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その後の話
3.いつか誓いの言葉を
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翌朝。眩しい冬の日差しに目を細めながら、陽太と並んで台所を覗くと、既に母さんが朝食の支度を始めていた。
炊きたての白米と、味噌汁の匂い。この感じもずいぶん久しぶりだ。
「あ、おれ手伝います」
座っていていいと言う母さんを押し切って、陽太がテキパキと人数分の食器を運んでくる。着々と進んでいく朝の支度に、『新婚の家庭ってこんな感じなのかな』などと浮ついた思考に耽っていたら、「あんたも手伝いなさい」と母さんに尻を蹴飛ばされた。
「いってぇな!いちいち蹴るんじゃねぇよ」
「黙らっしゃい。まったく、裕翔だってもう家庭を持つって言うのに、あんたはいい歳していつまでも子供みたいなんだから」
俺に台拭きを押し付けながら、母さんがため息混じりに言う。それからふと真面目な顔になって、
「ねえ、あんたの好きなように生きたらいいと思って今まで言わなかったけど、和威は結婚とかする気ないの?……実は縁談とか、無いわけじゃないのよ。お父さんの会社の人でね」
黄金色の卵焼きを丁寧に切り分けながら、母さんが滔々と語る。なんだか厄介な話の流れになってきた。
陽太の方に視線を送ってみれば、父さんの茶碗を持ったまま、気まずそうに立ち尽くしている。……仕方無い。全員そろってから話すつもりだったが、今がそのタイミングなのだろう。
「あのさ、母さん」
延々と続く話を断ち切るために、俺は少し大きな声で言った。それから母さんが顔を上げる僅かな間に大股で陽太の隣に歩み寄って、
「…………え」
驚く陽太の腕を掴んで引き寄せ、その頬にそっとキスをした。
「あら」
そう言って、口に手を当てて目を瞬かせる母さんに向き直る。
「俺達こういう関係だからさ。縁談とかそういうの、必要ないから」
母さんに告げてふと振り向くと、いつの間にか台所の入り口に突っ立っていた父さんと裕翔に気がついた。ちょうどいいタイミングで二人も起きてきたらしい。
「父さんも、そういうことだからよろしく。裕翔にはだいぶ前から言ってあるけど」
俺がそう言うと、裕翔は呆れたように息を吐いた。
「兄ちゃんさあ……それ言うの朝飯食った後とかでよかっただろ」
「んだよ。いつ言おうが同じだろ」
「いやだって、父さんと陽太完全に固まってるし。どうすんだよこれ」
言われてみれば、二人ともその場ですっかり硬直してしまっている。俺は陽太の背中を軽く叩いて声をかけた。
「おい、こら。今さらこの程度で照れるなよ」
「だ、だって……こんな、照れるとか、そういう問題じゃなくて……っ」
顔をトマトのように真っ赤にして狼狽える陽太を見て、ついに母さんが吹き出した。
「ふっ……あはははっ!やだもう、和威あんた、意外とキザなことするのね!若い頃のお父さんみたいだわ」
「…………へっ?!」
流れ弾を食らった父さんが、突っ立ったまま間の抜けた声をあげる。それを聞いた裕翔もくすくすと笑い出した。
隣をふと見上げて見れば、戸惑っていたはずの陽太も、おかしそうに笑っている。
「さあさあ、全員そろったんだから冷めないうちに食べましょ。お父さんもいつまでそんな所に立ってるの」
母さんにそう促され、まだぎこちない動きの父さんも含めて、家族全員が食卓に着いた。
その光景は拍子抜けするほどいつも通りで、いつだって俺が勝手にあれこれ悩んでいるだけで、世界というのは案外優しく出来ているのだと気がついた。
「……ありがと」
俺にだけ聞こえるように、陽太が囁く。俺は答えの代わりに、テーブルの下でそっとその手を握った。
*
「本当にもう帰るの?もっとゆっくりして行けばいいのに」
その日の昼過ぎ。俺と陽太は玄関に二人並んで、母さんからの見送りを受けていた。
「しょうがないだろ。陽太は明日から仕事なんだから」
不満げな母さんに向かって、俺はコートのポケットに両手を突っ込んだまま肩をすくめる。ちなみに裕翔は今日の昼からが仕事初めだと言って、朝食を終えるとすぐに家を飛び出して行った。
「そう、お仕事忙しいのね。……はあ、寂しくなるわぁ。陽太くん、また絶対遊びに来てね」
