1 / 3
○○
少女の過去1
しおりを挟む
少女は幸せだった。
友達もいた。お金もある。
父は苦手だが、親は優しい。
姉も大好きだ。
充実している。このまま時が止まればとも思えた。
少女には大切な人がいた。
親友がいた。大好きだった。
愛おしい。はやく話したい。
学校を楽しみに早めに就寝した。
「おはよう!○○!」
「おはよう、希幸!」
挨拶をして笑い合う。
この時間が大好きだ。
「ねぇ、希幸。今日の放課後買い物行かない?買いたいのあるんだよね~」
「えーまた!?しょうがない。付き合ってあげよう!」
「本当に?ありがとう!じゃあ駅前で、またね!」
嬉しい。○○と遊ぶのは一週間ぶりだ。親友って素晴らしい。いるだけで微笑んでしまう。早急に支度をすました。
「○○ー!」
「希幸ー!じゃ、行こっか!」
何分過ごしただろうか。幸せな時間はすぐに過ぎる。
「もう5時かー...」
「早いねぇ...でもまぁ、また今度遊ぼうよ!」
「そうだね...!あ、青になったよ」
青になった信号を笑顔で渡る。
嬉しい。また遊べるんだ。
急にあたりがざわめきだした。
なにかあったのだろうか。
「...!○○危ない!!!」
咄嗟に○○を守った。
今でもこの瞬間はスローモーションのように頭に焼き付いている。
忘れようとしても忘れられない記憶。
気付けば道路の真ん中。
初めてみた光景だった。
頭の中がボンヤリしている。目の前が真っ赤だ。
痛い。痛いよ。
気付けばベッドの上。
手術でもあったのだろうか。
厳重な装備がされている。
指は...かろうじて動く。
足...足は?足の感覚が無い。
おかしいな。動かせない。
助けて、助けて○○...
「希幸!母さんよ、分かる!?」
いつも笑顔の母もずっと泣いていたのか、目も腫れていつもの姿には見えなかった。
「お母さん...?痛いよ...助けてよ...」
「希幸!希幸...!!」
あぁ、泣かないで。
私も泣いちゃいそうだよ。
ねぇお母さん、
○○はどこ?
雨音が響く。
雷も鳴っていたと思う。
お母さんも窓を見つめていた。
お母さんの目は死んだように黒く、空を写したように曇っていた。
「希幸...、目を覚ましたのね。
気分はどう?痛い所はない?」
「お母さん...。気分はいいの。
ねぇ、お母さん?足が、動かないの。助けて。」
「...ごめんね...ごめんね...希幸...、よく聞いてね...。希幸の脚はね...」
もう動かないの。
急に体の力が抜けた。
何もしたくない。
何も考えたくない。
「お医者様が、これからは車椅子じゃないと駄目って...でも幸い、足以外は一ヶ月くらいすれば治るだろうって!」
車椅子?治る?何を言っているの?足が無ければ、歩く事も出来ない。もう容易に○○に近付くことも出来ない。
「だ...」
「え?」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だうわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ずっと泣いていたと思う。
他人行儀からすれば、足だけで良かったね、そんなものだろう。
足だけ...足だけって何よ?
