中年はチートなしでもなんとかなる -異世界に来たので欲望のまま生きてみる-

ながれ

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4章 中年は旅に出る

第30話 主人公はお金の力で強くなるって話

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作者の励みになります。
これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

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ひとしきり泣いた。
この世界に来てもう4年以上たつ。
四季はないので多分4年以上。
最初の1年くらいは日にちを数えていたが、特に新年のお祭りなんかもチェスター村ではなかったので、おおよそ4年といった感じ。

もうすでに45歳くらいになった自分の非力さや情けなさを思うと何年かぶりに泣いた。
本当に何しに行ったのかすら自分でわからない。

しばらく湯船にいたが、
泣いて疲れたので、体が濡れたままベッドに飛び込み寝た。
昨日の朝はシュエンと一緒に居たベッドだ。

目が覚めると夕方だった。

半日くらいは寝てしまったのだろうか。
ゆっくりと起き上がると不思議なほど体に痛みはなかった。

お風呂にそのままおいてあるバッグを取りに行って、替えの洋服に着替えた。
濡れていたであろうベッドはもう乾いている。

お腹がすいたわけでもなく、ただ部屋にじっとしているのも不安だったので、バッグの中を見ると白金貨が1枚と金貨が9枚、銀貨と銅貨が各2枚ずつあったので、
それだけを握りしめてとりあえず部屋を出た。

宿屋の受付の人が、『大丈夫ですか?』と聞いてくれたが、ちょっと力ない笑みで返してから宿屋を出た。

もう少しで暗くなりそうな気配はするが、まだ八百屋さんや本屋さん、肉屋さんなども開いている。

何も考えずただ街を歩いていた。

ふと思い立って、無くなってしまった財布代わりに、小さな皮袋でも買おうかと雑貨屋に入った。

財布になりそうな袋やアクセサリーなどが置いてある。
財布代わりの小物を手にとり、カウンターでお金を払っていると。
店主の後ろに『スクロール入荷しました。』と書いてあった。

ぼーっとしながら歩いていると、冒険者ギルドが見えたので、そこにある食べ物屋さんでとりあえず晩御飯を食べた。

冒険者ギルドでは、
薬草 銅貨2枚
ヒーリングポーション 銀貨4枚、
マナポーション 銀貨8枚
魔石 金貨1枚
などの張り紙がしてあった。

何気なくそれらを見た後、またただぼーっとしながら宿屋に戻った。

部屋に戻って、ベッドに腰かけると、なんかいつもの癖のような感じで自然と白金貨を1枚製造した。
まだ少し魔力に余裕があったので銀貨を1枚作ったら、魔力切れで寝た。

目が覚めたら夜中だったので、また白金貨と銀貨を作って寝た。
昼におきて、また同じように魔力切れで寝た。
夕方?くらいにおきてまた魔力切れで寝た。

そんなことを3日くらい続けたら。昼だった。

ベッドの枕元には、自分で作り出した白金貨6枚や銀貨4枚、銅貨2枚が無造作に投げてある。

そんな無気力に過ごしていたら、チェスターにいたころにリースやニテが教えてくれたことを思い出した。

『魔石っていうのは魔物が落とす核となる石で魔素の結晶。。。。』

『魔力っていうのは魔素を体内に取り込んで変換したもの。。。』

『レベルっていうのは魔素を吸収して上がっていくもの。。。』

<魔素ってなんだろう?魔力?経験値?>
なんてふっと頭によぎった疑問を考えて他のことを忘れようとした。

<そういえば魔力で物質作れるなら、物質を魔力に戻せないかな。>

なんてふっと思い。おもむろに自分で作った白金貨を1枚拾い、魔力から白金貨を作るイメージを逆にイメージしてみた。

すると、手の上にあった白金貨がふわっっと消えて、なんだか光る粒になったかと思うと、体に吸い込まれた。

「ん???」

とりあえず白金貨は何かになって消えた。
しかも自分の体の中に消えた。

ちょっとびっくりしてとりあえずカバンからギルドカードを取り出した。

  シュウイチ・サカイ
  役職:村人 Lv.21
  HP: 83/83  MP:314/372  PW:56  SP:52  CL:20  HL:31  LC: 30
  特技:魔法(中)[火、水、雷、土]、分解

