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第1章 初めての町(タカギ)
第32話 万能秘書の妹、ヒマリさん誕生の件
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昼食の時間になったのでヒバリさんの様子を見に行く。
訓練室では相変わらずヒバリさんがマリオネットに命令を入力している。
「ヒバリさん、お昼ご飯どうする?」
『今日はお昼いらないかな~もう少しでいいところまでできそうだから。』
「そっか。わかった。あまり根詰めすぎないでね。」
『うん。ヤストありがとね。』
訓練室を出て、キッチンに戻る。
「マリさん、ヒバリさんの分の昼食はいらないので、
昼食の準備は1名分でお願いします。」
『はい。ヤスト様。』
マリさんは手際よく昼食の準備を進めていてくれる。
俺は昼食の出来上がるまでの間に、お風呂に入ることにした。
マリさんにお風呂に入る事を伝えて、ダイニングを後にする。
「あ~~~~~。」
湯船に浸かりながら、こうしてゆっくりお風呂に入るのは
本当に久しぶりのような気がする。
夜伽が始まってからはほとんど一人になる時間がなかった。
そのおかげで、この世界に対して特に恐怖や違和感のようなものもなかった。
「かぁちゃん元気にしてるかな~・・・」
お風呂に入りながらも、学生だったころの自分を思い出していた。
家族とも特に不和もなく、友人も少なからずいた。
あちらの世界では、「突然俺が居なくなった事になっているのだろうか?」
などと考えてみる。
とはいってもあの洞窟みたいなところで、
もう一度あのウネウネにつながれる気にはならない。
久しぶりにゆっくりとお風呂に入り、
とりあえず考えても仕方がないことは考えないことにした。
ダイニングに戻ると、昼食が準備されていた。
野菜が多めのコンソメスープのようなものだった。
「軽め」という微妙なニュアンスしか使えていなかったが
丁度よい分量だったので、おいしくいただいた。
「じゃあマリさん俺は寝室で寝ているので、
例の図書館の作業をお願いいたします。
夕食の時間になったら起こしてください。
あと、ヒバリさんが出てきたら、
寝室で寝ていることをお伝えください。」
『はい。ヤスト様。』
俺は寝室に戻り、ベッドに横になった。
ちょっと贅沢だが昼寝を楽しむことにした。
3時間ほど昼寝をして目が覚めた。
時計を見ると夕方の5時を少し回ったくらいだ。
リビングに行くと、ヒバリさんと2体のマリオネットが何やらにらめっこをしていた。
「どうしたの?」
『あっヤストーーー!あんたマリオネットに何したの?』
「ん?特に何もっていうか少し勉強させたくらいだけど。」
『勉強?』
「うん。とりあえずこの前買っておいた本を読ませて、
あとは自分で勉強するようにしといたけど・・・」
『とりあえずこのマリオネット貸して!』
「えっ?ちょっと魔法とかを教えてもらおうとしてたんだけど・・」
『ヤスト様、私同様にこちらのマリオネットにもコマンドの入力をお願いしたく存じます。』
なにやら言葉使いが非常に丁寧になっている気がするので、
一応あれからも自己学習を続けているのだろう。
「そっか、ヒバリさんのマリオネットにも同じように命令を入れればいいんだよ。」
という事で、先ほどマリさんに入れた、
[本を手渡された時、その本を用いて勉強する。]
を同じように入力する。
それから、書斎に連れて行き、マリさんと同じようにひとしきり本を読ませた。
ついでに、マリさんと区別がつきにくいので、
ヒバリさんのマリオネットなので「ヒマリさん」と呼ぶことにした。
それからリビングに戻ると、ヒバリさんがヒマリさんに色々と命令を行っているようだ。
コマンド入力ではなく、口頭で命令できるので非常に便利そうだ。
『ヤスト様、先ほど、図書館への接続に成功しました。
記録結晶へのアクセスは良好です。
しかし、その量が想定以上に多く、魔力不足になる可能性が考えられます。』
「そっか、じゃあ今からマナヒールかけておくよ。」
マリさんに聞いたところ、
「MP値換算で500ほどいただければ十分です。」
とのことだったので、俺はマリさんにマナヒールをかけておいた。
今日一日何もしていなかったので魔力はほとんど全回復状態だった。
『ヒマリが誕生したことにより、遠見の水晶が不足いたします。
いかがいたしますか?』
質問の仕方も簡潔でわかりやすい、
「それじゃあ下の売店で買ってきてくれないか?
とりあえず今は俺のタウンリングをマリさんに渡しておくので、
マリさんとヒマリさんの分のタウンリングも購入してくれると助かる。
あと、遠見の水晶は元々魔道プロジェクターに使かっていたものだから、
余分に1つ買って元に戻しておいて。」
『了解しました。ヤスト様。』
『ヤストーーー。このマリオネットすごくかしこくなってる!
これなら狩猟部隊用マリオネットにも利用できるかもしれない!』
ヒバリさんが今日研究していたのは狩猟部隊用マリオネット。
マリオネットを自立化して、索敵や狩猟に役立てたいというわけだ。
状況判断が必要な行動にはなかなか苦戦していたようだが、
マリオネット自身が言語理解を深め、それらの意味を学習することで、
自立性が増したようだ。
まぁ現に今、俺はマリさんに買い物を頼んでいるわけだし。
小1時間ほどしてマリさんが部屋に戻ってきた。
『ヤスト様、タウンリングをお返ししたします。
なお、売店でのタウンリングの販売はなかったため、
タウンリングの材料となる魔鋼を含んだ杖を購入いたしました。
これにより、私と、ヒマリの分のタウンリングは製造可能です。』
『えっ?タウンリングを作れるの?』
『ヒバリ様、はい。可能です。』
確かに、俺が見た魔道具全書にも一部タウンリングの製造過程が書いてあったが、
詳細な内容までは俺は理解できていなかった。
それからマリさんはリビングで、実際にその金属の杖からタウンリングを2個作り出した。
ちなみにタウンリングの個体識別の波長は、マリさんが俺と同じ、
ヒマリさんがヒバリさんと同じ波長に合わせてもらった。
予備のタウンリングにもなるので便利ではないだろうか。
まぁそこまでの魔力操作は今の俺にはできない。
マリさんが戻ってきてヒマリさんに図書館への接続方法などを教えていた。
一応ヒマリさんも当初のマリさんレベルには既に達しているので難なく情報共有できたようだ。
マリさんとヒマリさんに交互に夕食の支度をしてもらい、
念のため、今登録されている命令の最適化を行い、
暴走防止の為にマリさんは俺、ヒマリさんはヒバリさんの命令に
最優先で従うようにコマンドを追加しておいた。
ヒバリさんは昼の作業でストレスがたまったらしく、
夕食を終えると、獣のように俺を押し倒してきた。
俺は昼寝していたので、
結果的に先にヒバリさんがダウンした。
ちょっとだけ勝てた気がしてうれしかった。
寝る前に少し水分でも取ろうとリビングに向かうと、
マリさんとヒマリさんが直立不動のままリビングにいた。
二人はプロジェクターから映し出される演劇を見ながら
図書館の記録結晶習得している最中だったようだ。
その姿があまりにも頑張っているようだったので、
念のためマナヒールを軽めにかけておいた。
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