~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A

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27話

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「疑いたくなる気持ちは分かりますが、結果は結果です。信じてあげてください。それに、もし仮にこれがイカサマだったとしても、元Cランクの我々がその兆候にすら気づけなかったのです。ならば結局ランクC以上の実力がある証拠ではないでしょうか」

「いや、でもしかし……」

「ならば、全力で攻撃をしかけてくる千堂君の攻撃を全て無傷で耐えるイカサマは何か思いつきますか?」

「そ、それは……」

「じゃあ認めなさい」

「はい」

 どう弁明しようかと考えていると、教頭が杉田先生の事を説得してくれた。

「ありがとうございます」

「いえ。こちらこそ疑ってしまって申し訳ありませんでした。これからも探索者として頑張ってください」

「はい」

 俺は教頭と硬く握手を交わし、今回の話は全て終わりとなった。


「探索者資格の剥奪と言われたときはどうなるかと思ったけど、最終的には全て無事に解決してよかったよ」

 退学は最悪どうでも良かったけど、探索者資格の剥奪は今後の生活に関わるので本当に洒落にならない。

 今回は実力を証明する機会が与えられたからどうにかなったが、俺がレベル1だったことを知っている上で話を一切聞かない人が相手だったら有無も言わさず探索者資格が剥奪になりかねない。

 ちゃんと探索者としてのランクを上げないといけないよね。

 杏奈さんはどちらかのランクが条件を満たしていればダンジョンに入れるのだからランクなんてどうでも良いとか言いかねないけど、今後の事を考えると絶対に必要である。

「なんて説得しようかな……」

「飛鳥!!!!」

 杏奈さんを説得するための文章を考えつつ歩いていると、校舎を丁度出たタイミングで弥生に勢いよく抱き着かれた。

「久しぶり、ギルドの活動はどうしたの?」

 放課後は基本的にギルドの元へ行っている筈なので、放課後から1時間くらいたった今ここに居るのはおかしい気がするのだけど。

「そんなことやっている場合じゃないって。飛鳥の探索者人生が終わるかもしれないって話を聞いて慌てて飛んできたんだよ」

「杉田先生から聞いたの?」

「いや、少し前に千堂から連絡が送られてきたんだよ。『残念だが今日であいつの探索者人生は終了だな』って」

 あいつ、戦闘準備をしている間に弥生にそんなことを連絡していたのか。

「でも、もう大丈夫だよ。勝って証明してきたから」

「証明……?」

「それはね……」

 弥生に先ほどあったことを説明した。



「え!?飛鳥滅茶苦茶強くなってない!?!?」

「お陰様でね」

 一通り話を聞いた上で弥生から出てきた最初の反応は強さへの驚きだった。

 最初俺に抱き着いてきた割に探索者関連の話ではなくて強さの方に目が向いているあたり、悪いことに手を染めているわけがないと俺と杏奈さんの事を信じてくれているんだなと思う。

「すぐ強くなるだろうとは思っていたけど、まさかそこまでだとは思わなかったよ。私と健太もまだCランクになりたてなのに」

「え!?」

 Cランクはレベル30以上が条件だったよね。

 確か前聞いたときは二人ともレベル15くらいだった筈なんだけど。

「飛鳥がすぐに強くなって私たちに追いついてくるのは分かっていたから、負けないように全力で強くなろうって二人で話してて、ギルドの人にお願いしてお互い超効率メニューで頑張っていたんだよ」

「それでもおかしくないかな」

 杏奈さんの時もそうだったけどさ、普通の人が何年もかけてあげるようなレベルをたった1か月とかで上げないでよ。

「いやいや、そんな短期間でBランク相当の実力を付けた飛鳥の方がおかしいよ」

「それを言われたらおしまいだけどさ」

 確かに起こっていること自体はこっちの方がおかしいかもしれないよ。でも、どうやって強くなったかの理由を考えた場合あなたたちの方がおかしいからね。

 ただの気合で数年を一か月に短縮しないでください。

「そっかあ、じゃあもっと頑張らないといけないよね……今飛鳥がBランクでしょ、そこにまず追いつくためには……」

「命とか諸々は大事にして、ちゃんと睡眠と休息は取ってね……」

「大丈夫大丈夫。私の事は私がよく分かっているから」

 頑張ると決めた弥生を止めても無駄な事は重々分かっているので、とりあえず健康は大事にしてほしいということだけ伝えた。

「なら良いけど」

「とりあえずギルドの人集めて今からダンジョンに潜ってくるからまたね!!!」

 弥生は俺に別れを告げた後全力ダッシュで走り去っていった。

「本当に分かっているのかな……」

「まあ、本当にヤバいときはギルドの人たちが気づいて止めてくれるよね」

 俺は考えることを止め、杏奈さんの家へ帰ることにした。




「ただいま~」

 杏奈さんの家がギルドハウスになっている影響でギルドに入ってからはずっとこの家で生活している。

 というわけで同い年の女子と一つ屋根の下で生活をし続けるという一般的に見ればかなり凄い生活をしているわけだけど、俺は3日も経たずに慣れていた。

 理由は単純で、血の繋がっていない女子と一つ屋根の下で生活をし続けるのが基本の孤児院で生きてきたからである。

 これでうろたえていたら孤児院で生きていくことなんて不可能である。

「早かったわね」

 リビングに続く扉を開くと、杏奈さんはソファに座りながらノートパソコンで何か調べ物をしていた。

「そう?結構時間かかったと思うけど」

 突然学校に呼び出されて、1時間くらいかかるのは結構な出来事だと思うけど。

 なんなら5限のタイミングで学校に行っているから累計だともっと時間がかかっているんですが。

「呼ばれた理由って探索者資格の剝奪についてでしょう?」

「なんでわかるの!?!?」

 杏奈さんは保護者でもなんでもないし、ギルドも認識されていないから分かりようが無い気がするんだけど。

「私たちがBランクダンジョンに入る時に不思議な視線を二度感じていたのよ」

「不思議な視線?」

「そう。そこそこ有名な私ではなくて、あなたの方だけを見ていた男が居たのよ」

「そうなんだ」

 全く気付かなかったんですが。

「若干黒い感情があったから、あなたの事が好きで襲おうと計画しているものだと思っていたけれど、探索者資格の剝奪を画策していただけだったわね。呼び出されたと聞いてようやく理由が分かったわ」

「襲われるってなんですか」

「そのままの意味よ。あなたももう高校生なのだから分かるでしょう?」

「分かるけど、分からないよ」

「あなたは男の割に可愛らしい顔をしているから、そっち方面の方に好かれるのよ」

「そうなんだ……」

 何と返すのが正解なのか分からず、そう返す以外に方法が無かった。
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