中年はチートなしでもなんとかなる -異世界に来たので欲望のまま生きてみる-

ながれ

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2章 中年は村で暮らす。

第5話 衣食住って大事だよねって話

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誤字訂正、ご意見ご感想などもお待ちしております。
作者の励みになります。
これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

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とりあえず最初の3か月くらいは、リースの旦那さんが来ていた腰巻を借りていたが、
最初に狼っぽい奴を狩ったときにその毛皮を使って自分の腰巻を作った。
それまで使っていた腰巻はちゃんと川の水で洗ってリースに返した。

さすがにパンツをはかない生活も半年もしていると慣れてくるというもんだ。

『衣食住』の『食』に関しては何とかなっているので、とりあえず家を何とかしたい。

今は、最初に村を案内されたときにキジュから指定された村の隅っこにある
壁もない雨よけの下で生活している。まぁ何とかなっているが、
一人でちょっと卑猥な創造なんかをしたくてもプライベート駄々洩れである。
せめて壁は欲しい。

というわけでキジュに相談したところ、今の場所は好きに使っていいとのことであったので
とりあえず土壁にしてみようと思った。
村のほとんどの家は木の壁でできており、板を製材するのは風の魔法で簡単にできるようだ。
じゃあ土魔法もあるんじゃない?とも思ったが、あいにくこの村には土魔法が使える人はいなかった。

ステインがいうには土魔法が使えれば、街や都で建築関係や軍関係の仕事に就けるらしく
チェスター村のような辺境には残るメリットが薄いそうだ。
まぁなるほどといった感じである。

しかし、土魔法がないから土壁ができないってわけじゃない。
なぜなら、私にはちゃんと指のそろった両手があるじゃないか。

というわけで、家予定地を手で少し掘り下げ、その土で壁を作っていった。
まぁ基本『引きこもりたい派』なのでこういったチマチマした作業は大好きだ。

狩りの合間にチマチマと壁を作っていく。

大体1週間程度でいわゆる豆腐型、
というかただの四角い塀に囲まれた空間ができた。

結果的に部屋の中は周りより1mくらい掘り下げた感じになった。
壁の厚みは20cmほど高さは3m程度。ただひたすら土を積んだだけ。
積んで、乾かして、また積んでを繰り返しとりあえず壁になった。窓はない。
積んでいる途中で、『空気穴いるんじゃない?』とか思って、
家の裏側に直径20cm程度の穴は開けた。

とりあえず狩った獲物と交換でもらった板を天井に渡して、
その上に森で取れた大きめの葉をしいてから薄く土を盛った。
一応雨水が一定の場所に落ちるように傾斜もつけた。

窓がないせいでかなり暗いが、
昼間は入り口から差し込む光で何とか室内が見える。
掘り下げているのが不格好だったので床にも板を敷いて、
火を使う囲炉裏のような場所も確保した。

家具はないただの空間ではあるが、非常に快適。
とりあえず扉はないので後で葉っぱの暖簾でもかけておこう。

これでとりあえず『衣食住』の最低限が揃ったという感じだ。
入り口は正面と裏手の2か所に設けた。
裏手側の土地がまだ余っているので徐々に拡張していこうと思う。

ちょうど家がとりあえず形のなったころ、リースが家を訪ねてきた。

「お前土魔法が使えるのか?」

「ちがうちがう。手で作ったのさ。魔法は何も使えない。」

「しかしこれだけ大きなものを手で作れるわけがないだろう!」

畳でいうと4畳くらいの広さ。はっきり言ってそれほど大きくない。
ただただコツコツと壁を積み上げただけ。

「これくらいの大きさなら少しづつ土を積めば手で作れる。」

そういった私をなんだか変な人を見るような目でリースが見ていた。

この世界ではなまじ魔法があるので、
土塀を手作りするという発想自体がなかったのだろう。

囲炉裏にもリースは興味深々だ。
家の中で火を使えるというのがとにかくすごいらしい。
まぁこの村の他の家はすべて木造というかナチュラリストというか、
下手すれば火事で家が全焼する。

リースが言うにはこの村のどこのご家庭も、
玄関先で煮炊きを行っており、それでも年に数件は火災が起きてしまうらしい。
土壁の家は基本ただの木の板の家より耐火性に優れている。
村の家がすべてこんな風になればかなり火災が減るだろうとリースは言っていた。

豆腐住宅に住み始めて3か月くらい経つ頃には、
奥に台所と寝室の2部屋が増えていた。
最初に作った4畳間は、まぁリビングというかダイニングというか、
とりあえず主な生活空間となっていた。

そんなある日、私の家にキジュがやってきた。

「お前土魔法が使えるのか?」

「いいえ。同じ質問をリースにされましたが、私は土魔法は使えません。」

「しかし、この家はどうやって作ったのだ?」

「手で作りました。手で少しづつ作りました。」

といった会話を終えたあと、キジュが一人の少年を呼んだ。
ウリテの兄、カリテである。

カリテは年齢的には13歳。成人の儀はすでに終えているが、
この村での働き手としては主力級の子である。

「シュウ。お前にカリテを預ける。このような家を作るすべを教えてやってくれ。」

そういうとキジュがカリテの肩に手をおいてニコリとほほ笑んでいた。

断りたいけど断れない。というか事情を知っているだけに断り辛い。

実は2か月ほど前、ウリテがバカをやって家を全焼させていたのだ。
今現在ウリテとカリテ、そしてその母親はステインの家に同居している。
どうせ新しい家を作るのだからしっかりとしたものを作ろうということである。

そこからは早かった。
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