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21話
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「忙しくないんだったらジョニー君とペトロ君も勉強会に参加しない?」
その話をジョニー君に伝え、しばらくは暇になるなんて話をしていたらクラスメイトが僕たちを誘ってくれた。
「良いの?じゃあ参加させて欲しいな」
「俺も参加する」
「やったあ!二人とも参加してくれるって!」
「マジか!」
「なら早くやってしまおう!」
クラスメイトとはそこまで深く関わっているわけでは無いけれど、皆大歓迎のようで少し嬉しかった。
「ここはそれでも良いが、こうやると楽になる」
「本当だ!」
「これはこうするんだって」
「そうなんだ……」
今日はここまでやろうと目標を立てた上で勉強会が始まり、お互いに教えあって勉強を進めていた。
その中でも相変わらずジョニー君は優秀で、基本的に教える側に回っていた。
「皆大体ここまでは理解できたかな?」
「うん」
「大体は」
「ずっと勉強漬けってのもアレだし、これでもやろうぜ!」
男子が取り出したのは所謂ボードゲームと呼ばれる物。
「これはどんなゲーム?」
「これはだな……」
説明によると、資源を使って自分の領地を広げていく陣取りゲームらしい。最近発売されたらしく、大学生の中で大流行しているらしい。
「とりあえずやってみよう」
習うより慣れよという言葉もあるので、とりあえずやってみることに。
考えることは少々多いけれど、めちゃくちゃ難しいというわけではなく楽しかった。領地に戻った時に持って帰ろうかな。
「二人が忙しいらしいってのはよく聞くんだけど、いつもは何をしているの?」
ターン制のゲームであり、複数人用のゲームであるため自分の番以外は待つだけとなる。そのため自然と会話が発生していた。
そんな中、クラスメイトの一人が僕たちにそんな質問をした。
正直に堕天使を元に戻す活動をしてますなんて言えないし、かといってアグネス商会を話題にだすのもジョニー君に悪い。
「結構前から文化館の手伝いをしているんだ」
「あの文化館!?」
「凄いな。どんなきっかけでそれをすることになったんだ?」
経営を学ぶ学部生ということもあり、最近開いた大規模な施設には注目していたらしい。
「そこに出展している芸術家と少々関わりがあって、その関係で手伝うことになったんだ」
ジョニー君は適当に誤魔化して話した。
「流石ジョニー君とペトロ君」
それから、文化館について根掘り葉掘り聞かれた。
隠す必要も無いので、僕たちの立ち位置がバレない程度に話した。主に僕たちで立ち上げた事業みたいなものだしね。
それから、クラスメイトがどんな日常を過ごしているかなど、様々なことを話しつつボードゲームを楽しんだ。
結局夜まで遊んでから勉強会は解散となった。
その翌日、通学の為に大学まで歩いていると、
『ジェレミー・ウィリアム・リチャードソンです!私に一票をお願いいたします!』
選挙活動を行っている政治家を見つけた。政治家を目指すにしてはかなり若手の方の貴族で、フレッシュさと身近さを感じさせる。人気な方なのか、結構な人だかりも出来ている。
とはいっても僕が投票できる選挙区とは全く違う場所の方だったので、深く見る必要はないななんて思ってスルーしようと思ったが、
『よろしくお願いします!』
その選挙活動を手伝っていたのがヘルド騎士団だったのだ。
この間のこともあったので、少しくらい見てみようと思いその場に立ち止まった。
『私はここに居る皆さんの大半よりは裕福な生活をさせて貰っています。でもそれは私の力ではなく、全ては先祖が国に尽力していたお陰です。つまるところただ運が良かっただけ。そんな人間にここまでの恩恵を受ける価値があるか、当然ありません。だから、私はその価値のある人間となることで、その報いとします。私はこの国に蔓延る不正を正し、市民の皆さんの暮らしを豊かにすることを誓います』
