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第46話
誓約を否定する声
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裂け目は、閉じきっていなかった。
表面は収束している。
だが奥で、何かが“見ている”。
レオは、はっきりと感じていた。
「……来る。」
刻印が、揺れる。
今度は自然な揺らぎ。
だが、その奥に。
重い圧。
境界の空間が、静かに歪む。
黒い影が、形を取る。
以前の残滓とは違う。
濃い。
明確な輪郭。
「……人ではない。」
カイルが、剣を抜く。
影は、声を持たない。
だが、直接頭に響く。
――なぜ、繋がる。
レオの背筋が凍る。
――なぜ、選ぶ。
その声は、冷たい。
感情がない。
ただ、否定。
「……誰だ?」
カイルが低く問う。
影は、歪みながら答える。
――境界の向こう。
――分断の側。
魔族。
だが、敵意だけではない。
もっと根源的な、思想。
――誓約は、弱さ。
――依存。
――不完全。
レオの胸が、わずかに揺れる。
(……違う)
だが、言葉は鋭い。
――揺らぐから壊れる。
――固定すれば、壊れない。
アルヴェインと同じ理屈。
だが、こちらは敵だ。
「……黙れ。」
カイルの声は、低く鋭い。
影は、歪む。
――個であれ。
――単独であれ。
――結ぶな。
その瞬間。
刻印が、強く波打つ。
否定に、反発する。
「誓約は、弱さじゃない。」
レオは、はっきりと言う。
「怖いから、繋ぐ。」
「足りないから、選ぶ。」
影が、わずかに揺らぐ。
――恐怖は、枷。
――感情は、歪み。
「歪みでいい。」
カイルが、1歩前に出る。
「完全な個など、存在しない。」
「俺は、選ぶ。」
刻印が、共鳴する。
強く、しかし不安定に。
影が、鋭く震える。
――不完全。
――ゆえに、崩れる。
裂け目が、再び広がる。
今度は、外から押し広げられる。
「来るぞ!」
カイルが叫ぶ。
影の圧が、直接誓約を叩く。
刻印が、激しく揺れる。
ひびが、再び走る。
だが。
砕けない。
レオは、カイルの手を握る。
「揺れてる。」
「それでいい。」
揺らぎを、抑えない。
押し返さない。
受け止める。
「俺たちは、不完全でいい。」
レオが叫ぶ。
「揺れるから、強い!」
刻印が、爆発的に光る。
固定ではない。
暴走でもない。
揺らぎそのものが、波となる。
影が、初めて後退した。
――理解不能。
その声が、薄れる。
裂け目が、ゆっくりと閉じる。
静寂。
レオは、息を荒げる。
刻印は、まだ揺れている。
不安定。
だが、温かい。
カイルが、額を寄せる。
「……否定されたな。」
「ええ。」
レオは、笑う。
「でも、選びました。」
境界の奥。
影は消えた。
だが、完全ではない。
本体は、まだ向こうにいる。
誓約を否定する存在。
固定を望む存在。
そして。
揺らぎを利用する存在。
最終決戦は、避けられない。
揺れる誓約で、挑むしかない。
表面は収束している。
だが奥で、何かが“見ている”。
レオは、はっきりと感じていた。
「……来る。」
刻印が、揺れる。
今度は自然な揺らぎ。
だが、その奥に。
重い圧。
境界の空間が、静かに歪む。
黒い影が、形を取る。
以前の残滓とは違う。
濃い。
明確な輪郭。
「……人ではない。」
カイルが、剣を抜く。
影は、声を持たない。
だが、直接頭に響く。
――なぜ、繋がる。
レオの背筋が凍る。
――なぜ、選ぶ。
その声は、冷たい。
感情がない。
ただ、否定。
「……誰だ?」
カイルが低く問う。
影は、歪みながら答える。
――境界の向こう。
――分断の側。
魔族。
だが、敵意だけではない。
もっと根源的な、思想。
――誓約は、弱さ。
――依存。
――不完全。
レオの胸が、わずかに揺れる。
(……違う)
だが、言葉は鋭い。
――揺らぐから壊れる。
――固定すれば、壊れない。
アルヴェインと同じ理屈。
だが、こちらは敵だ。
「……黙れ。」
カイルの声は、低く鋭い。
影は、歪む。
――個であれ。
――単独であれ。
――結ぶな。
その瞬間。
刻印が、強く波打つ。
否定に、反発する。
「誓約は、弱さじゃない。」
レオは、はっきりと言う。
「怖いから、繋ぐ。」
「足りないから、選ぶ。」
影が、わずかに揺らぐ。
――恐怖は、枷。
――感情は、歪み。
「歪みでいい。」
カイルが、1歩前に出る。
「完全な個など、存在しない。」
「俺は、選ぶ。」
刻印が、共鳴する。
強く、しかし不安定に。
影が、鋭く震える。
――不完全。
――ゆえに、崩れる。
裂け目が、再び広がる。
今度は、外から押し広げられる。
「来るぞ!」
カイルが叫ぶ。
影の圧が、直接誓約を叩く。
刻印が、激しく揺れる。
ひびが、再び走る。
だが。
砕けない。
レオは、カイルの手を握る。
「揺れてる。」
「それでいい。」
揺らぎを、抑えない。
押し返さない。
受け止める。
「俺たちは、不完全でいい。」
レオが叫ぶ。
「揺れるから、強い!」
刻印が、爆発的に光る。
固定ではない。
暴走でもない。
揺らぎそのものが、波となる。
影が、初めて後退した。
――理解不能。
その声が、薄れる。
裂け目が、ゆっくりと閉じる。
静寂。
レオは、息を荒げる。
刻印は、まだ揺れている。
不安定。
だが、温かい。
カイルが、額を寄せる。
「……否定されたな。」
「ええ。」
レオは、笑う。
「でも、選びました。」
境界の奥。
影は消えた。
だが、完全ではない。
本体は、まだ向こうにいる。
誓約を否定する存在。
固定を望む存在。
そして。
揺らぎを利用する存在。
最終決戦は、避けられない。
揺れる誓約で、挑むしかない。
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