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35話
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「私にメリットが一切ない気がするが……」
絵馬が私に勝負を挑むの理由は分かるが、受けてやる義理が一切ないよな。
「ビビっているの?あなたは天才なんでしょう?」
「別にビビっては無いが。手札が事故らなければほぼ確実に勝てるだろうしな」
サキの説教を受けて作り直したデッキは、サキと組む上では最強のデッキである。
そのサキのデッキも現環境の中ではトップクラスに強いアーキタイプのため他の配信者に負ける道理はない。誰が相手であろうとな。
「じゃあ受けなさいよ!!」
「そうだな、じゃあ代わりに私からも条件を出そう。もし私たちが勝利した場合、明日から7回配信が終わるまで、配信の冒頭で毎回サキを宣伝しろ。」
私が勝つのはほぼほぼ確定事項なのに絵馬に重い条件を押し付けるのは気が引けたので、比較的軽めな条件を付けておいた。
「その程度で良いのね。分かった。じゃあ勝負よ!!!」
「ああ、受けてたとう」
私は握手をしようと手を差し出したが、無視された。それもそうか。
「優斗さん、すみませんね。こんな勝負に付き合ってもらって」
と完全に話が付いた後、冴木が私に謝罪した。
「別に構わない。まあ、申し訳ないと思うのであればこんな勝負を取り付ける前に止めてほしかったがな」
「ははは、そうかもしれませんね」
「別に笑いごとじゃないが」
「でも優斗さんは負けないんでしょう?なら良いじゃないですか」
「まあな」
どうやら冴木はこの勝負を楽しんでいる側らしい。こちらの条件は結構洒落にならないんだがな……
「えっと、良いの?」
なんて話をしていると、不安そうな表情で私の事を見てくるサキ。
「大丈夫だ。私は負けないからな」
「本当に……?」
「ああ。私が負けるところを想像できるか?」
「出来ないけど……」
「そういうわけだから安心しろ」
負けない私がサキを輝かさせるために全力でデッキを作ってきたんだ。勝つ以外のルートはあり得ない。
「分かった。信じるよ」
「というわけで私たちはここで失礼する。またな」
「ありがとうございます」
サキからの了承を得たところで、二人に別れの挨拶をして部屋を出た。
「優斗さん」
すると、何故か共に部屋を出ていたらしい冴木が私の事を呼び止めた。
「どうした?」
疑問に思い振り返ると、冴木は俺の耳元で、
『引退日は当然明日ですからね。色々言い訳を付けて引き延ばすのは絶対に無しですよ?私はあなたの引退をずっと心待ちにしているんですから』
と囁いた。
「は?」
「それでは」
私の疑問に答えることなく冴木は部屋に戻ってしまった。
「何だったの?」
「うちの絵馬が迷惑かけて申し訳ありません。もし負けても引退はしなくても良いですからねだと」
私はサキを不安に思わせないように咄嗟に嘘をついた。
「嘘でしょ」
「何故?」
「だって冴木さん優斗さんが引退することに同意した時、絵馬さんより嬉しそうにしてたから」
「そうなのか?」
「うん。こう見えても私って人の感情を読むの得意なんだよ?」
大したことの無い嘘だから騙しとおせるかと思ったが駄目だった。
「そうなのか」
「まあ、優斗さんの考えていることは全く分からないんだけど」
「なるほど。サキに嘘をつきたいときは誰にも経由させなければ良いんだな」
「優斗さん?別にいいけどほどほどにしてね?で、何を言われたの?」
「配信活動の引退をずっと心待ちにしていた。引退が決まったら引き延ばしたりせず即引退しろ、だと」
「やっぱりそうなんだね。でもなんで引退を求めているんだろう?別に視聴者層が被っていないだろうから一切迷惑なんて掛からない筈なのに」
「だよな」
「まあ、勝ってから聞けばいいよね」
「そうだな」
どうして私に配信活動を辞めてほしいのかなんて本人以外に分かりようが無い。推測するだけ時間の無駄だろう。
「とりあえず来ている人全員に挨拶はし終わったことだし部屋に戻ろう」
「だな。時間が結構余ったが仕方ないな」