絶望以外に何も無かった。
私は確か、○○を庇ってこうなった。お見舞い来てくれないかな。もう唯一の希望なの。
一週間が過ぎた。
怪我の痛みはまだ少しあるが、驚く程のスピードで回復しているようだ。嬉しい、はやく○○に会えるんだ。
三週間が過ぎた。
傷は大分良くなり、今は念の為の入院だそうだ。
待っててね、○○。
あと少しで会えるよ。
友達もいた。お金もある。
父は苦手だが、親は優しい。
姉も大好きだ。
充実している。このまま時が止まればとも思えた。
少女には大切な人がいた。
親友がいた。大好きだった。
愛おしい。はやく話したい。
学校を楽しみに早めに就寝した。
「おはよう!○○!」
「おはよう、希幸!」
挨拶をして笑い合う。
この時間が大好きだ。
「ねぇ、希幸。今日の放課後買い物行かない?買いたいのあるんだよね~」
「えーまた!?しょうがない。付き合ってあげよう!」
「本当に?ありがとう!じゃあ駅前で、またね!」
嬉しい。○○と遊ぶのは一週間ぶりだ。親友って素晴らしい。いるだけで微笑んでしまう。早急に支度をすました。
「○○ー!」
「希幸ー!じゃ、行こっか!」
何分過ごしただろうか。幸せな時間はすぐに過ぎる。
「もう5時かー...」
「早いねぇ...でもまぁ、また今度遊ぼうよ!」
「そうだね...!あ、青になったよ」
青になった信号を笑顔で渡る。
嬉しい。また遊べるんだ。
急にあたりがざわめきだした。
なにかあったのだろうか。
「...!○○危ない!!!」
咄嗟に○○を守った。
今でもこの瞬間はスローモーションのように頭に焼き付いている。
忘れようとしても忘れられない記憶。
気付けば道路の真ん中。
初めてみた光景だった。
頭の中がボンヤリしている。目の前が真っ赤だ。
痛い。痛いよ。
気付けばベッドの上。
手術でもあったのだろうか。
厳重な装備がされている。
指は...かろうじて動く。
足...足は?足の感覚が無い。
おかしいな。動かせない。
助けて、助けて○○...
「希幸!母さんよ、分かる!?」
いつも笑顔の母もずっと泣いていたのか、目も腫れていつもの姿には見えなかった。
「お母さん...?痛いよ...助けてよ...」
「希幸!希幸...!!」
あぁ、泣かないで。
私も泣いちゃいそうだよ。
ねぇお母さん、
○○はどこ?
雨音が響く。
雷も鳴っていたと思う。
お母さんも窓を見つめていた。
お母さんの目は死んだように黒く、空を写したように曇っていた。
「希幸...、目を覚ましたのね。
気分はどう?痛い所はない?」
「お母さん...。気分はいいの。
ねぇ、お母さん?足が、動かないの。助けて。」
「...ごめんね...ごめんね...希幸...、よく聞いてね...。希幸の脚はね...」
もう動かないの。
急に体の力が抜けた。
何もしたくない。
何も考えたくない。
「お医者様が、これからは車椅子じゃないと駄目って...でも幸い、足以外は一ヶ月くらいすれば治るだろうって!」
車椅子?治る?何を言っているの?足が無ければ、歩く事も出来ない。もう容易に○○に近付くことも出来ない。
「だ...」
「え?」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だうわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ずっと泣いていたと思う。
他人行儀からすれば、足だけで良かったね、そんなものだろう。
足だけ...足だけって何よ?
絶望以外に何も無かった。
私は確か、○○を庇ってこうなった。お見舞い来てくれないかな。もう唯一の希望なの。
一週間が過ぎた。
怪我の痛みはまだ少しあるが、驚く程のスピードで回復しているようだ。嬉しい、はやく○○に会えるんだ。
三週間が過ぎた。
傷は大分良くなり、今は念の為の入院だそうだ。
待っててね、○○。
あと少しで会えるよ。
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
【完結】私が愛されるのを見ていなさい
芹澤紗凪
恋愛
虐げられた少女の、最も残酷で最も華麗な復讐劇。(全6話の予定)
公爵家で、天使の仮面を被った義理の妹、ララフィーナに全てを奪われたディディアラ。
絶望の淵で、彼女は一族に伝わる「血縁者の姿と入れ替わる」という特殊能力に目覚める。
ディディアラは、憎き義妹と入れ替わることを決意。
完璧な令嬢として振る舞いながら、自分を陥れた者たちを内側から崩壊させていく。
立場と顔が入れ替わった二人の少女が織りなす、壮絶なダークファンタジー。
マリアの幸せな結婚
月樹《つき》
恋愛
花屋の一人娘マリアとパン屋の次男のサルバトーレは子供の頃から仲良しの幼馴染で、将来はマリアの家にサルバトーレが婿に入ると思われていた。
週末は花屋『マルゲリータ』でマリアの父の手伝いをしていたサルバトーレは、お見舞いの花を届けに行った先で、男爵家の娘アンジェラに出会う。
病気がちであまり外出のできないアンジェラは、頻繁に花の注文をし、サルバトーレを呼び寄せた。
そのうちアンジェラはサルバトーレとの結婚を夢見るようになって…。
この作品は他サイトにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる