現実だと思っていたら、異世界だった件

ながれ

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第3章 世界巡り

第67話 新たな大陸へと出発する件

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翌朝目覚めると、少しだけ気持ちが晴れていた。

横にはぴったりと寄り添ってくれるヒバリさんがいる。

本当にありがたい。パートナーのみんなには助けられっぱなしだな。

取り合えず俺は、魔物使役のスキルをしばらく封印することを決めた。
サキュのように情が移ってしまう可能性がある者は特に。

人間が生活するうえで、魔物の素材は必要だし、なによりタカギのみんなが必要としてくれる。
だから俺は難しく考えず、それに応えることにした。

とりあえずテシマでの休憩やアップグレードもひと段落したので、
北アメリカ大陸の城塞都市シスコへと出発することにしようと思う。

まぁ当面の素材は十分に狩り尽くしているし、しばらくは自堕落な生活を送ろうと思う。

俺は再度、リングをはめ、ヒバリさんを起こしてからいつも通り朝食へと向かった。

「おはよ~ヤスト。昨日は大丈夫だった?体調悪いの?ポーションいる?」

「おはよう、ユンユンさん、大丈夫。心配かけてごめんね。」

みんなと挨拶をかわし、朝食のテーブルに着く。

「ヤスト様、昨日はこれほどまでにヤスト様が憤慨されるとは知らず、出過ぎたマネをいたしましたこと、誠に申し訳ありません。」

念話でマリさんが謝ってきた。

「今後、俺が一度でも味方と認めた相手への勝手な攻撃は禁止する。勝手に判断しないでくれ。」

何となく、まだマリさんへの不信感がぬぐえない。
今のマリさんは、俺に害があると分かれば平気で人間でも殺してしまいそうだから。

「なぁみんな。そろそろテシマを出て次の街に向かおうと思うけど、どうだろうか?」

みんなは俺からの提案に少し思案して、賛成をしてくれた。

これから最低数か月、本隊から離れる。それも加味してお昼に出発することにした。

細かな段取りや調整はマリさんに任せるが、基本的にサエさんと共同で行うように指示した。

リングさんからの念話でテシマを離れて20分後には海に出ること。
そして海上においては最低でも1週間はノンストップで進むことなどを教えてもらった。
食料の備蓄や生産体制は万全である。
ウミさんのショップにも無事、城塞都市用ドロイドと転送の魔法陣を仕込んだ箱、
遠距離魔道通信などの連絡設備も設置も終わっている。

今後、タカギのアンテナショップでは革製品だけではなく、ポーション類や武器防具、
日用雑貨に合わせて、魔道具などの販売も行う。
あと珍しい商品としては本も取り扱うことになっている。
これは、スメラギマリ著の本はもちろん、王立図書館から書き写した実用書なども販売する予定だ。
本の販売に関してはミサカさんがかなり乗り気だったようだ。
作成は基本的にドロイドにお願いするが、大体1体で1日に3冊の本を作成できるというのだから驚きだ。

印刷技術の乏しいこの世界で、これだけの本を生産できる移動都市は少ないかもしれない。

他にもブライアントさんのスキルで説明が付くという事で、高純度魔力結晶も希少品として販売することになった。
魔道具の元になる水晶や、ポーションの材料となる薬草なんかも普通に販売できるそうだ。
元々革製品のブランドとしてタカギは有名なので、これからは服のデザインなんかも手掛けるそうだが、
こればかりは出来上がってみないと分からないようだ。

ウミさんのショップも近いうちに改装してかなり大きくするという事も聞いた。

カザンさんの遊撃隊2号車も完成し、いつでも別行動できるらしいが、
とりあえず王都までは本隊と共に移動するらしい。

俺も、マイコさん、ブライアントさん、ミサカさんと少し話して、昼食時には全員出発の準備が整うことになった。

昼食の時間になり、みんなが揃ったことを確認して、出発することになった。

「それじゃあハウスさん、シスコに向けて移動をお願いします!」

「了解しました。マスター」

後部おシャッターが下ろされ、徐々に移動を開始する。
少しづつ加速して行くといつしか窓に移る景色が水平線へと変わっていく。
ここから最低1週間はノンストップだ。
ハウスさんの魔力も十分。移動開始から1時間もしないうちに最高速度に到達したらしい。

