中年はチートなしでもなんとかなる -異世界に来たので欲望のまま生きてみる-

ながれ

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4章 中年は旅に出る

第29話 リベンジってそうはうまくいかないって話

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誤字訂正、ご意見ご感想などもお待ちしております。
作者の励みになります。
これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

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白金貨を作れることはわかって、
とりあえず魔力回復のために夜まで寝ることにした。

夕方には目が覚めたので、
最近は魔力回復スピードがかなり速くなったと実感する。
まぁ総量が300超えているので、大体1分でMP1くらい回復している感じ。

目が覚めてからトルネの言葉を思い出していると、
何となく悔しいというか、シュエンちゃんとの時間を考えると悲しいというか、
あれが全部ウソだったのかと心の中からフツフツと怒りが込み上げてきた。

とりあえず、晩御飯を食べて、ちょうどいいくらいの時間になってから
トルネの忠告通り、今日はバックを宿屋に預け、
自分で作った偽白金貨と数枚の銀貨を入れた小さな皮袋だけを持って
昨日のユーリーママのお店に向かう。

繁華街では今日もにぎやかな雰囲気がしている。

お店に着いた。『猪華亭』と書いてある。

------チリンチリン--------
「「「いらっしゃいませ~~」」」

お店に入ると昨日と同じように若い女の子が数人で
お出迎えしてくれた。

店の奥側にはユーリーママが座っていた。

「あら、昨日来られたサカイさんじゃないの。いらっしゃい。」

ユーリーママは努めて自然に、というか全く悪びれず、
昨日と変わらずに接客してくる。

「今日はシュエンちゃんいないの?」

私がそういうと、ユーリーママは『ニヤッ』と怪しい笑みを浮かべ

「今日はもう少し遅い時間になったら出勤するみたいよ。」

ちょっと私に近寄って。小声で。
「サカイさんが、あんまり激しかったから、ちょっとゆっくり出勤したいって連絡があったわ。」

そういって、いかにもちょっと悪戯めいたほほ笑みを向けてくれた。

<なんだシュエンはいないのか?一応、今朝のキスもウソなのか聞きたかったのにな。>

そんなことを考えながらも、いないものはしょうがないということで、
そのままユーリーママに問いかけた。

「昨日の飲み代なんだけど、金貨80枚はちょっと高すぎない?」

私がそういうと、ユーリーママの顔つきが変わった。
今までの綺麗な優しそうな顔から、目じりが『キィ』って上がった感じになり、
私を少し睨みつけるような感じになった。

「どういうことかしら?昨日のお代は何の問題もなくいただきましたわ。」

少し探るように、でもちょっと威圧する感じで私を見ている。

「昨日の伝票見せてくれない?どのくらい飲んだか知りたいんだけど。」

私がすかした感じでそういうと、ユーリーママは『フン!』といった感じで
お店の奥に入っていった。ユーリーママが何やらコソコソと話していると思ったら、
同じくお店の奥からかなり体が大きい冒険者風の男が出てきた。

「なにかうちの店に文句があるそうで、とりあえず出ていっていただけませんか?」

男はハッキリとした威圧する態度で、私の横まで来た。

「いやちょっと今、ユーリーさんに伝票を確認させてもらうように言ってるから。」

「そういったサービスはやってないんだよ!」

男は私の胸倉をつかむとそのまま店の外まで私を運んだ。

もともと大通りといった場所ではないので人が歩いている気配は少ない。

「なにするんだ!俺は昨日の支払いの件を聞いただけだろう!」

私もいきなり放り出されて『カチン』と来たので、語気を荒げてみた。

「だからそういうサービスはやってない!って言ってるだろう!」

男は私をボコボコに殴り倒した。私のレベルは20。
相手の男はどう見ても元冒険者でレベルも倍以上上のように見えた。

<そういえばトルネが元A級冒険者のバウンサーがいるって言ってたな。>
殴られながら、頭の片隅でそんなことが浮かんだ。

殴り返そうとしても全く通じない。魔法を使おうとしても先に殴られる。
ハッキリ言って大人と子供の喧嘩だ。
そんなドタバタをしていたら、野次馬の中にシュエンを見かけた。

「弱っ!」

って言いながら、ひょいとお店の入り口にいるユーリーママの横に着いた。

「とりあえず二度とうちに来ないように身ぐるみ剥いどきな。
  なんか金目のものは持ってないのかい?」

ユーリーママがそういうと、男は私の両腕を捕まえたまま、残った手でポケットを漁った。

お金が入った小さな皮袋を見つけるとそれをママの方にほいっと投げた。

それから私は2,3発殴られてパンツ以外の来ているものをビリビリに破られた。

うっすらとした意識の中で、ユーリーママが
『どこかの貴族の人かとちょっと期待したのにねぇ』とか
『この田舎者っぽい感じでよく来れたわね。』とかを話ながら。
その横でシュエンが
『しかし弱っちいね。こんなオジサンが何勘違いしてるんだか。』
なんて言いながら笑っていた。私はそのまましばらく意識を失った。



繁華街の路地裏で気が付いた。

パンツ1枚だけはいているが、体は砂ぼこりまみれである。
体のあちこちが痛い。

ほぼ裸のまま、繁華街に出ると、痛めた体を引き釣りながら宿屋に戻った。

宿屋の受付の人が、『サカイさま!』といって慌て助け起こしてくれて、
部屋の前まで運んでくれた。

「大丈夫です。」とだけ告げて、一人で部屋に入った。

部屋についているお風呂にそのままの格好で入る。

擦り傷が痛い。右腕の骨がやられている。折れてはいないだろうが痛い。
顔も口の中も痛い。とにかく体中が痛い。

------コンコン------

と部屋がノックされ、『どうぞ!』と答えると。
先ほどの受付の人が、
「お預かりしておりましたバッグです。
  それと、ポーションもございますがご入用ですか?」
と赤い液体が入った小瓶を進めてきたので、
「いただこう。」
といって、それをいただいた。

湯船の中でそれを『ぐいっ』と飲むと先ほどまであった傷が
みるみる癒えていった。右腕の痛みもほとんど引いた。

「ありがとう。」
私が受付の方にそう答えると、『銀貨5枚になります。』と普通に返されたので、
受け取ったバッグから金貨を1枚出して『お釣りはいらないから』といって渡した。

そのまま湯船に浸かっていた。
浴槽の横には椅子がおいてあり、その上にはバッグがおいてある。
湯船に浸かったまま『ボーッ』っと天井を見上げていた。

しばらくそうしていたら、なんだか悔しくて、悲しくて、
いつの間にか頬を伝うお湯は、止まらなくなっていた。
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