現実だと思っていたら、異世界だった件

ながれ

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第1章 初めての町(タカギ)

第7話 お勉強を開始してみた件

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1階の中ほどにある生活指導室といった感じの小部屋。
俺は今、高校に通っていた時よりも猛烈に勉強させられている。

いわゆるマンツーマンって奴で、サボるタイミングが見当たらない。

しかし、勉強する内容は数学や化学、英語などではない。

魔物学、魔法学、植物学といった
この世界で生きていくうえで必要な情報を叩き込まれている。
一番興味を引いたのが、人間学という内容だった。

まぁ内容は、いわゆる性教育だ。

クレインの襲来によって人類は壊滅的なまでにその数を減らした。
少しでもクレインに対抗するためにはとにかく人間という種族を生み育み育てる。
現在の人類の人口は3万人程度と教えてもらった。

人類の目標としてはクレインに殲滅されないよう、
とにかく多くの子供を作ることも男性にとって大事な仕事の一つらしい。
現在の人口分布では男性1に対して女性は4。
元々はクレイン討伐に出て死んでいった兵士のほとんどが男性だったのと、
出生率の割合的に、この人口比率になっているようだ。

その為、タカギのような移動都市をはじめ、多くは女性主体で運営され、
男性はいわゆる種人としての能力も必要という事である。

基本的には3日に1度、女性との関係を持つ。
そして男性1人につき8人の女性を1か月の間に子作りしていく。
翌月に女性が妊娠していれば、そこから6か月は母体として
一切の作業から外れ、健康維持だけを目標とした生活を送る。
当然、妊娠できて抜けたメンバーは随時あらたに迎え入れられるとのこと。
基本的にだれがだれのパートナーになるかは、
男性側で話し合って決めてほしいとのこと。
どうも、男性側の気がのらないとそもそも種付けできないからという事らしい。
もちろん女性にも相手を選ぶ権利があるという事だが、
双方の合意でパートナーになるらしい。

俺が過ごしていた世界では浮気なんかは真っ先に怒られていたのに、
こちらの世界では合理的というか、『種の存続』なんてものが大命題にあるので
『子供は愛の上での結晶』といった意味ではなく、
人類の次世代を担う担い手としての意義の方が大きかったようだ。

お昼ご飯を食堂で食べるのも基本的にはみんなバラバラだった。
一緒に食べるのは本当に夕食だけらしい。

昼食を終えても、俺はマイコ先生特別授業の真っ最中だった。
俺のユニークスキルが[魔物作成]だったこともあり、
マイコさんはより熱心に魔物の種類や、特徴などを事細かに教えてくれた。

植物学などは基本的に、薬草になる植物、毒がある植物などの絵を見せられながら
一つ一つを覚えていく作業だった。

魔法学に入る前に夕食の時間になった。

『はい。じゃぁ今日はここまで。
 明日は、今日の復習から入るからね。
 明日の朝、私かユリがあなたを起こしに行くから。』

「はっはい。」

既に俺の頭の中は訳も分からず詰め込まれた知識でパンク寸前なのだが、
『朝起こしに行くから!』の一言で色々吹っ飛んだ。

そしてマイコさんから腕時計を渡された。
文明感が乏しいこの世界で、まさか精密機器の代名詞ともいえる腕時計が
存在しているとは思わなかった。

マイコ先生曰く
『これは機構が小さいだけで魔法を使えば、
 小さい部品の加工の方が楽なのよ。
 それよりも素材をたくさん使う船や武器防具の方が今の世界では貴重なの。』
とのこと。

あくまでも時計は人間同士が暮らすコミュニティでお互いの意思疎通の為に
必要なだけで、都市に所属しない人なんかは持つ必要すらないらしい。

まぁ確かに言われてみればそうだな、と感じた。

夕食の時間になり、俺は昨日と同じ席に向かった、ユリが隣に来た。

『どうだった?』

「あっああ色々教えてもらっている最中だよ。」

なんだかユリの顔を見るのが恥ずかしい。
俺のパートナーとかになってくれるのだろうか?
聞いてみたい気もするが、フラれたら怖い。

とりあえずみんな揃ったらしく、夕食が始まった。

今日の夕食は、クラムチャウダー的な少しトロッっとしたスープとパン。
ローストビーフというよりステーキといった方がいいような肉の塊が出た。

「あれ?俺とユリだと献立が違うの?」

『あっそうだよ。まぁ献立は希望があれば変えられるけど、
 基本的には男性の方がエネルギーかかるみたいだから女性よりも量が多い。
 あと、妊婦さんなんかも少し違った献立になるわね。』

「なるほど~。なんか徹底して人間ってものに合わせた生活をしているんだな。」

『そうね。だいたい夕食をみんなで食べることにも意味はあって
 昼のうちに遠征に出たり、行方不明で戻ってきていない人がいないか
 確認するためだしね。』

なるほど、この夕食にもそんな意味があったのか。

「じゃあ俺がいなくなったら真っ先にユリが気づいてくれるのかな。」

『そうね。っていうか私が居なくなっても一番最初にヤストが気づいてね。』

「おおっう、分かった。」

夕食を談笑しながら食べていると、コック姿のちょっと太めのおじさんが
俺に話しかけてきた。

『やぁヤスト君。初めまして。
 俺はこの町の料理人、サルサっていうもんだ。
 俺の料理は気に入ってもらってるかい?』

「はっ初めまして、ヤストです。
 料理人?もしかしてこの夕食ってサルサさんが料理してくれてるんですか?
 おいしいです。ありがとうございます。」

『おぉ噂通りのなかなか賢い子のようだ。
 そうさ、この町に住むみんなの食事は基本全て俺が作ってる。
 マリオネットは給仕で運ぶくらいしかできないからな。』

なるほど、そういう事か。

『マリオネットに料理させたら、朝昼晩、ずーっとステーキかな。
 栄養も偏るし、何より健康は食べ物からってな。』

「確かに・・・本当にありがとうございます。」

『おう!任せとけ!でな、今日、夕食の後、男会議やるから
 そのまま食堂に残っておいてくれ。よろしくな。』

男会議???なんなんだろう?まぁ分からんがサルサさんいい人そうだし
別に残っておくくらいいいか。

「はい。わかりました。」
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