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16話
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大きく手を叩き、意識を自分の元へ向けさせた後、マルゲリータは次に取る作戦の概要を伝えた。
「では行きましょうか」
説明も終わったため、私たちは次の試合会場へと向かう。
「お前らが次の相手になる1年5組の奴らか。1組の奴らには勝ったみたいだな。おめでとさん」
その道中、見知らぬ生徒に話しかけられた。恐らく次の対戦相手だろうか。
「ありがとうございます」
「ま、お前らは俺たちに無様に負けて予選落ちなんだがな。天下の四大公爵家様が居てもなあ?」
話しかけてきた男に同調して他の生徒たちも嘲笑を浮かべている。
「そうかもしれませんね。1年の差は深刻ですし」
「でも降参とかダサい真似しないでくださいよ?高貴な方々が何人もいるクラスが敵前逃亡だなんて、ねえ?」
「ああ、高貴な身分の公爵家様は最後まで敵に立ち塞がり、戦わないといけないもんな。あ、でも怪我なんてしたことないか!なら逃げるわ!」
なんというか、下品な煽りね。自分たちの方が圧倒的優位に居るから何でも言っていいと思い込んでいるのかな。
多分全員がそこまで爵位が高くないことから生まれた歪みだろうし、そう感じる気持ちは少しくらいは分かる。
でもそんなことは知ったことではない。全力で攻撃しちゃってもいいかしら?
一応魔闘祭では特殊な魔法が使用されていて、戦闘不能になっても試合が終われば体は全回復するし、死ぬレベルの攻撃を受けてもギリギリで耐えられるようになっている。
でも、オリヴィア様の魔力を半分程使ったらその魔法を突破出来る威力を出せるのよね。
咄嗟の事に手加減が出来ませんでしたとか適当な理由をつければ身分的に許されると思うのよね。
何なら生徒の攻撃を耐えられない程度の魔法で魔闘祭を行った方が悪いってことで学園側を悪者にして逃げられると思うのよね。
「行きましょう」
けど私はぐっとこらえ、皆を引き連れて会場に向かう。
「オリヴィア様!!」
「はいはい。ああいう輩には試合でやり返してやればいいのよ」
だって可愛い可愛いフランチェスカが代わりに怒ってくれているのを見たらね。
微笑ましさが勝つに決まっているよ。
私は私とフランチェスカの怒りを宥めるためにフランチェスカの頭を撫でた。
髪がサラサラですごく気持ちよかったです。
「あのむかつく奴らの鼻を叩き折ってやるぞ!」
「「オー!!!」」
「打ち首だ打ち首!」
先程散々馬鹿にされたことに対して怒っていたのはクラスの皆も同じだったようで、異常に殺気立っていた。
「これで本当に良いのかしら?」
「はい。これで勝つことに意味があるので」
「そう。信頼しているわよ」
「任せてください。必ず全滅させます」
そしてアナウンスが鳴り、試合が始まった。
「予想通り正面から来ましたね。ではお願いします!」
マルゲリータがそう指示した後、会場全体まで響く轟音が連続して発生する。
予定通り魔法を放ち始めたようね。
一応どうなっているか確認してみるけど、予想通り全く攻撃は当たっていない。
ただただ地形を破壊し、変形させるだけに終わっている。
それでも魔法を止めることは無い。
ちょっと相手の様子を見てみようかしら。
すると2年2組の方々は、それを魔法で防御しつつ堂々と真正面を歩き続けていた。
多分この程度大したことないって余裕を見せつけたいんだと思う。攻撃すらしてないし。
そして攻撃が一番苛烈な場所に立ち止まり、数人が魔法を組み始めた。
数秒後、私達が放っていた物とは比べ物にならない強烈な魔法が降り注ぐ。
「ここまで簡単だと痛快ね」
そこに居たのはたった3人だというのに。
「では、お願いします」
「『ああ、任せて。一撃で全てを終わらせてあげるよ』」
