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8章 中年は平和を望んでみる
第93話 我ままの責任って話
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私の執筆速度が間に合わず申し訳ありません。
もうすぐひと段落。最低でも1日1話更新を守れるよう頑張ります。
誤字訂正、ご意見ご感想などもお待ちしております。
作者の励みになります。
お気に入り設定いただいている皆様。本当にありがとうございます。
これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
-------------------------------------------------------------
もう一人の私が強制送還されるまで残り6日。
私は最悪の場合を考慮し、いくつかの実験を行った。
まず、王都のエリス教本部にあるリリスの部屋。
どこまで転移可能なのかを確認した。
ちなみにもう一人の私がもうすぐチェスターに来るはずである。
一応ニテやキジュ、リースなど私とかかわりのある人に
「私と瓜二つのもう一人の私が来るので、できる限り自然に接してほしい。
そのもう一人の私はニテと結婚していることも知らないし、
ここ数か月のチェスターで起こったことは知らない。」
というくらいの簡単な事情は話しておいた。
私が入れ替わりで王都とフランシスへ行くことにした。
フランシスへは特に問題ないのだが、王都に行くときは注意が必要だった。
それはリリスと鉢合わせしてしまう事。
隠密を最大限に発揮しながらとにかく気配探知で周囲にリリスがいないことを確認する。
結果から言うとエリス教本部には転移を阻害するような防壁が張ってあった。
かなり昔に建てられていたであろうこの建物に転移阻害の結界があるとは思っていなかった。
多分、今のこの世界で転移が使える人がどのくらいいるのかは分からないが、
その対策が万全だったことに驚いた。
本部建物の中と外を区切る結界があるようで、
外からいきなり内部へ転移することはできなかった。
建物内部に入ってしまえば他の本部建物内の部屋への転移は可能だった。
もちろん中から外への転移もできなかったが、1歩建物外に出ると転移可能だった。
王宮で、転移を試したことはなかったが、エリス教本部でこのくらいの結界が張ってあるのなら、
当然王宮にもこれ以上の防壁が張ってあるのだろう。
気配探知でリリスの部屋が無人であることを確認し部屋の中に侵入。
部屋の中に4畳ほどの小さな異空間を作成しておき、
教会本部の建物の外に作った小さな異空間につなげることはできた。
転移は防御されたが、バックドアを仕掛けておけばそこから入れるという事は確認できた。
問題は強制送還された魔法の効果範囲だ。
そのタイミングに潜んでいてもいいが、もう一人の私も私は私。
一つの詠唱で二人とも送還されては意味がないので、
もう一人が送還されるタイミングには居合わせないほうがいいだろうと思った。
決行はもう一人の私が強制送還された後、朝日が昇るころにここへ侵入しリリスを無力化する。
----------------------------------------------------------
翌日は、王都の家を通じてフランシスに向かい、サーシャと現状のことや今後のことを話し合った。
「いつも仕事を押し付けてばかりで済まないな。サーシャ。」
「シュウ様。とんでもない。私はブランディング領のことを考えているだけで楽しいのですから。
押し付けているなんてとんでもない!私はこのままブランディング領の民が幸せに暮らせることを
生きがいとしておりますから。」
「そうか。そういってもらえると助かる。それとこれを預けておく。」
私は、書状を2通とドラゴンの魔石クラスの魔石を3つ渡した。
「私がもし、しばらく帰らなくなる時は、この書状をサンジェルマン伯爵とルマン伯爵に渡し、頼るといい。
一応、謝礼という形でそれぞれにこの魔石を渡してほしい。一応ドラゴンクラスの魔石だ。そこそこの価値はある。」
「えっ?しばらくとは?まさかシュウ様も私を置いていくのですか?」
サーシャは自分の父と兄を失い、母も失った。『置いていかれる』という感覚に非常に恐怖を覚えてしまうのだろう。
「違う違う、戻るのが遅れたときに前のように借金奴隷などになられては困るからな。
これは当面の資金の宛という事だ。変に心配する必要はない。」
サーシャは私の元にかけより、強く抱きしめて離さない。
私の言葉に半分納得できていないようではあるが、渋々、引き下がってくれた。
それから、税収のこと、ベガスでの魔道具制作の方向性なども話した。
「最後になるが一つ重要なことがある。ルマン領のチェスターという街にニテという女性がいる。
彼女とはかなり昔からの付き合いで彼女のお腹には私の子を身ごもっている。」
「シュウ様の子供?」
「ああそうだ。もちろんサーシャとの子供も欲しいと思っているが、そのチェスターでの子供も私の子供だ。
少し納得がいかないかもしれないが、もし私のことを大切に思うのならその子も大切にしてあげてくれ。」
「はい。もちろんでございます。シュウ様の子供は私の子供でもあるのです。
そのニテ様とおっしゃる方と共に精一杯の愛情を注いで立派に育てますわ!」
サーシャの瞳がより一層輝いていた。
彼女は責任感が強く、何よりも母性本能が強いのだろう。
『子供を育てる!』という事に関して強い使命感を持ってしまったようだ。
まぁニテのことを話せただけでも良しとしよう。
リリスの件が片付けば、ゆっくりとみんなで平和な生活を送れればいい。
その日は、フランシスの自宅に泊まった。
サーシャの隷属魔法は既に解除している。
しかし、サーシャは『私もできればシュウ様のお子が欲しいです。』と
珍しく求めてきた。
