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第二章 迷宮都市ロベリア
060 突撃、迷宮20階層!
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次の日、俺は"リゼルタの旋風"の4人との待ち合わせ場所、迷宮の入り口前に来ていた。
「よう、シーナ!」
「おはようシーナちゃん、今日もよろしくね♪」
PTのみんなは先に来ていたようで、ジグガンドさんとマイアさんがこちらに元気よく挨拶をしてきた。
残りの二人も近くに座っており、エレクさんは笑顔でこちらに軽く手を振っている。ラウニさんは相変わらずの無言だ。
「おはようございます。今日で最後になりますけど、頑張りますんでよろしくお願いします」
そう言って会釈をする俺に、ジグガンドさんが近寄ってきて肩をバンバン叩く。
「おう、よろしくな! 今日は最後だからちょっと特別な場所まで連れてって言ってやるから、楽しみにしておけよ」
「は、はぁ……特別、ですか?」
叩かれた肩の痛みに顔をしかめながらも、迷宮の特別な場所という単語に興味を惹かれた俺は、ジグガンドさんに聞き返した。
「そうよ~、私もアレを最初に見たときはすっごく感動したんだから! なんてったって……」
「お、おい、マイア! それは到着するまで秘密にするってことだったろ!」
ジグガンドさんからツッコミを入れられたマイアさんは、アハハと笑って誤魔化したあと俺に謝ってきた。
「ごめんごめん。シーナちゃん、到着するまで秘密なんだけど……でも、期待していいからね!」
「はい、それじゃあ後の楽しみにしておきますね」
そんなやり取りをしている俺たちに、エレクさんが自分の荷物を担ぎ直して話しかけてくる。
「おい、今日は移動に時間がかかるんだから早く行こうや! お前ら二人はいつも、そういう計画は立てるくせに、計画性ってもんが無いんだからよ~」
「わ、わかってるわよ! ほら、出発しましょう」
「おう」「はい」
エリクさんに急かされたマイアさんの号令で、俺たちリゼルタの旋風+1のPTは、今日も元気に塔の迷宮の中へと入って行くのだった。
塔の中に入って、いつもの10階層へと転移する魔法陣がある部屋へと続く階段を降りようとした俺を、エリクさんが引き留めた。
「シーナ君、今日はそっちじゃなくてコッチだよ」
俺に向かって、ひとつ隣の階段を指差すエリクさん。
「ああ、今日はコレをウチのクランから借りてきたからな!」
そう言って、ジグガンドさんが胸元から引っ張り出したネックレスには、いつもの黄色の宝石ではなく、緑色の宝石がぶら下がっていた。
「これでいつもの10階層じゃなくて、20階層までひとっ飛びよ! コレを借りるの苦労したんだぜ~」
「お~、20階層!」
「がはは、すげぇだろ!」
「でも、大丈夫なんですか? 上の階層に行けば行くほど敵は強くなると思うんですけど?」
緑色の宝石を見せびらかしてくるジグガンドさんに、そんなに先まで進んで大丈夫なのかと聞いてみると、代わりにマイアさんが俺の疑問に答えた。
「大丈夫よ、20階層から上に登るわけじゃなくて、私たちが用があるのは下の階層なのよ。20階層より下の階層で出てくるモンスターの相手なら慣れたものなんだから」
「ああ、10層毎に一気に敵の種類が変わっちまうから、慣れてないと危ないんだけどよ……今回は先には進まないから、いつものモンスターが相手だな」
ふむ、今日は19階付近の階層に用があるみたいだな。
いつもみたいに10階層からの移動だと、時間がかかり過ぎるってことなのだろう。
「よし、じゃあさっさと移動しようぜ」
「そうだな」
俺に迷宮の説明をしながらも、いつもと違う階段を下りていく。
そして、20階層へと続いているらしい魔法陣の上に全員揃ったところで、ジグガンドさんが転移魔法を起動させた。
「よ~し、いざ20階層!」
「「おー!」」
「あはは」
「……」
いつものようにテンションが高いジグガンドさんとマイアさんに、俺が合いの手を合わせる。
エレクさんはそれを見て笑い、ラウニさんは魔法陣の光に備えて目を閉じて黙っている。
そんな感じでいつもと同じように魔法陣が発動して、俺たちは20階層へと飛んだ。
転移先の部屋から外に出ると、十字路になっており、正面の通路をすこし進んだ場所に大きな石の扉がある。
そして左右には通路が続いており、左の通路の先からは、松明とは違う明るい光が差し込んでおり、右の通路の先は薄暗いいつもの青い松明の光に照らされている。
ここが10階層と同じ構造なら、左の通路が先の階層へと続く道で、右の通路が下の階層へと続く道のはず……そして正面の扉の先には、ボスモンスター的な強敵待っている部屋があるそうだ。
