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10話
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次のダイエット方法は下準備が色々と必要らしく、報告の後はダイエットに一切取り組まずに成人パーティを迎えることとなった。
「では、行ってらっしゃい。頑張るんだよ!!」
「うん、行ってきます」
俺は父に見送られ、パーティ会場に向かった。
会場に着くと既にかなりの貴族が到着しており、それぞれ4、5人単位で集まって談笑していた。
「マリアはどこに居るかな……」
俺はこのパーティの参加者で唯一の友人であり婚約者のマリアを探す。
参加者名簿を軽く見せてもらったが他は誰も知らない。
友人が少ないのは認める。だけれど、このだらしない肉体で堂々とコミュニケーションを取れるわけ無いでしょ!
いや、はい。実年齢が大きく異なるせいで同世代の子と仲良く談笑するのが難しいんです。
小中学生くらいの子と仲良くしろって言われても大学生には厳しいよ。年齢差をお互い自覚しているならまだしも、相手は同い年だと思ってくるからね。
いくら貴族として大人びた立ち振る舞いをしているとしても、僕には無理です。
じゃあマリアとか師匠とかと仲良くしている理由はって?
そりゃあ転生前からある程度の関係値が構築されていますから!
記憶はないけど転生前のエリック・ホルシュタインは俺が転生してくる前提で生きていたらしくて自分らしく振る舞っても大丈夫だったんだよね。
とそんな話はどうでも良いんだ。マリアは……
って皆俺の事見てない?そして何か話してない?
やっぱりデブはお好きでないですかね……?
気持ちは分かります。太っている貴族はいるけれどここまでデブな貴族は居ないもんね。しかもこの年齢で。
帰って良いかな?
「エリック様!魔族を倒されたというのは本当ですか?」
「どうやって倒したんだ?やはり魔法か?」
「初めまして!サリアです、少しお話をしませんか?」
「現在婚約者っていらっしゃいますか?」
「魔族との戦闘はどうだった?やはり強かったかい?」
「居るのでしたらご関係は良好でしょうか?」
「お腹触っても良いですか?」
なんてことを考えていたら会場に居た皆が一斉に俺の方へ駆け寄ってきた。
デブの事でひそひそ話されていたわけじゃなくて少し安心したけど、流石に数が多すぎてキャパオーバーなんですけど。
あと最後の子は何だろう。ずっと俺のお腹しか見てないけど。
「はい、魔族を倒したのは本当です。氷魔法を得意とする相手で、かなりの強敵でした」
全部の質問を聞き取ることは不可能だったのでとりあえず皆が気になっていそうな話をした。
「おおー!」
「噂は本当だったんですね!」
「どうやって倒したんだ?」
「相手が魔法特化だったので相手の攻撃を避けつつ背後に回り込んで剣で切り倒しました。日ごろ領地の騎士団の方々と訓練していたお陰ですね」
敵の情報は好きに話しても良いと言われているので全て正直に話した。
でも信じてもらえるんだろうか……
どう見ても俺は力づくで一刀両断する以外に戦い方を知りませんよって見た目をしているし。
「魔法を使ってくる相手の背後に回り込む……中々難しい芸当なはずなんだが魔族を倒すとなればそこまでしなければならないか」
「そのお体には私達では想像もつかない程のパワーが秘められているのですね」
「これは脂肪ではなく筋肉だったんですね。やはり人を見た目で判断してはいけませんね」
「そのお体になるまでにどれほどの歳月と労力をかけたのか……大切な領民を守る為とはいえ流石としか言いようがありません……」
ちょっとだけ不安だったけど意外とあっさりと信じて貰えた。
けどこの体に付いているのは筋肉じゃなくて脂肪です。見た目通り判断して良いよ。
そもそも単にチート使って無双しているだけで血のにじむようなトレーニングなんてしてないですし。
魔族を倒す時に一番頑張ったのは身を挺して被害を防いでくれたウチの騎士団の方々で、二番目はこの体にチートを与えた神様だと思います。
まあ神様は何も考えずにチートを渡しただけな気もするけれど。
「エリック様をここまで育てた騎士団の方々も流石ですね!是非お会いしたいのです!」
「そうですね!今度お家に向かわせていただいてもよろしいでしょうか?」
チートで暴れているだけなので少しだけ罪悪感を覚えていると、貴族の女性たちが肌と肌が触れ合いそうな所まで距離を詰めてきた。
「あの、ちょっと、近くないですか?」
一応婚約者が居るんですけど。
「そうですか?別に変なことをしているわけではないですし、友好の証ですよ」
「だから問題ありませんよ」
問題ありありだよ!?!?!?!?
マリアに悪いので距離を取りたい所なんだけど、四方を囲まれている。
一応人が一人通れそうな位の隙間は空いているんだけど、俺は一人で三人分くらいの横幅があるので通れるわけがない。
ならば女性陣の一歩後ろに居る男性陣に救いの手を……
ってあれ?なんで皆居ないの?
