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第一章 見知らぬ世界
1話 ファレクシア
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「すげえ……海の匂いがする」
視覚よりも先に全身で海の気配を感じて、翔真は思わず感嘆の声を上げた。
翔真が今までいた小部屋はどうやら塔の中にあったらしく、扉を出たその場所から、眼下の景色を一望することが出来た。
太陽の光を反射して白く輝く家々と、見渡す限りに続く砂浜、そしてその向こうに遥か広がる海……今さっきまでの戸惑いも忘れて、翔真は扉の前に伸びる渡り廊下へと駆け出していた。初夏のような日差しは爽やかでありつつも眩しくて、スーツでは少し暑いくらいだ。
「海が珍しいか?」
はしゃいだ翔真に追い越されたラギムが、その後ろからゆったりとした足取りで追ってくる。しかし、軽石のようなゴツゴツした素材の手すりに手をかけて目を輝かせる翔真には、そちらに視線を向ける余裕もない。
「そりゃ珍しいって。オレの住んでたとこは内陸だし、海なんて旅行の時しか見れなかったんだから……しかもこんな綺麗な海、写真とか動画でしか見たことない!」
「……そうか。私にとっては見慣れた景色だが、お前にとって喜ばしいものなら何よりだ」
なぜか優しげな口調で言って、ラギムは翔真の背中をポンと叩いた。
「だが、海など後からいくらでも見られる。それよりまずは宮殿に来い。今日からお前が暮らす場所だ」
「宮殿……?」
頷いたラギムが指さす方を見る。景色を見るのに夢中になり過ぎて気づかなかったが、翔真が今いる長い渡り廊下の先は、巨大な純白の建物へと続いていたようだ。
「わ、すご。なんであんな白いの?」
目に映るもの全てが珍しくて、否が応でも浮かれてしまう。そうして異国の景色にはしゃぐ翔真の耳は、『今日からお前が暮らす場所』という不穏な言葉を、都合良く聞き流してしまった。
深く考えないまま、先を行くラギムの背中を足取り軽く追いかけて、翔真は宮殿へと向かう。
そうして足を踏み入れた真っ白な建物の内部は、どうやら吹き抜けの廊下になっているようだった。左手にはガラスの嵌っていない窓が続いていて、右手には部屋がいくつも並んでいるようだが、やはりそこにも扉の類はない。開放感があると捉えるか、プライバシーがないと捉えるかは微妙なところだ。
「ここも全部白い……」
近くの壁に触れてみると、ほんのりとした温かさが伝わってきた。ただの石ではなさそうだが、一体なんの素材で出来ているのだろう。ラギムに聞いてみようと、翔真が後ろを振り向こうとした時、
「まあ陛下……もしかして、そちらが異界からいらしたという御方ですか?」
すぐそばの部屋から落ち着いた女性の声が聞こえてきて、翔真は驚いて視線を戻した。するとちょうど、髪の長い女性が一人、近くの部屋から姿を現したところだった。
「姉上!」
その人の姿を見た瞬間、ラギムが明るい声を上げて彼女の元へ駆け寄った。なるほど、この人はラギムの姉なのか。たしかに彼女の髪や瞳の色は、ラギムと全く同じ金色だ。そしてラギムと同じく、彼女も非常に美しい顔立ちをしている。
(絵になる姉弟だな……)
仲の良さそうな二人を見比べて、翔真はこっそりと嘆息した。だが、女性はラギムと軽く言葉を交わすとすぐにその場を離れ、翔真の前へ歩み出て来た。
「はじめまして、異界の御方。わたくしはリズラと申します」
「えっ? ええと……」
美女にうやうやしく頭を下げられて、翔真はついドギマギしてしまう。庶民かつ学生の翔真にとっては、こういう格式ばった挨拶自体、あまり馴染みのないものだ。
戸惑いから言葉に詰まってしまった翔真を、リズラという女性は怒るでも呆れるでもなく、おっとりとした様子で見上げている。
「それにしても、ずいぶんとご立派なお体ですのね……まるでクティヌスの戦士のようですわ」
「クティ……?」
耳慣れない言葉に首を傾げる翔真の前で、リズラは頬に手を当てて微笑むばかりだ。そして、たおやかな笑顔を浮かべたまま、彼女はとんでもない事を言い放った。
「異界の女性はみんな、あなたのように大きな体をしておられるのでしょうか? 何だか羨ましいわ」
「…………ん?」
何だ、今の質問。
聞かれた意味が分からず、さらに首を傾げる翔真に助け舟を出すように、ラギムが口を開く。
「姉上、彼は男です。……そうだな? ショウマ」
「……え? ああ、うん。心も体も産まれた時からずっと男だけど……あれ? オレ今、女の子に間違えられた?」
そうだとしたら人生初の経験である。仮に翔真が化粧をしてドレスを着てみたところで、ジョセフ・ジョースターの女装にしかならないだろうに。
「あら……? あらまあ、ごめんなさいね。陛下の花嫁になる方だと伺っていたものですから、すっかり女性なのだと思い込んでおりましたわ」