その後部屋に戻った私たちは余った時間を使ってデッキの最終調整をして過ごした。
絵馬が私に勝負を挑むの理由は分かるが、受けてやる義理が一切ないよな。
「ビビっているの?あなたは天才なんでしょう?」
「別にビビっては無いが。手札が事故らなければほぼ確実に勝てるだろうしな」
サキの説教を受けて作り直したデッキは、サキと組む上では最強のデッキである。
そのサキのデッキも現環境の中ではトップクラスに強いアーキタイプのため他の配信者に負ける道理はない。誰が相手であろうとな。
「じゃあ受けなさいよ!!」
「そうだな、じゃあ代わりに私からも条件を出そう。もし私たちが勝利した場合、明日から7回配信が終わるまで、配信の冒頭で毎回サキを宣伝しろ。」
私が勝つのはほぼほぼ確定事項なのに絵馬に重い条件を押し付けるのは気が引けたので、比較的軽めな条件を付けておいた。
「その程度で良いのね。分かった。じゃあ勝負よ!!!」
「ああ、受けてたとう」
私は握手をしようと手を差し出したが、無視された。それもそうか。
「優斗さん、すみませんね。こんな勝負に付き合ってもらって」
と完全に話が付いた後、冴木が私に謝罪した。
「別に構わない。まあ、申し訳ないと思うのであればこんな勝負を取り付ける前に止めてほしかったがな」
「ははは、そうかもしれませんね」
「別に笑いごとじゃないが」
「でも優斗さんは負けないんでしょう?なら良いじゃないですか」
「まあな」
どうやら冴木はこの勝負を楽しんでいる側らしい。こちらの条件は結構洒落にならないんだがな……
「えっと、良いの?」
なんて話をしていると、不安そうな表情で私の事を見てくるサキ。
「大丈夫だ。私は負けないからな」
「本当に……?」
「ああ。私が負けるところを想像できるか?」
「出来ないけど……」
「そういうわけだから安心しろ」
負けない私がサキを輝かさせるために全力でデッキを作ってきたんだ。勝つ以外のルートはあり得ない。
「分かった。信じるよ」
「というわけで私たちはここで失礼する。またな」
「ありがとうございます」
サキからの了承を得たところで、二人に別れの挨拶をして部屋を出た。
「優斗さん」
すると、何故か共に部屋を出ていたらしい冴木が私の事を呼び止めた。
「どうした?」
疑問に思い振り返ると、冴木は俺の耳元で、
『引退日は当然明日ですからね。色々言い訳を付けて引き延ばすのは絶対に無しですよ?私はあなたの引退をずっと心待ちにしているんですから』
と囁いた。
「は?」
「それでは」
私の疑問に答えることなく冴木は部屋に戻ってしまった。
「何だったの?」
「うちの絵馬が迷惑かけて申し訳ありません。もし負けても引退はしなくても良いですからねだと」
私はサキを不安に思わせないように咄嗟に嘘をついた。
「嘘でしょ」
「何故?」
「だって冴木さん優斗さんが引退することに同意した時、絵馬さんより嬉しそうにしてたから」
「そうなのか?」
「うん。こう見えても私って人の感情を読むの得意なんだよ?」
大したことの無い嘘だから騙しとおせるかと思ったが駄目だった。
「そうなのか」
「まあ、優斗さんの考えていることは全く分からないんだけど」
「なるほど。サキに嘘をつきたいときは誰にも経由させなければ良いんだな」
「優斗さん?別にいいけどほどほどにしてね?で、何を言われたの?」
「配信活動の引退をずっと心待ちにしていた。引退が決まったら引き延ばしたりせず即引退しろ、だと」
「やっぱりそうなんだね。でもなんで引退を求めているんだろう?別に視聴者層が被っていないだろうから一切迷惑なんて掛からない筈なのに」
「だよな」
「まあ、勝ってから聞けばいいよね」
「そうだな」
どうして私に配信活動を辞めてほしいのかなんて本人以外に分かりようが無い。推測するだけ時間の無駄だろう。
「とりあえず来ている人全員に挨拶はし終わったことだし部屋に戻ろう」
「だな。時間が結構余ったが仕方ないな」
その後部屋に戻った私たちは余った時間を使ってデッキの最終調整をして過ごした。
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