不審に思い周囲を見渡してみると、俺からかなり離れた位置に男性陣が居た。
この人たちが距離を詰めている間に他の女性陣が遠くへ連れて行ったのか……
何で騎士団並みに統率が取れているんですかね。
男は俺の所へ近づこうとしたら遠くに連れていかれ、連携に参加していない女性には距離を取られているので助けを求めることが出来ない。
詰んだわこれ。どうすれば良いんだ……
『それでは時間になりましたので成人パーティを正式に開始いたします。まずは国王からのお言葉で——』
魔族と戦っている時以上に頭をフル回転させて打開策を練っていると、丁度いいタイミングで救済の手が伸びてきた。
流石に国王の話を聞いている時くらいは適切な距離感でいてくれるはず。
『諸君、成人おめでとう。魔族が攻めてきたため例年よりもかなり早い開催となってしまったが——』
よし、話が始まった。俺は今のうちに脱出方法を……
って何故!?
何で国王が話している最中に腕を組んでくるんですかね。
もう完全に逃げられないじゃん。振りほどこうにもかなりガッチリ組んできているから痛い目に合わせてしまいそうで怖いし……
これじゃあテレポートでもしなきゃ無理だよ。
「え」
とか考えていると本当にテレポートしてしまった。
さっき居たのは会場の入り口付近だったんだけど、今はど真ん中に居る。
俺ってそこまで強い魔法は使えないはずなんだけど……
まさか俺、願えば魔法が使える!?!?流石チート!!!
「エリック様は私の婚約者ですからね」
なんてことを考えていると、マリアが俺にだけ聞こえる声で囁いてきた。
まあそんな事が出来れば最初から魔法が使えるよね。どうやらマリアが魔法で助けてくれたみたいだ。残念。
「ありがとう」
俺も国王に迷惑が掛からないように小声でお礼を言った。
まあテレポートで会場のど真ん中に移動した時点で迷惑をかけているけど。
『それは丁度中央に現れた彼のお陰だ。折角の機会だから色々と話を聞いてみると良い』
国王がそう言った瞬間視線が一気に集まる。
ただその視線は興味関心というよりは、女性陣に捕まっていた筈なのにいつ脱出したんだという驚きのものだった。
俺はそんな視線を全てなかったことにして普通にお辞儀した。
それから少しして国王の言葉は終わり、近くにあった机に食べ物が配置されてから正式にパーティが始まった。
「ではエリック様!沢山食べましょう!」
「あ、うん」
俺はマリアに腕を組まれ、食事を取りに連れていかれた。
ダイエットをしたいからあまり食べたくないんだけど、今回ばかりは仕方ないよね。
「では、行ってらっしゃい。頑張るんだよ!!」
「うん、行ってきます」
俺は父に見送られ、パーティ会場に向かった。
会場に着くと既にかなりの貴族が到着しており、それぞれ4、5人単位で集まって談笑していた。
「マリアはどこに居るかな……」
俺はこのパーティの参加者で唯一の友人であり婚約者のマリアを探す。
参加者名簿を軽く見せてもらったが他は誰も知らない。
友人が少ないのは認める。だけれど、このだらしない肉体で堂々とコミュニケーションを取れるわけ無いでしょ!
いや、はい。実年齢が大きく異なるせいで同世代の子と仲良く談笑するのが難しいんです。
小中学生くらいの子と仲良くしろって言われても大学生には厳しいよ。年齢差をお互い自覚しているならまだしも、相手は同い年だと思ってくるからね。
いくら貴族として大人びた立ち振る舞いをしているとしても、僕には無理です。
じゃあマリアとか師匠とかと仲良くしている理由はって?
そりゃあ転生前からある程度の関係値が構築されていますから!
記憶はないけど転生前のエリック・ホルシュタインは俺が転生してくる前提で生きていたらしくて自分らしく振る舞っても大丈夫だったんだよね。
とそんな話はどうでも良いんだ。マリアは……
って皆俺の事見てない?そして何か話してない?
やっぱりデブはお好きでないですかね……?
気持ちは分かります。太っている貴族はいるけれどここまでデブな貴族は居ないもんね。しかもこの年齢で。
帰って良いかな?