「は、はい」
まだ緊張気味の陽太に優しく微笑みかけた母さんは、不意に少し背伸びをして、その体をしっかりと抱き締めた。
「え、あの……?」
困惑する陽太をあやすように、ぽんぽんと背中を叩きながら、母さんは言う。
「あのね陽太くん。私、あなたもうちの子になってくれたらいいのに、ってずっと前から思ってたのよ。だから夢が叶ったわ。……うちの息子を選んでくれて、本当にありがとう」
母さんのその言葉に、陽太は猫に似た目を大きく大きく、零れ落ちそうなくらいに見開いて……それから、震える声で答えた。
「そんな、お礼を言わなきゃいけないのはおれの方です。……和威さんと出会わせてくれて、本当に、ありがとうございます」
消え入りそうな声で、それでもはっきりと告げられたその言葉に、母さんは笑って陽太の頭をくしゃくしゃに撫でた。それからふと振り向いて、廊下の脇にある居間に向かって声をかける。
「ちょっとお父さん、いつまでそんな所に隠れてるんです?ちゃんと見送らないと、あとで後悔しても知りませんよ」
すると、部屋の影から気まずそうな顔をした父さんが顔を出した。
父さんは少しの間、逡巡するように視線を彷徨わせていたが、不意に何かを決意した様子で顔を上げ、つかつかとこちらに歩み寄ってきた。
そして陽太と向かい合う場所まで来て、ピタリと歩みを止める。
「陽太くん」
短く名前を呼ばれ、陽太が慌てて姿勢を正した。
「は、はい」
そんな陽太を眼鏡越しにまっすぐ見上げ、父さんはいつもの穏やかな声で言う。
「陽太くん。……息子をよろしくお願いします」
その言葉と共に、息子より十歳も下の相手に向かって、父さんがぺこりと頭を下げる。
「……なんかなあ、そんなん言われたら俺らの方が結婚するみたいじゃないか。なあ?」
さすがにむず痒くなった俺が口を挟むも、鼻の頭を真っ赤にした陽太は、いっぱいいっぱいな様子で答えない。
「和威がいつまで経っても頼りないから、私もお父さんも心配なのよ。あんたその調子で陽太くんに迷惑かけるんじゃないわよ」
「わーかってるよ、うるせぇな……」
「和威!」
面倒な事になりそうな気配を察した俺は、慌てて隣に立つ陽太の手を掴んだ。
「んじゃそろそろ行くわ、電車の時間もあるし。また来年!」
「あ、こら!もうちょっとマメに帰って来なさい!」
背中に母さんの声を聞きながら、陽太の手を引いて玄関を飛び出す。
そのまま陽太の指に俺の指を絡めて、いわゆる恋人繋ぎになった俺達は、そろって駅までの道を歩き出した。途中ですれ違った近所のじいさんが、そんな俺達を物珍しそうに見ていたが構うもんか。別に悪い事をしてる訳じゃない。
「和威さん、もうちょっとゆっくりお別れしなくてよかったの?久しぶりに会ったんでしょ」
「いいんだよ。別にその気になりゃいつでも帰れるし。……次帰ってくる時は、俺らの結婚報告かもな」
「…………ばか」
マフラーの下で陽太がもごもごと言ったひとことに、つい笑みがこぼれる。
幸せだ。どうしようもないくらい。
「そのうちさ、お前のご両親にも挨拶させてくれよ。もちろん、お前の恋人として」
まっすぐ前を見据えたままで俺がそう言うと、繋いだ陽太の指がわずかに震えたのが分かった。
「……うちの両親は、和威さんのお母さんたちみたいにすんなり受け入れてくれないと思う。……もしかしたら、和威さんに嫌なこと言うかも」
「だとしても、俺もお前の大事な人達に伝えたいんだよ。……お前のこと、愛してるんだって」
陽太の手を引き寄せると、肩と肩が軽くぶつかった。そうして触れ合った場所から体温が溶け出して、温かさが伝わるような気がしてくる。
「もしもすぐに認めて貰えなくても、何回だって伝えればいい。焦ることなんてないだろ?これから先、ずっと一緒に居るんだから」
「…………うん」
臆病者の俺は、この先も何度も悩んで、迷って、言葉に詰まることもあるだろう。
けれどその度に、繋いだこの手が温かさを思い出させてくれるから。
「大丈夫だよ」
誰に言うでもなく呟いて、俺は陽太と並んで歩いて行く。
未来の事は誰にも分からない。これから先、胸が裂かれるような苦しい思いをすることも、立ち直れないほどの深い悲しみに沈むこともきっとある。
それでも、こうしてお互いを繋ぎ止めていられるのなら怖くない。だからどんな時も、この温もりと共に歩き続けよう。
そんな誓いの言葉も、今は俺の胸の中に。
いつかもっと大切な場所で、陽太に伝えられる日が来るまでは。
炊きたての白米と、味噌汁の匂い。この感じもずいぶん久しぶりだ。
「あ、おれ手伝います」
座っていていいと言う母さんを押し切って、陽太がテキパキと人数分の食器を運んでくる。着々と進んでいく朝の支度に、『新婚の家庭ってこんな感じなのかな』などと浮ついた思考に耽っていたら、「あんたも手伝いなさい」と母さんに尻を蹴飛ばされた。
「いってぇな!いちいち蹴るんじゃねぇよ」
「黙らっしゃい。まったく、裕翔だってもう家庭を持つって言うのに、あんたはいい歳していつまでも子供みたいなんだから」
俺に台拭きを押し付けながら、母さんがため息混じりに言う。それからふと真面目な顔になって、
「ねえ、あんたの好きなように生きたらいいと思って今まで言わなかったけど、和威は結婚とかする気ないの?……実は縁談とか、無いわけじゃないのよ。お父さんの会社の人でね」
黄金色の卵焼きを丁寧に切り分けながら、母さんが滔々と語る。なんだか厄介な話の流れになってきた。
陽太の方に視線を送ってみれば、父さんの茶碗を持ったまま、気まずそうに立ち尽くしている。……仕方無い。全員そろってから話すつもりだったが、今がそのタイミングなのだろう。
「あのさ、母さん」
延々と続く話を断ち切るために、俺は少し大きな声で言った。それから母さんが顔を上げる僅かな間に大股で陽太の隣に歩み寄って、
「…………え」
驚く陽太の腕を掴んで引き寄せ、その頬にそっとキスをした。
「あら」
そう言って、口に手を当てて目を瞬かせる母さんに向き直る。
「俺達こういう関係だからさ。縁談とかそういうの、必要ないから」
母さんに告げてふと振り向くと、いつの間にか台所の入り口に突っ立っていた父さんと裕翔に気がついた。ちょうどいいタイミングで二人も起きてきたらしい。
「父さんも、そういうことだからよろしく。裕翔にはだいぶ前から言ってあるけど」
俺がそう言うと、裕翔は呆れたように息を吐いた。
「兄ちゃんさあ……それ言うの朝飯食った後とかでよかっただろ」
「んだよ。いつ言おうが同じだろ」
「いやだって、父さんと陽太完全に固まってるし。どうすんだよこれ」
言われてみれば、二人ともその場ですっかり硬直してしまっている。俺は陽太の背中を軽く叩いて声をかけた。
「おい、こら。今さらこの程度で照れるなよ」
「だ、だって……こんな、照れるとか、そういう問題じゃなくて……っ」
顔をトマトのように真っ赤にして狼狽える陽太を見て、ついに母さんが吹き出した。
「ふっ……あはははっ!やだもう、和威あんた、意外とキザなことするのね!若い頃のお父さんみたいだわ」
「…………へっ?!」
流れ弾を食らった父さんが、突っ立ったまま間の抜けた声をあげる。それを聞いた裕翔もくすくすと笑い出した。
隣をふと見上げて見れば、戸惑っていたはずの陽太も、おかしそうに笑っている。
「さあさあ、全員そろったんだから冷めないうちに食べましょ。お父さんもいつまでそんな所に立ってるの」
母さんにそう促され、まだぎこちない動きの父さんも含めて、家族全員が食卓に着いた。
その光景は拍子抜けするほどいつも通りで、いつだって俺が勝手にあれこれ悩んでいるだけで、世界というのは案外優しく出来ているのだと気がついた。
「……ありがと」
俺にだけ聞こえるように、陽太が囁く。俺は答えの代わりに、テーブルの下でそっとその手を握った。
*
「本当にもう帰るの?もっとゆっくりして行けばいいのに」
その日の昼過ぎ。俺と陽太は玄関に二人並んで、母さんからの見送りを受けていた。
「しょうがないだろ。陽太は明日から仕事なんだから」
不満げな母さんに向かって、俺はコートのポケットに両手を突っ込んだまま肩をすくめる。ちなみに裕翔は今日の昼からが仕事初めだと言って、朝食を終えるとすぐに家を飛び出して行った。
「そう、お仕事忙しいのね。……はあ、寂しくなるわぁ。陽太くん、また絶対遊びに来てね」
「は、はい」
まだ緊張気味の陽太に優しく微笑みかけた母さんは、不意に少し背伸びをして、その体をしっかりと抱き締めた。
「え、あの……?」
困惑する陽太をあやすように、ぽんぽんと背中を叩きながら、母さんは言う。