花嫁。その単語を聞いて、翔真はようやく我に返った。
そういえば、自分は今とんでもない状況に置かれているんだった。観光気分で浮かれている場合ではない。
「そうだよ……なああんた、ラギム? あんたさっき、オレのこと花嫁とか呼んでたけど、あれ本気なのか? あんたらの事情は聞いたけど、いくらなんでも……」
「姉上。そろそろ兄上の元へ行かれる頃合いではありませんか?」
翔真の言葉を遮って、ラギムがリズラに声をかける。リズラの方も、何かを思い出した様子で金色の目を瞬いた。
「あら、そういえば……申し訳ありません、所用がございますので、わたくしはこれで失礼いたします。……最後に、あなたのお名前をお訊きしても良いかしら?」
「あっ……そうだ、こちらこそすみません。オレは翔真です。土屋翔真」
「ショウマ様……不思議な響きですね。それではごきげんよう、ショウマ様。陛下」
そう言ってもう一度頭を下げると、リズラはまっすぐに背筋を伸ばして、廊下の先へと歩いて行った。その背中が見えなくなった後、翔真はしみじみとため息を吐き出して言う。
「綺麗な人だったなあ……」
「そうだろう。なにしろ、私の兄が妻に選んだ人だからな」
「あ、姉ってそういう……」
よく似た二人だと思ったが、どうやら血縁関係は無いらしい。しかし、ラギムの兄ということは、リズラの夫もさぞかし美しい人なのだろう。美男美女カップルで羨ましい限りだ。
「……あれ? お兄さんがいるのにラギムが王様なんだ?」
普通こういうのは、長男が継ぐものなんじゃないのか。
しかし、翔真がポツリと零した疑問に、ラギムは答えなかった。
「それよりも、お前も一度部屋で休んではどうだ? その格好では暑いだろう。着替えも用意させる」
「いや……いやいや、ちょっと待てよ。気持ちはありがたいけど、着替えとかいいから。それよりオレもう帰りたいんだけど」
これが旅行なら、数日くらい滞在してあれこれ楽しみたいところだが、今はそういう訳にもいかない。せっかく大学にも受かって、明日から新生活が始まるところだったのに。それに、これから妹と食事に行く約束もしている。内ポケットに入れていたスマホを確認したが圏外だし、せめて一言くらい連絡を入れなくては心配させてしまう。
「なあ……聞いてんのかあんた」
焦りを募らせる翔真とは対照に、ラギムは眉ひとつ動かさない。その様子に、嫌な予感がどんどん膨れ上がっていく。
「何とか、言ってくれよ……」
「残念ですが、貴方に帰る術はありません」
翔真の悲痛な声に答えた者は、ラギムではなかった。
視覚よりも先に全身で海の気配を感じて、翔真は思わず感嘆の声を上げた。
翔真が今までいた小部屋はどうやら塔の中にあったらしく、扉を出たその場所から、眼下の景色を一望することが出来た。
太陽の光を反射して白く輝く家々と、見渡す限りに続く砂浜、そしてその向こうに遥か広がる海……今さっきまでの戸惑いも忘れて、翔真は扉の前に伸びる渡り廊下へと駆け出していた。初夏のような日差しは爽やかでありつつも眩しくて、スーツでは少し暑いくらいだ。
「海が珍しいか?」
はしゃいだ翔真に追い越されたラギムが、その後ろからゆったりとした足取りで追ってくる。しかし、軽石のようなゴツゴツした素材の手すりに手をかけて目を輝かせる翔真には、そちらに視線を向ける余裕もない。
「そりゃ珍しいって。オレの住んでたとこは内陸だし、海なんて旅行の時しか見れなかったんだから……しかもこんな綺麗な海、写真とか動画でしか見たことない!」
「……そうか。私にとっては見慣れた景色だが、お前にとって喜ばしいものなら何よりだ」
なぜか優しげな口調で言って、ラギムは翔真の背中をポンと叩いた。
「だが、海など後からいくらでも見られる。それよりまずは宮殿に来い。今日からお前が暮らす場所だ」
「宮殿……?」
頷いたラギムが指さす方を見る。景色を見るのに夢中になり過ぎて気づかなかったが、翔真が今いる長い渡り廊下の先は、巨大な純白の建物へと続いていたようだ。
「わ、すご。なんであんな白いの?」
目に映るもの全てが珍しくて、否が応でも浮かれてしまう。そうして異国の景色にはしゃぐ翔真の耳は、『今日からお前が暮らす場所』という不穏な言葉を、都合良く聞き流してしまった。
深く考えないまま、先を行くラギムの背中を足取り軽く追いかけて、翔真は宮殿へと向かう。
そうして足を踏み入れた真っ白な建物の内部は、どうやら吹き抜けの廊下になっているようだった。左手にはガラスの嵌っていない窓が続いていて、右手には部屋がいくつも並んでいるようだが、やはりそこにも扉の類はない。開放感があると捉えるか、プライバシーがないと捉えるかは微妙なところだ。
「ここも全部白い……」
近くの壁に触れてみると、ほんのりとした温かさが伝わってきた。ただの石ではなさそうだが、一体なんの素材で出来ているのだろう。ラギムに聞いてみようと、翔真が後ろを振り向こうとした時、
