中年はチートなしでもなんとかなる -異世界に来たので欲望のまま生きてみる-

ながれ

文字の大きさ
23 / 101
3章 中年は街を手伝わない

第23話 なんか魔法が得意かもしれないって話

しおりを挟む


お気に入り登録ありがとうございます。
および、コメントありがとうございます。

皆さまのおかげで、10/13のHOT第2位、ファンタジー・SF第7位になりました。誠にありがとうございます。

誤字訂正、ご意見ご感想などのコメントもお待ちしております。
作者の励みになります。
これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

-------------------------------------------------------------

冒険者ギルドの裏庭でニテさんと二人で座っている。

『これなら家でやってもよかったんじゃ・・・』
なんて雑念がたまに出たが、でも何となく二人っきりで日向ぼっこしている感じも悪くなかったので、そのまま続けた。

まだ夕方というには少し早い時間に、ニテさんが
「とりあえず1発やってみましょうか!」
と言ってくれたので、それまでの練習の感覚を思いながら、アザに魔力を流し込んでいった。

そしていい感じに溜まったのを感じて、少し離れた10メートルくらい先を見て
雷魔法を発動した。

前回ニテとリースに見せたときよりも強い光と音が発生し、無事に魔法が発動できた。

ギルドカードを見るとMPの値が『33/42』となっていたので、
大体9くらいのMPを消費して今の魔法を放ったことになる。
初日としては上々であるとニテさんは喜んでくれた。

それから暗くなるまでは火魔法について教えてくれた。

体内を流れる魔力は、いわゆる空気のようなものとしてその空気を使って、温度を上げるイメージ、普通から、少し暖かくなって、だんだん熱くなって、もっともっと熱くなると火が起きる。
そんなイメージでやってみるといいと言われた。

イメージを1時間くらい続けたとき、私の右手の人差し指に小さな火が灯った。
胸のアザに魔力を込めるとその火が少し大きくなった。
アザから魔力をそらすと火が小さくなった。
『なるほど』とちょっと何となくイメージがついてきたことを感じた。

火魔法ができたことは正直うれしかった。
今まで、自分で火をおこすことができず、他の人にいただいた火種をずっと、台所の隅で燃やし続けている。
これからは自分で火をつけることができるので、誰かにお願いして火種をもらっていたが、これからは自分でそれができるようになるのだから。

もう一つの、水魔法も教えてもらおうと思ったが、既に周りは暗くなっていたため、明日も魔法を教えてほしいとお願いし、ギルドの食堂で晩御飯をごちそうしてから、家路に着いた。

家では、ずっと火を着けては消し、火を着けては消しを繰り返し、気が付いたら魔力切れを起こし、ぐっすりと眠ってしまった。

翌日も朝からニテが魔法を教えてくれた。

午前中は前日の復習をやって、昼からは水魔法を教えてもらった。

『もっと早く教えてもらっていればよかった。』
とも思ったが、ニテが、
『そもそも、何かしら魔法の使える状況にならないと、
  魔力の操作自体ができない』
と言っていた。

イメージするにもまずは魔力で起こる現象を自分で感じるようにならなければいけないらしい。

水魔法は火魔法とは全く違っていた。

火魔法は、魔力をエネルギーとして認識し、その温度を高めるような感覚に近いのだが、水魔法は魔力そのものを『水』という物質に変換するもののようだ。

体の中にあった魔力をアザに集約した後、それを体の外で少しづつ密度を高めていく感じといえば伝わるだろうか。
この感覚をつかむのにとにかく時間がかかった。
魔力を使いすぎたというわけでなく、イメージができないものは現象として発現しない。

そこで私は、空気中の水分が少しづつ少しづつ寄り集まっていくようなイメージを追加して、見ると何とか水が現れた。
ここらへんは、固体・液体・気体などの状態変化をイメージできれば水の気体、いわゆる水蒸気をより集めるような感覚に近かった。

その日はこのイメージ作業だけでほとんど1日終わってしまい、気が付いたらあたりは暗くなっていた。

とりあえず、魔力のコントロールと初級魔法が使えそうな状態になったので、あとは独学で磨いていく感じでも問題ないだろうということで、ニテも喜んでくれた。

家に戻って、魔力を火に変えたイメージをそのまま、魔力を電気に変えるイメージにしてきたところ、雷魔法の精度が格段に上がった。
もともと加護で使えるようになったので、イメージというより、『使える』という感覚で使ってしまっていたが、イメージの力が合わさることで、より明確に『電気を操る』感覚に近くなった。

そういう意味では、火魔法は『熱エネルギー』を操る感覚になるのかもしれない。

水魔法で水を生み出し、火魔法の応用で、ひたすらに温度を下げると氷になったので、多分その感覚が私にはわかりやすかったのかもしれない。

土魔法についてもいろいろ考えてみた。
水魔法で魔力を物質化するという感覚が少しずつわかってきたので、魔力を水ではなく『石』などに物質化するイメージを広げていった。

水よりも密度が濃いイメージをするため、かなりの魔力をそこに投入した感じがしたが、実際に土というより、石がそこに出来上がったので、これを応用すれば、『石』ではなく『土』というイメージで発現しているのかもしれない。

そう思いながらイメージしていくと確かに土魔法のコントロールもかなり自由になった。

イメージの力がより明確になっていくにつれて、消費されるMPがかなり少なくなっていく感じがする。
実際に、水魔法や火魔法の消費MPは非常に低い。
雷や土は、それよりもかなり密度がいる感じではあるが、実際に使ってみて、小さな電気を指先に起こすくらいならMP1で十分電気のように『バチバチ』と音がしていた。

どちらかというと引きこもりがちで妄想力だけ見ればかなりの熟練具合である。
イメージが具現化する魔法は、私にとってすごく合うのかもしれない。

そう思いながら何度も何度も、水滴を出したり、小さな雷を起こしてみたり、と魔力が続く限りいろいろなことを試していた。
しおりを挟む
感想 148

あなたにおすすめの小説

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

処理中です...