「あのね陽太くん。私、あなたもうちの子になってくれたらいいのに、ってずっと前から思ってたのよ。だから夢が叶ったわ。……うちの息子を選んでくれて、本当にありがとう」
母さんのその言葉に、陽太は猫に似た目を大きく大きく、零れ落ちそうなくらいに見開いて……それから、震える声で答えた。
「そんな、お礼を言わなきゃいけないのはおれの方です。……和威さんと出会わせてくれて、本当に、ありがとうございます」
消え入りそうな声で、それでもはっきりと告げられたその言葉に、母さんは笑って陽太の頭をくしゃくしゃに撫でた。それからふと振り向いて、廊下の脇にある居間に向かって声をかける。
「ちょっとお父さん、いつまでそんな所に隠れてるんです?ちゃんと見送らないと、あとで後悔しても知りませんよ」
すると、部屋の影から気まずそうな顔をした父さんが顔を出した。
父さんは少しの間、逡巡するように視線を彷徨わせていたが、不意に何かを決意した様子で顔を上げ、つかつかとこちらに歩み寄ってきた。
そして陽太と向かい合う場所まで来て、ピタリと歩みを止める。
「陽太くん」
短く名前を呼ばれ、陽太が慌てて姿勢を正した。
「は、はい」
そんな陽太を眼鏡越しにまっすぐ見上げ、父さんはいつもの穏やかな声で言う。
「陽太くん。……息子をよろしくお願いします」
その言葉と共に、息子より十歳も下の相手に向かって、父さんがぺこりと頭を下げる。
「……なんかなあ、そんなん言われたら俺らの方が結婚するみたいじゃないか。なあ?」
さすがにむず痒くなった俺が口を挟むも、鼻の頭を真っ赤にした陽太は、いっぱいいっぱいな様子で答えない。
「和威がいつまで経っても頼りないから、私もお父さんも心配なのよ。あんたその調子で陽太くんに迷惑かけるんじゃないわよ」
「わーかってるよ、うるせぇな……」
「和威!」
面倒な事になりそうな気配を察した俺は、慌てて隣に立つ陽太の手を掴んだ。
「んじゃそろそろ行くわ、電車の時間もあるし。また来年!」
「あ、こら!もうちょっとマメに帰って来なさい!」
背中に母さんの声を聞きながら、陽太の手を引いて玄関を飛び出す。
そのまま陽太の指に俺の指を絡めて、いわゆる恋人繋ぎになった俺達は、そろって駅までの道を歩き出した。途中ですれ違った近所のじいさんが、そんな俺達を物珍しそうに見ていたが構うもんか。別に悪い事をしてる訳じゃない。
「和威さん、もうちょっとゆっくりお別れしなくてよかったの?久しぶりに会ったんでしょ」
「いいんだよ。別にその気になりゃいつでも帰れるし。……次帰ってくる時は、俺らの結婚報告かもな」
「…………ばか」
マフラーの下で陽太がもごもごと言ったひとことに、つい笑みがこぼれる。
幸せだ。どうしようもないくらい。
「そのうちさ、お前のご両親にも挨拶させてくれよ。もちろん、お前の恋人として」
まっすぐ前を見据えたままで俺がそう言うと、繋いだ陽太の指がわずかに震えたのが分かった。
「……うちの両親は、和威さんのお母さんたちみたいにすんなり受け入れてくれないと思う。……もしかしたら、和威さんに嫌なこと言うかも」
「だとしても、俺もお前の大事な人達に伝えたいんだよ。……お前のこと、愛してるんだって」
陽太の手を引き寄せると、肩と肩が軽くぶつかった。そうして触れ合った場所から体温が溶け出して、温かさが伝わるような気がしてくる。
「もしもすぐに認めて貰えなくても、何回だって伝えればいい。焦ることなんてないだろ?これから先、ずっと一緒に居るんだから」
「…………うん」
臆病者の俺は、この先も何度も悩んで、迷って、言葉に詰まることもあるだろう。
けれどその度に、繋いだこの手が温かさを思い出させてくれるから。
「大丈夫だよ」
誰に言うでもなく呟いて、俺は陽太と並んで歩いて行く。
未来の事は誰にも分からない。これから先、胸が裂かれるような苦しい思いをすることも、立ち直れないほどの深い悲しみに沈むこともきっとある。
それでも、こうしてお互いを繋ぎ止めていられるのなら怖くない。だからどんな時も、この温もりと共に歩き続けよう。
そんな誓いの言葉も、今は俺の胸の中に。
いつかもっと大切な場所で、陽太に伝えられる日が来るまでは。
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