「エリック様!魔族を倒されたというのは本当ですか?」
「どうやって倒したんだ?やはり魔法か?」
「初めまして!サリアです、少しお話をしませんか?」
「現在婚約者っていらっしゃいますか?」
「魔族との戦闘はどうだった?やはり強かったかい?」
「居るのでしたらご関係は良好でしょうか?」
「お腹触っても良いですか?」
なんてことを考えていたら会場に居た皆が一斉に俺の方へ駆け寄ってきた。
デブの事でひそひそ話されていたわけじゃなくて少し安心したけど、流石に数が多すぎてキャパオーバーなんですけど。
あと最後の子は何だろう。ずっと俺のお腹しか見てないけど。
「はい、魔族を倒したのは本当です。氷魔法を得意とする相手で、かなりの強敵でした」
全部の質問を聞き取ることは不可能だったのでとりあえず皆が気になっていそうな話をした。
「おおー!」
「噂は本当だったんですね!」
「どうやって倒したんだ?」
「相手が魔法特化だったので相手の攻撃を避けつつ背後に回り込んで剣で切り倒しました。日ごろ領地の騎士団の方々と訓練していたお陰ですね」
敵の情報は好きに話しても良いと言われているので全て正直に話した。
でも信じてもらえるんだろうか……
どう見ても俺は力づくで一刀両断する以外に戦い方を知りませんよって見た目をしているし。
「魔法を使ってくる相手の背後に回り込む……中々難しい芸当なはずなんだが魔族を倒すとなればそこまでしなければならないか」
「そのお体には私達では想像もつかない程のパワーが秘められているのですね」
「これは脂肪ではなく筋肉だったんですね。やはり人を見た目で判断してはいけませんね」
「そのお体になるまでにどれほどの歳月と労力をかけたのか……大切な領民を守る為とはいえ流石としか言いようがありません……」
ちょっとだけ不安だったけど意外とあっさりと信じて貰えた。
けどこの体に付いているのは筋肉じゃなくて脂肪です。見た目通り判断して良いよ。
そもそも単にチート使って無双しているだけで血のにじむようなトレーニングなんてしてないですし。
魔族を倒す時に一番頑張ったのは身を挺して被害を防いでくれたウチの騎士団の方々で、二番目はこの体にチートを与えた神様だと思います。
まあ神様は何も考えずにチートを渡しただけな気もするけれど。
「エリック様をここまで育てた騎士団の方々も流石ですね!是非お会いしたいのです!」
「そうですね!今度お家に向かわせていただいてもよろしいでしょうか?」
チートで暴れているだけなので少しだけ罪悪感を覚えていると、貴族の女性たちが肌と肌が触れ合いそうな所まで距離を詰めてきた。
「あの、ちょっと、近くないですか?」
一応婚約者が居るんですけど。
「そうですか?別に変なことをしているわけではないですし、友好の証ですよ」
「だから問題ありませんよ」
問題ありありだよ!?!?!?!?
マリアに悪いので距離を取りたい所なんだけど、四方を囲まれている。
一応人が一人通れそうな位の隙間は空いているんだけど、俺は一人で三人分くらいの横幅があるので通れるわけがない。
ならば女性陣の一歩後ろに居る男性陣に救いの手を……
ってあれ?なんで皆居ないの?
不審に思い周囲を見渡してみると、俺からかなり離れた位置に男性陣が居た。
この人たちが距離を詰めている間に他の女性陣が遠くへ連れて行ったのか……
何で騎士団並みに統率が取れているんですかね。
男は俺の所へ近づこうとしたら遠くに連れていかれ、連携に参加していない女性には距離を取られているので助けを求めることが出来ない。
詰んだわこれ。どうすれば良いんだ……
『それでは時間になりましたので成人パーティを正式に開始いたします。まずは国王からのお言葉で——』
魔族と戦っている時以上に頭をフル回転させて打開策を練っていると、丁度いいタイミングで救済の手が伸びてきた。
流石に国王の話を聞いている時くらいは適切な距離感でいてくれるはず。
『諸君、成人おめでとう。魔族が攻めてきたため例年よりもかなり早い開催となってしまったが——』
よし、話が始まった。俺は今のうちに脱出方法を……
って何故!?
何で国王が話している最中に腕を組んでくるんですかね。
もう完全に逃げられないじゃん。振りほどこうにもかなりガッチリ組んできているから痛い目に合わせてしまいそうで怖いし……
これじゃあテレポートでもしなきゃ無理だよ。
「え」
とか考えていると本当にテレポートしてしまった。
さっき居たのは会場の入り口付近だったんだけど、今はど真ん中に居る。
俺ってそこまで強い魔法は使えないはずなんだけど……
まさか俺、願えば魔法が使える!?!?流石チート!!!
「エリック様は私の婚約者ですからね」
なんてことを考えていると、マリアが俺にだけ聞こえる声で囁いてきた。
まあそんな事が出来れば最初から魔法が使えるよね。どうやらマリアが魔法で助けてくれたみたいだ。残念。
「ありがとう」
俺も国王に迷惑が掛からないように小声でお礼を言った。
まあテレポートで会場のど真ん中に移動した時点で迷惑をかけているけど。
『それは丁度中央に現れた彼のお陰だ。折角の機会だから色々と話を聞いてみると良い』
国王がそう言った瞬間視線が一気に集まる。
ただその視線は興味関心というよりは、女性陣に捕まっていた筈なのにいつ脱出したんだという驚きのものだった。
俺はそんな視線を全てなかったことにして普通にお辞儀した。
それから少しして国王の言葉は終わり、近くにあった机に食べ物が配置されてから正式にパーティが始まった。
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