正面の石の大きな扉を見つめる俺に、ジグガンドさんが話しかけてくる。
「おい、シーナ。間違ってもその扉は開けるんじゃねぇぞ! 俺たちじゃあまだそこのボスは倒せねぇからな。この緑の転移石もクランの管理してるもんを借りただけなんだからよ」
ジグガンドさんはそう言って、一度俺に緑の宝石を見せた後、そのネックレスを首にかけてから宝石の部分を服の中に収める。
「やっぱり、強いんですか? そのボスってやつ」
「あぁ、俺たちのPTも何度かボスの討伐隊には参加したことはあるんだが……クランリーダーのPTがいないと倒せる気がしないな」
ロベリアの迷宮は、10階層毎に転移石を魔核として体に宿したボスモンスターが、転移魔法陣の前にある部屋にいるのだそうだ。
そのモンスターはとても強力なモンスターで、倒す場合にはクラン総出で準備をして挑み、倒して手に入れた転移石はクランの持ち物として大事に管理するのが普通なのだそうだ。
倒したモンスターはしばらくすると復活するそうなのだが、10・20階層のボスモンスターはギルドにも管理されており、勝手に倒すと怒られるそうで罰金もあるのだそうだ。
「転移石はどこのクランも欲しがってるから、ボスの挑戦権はギルドに申請して順番待ちってやつね」
マイアさんが、ジグガンドさんの説明を引き継いで、説明してくれる。
どうやらここのボスモンスターは、生まれてから殺されるまで探索者ギルドに管理されているらしい。
安全やクラン同士のもめ事を回避するためなのだろうけど……なんだか世知辛いなぁ。
「よし、じゃあ目的地に移動しようか。先の階層は探索者として自分でここまで来れたときに見るんだな。今回は下の階層だ」
右の通路へと進むように促してくるエレクさん。
「そうですね、それは自力で来た時の楽しみに取っておきますよ」
「ふっ、そうだな……お前ならすぐにここまで来れるさ」
エレクさんに返事をした俺に、ラウニさんがニヤリと笑いかけてくる……評価してもらっているのは嬉しいのだが……フードの影から覗くその笑顔は、ちょっと不気味で怖かった。
いい人なのは間違いないんだけどねぇ。
「え、えぇ、それじゃあ行きましょうか」
とっくに先に進んでいたジグガンドさんとマイアさんの後を三人で追いかける。
階層の境目にはあまりモンスターは近寄らないとはいえ、ちょっと不用心じゃないのかな……いや、マイアさんは斥候だし、先に行って索敵してるのかもしれないな。
さてと、一体何を見せてくれるのだろうか? 楽しみだ。
「よう、シーナ!」
「おはようシーナちゃん、今日もよろしくね♪」
PTのみんなは先に来ていたようで、ジグガンドさんとマイアさんがこちらに元気よく挨拶をしてきた。
残りの二人も近くに座っており、エレクさんは笑顔でこちらに軽く手を振っている。ラウニさんは相変わらずの無言だ。
「おはようございます。今日で最後になりますけど、頑張りますんでよろしくお願いします」
そう言って会釈をする俺に、ジグガンドさんが近寄ってきて肩をバンバン叩く。
「おう、よろしくな! 今日は最後だからちょっと特別な場所まで連れてって言ってやるから、楽しみにしておけよ」
「は、はぁ……特別、ですか?」
叩かれた肩の痛みに顔をしかめながらも、迷宮の特別な場所という単語に興味を惹かれた俺は、ジグガンドさんに聞き返した。
「そうよ~、私もアレを最初に見たときはすっごく感動したんだから! なんてったって……」
「お、おい、マイア! それは到着するまで秘密にするってことだったろ!」
ジグガンドさんからツッコミを入れられたマイアさんは、アハハと笑って誤魔化したあと俺に謝ってきた。
「ごめんごめん。シーナちゃん、到着するまで秘密なんだけど……でも、期待していいからね!」
「はい、それじゃあ後の楽しみにしておきますね」
そんなやり取りをしている俺たちに、エレクさんが自分の荷物を担ぎ直して話しかけてくる。
「おい、今日は移動に時間がかかるんだから早く行こうや! お前ら二人はいつも、そういう計画は立てるくせに、計画性ってもんが無いんだからよ~」
「わ、わかってるわよ! ほら、出発しましょう」
「おう」「はい」
エリクさんに急かされたマイアさんの号令で、俺たちリゼルタの旋風+1のPTは、今日も元気に塔の迷宮の中へと入って行くのだった。
塔の中に入って、いつもの10階層へと転移する魔法陣がある部屋へと続く階段を降りようとした俺を、エリクさんが引き留めた。
「シーナ君、今日はそっちじゃなくてコッチだよ」
俺に向かって、ひとつ隣の階段を指差すエリクさん。
「ああ、今日はコレをウチのクランから借りてきたからな!」