クリストフ率いる残りの皆が長い時間を掛けて生成した、およそ実践向きとは言い難い魔法を背後から放った。
その余波は凄まじく、着弾点相当距離が離れている筈なのに強風が私たちの髪を靡かせた。
正面からの攻撃しか想定していなかった相手は、背後からこの攻撃を耐えられるわけもなく、全員それはそれは無残な状態になっていた。
「倒したのは何人程でしょうか?」
「『35人だね』」
「なら残党は5人ですね。万が一という事もありますので単独行動を避けて狩りを始めてください」
「『オッケー。そっちは大丈夫かい?』」
「ええ。どうせ敵は来ないので」
「『それもそうだね。じゃあ行ってくるよ』」
マルゲリータの言う通り、私たちの陣地には誰も来ることは無かった。
「にしても良くあの判断に踏み切ったわね」
試合が終了し、戦っていたクラスメイトが私たちの所に戻ってくる間に聞いてみた。
「フランチェスカさん、モルガンさんは私たちの中でも高威力の魔法という点に関しては異常に長けていたことが一番ですね」
マルゲリータの言う通り、この二人は威力にかけてはトップクラスだった。
特にフランチェスカ。個人戦闘能力はそこまで優秀では無いのだけれど、威力に関しては3年生に迫るレベルなのよね。
まあ、侯爵家で広い領地を持っているのにお金が無くて兵士をあまり雇えないから、戦闘前に自分で敵を減らさないといけないっていう悲しい理由で会得したらしいのだけれど。
「そして数は連射力に長けたジュリアさんが見た目強そうな魔法を撃てば解決です」
「なるほどね。とても良い作戦だったわ」
「ありがとうございます」
「オリヴィア様!お相手の所に行ってやりましょう!!!」
皆と戻ってきたフランチェスカは私の元へ駆けつけて、笑顔でそう言った。
「うん。今の顔が見てみたいよ」
「そうね。どんな表情をしているのかしら」
「なら行きましょうか」
フランチェスカだけかと思いきや、意外と皆ノリノリだったので急いで相手の方へ向かった。
「お前があんなふざけた作戦を取ったからだろ!」
「皆だって賛成したじゃないか!これでも勝てるからって!」
「1年生に負けて予選落ちとか恥でしかないぞ!どうしてくれるんだよ!」
「そもそもお前らが弱いからいけねえんだろうが!」
「あ?お前の方が弱いだろ!」
「は?何を言っているんだ!舐めた口聞いていると、ぶっ飛ばすぞ!」
あそこまで余裕をかましておいて負けたので、2年2組は大いに荒れていた。
お互いにお互いへ責任を擦り付け合う、非常に醜い光景だった。
「……戻りましょうか」
正直見ていられなかったので私は皆に帰るように促した。
どうやら皆も同じ気持ちだったらしく、無言で頷いた。
「おい、お前ら!勝ったからって調子に乗ってんじゃねえぞ!」
「では行きましょうか」
説明も終わったため、私たちは次の試合会場へと向かう。
「お前らが次の相手になる1年5組の奴らか。1組の奴らには勝ったみたいだな。おめでとさん」
その道中、見知らぬ生徒に話しかけられた。恐らく次の対戦相手だろうか。
「ありがとうございます」
「ま、お前らは俺たちに無様に負けて予選落ちなんだがな。天下の四大公爵家様が居てもなあ?」
話しかけてきた男に同調して他の生徒たちも嘲笑を浮かべている。
「そうかもしれませんね。1年の差は深刻ですし」
「でも降参とかダサい真似しないでくださいよ?高貴な方々が何人もいるクラスが敵前逃亡だなんて、ねえ?」
「ああ、高貴な身分の公爵家様は最後まで敵に立ち塞がり、戦わないといけないもんな。あ、でも怪我なんてしたことないか!なら逃げるわ!」
なんというか、下品な煽りね。自分たちの方が圧倒的優位に居るから何でも言っていいと思い込んでいるのかな。
多分全員がそこまで爵位が高くないことから生まれた歪みだろうし、そう感じる気持ちは少しくらいは分かる。
でもそんなことは知ったことではない。全力で攻撃しちゃってもいいかしら?