『私たちヘルド騎士団はその正義を信じ、確固たる力として手伝おうと考えております。政治家と協力体制になることで、今まで以上の活動が可能となります。現に私たちは——』
その後はリチャードソンさんとヘルド騎士団が正した不正を列挙し、実際に動き始めている証拠としていた。
リチャードソンさん単体ではよくある正義を語る政治家止まりだったが、今世間で人気となっているヘルド騎士団の存在が説得力を付与し、人々を魅了していた。
「「リチャードソン!リチャードソン!」」
まるで宗教団体のような体を為しているのを横目に、流石に時間だったのでその場を去った。
その日の放課後、僕は単身でヘルド騎士団へと向かっていた。一度来たこともあり、手続きはスムーズに終わった。
「やあ、ペトロ君か。何の用だい?」
突然の来訪だったのに、カマエルさんは丁寧に対応してくれた。
「少し聞きたいことが出来まして」
「聞きたいこととは?」
「どうしてリチャードソンさんの選挙を手伝っているんですか?」
僕はこの質問をするためにここを訪れた。
「どうして、って当然正義を執行する仲間だからだよ。同じ志を持つ者同士、協力するべきだ」
「別にあの人でなくても良かったんじゃないんですか?他にも似たような志を抱えた方はいくらでもいます」
同じ志を持っている方はいくらでもいる。何ならリチャードソンさんよりも権力を持った人だって。
「あの人は損得勘定抜きであの志を持っている。純粋に正義を志す私たちと似ているのだ」
カマエルさんはそう断言した。
「何故分かるんですか?」
「私は内面を見る目には定評があってね。ほら、この騎士団だってそうじゃないか。君も分かるだろう?」
確かに、ヘルド騎士団に居た騎士の方々は純粋に正義の心を持った心優しい方々だった。相手を見る目は本当なのだろう。
「確かにそうですね」
「だから、迷いなく実行したんだ」
そこまで聞いたうえで、本題の質問を投げかけることにした。
「武力と政治が融合することで良くないことが起こってきたことを知っていますよね?それは歴史を見れば火を見るよりも明らかです。何故それと同じことを再び起こそうとしているのですか?」
カマエルさんは貴族だ。だから歴史に関しては昔から教育を受け続けているはず。武力そのものが政治的な権力を持った場合の末路を。
暴走からの独裁、侵略からの滅亡だ。
「私たちはそんな未来を起こすことは無い。市民を何よりも優先した正義だからだ」
カマエルさんはそれを恐らく分かった上で断言した。
「そうですか」
僕はそれ以上を聞くことは無く、この場を去った。
僕はその話を一旦心の隅に置いておき、日常に戻る。
選挙はあっているが、大学生のテスト期間は関係なく迫ってくる。
僕は定期的に開かれる勉強会と、エリーゼによる授業をひたすらに繰り返す。
そのお陰もあってテストは無事合格点を突破。俗に言うフル単という奴だ。
「これでどうにか進級できる……」
僕は家の共有スペースでその事実に安堵していた。
いくら貴族でそこそこ金を持っているとは言っても、留年だけは避けなければならない。
「良かったな」
そう祝うジョニー君は余裕そうだ。ジョニー君も同じ条件なはずだったんだけれどなあ。
「二人ともテストお疲れさん」
そこに遅れてやってきたのはルーシーさん。
「突然呼び出して何かあったんですか?」
「テストも終わったし、堕天使関連の仕事に復帰してもらおうと思ってな」
「確かに、選挙も終わって日常に戻ったからな」
「それでなんですけど、早速白黒つけたいものがあるんですけど」
僕はこのタイミングで、この間の話をすることにした。
「それで直接聞きに行ったのか。行動力の塊だな、ペトロは」
それを聞いたジョニー君は笑った。
「でどう思った?ペトロ」
一方ルーシーさんの表情は真剣だった。
「ほぼ確実にカマエルさんは大天使です」
僕はそう断言した。
「って話だ。レヴィ、どう思う?」
ルーシーさんは大声で呼びかけた。
「そうだね。ペトロ君の話を聞く限り、彼女は真っ当ではないね」
レヴィさんは自室から出てきてそう答えた。どうやら全て聞いていたらしい。
「じゃあレヴィ、頼めるか?」
「問題無いよ」
レヴィさんは家を出て行った。