<あれ?レベル上がった。『分解』?>

それまで約3日間くらい正直無気力だった。
何もする気も起きなかった。
もしかしたらと、残って転がっていた白金貨5枚や銀貨4枚、銅貨2枚を手の上に置き、先ほどと同じく製造するときと逆になるイメージをした。
手の上の硬貨たちがすーっと光の粒になって消えた。

もう一度ギルドカードを見るとレベルが上がっていた2つも。

  シュウイチ・サカイ
  役職:村人 Lv.23
  HP: 83/90  MP:314/391  PW:61  SP:59  CL:30  HL:34  LC: 32
  特技:魔法(中)[火、水、雷、土]、分解

<んんんーーーーー!!!>

やっぱりレベルが上がる。魔法で硬貨を作った。魔力は寝れば回復する。
で、硬貨を分解すると経験値になる?感じかなこれ。

ってか他のものも分解出来るのか?

なんかいろいろ混乱していたが、とりあえず、手持ちのお金を持って冒険者ギルドに向かった。
魔石3つとマナポーション2つ、ヒールポーションを3つ買ってきた。
雑貨屋さんに行って、何か魔力っぽい奴を探そうとしていたら、スクロールっていうのが販売されていたが、その内容を聞いてびっくりして、値段を聞いてさらにびっくりしただけで、とりあえず宿屋に帰ってきた。

まずは雑貨屋さんで買った髪留め。
鉄を加工したものに何かの素材が花のようにあしらわれている。
手の中でイメージした。そのモノがゆっくりと原子がバラバラになる感じで、そのあとエネルギーになっていくイメージ。
分解は成功した。しかし、レベルは上がらなかった。

次は冒険者ギルドで買った魔石。
魔石は魔素の結晶というイメージだったので、そのままエネルギーに分散するイメージ。
同じく分解できた。レベルが上がった。2つも。

そのあと、買い物しすぎて所持金が少なくなっているので、白金貨を1枚作った。

MPがかなり減ったのでマナポーションを飲んだ。
MPが20ほど回復した。

それから、色々試してみた。
明確に分解するとき魔素に分解するのか、魔力に分解するのかを意識してイメージするとなんと魔力にも分解できた。それを吸収すると魔力が回復した。

ヒールポーションを分解したとき、なんだか黄色っぽいエネルギーになったので
何かなと思うと、少しだけ減っていた体力が回復した。

ものを分解して魔力にできるようになったので、それで回復した魔力で硬貨を製造し、その硬貨でお店から魔石や小物を買う。

そしてそれを魔力に戻すとまた硬貨を製造する。

それを繰り返すと、はっきり言って硬貨の方が余った。

小物や食材などを分解しても、魔力でも魔素でも少量にしかならなかった。
魔石を魔力に分解すると、結構な魔力が回復できたので、ハッキリ言ってマナポーションより効率が良かった。

以前までは魔力切れでぶっ倒れるように寝ていたが、魔力が補充できるようになったので、ジャンジャンお金とレベルを増産した。

ぶっこわれ性能である。
というか物質とエネルギーの関係は、取れているのだろうが、お金とエネルギーの関係性が取れていない。
エネルギー値が高いのに安い品物が存在することが分かった。

一番びっくりしたのは、道端に落ちている石ころだった。
もちろん分解出来てしまった。魔素にも魔力にも。
はい。原価タダです。私はマナポーションいらずです。

これこそまさに夢にまで見た『チートスキル』というものではないか?
そう思ったが、『分解』を獲得した経緯を考えてみると。

元素周期表や原子などの物質に関する考え方。
熱エネルギーや運動エネルギーといったエネルギーに関する知識。
たぶんそれらの知識がこのスキルに影響しているのではないかと思い至った。

結局は『中年の知恵?なのかな』と深く考えないようにした。
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