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7話
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翌日、教室にて。
「昨日は何話したの?」
「男同士の秘密の話」
「何それ?変な話でもしたの?」
「別にそういうわけじゃあないけど、杉村に許可も取らずにペラペラ喋るのはまずいから」
「それもそうだね!じゃあ直接聞きに行こう!」
「そういう問題じゃない。そもそも話したことないだろ。今度話しておくから」
昨日の話は流石に京に言うのはな。大と涼野にばれたら面倒だ。
まだストーカーかどうか確定していない以上、その話をしてしまうのは今後の関係が拗れるきっかけになる可能性の方が高い。
それに……
多分杉村位ならナイフを持って突撃してきても簡単に倒せる自信がある。
俺より身長は高いけれど、高いだけでもやしだし。
「んで、ストーカーさんの方はどうだったんだ?」
「つけてみた感じ、ストーカーっぽい人は見当たらなかったよ」
「その代わりに可愛い女の子が近くに居たけどね」
俺たちの会話を聞いていた涼野が横やりを入れた。
「バレてたの?」
「そりゃあそうよ。あれだけ分かりやすい動きをする人なんて京一択に決まっているじゃない」
「ありゃりゃ」
「青野は来てなかったみたいね。何か用事でもあったの?」
どうやら杉村の話の方は聞いていなかったようだ。
「別に、着いていくほどでもないだろうなって思ってな」
密会の事は伏せておいた。
「まあ、良いけど」
多分その上で京を置いていったことに何か言いたいことがあるのだろうが、京がいる手前言いにくいようだ。
「実際何も無かったのか?」
「それはもう。綺麗さっぱりよ」
その言葉を聞いて少し杉村に対する疑念が高まる。
「今までは毎日いたのか?」
「別にそういうわけじゃあないけれど。基本的に休みの日は誰もいないし、平日の下校の時だって2日に1回とかそこらよ」
なら、まだ確定ではないか。
少し安心した自分がいた。
「どうかしたの?」
「いや、こっちの話。大丈夫」
「おはよう、お前ら」
遅れてやってきた大。これで話の流れは完全に断ち切れるだろう。
「おはよう。昨日は助かった」
俺が代表してお礼を言う。
「別に大丈夫だって。友達の為だからな!」
「じゃあ、折り入って頼みがあるんだけど、今日もお願いして良いか?」
「今日は部活だから無理だよ!」
流石に厳しかったようだ。まあバスケ部だしな。
その後、学校内では特に何もなく、杉村にも出会わないまま一日を終えた。
そして帰宅。
「今日は悪いね。二人に付き合わせちゃって」
「別に良いよ!椿ちゃんが大事だし」
そう言って涼野に抱き着く京。それを優しく受け止め、頭をなでる涼野。
ここには二人の空間が広がっていた。
「彼氏との下校時間に彼氏を置いて二人の空間を作るのはやめてくれませんかね」
普通こういうのはカップルが二人の空間を作って残された一人がツッコミを入れるのが定石だよな。
確かに、端から見る場合はこちらの方が見栄えも良く、好評だとは思うけれど。
違うんだ。これはちゃんと表明したい。ここは百合漫画じゃない。
「あら、寂しかったの?」
にやにやとこちらを見てくる涼野。
「一人で帰らせるぞ」
「そんな冷たいこと、京はしないよね?」
こくこくと頷く京。ここに見方はいないらしい。
「とりあえず帰るぞ」
俺は観念して帰るように促した。
「涼野って今はどんくらいの強さなんだ?」
「ん?テニス?」
「そうだね」
「今はコーチといい勝負が出来るようになったくらいかな。コーチは引退してしばらく経っちゃってるから全盛期と比べたら弱いけど、相手は一応男の人だし、かなりの進歩って言えるんじゃないかな」
「かなり強くなってるんだな」
「勿論。やるって決めたからね」
本当に強いな。だからこそ今みたいなことが起きているのかもしれないから悩みどころなのかもしれないけれど。
「カッコいいな」
「椿ちゃんだからね!」
どうだと言わんばかりに胸を張る京。
「なんで本人じゃなくて京が誇らしげにしてるのさ」
「親友だからね!」
「可愛い奴め~」
説明になってないけど涼野が喜んでいるしまあいいか。
「ん?」
「どうしたの、夏樹?」
京は気付いていないらしい。
「何か人の気配が」
「もしかしてストーカー?」
警戒しているのか小声で俺に聞いてくる涼野。
「あ、やべっ。スマホ学校に忘れたわ」
俺はわざと大きな声でそう宣言し、気配のあった後ろの方へ歩いていくことにした。
どこに潜んでいるか分からないから入念に辺りを探しながら進む。
即振り返っていたので、走って逃げていないはずだ。
しかし、それらしき人物は誰もいなかった。
というより人一人いなかった。
逃げられた?それとも見落としたのか?
