの……寝ている間に螢花様を蹴飛ばしてしまったら申し訳ないと思いまして」
「今さら何を言ってるんだ。今まで一緒に寝てきて蹴飛ばされたことなんて一度もないぞ」
「そっ、そうですか……それは、その、良かったです」
  掛け布団の上に正座したまま、汐季はもじもじと自分の膝に視線を落とした。しかし、いつもはぴったり並べて敷かれている二つの布団には、人ひとりが横になれるほどの隙間が空いたままだ。
「……何か気に入らない事でもあるのか?」
  こちらに目も合わせようとしないなんて、普段の汐季からは考えられない態度だ。何かよっぽど不満なことでもあるのかと勘繰かんぐってしまう。しかし、汐季は慌てた様子で首を振る。
「気に入らないことなんて何もありません!」
「じゃあ何でさっきからこっちを見ないんだ」
「それは……」
  少し強く問いただすと、汐季はまたうつむいてしまった。螢花が本当の姿を見せた時でさえ、こんなふうにはならなかったのに、突然どうして。
「……もしかして、今朝のことか?」
「えっ」
  汐季の肩が、ぴくりと跳ねる。やっぱりそうだ。螢花が突然口付けたせいか。夫婦なら普通のことだと思ったけれど、それは人の感覚とは違っていたのかもしれない。思い返せば、あの時の隼吉だって怒っていた。
「悪かった。君が嫌がるならもうしない」
「ち、違います! 嫌だった訳では、ありません……」
「……そうなのか?」
  嫌じゃないなら、なぜそんな態度をとるのか。汐季の頬が真っ赤になった理由が分からなくて、螢花は手を伸ばした。
「嫌じゃないなら、もう一度しても良いか?」
「え、ええっ?!」
  自分の布団から身を乗り出して、汐季の袖を掴んでみる。その途端、驚いて身を引いた汐季の体が、大きく後ろに傾いた。
「危ない!」
  咄嗟に袖を引いて止めようとしたが、螢花の力では足りず、二人で布団の上に倒れ込んだ。
「わ、悪い……大丈夫か、汐季」
  自分の力が足りないせいで、また汐季に怪我をさせていたらどうしよう。そう思って、すぐ近くにある汐季の頬や肩にぺたぺたと触れて確認しようとした。しかし。
「あ、あの、螢花様……」
「どうした? どこか痛いところがあるか?」
「そ、そうではなく……手を……その、離していただけると……」
「手?」
  首を傾げながら、汐季の頬に触れていた手を離す。よくよく見てみれば、汐季はなぜか耳まで真っ赤になっていた。
「汐季?」
「……っ、おかしいんです、俺……螢花様に触れられると、胸が苦しくなって……何も、考えられなくなるんです。こんなこと初めてで、どうしたらいいのか、分からなくて……」
  そう言いながら、汐季は両手で自分の顔を覆ってしまった。
「……よく分からないが、それは僕のことを嫌いになったから……じゃないんだな」
  何も言わずに、汐季は頷いた。その態度に嘘があるようには思えない。
  螢花は汐季の横に寝転がると、再び手を伸ばしてその袖を引っ張った。
「汐季」
  顔を覆う手を外した汐季が、おずおずとこちらに顔を向ける。ようやく目が合った。
「僕には多分、人間の気持ちを正しく理解することは出来ないし、君のその感情が何なのかも分からない。だけど僕は、君が僕のそばに居てくれるなら、それで十分だから……君に無理に触れようとは思わないし、気持ちに沿わないことはしない」
  どれだけ気持ちの形が変わっても、この場所から離れないでいてくれるなら、それで良いと思う。
「螢花様……」
  布団の上に投げ出したお互いの手が、今にも触れそうで触れない距離にある。もどかしくて、なのに何故か温かさを感じた。
「……そういえば汐季。時々里帰りして家族に会いに行きたいと言っていたが、そろそろその時期なんじゃないか?」
  この焦れったいような気持ちをごまかすために少し話題を変えようと思い、そんな提案をしてみる。汐季がまたここで暮らすようになった時、そういう約束をしたのだ。
「あ……そのことなんですけど、螢花様にお願いしたいことがあるんです」
「僕に?」
  一体何を言われるのかと少し身構える。しかしその直後に汐季が口にしたのは、螢花にとって予想外のことだった。
「俺が里帰りする時、良ければ螢花様も一緒に来てくださいませんか」
「一緒にって……せっかく向こうの家族に会うのに、僕が居たら邪魔になるだろう」
「そんなことはありません。向こうで俺を待っていてくれる人は、そんなことで怒るような人ではありませんし……それに、正直に言うと少し怖いんです。向こうの世界がどれだけ変わっているのか、それをひとりで受け止めるのが」
  布団の上で、汐季がぎゅっと手を握った。螢花たちにとって、人間の一生は文字通り瞬きの間に消え去る。そして、螢花のそばで、螢花と同じ時間を生きている今の汐季にとっても、それは同じだ。
  汐季が今すぐ里に帰ったとして、彼の家族がどれだけ年を重ねているか。それは螢花にも分からない。
「汐季……」
「……だけど、螢花様。貴方にそばにいて欲しいのは、怖いからだけじゃないんです」
  手をキツく握ったまま、それでも汐季は柔らかく微笑んだ。
「貴方を……俺の家族を、向こうで待っている家族に紹介したいんです。俺の、大切な人だって」
  大切な人。その響きに、胸がじわりと温かくなる。
「本当に、良いのか? 僕も一緒に行って」
「はい。俺と一緒に居てください」
  そう言って目を細めた汐季に触れたいと思ったけれど、汐季の気持ちがこちらに向くまで、今は我慢だ。
「……なあ汐季。ありがとうな、僕の家族になってくれて」
「どうしたんですか? 突然……」
「うん。なんとなく言いたくなったんだ」
  螢花の言葉を聞いて、汐季がおかしそうに笑う。
「ふふ。……なら俺からも言わせてください、螢花様。俺と一緒に居てくれて、本当にありがとうございます」
  温かな気持ちが、溢れていく。これから共に生きていく時間の中で、この気持ちが変わっていくことも、大切な物を失うことも、数え切れないほどたくさんあるだろう。それでも、二人一緒なら越えていける。

  家族というのは、きっとそういうものなのだ。
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