~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A

文字の大きさ
57 / 87

57話

しおりを挟む
「三上!!!」

「ならば狙うのはっ!——」

 謎の攻撃主の正体を探るべく指揮を取ろうと大声を出した教徒から順々に攻撃されており、ほぼ全員がどうするべきなのかを迷っている状況だった。

「今のうちに……」

 教徒たちが完全に俺の方から視線をそらしている隙に、脱出することに成功した。

「何っ!行くぞ安城!他の奴らは隠れている者を探せ!」

 俺が脱出して一旦距離を取ろうとしていたことに気付いた教徒は斧を持った安城という教徒を引き連れ、こちらを追ってきた。


「よし、二人だけなら……!」

 残りの教徒が即座には駆けつけられない距離まで離れたのを見計らって俺は二人に向き直って戦闘態勢に入る。

 20数人と同時に戦うのは流石に無理があったが、2人であればぎりぎりどうにかなるだろう。

「舐められたものだ」

「まあ、実際あの人数を1人で粘られていたんですから仕方ありません」

「そうだな。このモンスターは確かに強者だ。拘束することを目的にしていてはこちらがやられてしまう」

「ということは、完全に倒しきるということですね。良いのですか?」

「ここまでやられたんだ。教祖様も事情を理解して対処してくださるさ」

「それもそうですね。全力で行きましょう」

 と二人が結論付けると、これまでと空気が一変した。殺気がびしびしと伝わってくるのだ。

 どうやら、これまでは殺さないように最低限配慮してくれていたらしい。

「これは、犠牲なしでは切り抜けられないかも」

 多少の被弾や傷に関しては必要経費と考えた方が良さそうだ。


 だから、二人の攻撃を完全に無視して全力の一発を浴びせることだけに集中する。

 一発や二発攻撃を食らったとしても、まずは一人確実に持っていくんだ。

 というわけで槍を持っている方は無視し、一発の隙が大きそうな斧の方に狙いを定める。

「食らえ!!!」

 先に射程の長い槍の方が攻撃を仕掛けてきたが、避けることも受け止めることもせず、真っすぐに突っ込む。

 そのため脇腹に槍が思いっきり刺さってしまうが関係ない。無視して斧を振りかぶっていた方を全力でぶん殴る。

 斧を持っていた方は勢いよく吹き飛ばされ、50mくらい先にあったマンションの壁に衝突してそのまま地面に落下していた。あの様子だと完全に戦闘不能になっただろう。

「安城はやられたが、その傷ではまともに戦えないはずだ」

 槍の教徒は今が好機と見たか、高速の突きを連続で放ってきた。

 まだ二発くらいなら余裕だったが、流石にこの量の攻撃を全て食らうわけには行かなかったので距離を取った。

「それではこれはどうだ!?」

 俺に迫りながらの連続攻撃は流石に疲れたのか、突きは諦めて槍をぶんぶんと薙ぎ払い始めた。

「それなら!」

 一発の威力で考えるとこちらの方が高いのだが、これは連続で食らう心配が無いタイプの攻撃だ。

 俺は再度正面から突っ込み、飛んでくる攻撃を右手でガードして教徒を左手でぶん殴った。

 そして槍の教徒も斧の方と同じようにどこかのマンションの壁に激突していた。

「杏奈さんには悪いけれど、一旦休ませてもらおうかな」

 腹の傷の痛みが治まるまで教徒から隠れて休むことにした。


「よし、行こう」

 5分ほど休憩し、戦闘に戻ろうと再び屋根に飛び移り、教徒がどこにいるか確認しようとしたのだが、

「戦闘音が一切聞こえない……?」

 まさか、杏奈さんがやられてしまった!?!?

 俺は急いで家の近くで戦っているであろう杏奈さんの元へ向かった。


「遅かったわね。終わったのかしら?」

 そして家の前に到着したら、地面に倒れ伏している教徒と缶ジュースを呑気に飲んでいる杏奈さんの姿が。

「いや、途中で教徒を狙って攻撃した相手を探しにどこかに行ったんだよ。杏奈さんの方は全部一人で?」

「当然よ。たった3人程度倒せないわけがないでしょ」

「一応Aランクなんだけど……」

 いくら杏奈さんの戦闘能力が卓越していたとしても、完全に無傷で同ランクの相手を倒すのはおかしいと思います。

「地神教の教徒は対モンスターに特化しすぎているから対人戦は壊滅的なのよ。本当に隙だらけだったわ」

「まあ、そうだね……」

 実際に俺も薄々Aランクの割に弱いなあと思っていたけれど、そういうからくりがあったわけか。

 まっとうなAランク探索者だったら二人同時に相手した瞬間に負けていただろうしね。

「で、その攻撃した相手ってのはどうなっているの?」

「分からない。そもそも敵なのか味方なのかも分からないし」

 かなり強いってことは分かるけれど、地神教にわざわざ攻撃するような人材に心当たりがつかない。


『味方だぞ。まさか私の事を忘れたのか?』

 誰だろうと考えていると、背後から声が聞こえてきた。

「まさか……!」

 その反響する声は……!

『ああ、イザベル・ラ・ディアブロ。キサラギの友人だ』

「イザベルさん!!脱出できたんですか!!」

 その正体はダークエルフのイザベルさんだった。

『ああ、ついに私に挑んでくるモンスターが現れてな。無事に交代してダンジョンから出る願いが叶った』
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は世界に1人のトリプルジョブに至る~

ぐうのすけ
ファンタジー
赤目達也(アカメタツヤ)は少女を育てる為に冒険者を辞めた。 そして時が流れ少女が高校の寮に住む事になり冒険者に復帰した。 30代になった達也は更なる力を手に入れておりバズり散らかす。 カクヨムで先行投稿中 タイトル名が少し違います。 魔眼の剣士、少女を育てる為冒険者を辞めるも暴れてバズり散らかした挙句少女の高校入学で号泣する~30代剣士は黒魔法と白魔法を覚え世界にただ1人のトリプルジョブに至る~ https://kakuyomu.jp/works/16818093076031328255

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~

名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」 「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」 「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」 「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」 「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」 「くっ……」  問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。  彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。  さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。 「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」 「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」 「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」  拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。  これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。

転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた

ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。 遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。 「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。 「異世界転生に興味はありますか?」 こうして遊太は異世界転生を選択する。 異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。 「最弱なんだから努力は必要だよな!」 こうして雄太は修行を開始するのだが……

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

スキル『レベル1固定』は最強チートだけど、俺はステータスウィンドウで無双する

うーぱー
ファンタジー
アーサーはハズレスキル『レベル1固定』を授かったため、家を追放されてしまう。 そして、ショック死してしまう。 その体に転成した主人公は、とりあえず、目の前にいた弟を腹パンざまぁ。 屋敷を逃げ出すのであった――。 ハズレスキル扱いされるが『レベル1固定』は他人のレベルを1に落とせるから、ツヨツヨだった。 スキルを活かしてアーサーは大活躍する……はず。

出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~

TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ! 東京五輪応援します! 色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!

処理中です...