「まあ陛下……もしかして、そちらが異界からいらしたという御方ですか?」
すぐそばの部屋から落ち着いた女性の声が聞こえてきて、翔真は驚いて視線を戻した。するとちょうど、髪の長い女性が一人、近くの部屋から姿を現したところだった。
「姉上!」
その人の姿を見た瞬間、ラギムが明るい声を上げて彼女の元へ駆け寄った。なるほど、この人はラギムの姉なのか。たしかに彼女の髪や瞳の色は、ラギムと全く同じ金色だ。そしてラギムと同じく、彼女も非常に美しい顔立ちをしている。
(絵になる姉弟だな……)
仲の良さそうな二人を見比べて、翔真はこっそりと嘆息した。だが、女性はラギムと軽く言葉を交わすとすぐにその場を離れ、翔真の前へ歩み出て来た。
「はじめまして、異界の御方。わたくしはリズラと申します」
「えっ? ええと……」
美女にうやうやしく頭を下げられて、翔真はついドギマギしてしまう。庶民かつ学生の翔真にとっては、こういう格式ばった挨拶自体、あまり馴染みのないものだ。
戸惑いから言葉に詰まってしまった翔真を、リズラという女性は怒るでも呆れるでもなく、おっとりとした様子で見上げている。
「それにしても、ずいぶんとご立派なお体ですのね……まるでクティヌスの戦士のようですわ」
「クティ……?」
耳慣れない言葉に首を傾げる翔真の前で、リズラは頬に手を当てて微笑むばかりだ。そして、たおやかな笑顔を浮かべたまま、彼女はとんでもない事を言い放った。
「異界の女性はみんな、あなたのように大きな体をしておられるのでしょうか? 何だか羨ましいわ」
「…………ん?」
何だ、今の質問。
聞かれた意味が分からず、さらに首を傾げる翔真に助け舟を出すように、ラギムが口を開く。
「姉上、彼は男です。……そうだな? ショウマ」
「……え? ああ、うん。心も体も産まれた時からずっと男だけど……あれ? オレ今、女の子に間違えられた?」
そうだとしたら人生初の経験である。仮に翔真が化粧をしてドレスを着てみたところで、ジョセフ・ジョースターの女装にしかならないだろうに。
「あら……? あらまあ、ごめんなさいね。陛下の花嫁になる方だと伺っていたものですから、すっかり女性なのだと思い込んでおりましたわ」
花嫁。その単語を聞いて、翔真はようやく我に返った。
そういえば、自分は今とんでもない状況に置かれているんだった。観光気分で浮かれている場合ではない。
「そうだよ……なああんた、ラギム? あんたさっき、オレのこと花嫁とか呼んでたけど、あれ本気なのか? あんたらの事情は聞いたけど、いくらなんでも……」
「姉上。そろそろ兄上の元へ行かれる頃合いではありませんか?」
翔真の言葉を遮って、ラギムがリズラに声をかける。リズラの方も、何かを思い出した様子で金色の目を瞬いた。
「あら、そういえば……申し訳ありません、所用がございますので、わたくしはこれで失礼いたします。……最後に、あなたのお名前をお訊きしても良いかしら?」
「あっ……そうだ、こちらこそすみません。オレは翔真です。土屋翔真」
「ショウマ様……不思議な響きですね。それではごきげんよう、ショウマ様。陛下」
そう言ってもう一度頭を下げると、リズラはまっすぐに背筋を伸ばして、廊下の先へと歩いて行った。その背中が見えなくなった後、翔真はしみじみとため息を吐き出して言う。
「綺麗な人だったなあ……」
「そうだろう。なにしろ、私の兄が妻に選んだ人だからな」
「あ、姉ってそういう……」
よく似た二人だと思ったが、どうやら血縁関係は無いらしい。しかし、ラギムの兄ということは、リズラの夫もさぞかし美しい人なのだろう。美男美女カップルで羨ましい限りだ。
「……あれ? お兄さんがいるのにラギムが王様なんだ?」
普通こういうのは、長男が継ぐものなんじゃないのか。
しかし、翔真がポツリと零した疑問に、ラギムは答えなかった。
「それよりも、お前も一度部屋で休んではどうだ? その格好では暑いだろう。着替えも用意させる」
「いや……いやいや、ちょっと待てよ。気持ちはありがたいけど、着替えとかいいから。それよりオレもう帰りたいんだけど」
これが旅行なら、数日くらい滞在してあれこれ楽しみたいところだが、今はそういう訳にもいかない。せっかく大学にも受かって、明日から新生活が始まるところだったのに。それに、これから妹と食事に行く約束もしている。内ポケットに入れていたスマホを確認したが圏外だし、せめて一言くらい連絡を入れなくては心配させてしまう。
「なあ……聞いてんのかあんた」
焦りを募らせる翔真とは対照に、ラギムは眉ひとつ動かさない。その様子に、嫌な予感がどんどん膨れ上がっていく。
「何とか、言ってくれよ……」
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