現実だと思っていたら、異世界だった件

ながれ

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第2章 タカギ争乱

第38話 やっと移動開始した件

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これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

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翌朝起きてみると、馬のいない馬車、車輪がついたただの箱が動いていた。

『おはようございます。ヤスト様』

いつも通りマリさんがリビングで迎えてくれる。

「えーっと動いてる?」

『はい。昨夜のうちにパペさんと共に動力機関および操作機関を作成し、
 走行可能状態となりましたので、ただいま移動を行っております。』

「おぉ~すごいね。あれパペさんは?」

『ただいま、そちらの扉の向こうにあります操作席にて本機を操作しております。』

俺が寝ている間に二人が頑張ってくれていたようだ。
というかマリさん達睡眠とかいらなそうだから、なぁ。

「ちなみにどうやって動いているの?」

『はい。昨日ヤスト様と作成いたしました高純度魔石を使用し、
 私とパペさんの魔力により駆動しております。』

「パペさんの魔力?」

『はい。昨夜のうちにパペさんにもマナリジェネを習得いただき、
 二人の常時回復量により十分に稼働可能な魔力を確保できました。』

「そっかパペさんも結構魔石を合成したから総量が上がっていたのか。」

リビングを抜けて操作席とやらに移動する。

何やら球体のようなものに手をかざしながら、パペさんがこの箱を操作しているようだ。

『おはようございます、マスター!航行は順調です。近くに魔物の存在もありません。』

「ご苦労様、まぁのんびりで大丈夫です。」

ダイニングに移動するとマリさんが朝食を準備してくれている。
なんか至れり尽くせりな感じだ。
朝食を食べてから、忘れていたお風呂に入る。
折角作ってもらっていたのに入るのを忘れてしまっていた。

小さな小窓からは景色が見える。

「あれ?そういえば操作席で外の景色が見えてた気が・・・」
お風呂に入りながら、さっきの操作席の様子を思い出す。

以前、タカギの儀式室でちらっとみた様子にそっくりだったのを思い出した。

「ああ、あれで一応操作してたのか~。」

何となく完全には理解していないけど、そんなもんだろうと納得してしまった。
お風呂からあがってリビングでくつろぎながらマリさんと会話する。
一応予備の資材を入れてもあと2体までマリオネットは生産可能とのこと。

ちなみにマリさんの体もアダマンチウムでコーティングしようか?
と伝えたところ、換装は可能ですが、
魔法陣を動かすためにシズネ先生の細胞をもらう必要があるそうだ。

なんだかマリさんってしっかりしてるって思ったら、
元となる人がシズネ先生だからかもしれない。

それからしばらくはマリさんにこの世界で気になっていることを質問したりしながら
時間をつぶしていた。

「そういえばあのマリオネット作成の魔法陣。
 魔物との戦闘でかなり消えてしまったよね?
 魔法陣を書いた上にコーティングとかしたら消えにくいのかな?」

『そうですね。魔法陣を描くのには魔法銀を使用しています。
 アダマンチウムとは魔力の伝導性が違いますので
 魔力伝達路だけ確保しておけば魔法陣を保護することも可能です。』

「へ~なんだか電子回路みたいで面白そうだな。
 いつかやってみよう。」

『電子回路?』

「あっそうかマリさんは逆に俺が昔いたクレインの中での世界を
 知らないから、そこは伝わりにくいかもね。」

『はぁ。申し訳ありません。図書館の文献にもそのような記述は見当たりませんでした。』

そんな会話をしながらもこの自走式ハウスは移動を続けていた、
マリさんの話では魔法陣を書いたり、タウンリングの素材などには
魔法銀というものを使用するらしい。
それらを含む魔物は存在するが、今の手持ちにその素材はないという事らしい。

魔法銀や鉄、銅やアダマンチウムなどの金属は一般的に
王都や城塞都市の近くで鉱山を掘って採掘するのが一般的なようだ。
しかし、その埋蔵量は有限で、それなりに高価とのこと。

「比較的小さく、訓練室で作成できるレベルの魔物で
 そういった鉱物を含む魔物とかいないの?」

『ここから東に120kmほど進んだ山岳地帯に
 ヒューマンゴーレム種の魔物が居ます。
 ゴーレム種はその体が鉱物でできており、
 ヒューマンゴーレム種はその大きさが人間と同じくらいです。』

