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エピローグ
終わらない雨
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事件から数日後。
湊は再び、厳のマンションで暮らしていた。
以前のような「隠された愛人」ではない。厳の隣を堂々と歩く、伴侶としての生活が始まろうとしていた。
だが、平穏が戻ったわけではなかった。
リビングの窓辺で、厳が誰かと電話をしている。その背中は、以前よりも張り詰め、険しいものを漂わせていた。
「……ああ、分かっている。霧島の処分は保留だ。」
厳が低い声で告げる。
「奴のバックに『本家』がついているとなれば、手出しはできん。……ああ、会長直々の命令だ。」
通話を終えた厳が、窓の外の夜景を睨みつける。
湊はコーヒーを淹れ、そっと厳の隣に立った。
「厳……?」
「湊。」
厳が振り返り、湊の腰に手を回す。その表情は、どこか自嘲気味だった。
「霧島の裏切りは、ただの序章だったらしい。」
「え……?」
「今回の件で、俺の弱点がお前だということが、組全体……いや、関西の本家にまで知れ渡った。」
厳の手が強くなる。
「これから先は、ただのチンピラ相手の喧嘩じゃ済まない。組織そのものが、俺たちを引き裂きに来る。」
霧島はまだ生きている。そして、彼の背後にはさらに巨大な権力――「本家」の影が見え隠れしていた。
二人が結ばれたことで、パンドラの箱は開かれてしまったのだ。
「それでも、俺のそばにいるか?」
試すような問いかけに、湊は迷わず頷いた。
もう、あの雨の日のような迷い猫ではない。
「いるよ。……地獄の底まで、付き合ってあげる。」
湊が生意気な口調で返すと、厳は目を見開き、やがて獰猛に笑った。
「上等だ。……なら、とことん狂ってやろうじゃねえか。」
2人の唇が重なる。
窓の外では、まだ雨が降り続いていた。
この雨は、血の雨へと変わるかもしれない。
それでも2人は手を離さない。
2人の本当の戦いは、ここから始まるのだ。
ーSeason2へ続くー
湊は再び、厳のマンションで暮らしていた。
以前のような「隠された愛人」ではない。厳の隣を堂々と歩く、伴侶としての生活が始まろうとしていた。
だが、平穏が戻ったわけではなかった。
リビングの窓辺で、厳が誰かと電話をしている。その背中は、以前よりも張り詰め、険しいものを漂わせていた。
「……ああ、分かっている。霧島の処分は保留だ。」
厳が低い声で告げる。
「奴のバックに『本家』がついているとなれば、手出しはできん。……ああ、会長直々の命令だ。」
通話を終えた厳が、窓の外の夜景を睨みつける。
湊はコーヒーを淹れ、そっと厳の隣に立った。
「厳……?」
「湊。」
厳が振り返り、湊の腰に手を回す。その表情は、どこか自嘲気味だった。
「霧島の裏切りは、ただの序章だったらしい。」
「え……?」
「今回の件で、俺の弱点がお前だということが、組全体……いや、関西の本家にまで知れ渡った。」
厳の手が強くなる。
「これから先は、ただのチンピラ相手の喧嘩じゃ済まない。組織そのものが、俺たちを引き裂きに来る。」
霧島はまだ生きている。そして、彼の背後にはさらに巨大な権力――「本家」の影が見え隠れしていた。
二人が結ばれたことで、パンドラの箱は開かれてしまったのだ。
「それでも、俺のそばにいるか?」
試すような問いかけに、湊は迷わず頷いた。
もう、あの雨の日のような迷い猫ではない。
「いるよ。……地獄の底まで、付き合ってあげる。」
湊が生意気な口調で返すと、厳は目を見開き、やがて獰猛に笑った。
「上等だ。……なら、とことん狂ってやろうじゃねえか。」
2人の唇が重なる。
窓の外では、まだ雨が降り続いていた。
この雨は、血の雨へと変わるかもしれない。
それでも2人は手を離さない。
2人の本当の戦いは、ここから始まるのだ。
ーSeason2へ続くー
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