けれどここで本格的に捜索を始めてしまうとストーカーを探していることがバレてしまい完全におじゃんになってしまう。それだけは避けないといけないため、これ以上は探すことが出来なかった。
無駄骨だと分かったので、適当に遠くまで歩いた後、カバンの中からスマホを取り出し二人の元へ戻った。
「カバンの中に入れていたことを完全に忘れていたよ。ははは」
「しっかりしなよ」
涼野は俺に合わせてそれっぽい返答をする。
「で、どうだった?」
小声で俺に聞いてくる涼野。
「誰も居なかった。視線を感じた気がしたんだけれど」
「そう……」
「正体を探し始めたばかりだから仕方ない。根気よく探していかないとね」
「頑張りましょう!」
京の一言で話は片付き、普通に帰宅した。
「昨日は何話したの?」
「男同士の秘密の話」
「何それ?変な話でもしたの?」
「別にそういうわけじゃあないけど、杉村に許可も取らずにペラペラ喋るのはまずいから」
「それもそうだね!じゃあ直接聞きに行こう!」
「そういう問題じゃない。そもそも話したことないだろ。今度話しておくから」
昨日の話は流石に京に言うのはな。大と涼野にばれたら面倒だ。
まだストーカーかどうか確定していない以上、その話をしてしまうのは今後の関係が拗れるきっかけになる可能性の方が高い。
それに……
多分杉村位ならナイフを持って突撃してきても簡単に倒せる自信がある。
俺より身長は高いけれど、高いだけでもやしだし。
「んで、ストーカーさんの方はどうだったんだ?」
「つけてみた感じ、ストーカーっぽい人は見当たらなかったよ」
「その代わりに可愛い女の子が近くに居たけどね」
俺たちの会話を聞いていた涼野が横やりを入れた。
「バレてたの?」
「そりゃあそうよ。あれだけ分かりやすい動きをする人なんて京一択に決まっているじゃない」
「ありゃりゃ」
「青野は来てなかったみたいね。何か用事でもあったの?」
どうやら杉村の話の方は聞いていなかったようだ。
「別に、着いていくほどでもないだろうなって思ってな」
密会の事は伏せておいた。
「まあ、良いけど」
多分その上で京を置いていったことに何か言いたいことがあるのだろうが、京がいる手前言いにくいようだ。
「実際何も無かったのか?」
「それはもう。綺麗さっぱりよ」
その言葉を聞いて少し杉村に対する疑念が高まる。
「今までは毎日いたのか?」
「別にそういうわけじゃあないけれど。基本的に休みの日は誰もいないし、平日の下校の時だって2日に1回とかそこらよ」
なら、まだ確定ではないか。
少し安心した自分がいた。
「どうかしたの?」
「いや、こっちの話。大丈夫」
「おはよう、お前ら」
遅れてやってきた大。これで話の流れは完全に断ち切れるだろう。
「おはよう。昨日は助かった」
俺が代表してお礼を言う。
「別に大丈夫だって。友達の為だからな!」
「じゃあ、折り入って頼みがあるんだけど、今日もお願いして良いか?」
「今日は部活だから無理だよ!」
流石に厳しかったようだ。まあバスケ部だしな。
その後、学校内では特に何もなく、杉村にも出会わないまま一日を終えた。
そして帰宅。
「今日は悪いね。二人に付き合わせちゃって」
「別に良いよ!椿ちゃんが大事だし」
そう言って涼野に抱き着く京。それを優しく受け止め、頭をなでる涼野。
ここには二人の空間が広がっていた。
「彼氏との下校時間に彼氏を置いて二人の空間を作るのはやめてくれませんかね」
普通こういうのはカップルが二人の空間を作って残された一人がツッコミを入れるのが定石だよな。
確かに、端から見る場合はこちらの方が見栄えも良く、好評だとは思うけれど。
違うんだ。これはちゃんと表明したい。ここは百合漫画じゃない。
「あら、寂しかったの?」
にやにやとこちらを見てくる涼野。
「一人で帰らせるぞ」
「そんな冷たいこと、京はしないよね?」
こくこくと頷く京。ここに見方はいないらしい。
「とりあえず帰るぞ」
俺は観念して帰るように促した。
「涼野って今はどんくらいの強さなんだ?」
「ん?テニス?」
「そうだね」
「今はコーチといい勝負が出来るようになったくらいかな。コーチは引退してしばらく経っちゃってるから全盛期と比べたら弱いけど、相手は一応男の人だし、かなりの進歩って言えるんじゃないかな」
「かなり強くなってるんだな」
「勿論。やるって決めたからね」
本当に強いな。だからこそ今みたいなことが起きているのかもしれないから悩みどころなのかもしれないけれど。
「カッコいいな」
「椿ちゃんだからね!」
どうだと言わんばかりに胸を張る京。
「なんで本人じゃなくて京が誇らしげにしてるのさ」
「親友だからね!」
「可愛い奴め~」
説明になってないけど涼野が喜んでいるしまあいいか。
「ん?」
「どうしたの、夏樹?」
京は気付いていないらしい。
「何か人の気配が」
「もしかしてストーカー?」
警戒しているのか小声で俺に聞いてくる涼野。
「あ、やべっ。スマホ学校に忘れたわ」
俺はわざと大きな声でそう宣言し、気配のあった後ろの方へ歩いていくことにした。
どこに潜んでいるか分からないから入念に辺りを探しながら進む。
即振り返っていたので、走って逃げていないはずだ。
しかし、それらしき人物は誰もいなかった。
というより人一人いなかった。
逃げられた?それとも見落としたのか?
けれどここで本格的に捜索を始めてしまうとストーカーを探していることがバレてしまい完全におじゃんになってしまう。それだけは避けないといけないため、これ以上は探すことが出来なかった。
無駄骨だと分かったので、適当に遠くまで歩いた後、カバンの中からスマホを取り出し二人の元へ戻った。
「カバンの中に入れていたことを完全に忘れていたよ。ははは」
「しっかりしなよ」
涼野は俺に合わせてそれっぽい返答をする。
「で、どうだった?」
小声で俺に聞いてくる涼野。
「誰も居なかった。視線を感じた気がしたんだけれど」
「そう……」
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「頑張りましょう!」
京の一言で話は片付き、普通に帰宅した。
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