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5章 中年は王都で目立つ

第40話 王都に家を買うって話

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とりあえず、3人の奴隷との主従契約だけを早々に済ませ、お金の預り証を受け取って『とりあえず準備もあるだろう。』と、明日の昼に迎えに来る事を告げ、一旦宿に戻った。

昨日ぶりとは思えないくらい久しぶりの宿屋のベッドは、流石に自作の魔導ベッドよりも眠りづらかった。
仕方がないので異空間から魔導ベッドを出して、結局そちらで寝た。

翌日、太陽の光で目が覚めた。
なんだか凄く新鮮で、魔方陣で真似ただけの光よりかなり暖かく感じた。

久しぶりに他人が作ってくれた朝食を食べてから、私は王都の不動産屋を訪れていた。

王都の土地は、貴族の建物以外は基本的に全て王家の所有物なのだが、『永年借地』として土地の使用料という税金を納める感覚。
立地の良し悪しで一応、売買が行われている。

「いらっしゃいませ!ご用件承ります。」
「土地を買いたいです。」
「ほ~そうですか。どの様な土地をお探しですか?」

土地の広さは荷馬車が2台くらい入れば十分。
土魔法が使えるので更地ならば尚更可。
商業地区の近くで、土地に接する道は広いほいがいい。
など、こちらの希望を伝えた。

「なるほど。でご予算はいくらくらいでお探しですか?」
「土地次第。特に下限も上限もない。」

こちらの要望を聞き終えると、店主はおもむろに紙の束をめくり、そこから何枚かを取り出して私の目の前に並べた。

紙には地図による場所と金額、大まかな広さなどが記載されている。
紙だけ見てもよくわからないので『早速見に行きましょう。』という事になり、店主と共に店を出た。

『店無人で大丈夫?』とか思ったら、鍵らしきものをかけ、『外出中』の札を扉の前にかけていたので、『なるほど。』となんか納得してしまった。

そこから1時間ほどかけて3箇所ほどの土地を見た。
『王都内で商業地区にある空き地』という条件ではとりあえずその3箇所がおススメという事だった。
今は店に戻り書類を準備してくれている。
一応、ギルドカードの確認を求められたので見せたが、擬装がうまくいっているため何事も問題なく進んでいる。

ちょうど3箇所目に見た土地が、本屋と喫茶店に挟まれた土地だったのでそこに即決した。
価格は白金貨で300枚。金貨にすると3000枚だ。

相場とかはよく知らないので、『即金で購入する。』と伝えるとかなりびっくりしていたが、お店のテーブルに金貨を3000枚置くと、ニコニコしながら数え始めた。

とりあえず数えて貰っている間に記載が必要なものに記載を済ませていく。

「はい。確かに3000枚承りました。それでは土地の使用料の話や経歴などを、、、」

一通り説明を終えて、契約書を2通作り、お互いに血判を押して、無事契約完了となった。

店主から満面の笑みで送り出されて店を出た。

早速購入した土地に向かって、図書館で練りに練っていた家を土魔法で作っていく。
両隣りと同じく2階建、壁の色は両隣の中間色でなるべく同化する感じ。
2階には窓をはめ込める穴を開けておく。
1階はちょっと馬車を止められるスペースと部屋が1つ。とりあえず外と接する位置にはなるべく目立たない木の扉をつけておく。
駐車場と部屋の間には地下に降りて行ける階段スペースはあるが、まだ地下は掘らない。

それと2階に直接上がれる外階段が付いている。
実はチェルシーの時もそうだったが、家賃収入というのは正直有り難い。

私の場合、基本働く必要がないのだが、『家賃収入で生活しています。』という言い訳をする為にワンルームを4部屋用意する。
実際のスペースとしては2部屋でもやっとなのだが、私には空間魔法があるので後でちょっと使いやすそうな広さに空間魔法で拡張しておこうと思う。

1階も同じ理由で1部屋しかないが、この後空間魔法で拡張し、トイレ2個、大浴場1つ、脱衣場、キッチンと食堂、リビングと書斎、私の主寝室と奴隷の部屋をとりあえず3つ、客間が1つといった具合に空間魔法で時間の流れが外と同じ空間を増やしていく。主寝室と書斎は時間の速さを20倍程度に変えておく。
魔導トイレや魔導キッチン、自作食料庫は置くだけなので便利。一応大浴場の空間に魔導バスを仮置きしておく、主寝室の横にとりあえず作業用に数千倍の時間差を持つ作業部屋も作っておく。その隣には主寝室から繫る倉庫を作って、若返りの魔方陣や、図書館生活で作り出した様々な試作品を保管しておく。

もともと私は、『習うより慣れろ。』というか、魔法も魔方陣も実際に試して覚えるタイプなので、結果試作品や失敗作が山の様に溜まる。

作業部屋で、奴隷に来てくれるみんなの魔導ベッドや机や椅子などの家具を簡単に作っておく。
家具は木材をしっかり生かした飽きないデザインにしてみた。
それらを各所に配置しておく。
もちろん運ぶ時は風魔法で浮かせて運ぶ。
簡単なラグやカーペットなんかは、図書館の時に使ったものを使いまわした。

簡単なダイニングテーブルや魔導照明を設置し終わるころ、ちょうどお昼になったのでとりあえず奴隷商へ迎えに行った。




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