私はできる限りの優しさで、サーシャに愛を注いだ。
ニテに対する罪悪感などはない。
正確に言うと『両方愛している。』という言葉でしか表現できない。
私の身勝手なのだろうが、巻き込んでしまった以上、できる限り精一杯あがいてみるつもりである。
もうすぐひと段落。最低でも1日1話更新を守れるよう頑張ります。
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もう一人の私が強制送還されるまで残り6日。
私は最悪の場合を考慮し、いくつかの実験を行った。
まず、王都のエリス教本部にあるリリスの部屋。
どこまで転移可能なのかを確認した。
ちなみにもう一人の私がもうすぐチェスターに来るはずである。
一応ニテやキジュ、リースなど私とかかわりのある人に
「私と瓜二つのもう一人の私が来るので、できる限り自然に接してほしい。
そのもう一人の私はニテと結婚していることも知らないし、
ここ数か月のチェスターで起こったことは知らない。」
というくらいの簡単な事情は話しておいた。
私が入れ替わりで王都とフランシスへ行くことにした。
フランシスへは特に問題ないのだが、王都に行くときは注意が必要だった。
それはリリスと鉢合わせしてしまう事。
隠密を最大限に発揮しながらとにかく気配探知で周囲にリリスがいないことを確認する。
結果から言うとエリス教本部には転移を阻害するような防壁が張ってあった。
かなり昔に建てられていたであろうこの建物に転移阻害の結界があるとは思っていなかった。
多分、今のこの世界で転移が使える人がどのくらいいるのかは分からないが、
その対策が万全だったことに驚いた。
本部建物の中と外を区切る結界があるようで、
外からいきなり内部へ転移することはできなかった。
建物内部に入ってしまえば他の本部建物内の部屋への転移は可能だった。
もちろん中から外への転移もできなかったが、1歩建物外に出ると転移可能だった。
王宮で、転移を試したことはなかったが、エリス教本部でこのくらいの結界が張ってあるのなら、
当然王宮にもこれ以上の防壁が張ってあるのだろう。
気配探知でリリスの部屋が無人であることを確認し部屋の中に侵入。
部屋の中に4畳ほどの小さな異空間を作成しておき、
教会本部の建物の外に作った小さな異空間につなげることはできた。
転移は防御されたが、バックドアを仕掛けておけばそこから入れるという事は確認できた。
問題は強制送還された魔法の効果範囲だ。
そのタイミングに潜んでいてもいいが、もう一人の私も私は私。
一つの詠唱で二人とも送還されては意味がないので、
もう一人が送還されるタイミングには居合わせないほうがいいだろうと思った。
決行はもう一人の私が強制送還された後、朝日が昇るころにここへ侵入しリリスを無力化する。
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翌日は、王都の家を通じてフランシスに向かい、サーシャと現状のことや今後のことを話し合った。
「いつも仕事を押し付けてばかりで済まないな。サーシャ。」
「シュウ様。とんでもない。私はブランディング領のことを考えているだけで楽しいのですから。
押し付けているなんてとんでもない!私はこのままブランディング領の民が幸せに暮らせることを
生きがいとしておりますから。」
「そうか。そういってもらえると助かる。それとこれを預けておく。」
私は、書状を2通とドラゴンの魔石クラスの魔石を3つ渡した。
「私がもし、しばらく帰らなくなる時は、この書状をサンジェルマン伯爵とルマン伯爵に渡し、頼るといい。
一応、謝礼という形でそれぞれにこの魔石を渡してほしい。一応ドラゴンクラスの魔石だ。そこそこの価値はある。」
「えっ?しばらくとは?まさかシュウ様も私を置いていくのですか?」
サーシャは自分の父と兄を失い、母も失った。『置いていかれる』という感覚に非常に恐怖を覚えてしまうのだろう。
「違う違う、戻るのが遅れたときに前のように借金奴隷などになられては困るからな。
これは当面の資金の宛という事だ。変に心配する必要はない。」
サーシャは私の元にかけより、強く抱きしめて離さない。
私の言葉に半分納得できていないようではあるが、渋々、引き下がってくれた。
それから、税収のこと、ベガスでの魔道具制作の方向性なども話した。
「最後になるが一つ重要なことがある。ルマン領のチェスターという街にニテという女性がいる。
彼女とはかなり昔からの付き合いで彼女のお腹には私の子を身ごもっている。」
「シュウ様の子供?」
「ああそうだ。もちろんサーシャとの子供も欲しいと思っているが、そのチェスターでの子供も私の子供だ。
少し納得がいかないかもしれないが、もし私のことを大切に思うのならその子も大切にしてあげてくれ。」
「はい。もちろんでございます。シュウ様の子供は私の子供でもあるのです。
そのニテ様とおっしゃる方と共に精一杯の愛情を注いで立派に育てますわ!」
サーシャの瞳がより一層輝いていた。
彼女は責任感が強く、何よりも母性本能が強いのだろう。
『子供を育てる!』という事に関して強い使命感を持ってしまったようだ。
まぁニテのことを話せただけでも良しとしよう。
リリスの件が片付けば、ゆっくりとみんなで平和な生活を送れればいい。
その日は、フランシスの自宅に泊まった。
サーシャの隷属魔法は既に解除している。
しかし、サーシャは『私もできればシュウ様のお子が欲しいです。』と
珍しく求めてきた。
私はできる限りの優しさで、サーシャに愛を注いだ。
ニテに対する罪悪感などはない。
正確に言うと『両方愛している。』という言葉でしか表現できない。
私の身勝手なのだろうが、巻き込んでしまった以上、できる限り精一杯あがいてみるつもりである。
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