「おお、その魔物は是非作成したいな。
 少し進路を変えてそこに寄り道したりできる?
 ってか俺で倒せるかな?」

『ヤスト様のレベルとアダマンチウムの剣があれば、
 基本的にゴーレム種であっても殲滅可能と思われます。
 進路を変更する件に関しましても、動力となる魔石がかなりの高純度の為
 予定よりもかなり早く進んでおりますので、
 少々の寄り道は何ら問題ありません。』

「よし、じゃあパペさんに進路の修正をお願いできるかな?」

『かしこまりました。』

マリさんが操作席でパペさんと少し打ち合わせをしてくれたようだ。

『マスター、進路の修正、了解いたしました。
 ヒューマンゴーレムの生息地への到着は2時間後です。』

パペさんが手際よく操作してくれているようだ。

それから俺とマリさんは再度リビングに戻りまた雑談を始めていた。

「そういえば俺日本語しか話せないけど、
 今の世界の言葉ってどうなってるの?」

『今から1574年ほど前、クレインが地球に侵略した際、
 ヤスト様がおっしゃられる日本という国は
 島国であること、人口密度が高かったこと、
 などにより多くの命が失われながらも、
 割合的に生き残った人数が多かったため。
 現在の全世界共通の公用語の今現在話している言葉のみです。』

「おぉ~~じゃあ今の世界は全世界で日本語が使えるってこと?」

『はい。襲来当初は、他の島国、
 インドネシアやスリランカ、ニュージーランドなどの方々は
 別の言語を使用されていたようです。
 しかし、クレインが地球のエネルギーを吸収したことで食料不足に陥り
 最終的にはその人数を減らしてしまい、
 結果現在の公用語となった経緯があります。』

日本語がいつの間にか全世界共通の公用語になっていたことに驚きながらも
それから現在の位置や地形に関してもいろいろと教えてもらった。

俺が救出されたのは日本の九州、熊本県の少し上くらい、
阿蘇と呼んばれていた地域だったらしい。
九州や本州、四国、北海道は全て大きな陸地としてつながっているらしく、
現在北上中。

城塞都市タドコロは俺の記憶では福岡と山口という県のあった
海峡部分にあり、九州から北上する際にはほぼ通るルートらしい。

ちなみにタカギのみんなが向かった城塞都市タカチは
いわゆる四国にある城塞都市のようだ。

俺たちが向かっている城塞都市ヨシノは、
琵琶湖の所にあるとのこと。

その後、合流予定の城塞都市テシマはちょうど東京あたりらしい。
途中にある富士山にはクレインが1体張り付いていることが確認されており
周辺には城塞都市は存在しない。

15個ある城塞都市のうちこの4か所が日本に存在する城塞都市らしい。

中国およびロシアやヨーロッパは陸続きであったがために
クレイン襲来時にも人々が先を争って食料争奪戦が発生し、
ほとんどの人類が死滅したらしい。

今、ユーラシア大陸にはヒマラヤの王都との中継地点として
4つの城塞都市が存在し、北アメリカに4つ
アフリカに1つ、南アメリカに1つ、オーストラリアに1つ
この計15個しか城塞都市が存在しないらしい。

単純に王都がヒマラヤに作られたのはクレインが火山地帯を好み、
逆に火山地帯から一番遠い地形という意味でのことらしい。

日本のような狭い国に4つも城塞都市があるのは、
比較的食料が確保でき、生き残った人口が多かった最前線
という状況でしかないようだ。

数年前まで日本におけるクレイン事情は富士山における1体のみだった。
しかし、クレインが分裂増殖し阿蘇山にも定着している状況になったようだ。

リカントの移動方法に関してはまだ判明していないが、
分裂増殖の際に、親株から分離し、一定数をクレインが内包しているのではないかと言われている。

そんな今の世界状況でも人類は着実に数を増やしつつあるようで、
食糧事情の改変により、飢える心配が減り、今ではクレインとの共存論まで出ているらしい。
まさに触らぬ神に祟りなしといったところのようだ。

『マスター、まもなく目的地に到着いたします。
 ヒューマンゴーレムの生息地帯です。』
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