「とりあえず俺たちはリチャードソンの方を見に行くか」
残された僕たちは、ヘルド騎士団の協力者の方に当たることにした。
その話をジョニー君に伝え、しばらくは暇になるなんて話をしていたらクラスメイトが僕たちを誘ってくれた。
「良いの?じゃあ参加させて欲しいな」
「俺も参加する」
「やったあ!二人とも参加してくれるって!」
「マジか!」
「なら早くやってしまおう!」
クラスメイトとはそこまで深く関わっているわけでは無いけれど、皆大歓迎のようで少し嬉しかった。
「ここはそれでも良いが、こうやると楽になる」
「本当だ!」
「これはこうするんだって」
「そうなんだ……」
今日はここまでやろうと目標を立てた上で勉強会が始まり、お互いに教えあって勉強を進めていた。
その中でも相変わらずジョニー君は優秀で、基本的に教える側に回っていた。
「皆大体ここまでは理解できたかな?」
「うん」
「大体は」
「ずっと勉強漬けってのもアレだし、これでもやろうぜ!」
男子が取り出したのは所謂ボードゲームと呼ばれる物。
「これはどんなゲーム?」
「これはだな……」
説明によると、資源を使って自分の領地を広げていく陣取りゲームらしい。最近発売されたらしく、大学生の中で大流行しているらしい。
「とりあえずやってみよう」
習うより慣れよという言葉もあるので、とりあえずやってみることに。
考えることは少々多いけれど、めちゃくちゃ難しいというわけではなく楽しかった。領地に戻った時に持って帰ろうかな。
「二人が忙しいらしいってのはよく聞くんだけど、いつもは何をしているの?」
ターン制のゲームであり、複数人用のゲームであるため自分の番以外は待つだけとなる。そのため自然と会話が発生していた。
そんな中、クラスメイトの一人が僕たちにそんな質問をした。
正直に堕天使を元に戻す活動をしてますなんて言えないし、かといってアグネス商会を話題にだすのもジョニー君に悪い。
「結構前から文化館の手伝いをしているんだ」
「あの文化館!?」
「凄いな。どんなきっかけでそれをすることになったんだ?」
経営を学ぶ学部生ということもあり、最近開いた大規模な施設には注目していたらしい。
「そこに出展している芸術家と少々関わりがあって、その関係で手伝うことになったんだ」
ジョニー君は適当に誤魔化して話した。
「流石ジョニー君とペトロ君」
それから、文化館について根掘り葉掘り聞かれた。
隠す必要も無いので、僕たちの立ち位置がバレない程度に話した。主に僕たちで立ち上げた事業みたいなものだしね。
それから、クラスメイトがどんな日常を過ごしているかなど、様々なことを話しつつボードゲームを楽しんだ。
結局夜まで遊んでから勉強会は解散となった。
その翌日、通学の為に大学まで歩いていると、
『ジェレミー・ウィリアム・リチャードソンです!私に一票をお願いいたします!』
選挙活動を行っている政治家を見つけた。政治家を目指すにしてはかなり若手の方の貴族で、フレッシュさと身近さを感じさせる。人気な方なのか、結構な人だかりも出来ている。
とはいっても僕が投票できる選挙区とは全く違う場所の方だったので、深く見る必要はないななんて思ってスルーしようと思ったが、
『よろしくお願いします!』
その選挙活動を手伝っていたのがヘルド騎士団だったのだ。
この間のこともあったので、少しくらい見てみようと思いその場に立ち止まった。
『私はここに居る皆さんの大半よりは裕福な生活をさせて貰っています。でもそれは私の力ではなく、全ては先祖が国に尽力していたお陰です。つまるところただ運が良かっただけ。そんな人間にここまでの恩恵を受ける価値があるか、当然ありません。だから、私はその価値のある人間となることで、その報いとします。私はこの国に蔓延る不正を正し、市民の皆さんの暮らしを豊かにすることを誓います』
『私たちヘルド騎士団はその正義を信じ、確固たる力として手伝おうと考えております。政治家と協力体制になることで、今まで以上の活動が可能となります。現に私たちは——』
その後はリチャードソンさんとヘルド騎士団が正した不正を列挙し、実際に動き始めている証拠としていた。