そう言って、ジグガンドさんが胸元から引っ張り出したネックレスには、いつもの黄色の宝石ではなく、緑色の宝石がぶら下がっていた。
「これでいつもの10階層じゃなくて、20階層までひとっ飛びよ! コレを借りるの苦労したんだぜ~」
「お~、20階層!」
「がはは、すげぇだろ!」
「でも、大丈夫なんですか? 上の階層に行けば行くほど敵は強くなると思うんですけど?」
緑色の宝石を見せびらかしてくるジグガンドさんに、そんなに先まで進んで大丈夫なのかと聞いてみると、代わりにマイアさんが俺の疑問に答えた。
「大丈夫よ、20階層から上に登るわけじゃなくて、私たちが用があるのは下の階層なのよ。20階層より下の階層で出てくるモンスターの相手なら慣れたものなんだから」
「ああ、10層毎に一気に敵の種類が変わっちまうから、慣れてないと危ないんだけどよ……今回は先には進まないから、いつものモンスターが相手だな」
ふむ、今日は19階付近の階層に用があるみたいだな。
いつもみたいに10階層からの移動だと、時間がかかり過ぎるってことなのだろう。
「よし、じゃあさっさと移動しようぜ」
「そうだな」
俺に迷宮の説明をしながらも、いつもと違う階段を下りていく。
そして、20階層へと続いているらしい魔法陣の上に全員揃ったところで、ジグガンドさんが転移魔法を起動させた。
「よ~し、いざ20階層!」
「「おー!」」
「あはは」
「……」
いつものようにテンションが高いジグガンドさんとマイアさんに、俺が合いの手を合わせる。
エレクさんはそれを見て笑い、ラウニさんは魔法陣の光に備えて目を閉じて黙っている。
そんな感じでいつもと同じように魔法陣が発動して、俺たちは20階層へと飛んだ。
転移先の部屋から外に出ると、十字路になっており、正面の通路をすこし進んだ場所に大きな石の扉がある。
そして左右には通路が続いており、左の通路の先からは、松明とは違う明るい光が差し込んでおり、右の通路の先は薄暗いいつもの青い松明の光に照らされている。
ここが10階層と同じ構造なら、左の通路が先の階層へと続く道で、右の通路が下の階層へと続く道のはず……そして正面の扉の先には、ボスモンスター的な強敵待っている部屋があるそうだ。
正面の石の大きな扉を見つめる俺に、ジグガンドさんが話しかけてくる。
「おい、シーナ。間違ってもその扉は開けるんじゃねぇぞ! 俺たちじゃあまだそこのボスは倒せねぇからな。この緑の転移石もクランの管理してるもんを借りただけなんだからよ」
ジグガンドさんはそう言って、一度俺に緑の宝石を見せた後、そのネックレスを首にかけてから宝石の部分を服の中に収める。
「やっぱり、強いんですか? そのボスってやつ」
「あぁ、俺たちのPTも何度かボスの討伐隊には参加したことはあるんだが……クランリーダーのPTがいないと倒せる気がしないな」
ロベリアの迷宮は、10階層毎に転移石を魔核として体に宿したボスモンスターが、転移魔法陣の前にある部屋にいるのだそうだ。
そのモンスターはとても強力なモンスターで、倒す場合にはクラン総出で準備をして挑み、倒して手に入れた転移石はクランの持ち物として大事に管理するのが普通なのだそうだ。
倒したモンスターはしばらくすると復活するそうなのだが、10・20階層のボスモンスターはギルドにも管理されており、勝手に倒すと怒られるそうで罰金もあるのだそうだ。
「転移石はどこのクランも欲しがってるから、ボスの挑戦権はギルドに申請して順番待ちってやつね」
マイアさんが、ジグガンドさんの説明を引き継いで、説明してくれる。
どうやらここのボスモンスターは、生まれてから殺されるまで探索者ギルドに管理されているらしい。
安全やクラン同士のもめ事を回避するためなのだろうけど……なんだか世知辛いなぁ。
「よし、じゃあ目的地に移動しようか。先の階層は探索者として自分でここまで来れたときに見るんだな。今回は下の階層だ」
右の通路へと進むように促してくるエレクさん。
「そうですね、それは自力で来た時の楽しみに取っておきますよ」
「ふっ、そうだな……お前ならすぐにここまで来れるさ」
エレクさんに返事をした俺に、ラウニさんがニヤリと笑いかけてくる……評価してもらっているのは嬉しいのだが……フードの影から覗くその笑顔は、ちょっと不気味で怖かった。
いい人なのは間違いないんだけどねぇ。
「え、えぇ、それじゃあ行きましょうか」
とっくに先に進んでいたジグガンドさんとマイアさんの後を三人で追いかける。
階層の境目にはあまりモンスターは近寄らないとはいえ、ちょっと不用心じゃないのかな……いや、マイアさんは斥候だし、先に行って索敵してるのかもしれないな。
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