【完結】死んだあの子が会いに来ました

月狂 紫乃/月狂 四郎

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別れの時 AI

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 ずいぶんと長いことキスをしていたと思う。だけど、それでも足りないくらい今までにため込んだ想いが爆発していた。

 ようやく顔を離すと、夜見川君が優しい目でわたしのことを見ていた。

「わたしのこと、もうずっと離さないでよね」
「ああ、もちろんだ」
「本当に、ずっとずっとだよ?」
「分かってるって」

 夜見川君が笑うと、ふいにわたし達の体が青い光で包まれはじめる。まるで蛍の光を青くしたような、淡くてはかない光だった。

 それを見た瞬間に、なんとなく悟った。やっぱりわたし達は、竹川君や志穂ちゃんの住んでいる世界にいてはいけない人なんだ。

 夜見川君もなんとなくそれを理解しているような顔をしていた。

「岳たちに別れを告げないといけないみたいだ」
「うん……」

 気が重いけど、夜見川君と手を繋いだまま体の向きを変える。ずっとわたし達を見守ってくれていた竹川君と志穂ちゃんたちにさよならを言わなくちゃ。

「竹川君、志穂ちゃん。多分だけど、わたし達はお別れしないといけないみたい」

 二人は何も答えずにじっと見守っていた。彼らもどこかで覚悟はしていたのかな、なんて思う。

「色々あったけど、二人に会えて本当に良かった。わたしにとって、二人はいつまでも親友だよ」

 そう言うと、志穂ちゃんが目に涙を溜めたまま答える。

「あたしも亜衣ちゃんと夜見川君に会えて良かったよ。二人のこと、この先の人生でもずっと忘れない」
「うん、わたしも絶対に忘れない」

 涙をこらえながら微笑み返すと、竹川君が口を開く。

「ここに来て言うのもアレなんだけどさ、俺たちの息子の愛翔あいとって、上城さんと翔の名前をくっつけたネーミングなんだわ。こんなタイミングで伝えて申し訳ないけど」
「マジか、気付かなかった。くれぐれも俺に似ないようにしてくれよ」

 夜見川君が軽口を叩くと、みんなで一緒に笑った。思えば夜見川君がこんな風に会話するのって竹川君だけな気がする。

 そうしているうちに、わたし達を包む青い光の量が増えてくる。光の玉はクルクルと回って、わたし達を中心に渦を巻いていた。

「それじゃあ、どうやらお別れみたいだ」

 夜見川君が言うと、志穂ちゃんが声を上げる。

「向こうに行ってもケンカしちゃダメだよ? とくに夜見川君は、死んでも亜衣ちゃんのことを幸せにしてあげないとダメなんだからね!」
「ああ、約束するよ」

 夜見川君が苦笑する。わたしをチラっと見たので、繋いだ手に力を込めた。

「それじゃあ、わたし達は先に行ってるからね」

 そう言った刹那、わたし達の視界は青い光に包まれて見えなくなった。まるで激流にでも落とされたみたいにどこかへと流されていく。

 目も開けられない強い光。不安でいっぱいになりそうな状態でも、わたしは動じなかった。

 今度はこの手を絶対に離さない。夜見川君と一緒なら、わたしはどこへ行っても絶対に大丈夫。

 想いが伝わったのか、夜見川君の手がさらに強くわたしの手を握り返してくる。わたしはその熱をかみしめるように、もっと強い力で握り返した。
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