リチャードソンさん単体ではよくある正義を語る政治家止まりだったが、今世間で人気となっているヘルド騎士団の存在が説得力を付与し、人々を魅了していた。
「「リチャードソン!リチャードソン!」」
まるで宗教団体のような体を為しているのを横目に、流石に時間だったのでその場を去った。
その日の放課後、僕は単身でヘルド騎士団へと向かっていた。一度来たこともあり、手続きはスムーズに終わった。
「やあ、ペトロ君か。何の用だい?」
突然の来訪だったのに、カマエルさんは丁寧に対応してくれた。
「少し聞きたいことが出来まして」
「聞きたいこととは?」
「どうしてリチャードソンさんの選挙を手伝っているんですか?」
僕はこの質問をするためにここを訪れた。
「どうして、って当然正義を執行する仲間だからだよ。同じ志を持つ者同士、協力するべきだ」
「別にあの人でなくても良かったんじゃないんですか?他にも似たような志を抱えた方はいくらでもいます」
同じ志を持っている方はいくらでもいる。何ならリチャードソンさんよりも権力を持った人だって。
「あの人は損得勘定抜きであの志を持っている。純粋に正義を志す私たちと似ているのだ」
カマエルさんはそう断言した。
「何故分かるんですか?」
「私は内面を見る目には定評があってね。ほら、この騎士団だってそうじゃないか。君も分かるだろう?」
確かに、ヘルド騎士団に居た騎士の方々は純粋に正義の心を持った心優しい方々だった。相手を見る目は本当なのだろう。
「確かにそうですね」
「だから、迷いなく実行したんだ」
そこまで聞いたうえで、本題の質問を投げかけることにした。
「武力と政治が融合することで良くないことが起こってきたことを知っていますよね?それは歴史を見れば火を見るよりも明らかです。何故それと同じことを再び起こそうとしているのですか?」
カマエルさんは貴族だ。だから歴史に関しては昔から教育を受け続けているはず。武力そのものが政治的な権力を持った場合の末路を。
暴走からの独裁、侵略からの滅亡だ。
「私たちはそんな未来を起こすことは無い。市民を何よりも優先した正義だからだ」
カマエルさんはそれを恐らく分かった上で断言した。
「そうですか」
僕はそれ以上を聞くことは無く、この場を去った。
僕はその話を一旦心の隅に置いておき、日常に戻る。
選挙はあっているが、大学生のテスト期間は関係なく迫ってくる。
僕は定期的に開かれる勉強会と、エリーゼによる授業をひたすらに繰り返す。
そのお陰もあってテストは無事合格点を突破。俗に言うフル単という奴だ。
「これでどうにか進級できる……」
僕は家の共有スペースでその事実に安堵していた。
いくら貴族でそこそこ金を持っているとは言っても、留年だけは避けなければならない。
「良かったな」
そう祝うジョニー君は余裕そうだ。ジョニー君も同じ条件なはずだったんだけれどなあ。
「二人ともテストお疲れさん」
そこに遅れてやってきたのはルーシーさん。
「突然呼び出して何かあったんですか?」
「テストも終わったし、堕天使関連の仕事に復帰してもらおうと思ってな」
「確かに、選挙も終わって日常に戻ったからな」
「それでなんですけど、早速白黒つけたいものがあるんですけど」
僕はこのタイミングで、この間の話をすることにした。
「それで直接聞きに行ったのか。行動力の塊だな、ペトロは」
それを聞いたジョニー君は笑った。
「でどう思った?ペトロ」
一方ルーシーさんの表情は真剣だった。
「ほぼ確実にカマエルさんは大天使です」
僕はそう断言した。
「って話だ。レヴィ、どう思う?」
ルーシーさんは大声で呼びかけた。
「そうだね。ペトロ君の話を聞く限り、彼女は真っ当ではないね」
レヴィさんは自室から出てきてそう答えた。どうやら全て聞いていたらしい。
「じゃあレヴィ、頼めるか?」
「問題無いよ」
レヴィさんは家を出て行った。
「とりあえず俺たちはリチャードソンの方を見に行くか」
残された僕たちは、ヘルド騎士団の協力者の方に当たることにした。
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