一応魔闘祭では特殊な魔法が使用されていて、戦闘不能になっても試合が終われば体は全回復するし、死ぬレベルの攻撃を受けてもギリギリで耐えられるようになっている。
でも、オリヴィア様の魔力を半分程使ったらその魔法を突破出来る威力を出せるのよね。
咄嗟の事に手加減が出来ませんでしたとか適当な理由をつければ身分的に許されると思うのよね。
何なら生徒の攻撃を耐えられない程度の魔法で魔闘祭を行った方が悪いってことで学園側を悪者にして逃げられると思うのよね。
「行きましょう」
けど私はぐっとこらえ、皆を引き連れて会場に向かう。
「オリヴィア様!!」
「はいはい。ああいう輩には試合でやり返してやればいいのよ」
だって可愛い可愛いフランチェスカが代わりに怒ってくれているのを見たらね。
微笑ましさが勝つに決まっているよ。
私は私とフランチェスカの怒りを宥めるためにフランチェスカの頭を撫でた。
髪がサラサラですごく気持ちよかったです。
「あのむかつく奴らの鼻を叩き折ってやるぞ!」
「「オー!!!」」
「打ち首だ打ち首!」
先程散々馬鹿にされたことに対して怒っていたのはクラスの皆も同じだったようで、異常に殺気立っていた。
「これで本当に良いのかしら?」
「はい。これで勝つことに意味があるので」
「そう。信頼しているわよ」
「任せてください。必ず全滅させます」
そしてアナウンスが鳴り、試合が始まった。
「予想通り正面から来ましたね。ではお願いします!」
マルゲリータがそう指示した後、会場全体まで響く轟音が連続して発生する。
予定通り魔法を放ち始めたようね。
一応どうなっているか確認してみるけど、予想通り全く攻撃は当たっていない。
ただただ地形を破壊し、変形させるだけに終わっている。
それでも魔法を止めることは無い。
ちょっと相手の様子を見てみようかしら。
すると2年2組の方々は、それを魔法で防御しつつ堂々と真正面を歩き続けていた。
多分この程度大したことないって余裕を見せつけたいんだと思う。攻撃すらしてないし。
そして攻撃が一番苛烈な場所に立ち止まり、数人が魔法を組み始めた。
数秒後、私達が放っていた物とは比べ物にならない強烈な魔法が降り注ぐ。
「ここまで簡単だと痛快ね」
そこに居たのはたった3人だというのに。
「では、お願いします」
「『ああ、任せて。一撃で全てを終わらせてあげるよ』」
クリストフ率いる残りの皆が長い時間を掛けて生成した、およそ実践向きとは言い難い魔法を背後から放った。
その余波は凄まじく、着弾点相当距離が離れている筈なのに強風が私たちの髪を靡かせた。
正面からの攻撃しか想定していなかった相手は、背後からこの攻撃を耐えられるわけもなく、全員それはそれは無残な状態になっていた。
「倒したのは何人程でしょうか?」
「『35人だね』」
「なら残党は5人ですね。万が一という事もありますので単独行動を避けて狩りを始めてください」
「『オッケー。そっちは大丈夫かい?』」
「ええ。どうせ敵は来ないので」
「『それもそうだね。じゃあ行ってくるよ』」
マルゲリータの言う通り、私たちの陣地には誰も来ることは無かった。
「にしても良くあの判断に踏み切ったわね」
試合が終了し、戦っていたクラスメイトが私たちの所に戻ってくる間に聞いてみた。
「フランチェスカさん、モルガンさんは私たちの中でも高威力の魔法という点に関しては異常に長けていたことが一番ですね」
マルゲリータの言う通り、この二人は威力にかけてはトップクラスだった。
特にフランチェスカ。個人戦闘能力はそこまで優秀では無いのだけれど、威力に関しては3年生に迫るレベルなのよね。
まあ、侯爵家で広い領地を持っているのにお金が無くて兵士をあまり雇えないから、戦闘前に自分で敵を減らさないといけないっていう悲しい理由で会得したらしいのだけれど。
「そして数は連射力に長けたジュリアさんが見た目強そうな魔法を撃てば解決です」
「なるほどね。とても良い作戦だったわ」
「ありがとうございます」
「オリヴィア様!お相手の所に行ってやりましょう!!!」
皆と戻ってきたフランチェスカは私の元へ駆けつけて、笑顔でそう言った。
「うん。今の顔が見てみたいよ」
「そうね。どんな表情をしているのかしら」
「なら行きましょうか」
フランチェスカだけかと思いきや、意外と皆ノリノリだったので急いで相手の方へ向かった。
「お前があんなふざけた作戦を取ったからだろ!」
「皆だって賛成したじゃないか!これでも勝てるからって!」
「1年生に負けて予選落ちとか恥でしかないぞ!どうしてくれるんだよ!」
「そもそもお前らが弱いからいけねえんだろうが!」
「あ?お前の方が弱いだろ!」
「は?何を言っているんだ!舐めた口聞いていると、ぶっ飛ばすぞ!」
あそこまで余裕をかましておいて負けたので、2年2組は大いに荒れていた。
お互いにお互いへ責任を擦り付け合う、非常に醜い光景だった。
「……戻りましょうか」
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どうやら皆も同じ気持ちだったらしく、無言で頷いた。
「おい、お前ら!勝ったからって調子に乗ってんじゃねえぞ!」
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