最初はこの車型のハウスがどうやって海を渡るのだろうと考えていたが、
結局、海上から1メートルほど浮いた形で進むのが一番効率がいいようだ。

もちろん魔力消費量はかなり必要になるようだが、
パペさんやスパさん、モクさんそしてマリさんも魔水晶をコアとしたことで、
リジェネの回復量が増えたらしく、十分に魔力は足りるという事になったらしい。

「ヤストいる~?」

ユリが俺の書斎を訪ねてきた。

「どうした?」

「どうした?じゃないわよ。なんだか昨日元気なかったみたいだからみんなで心配してたんだから!」

「ああ、すまんすまん。もう大丈夫だよ。」

「そう。まぁ大丈夫なら大丈夫でいいんだけど、とりあえず海上に出たみたいだから、
私たち斥候部隊出身者と狩猟部隊出身者はこれからしばらく生産部隊になるから、それを伝えておこうと思って。」

「生産部隊?」

「そうそう、この遊撃隊用の車は早いから、昔のタカギほど十分な時間はないけど、
外に出られない間は、みんなで色々な雑貨や商品を生産するの。ヤストも何か作る?」

「ん~~とりあえず今日は少しゆっくりしたいかな。なんか作りたいものが見つかったら声をかけるよ。」

「うん。わかった。とりあえず無理はしないでね。」

「わかった。ありがとう。」

昔のタカギはこの太平洋航路を渡るのに2か月ほどかかっていたらしい。
地上ではヤックルがタカギを引いてくれるのだが、海上ではモックルという海洋生物が引っ張ってくれていたらしい。
今回は1週間程度なのでそれほどの生産性はできないかもしれないが、
アンテナショップでの販売を考えると、沢山の商品を作れることはかなり魅力的な時間という事になる。

俺は書斎を出て夕食前にお風呂に入ろうと浴場へと向かった。
浴場に向かうと中からいたしている声が聞こえてきた。

「ああっロイドいいよ!いい!」

この声はアヤメさんだな。いつもは研究者ぽくて大人しいけど、
いざ始まると結構大胆だったりする。

とりあえず、邪魔しちゃ悪いと思って回れ右してリビングに戻る。
このハウスには各種生産施設もそろっている。
気配探知の練習もかねてハウス内を探知してみる。
まぁハウスさんに念話で聞けばすぐわかる事なのだが、ただいまフルスピード進行中なのだ。

結果的にアヤメ以外の全員が1階の何かしらの生産施設にいるのはわかった。
ヒバリさんとアイラさんは鍛冶場、ユンユンさんとユリは研究室。
ミズホさんとアキコさんは革細工を作成しているようだ。
ミハルさん、シズカさん、サエさんは裁縫室なので服のデザインでも考えているのだろう。
他にも、木工室や儀式室にはドロイドが何かを作っているようだ。
多分儀式室のドロイドはさらにドロイドを量産しているのだろう。

マリさんを念話で確認すると、水晶系の魔道具の作成を倉庫で行っているらしい。
スパさん、モクさん、パペさんも一緒に倉庫で色々と整理や転送準備などを行ってくれているようだ。

とりあえずやることもないので、もう一度書斎に戻り、リングさんに魔道具の図鑑を見せてもらいながら
なんか新しいものが作れないか考えていた。
とりあえず、昔作ったプロジェクターのような魔道具とミサカさんが作ってくれた音楽を鳴らす魔道具なども作成候補だ。
他にも面白い組み合わせができないか、とにかく色々な魔道具を知ることから始めた。

「色々な魔道具があるんだね~。この押すと音が鳴る魔石と、こっちの魔力を増幅する装置があれば多分キーボード的なものが作れるね。」

「キーボード?ですか?」

リングは「何それ?」といった感じだったので、「持ち運べるピアノ的な奴かな。」とだけ伝えてみた。
他には、冷蔵庫や乾燥機、コンロや掃除機、扇風機といったものまで、すべてが魔道具で実現されているようだ。
面白いところでは、ただ単に高く飛び上がることができる魔道具なんかもあったが、"着地に注意"と書いてあったりもした。

一瞬、ルン〇的なお掃除ロボをとも思ったが、基本ドロイドで十分事足りているので、
結果的にはドロイドが一番万能という事で落ち着いた。
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