魂の残響 〜冥府の支配者、還暦からのVRMMO成り上がり〜

夢乃アイム

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第二十一話:戦場を支配する者

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 灼熱の砂嵐が吹き荒れる戦場で、レイドボス《砂塵の魔王バルザグラード》と、五十名以上のプレイヤーによる激戦が繰り広げられていた。

 

 だが——その戦況は、開始直後から大きく変わっていた。

 

「バカな……! 本来ならタンク役の俺たちが前線を張るはずなのに、アイツの召喚したスケルトン部隊が壁になっている……!?」

 盾を構えていた重装騎士ヴァルドは、目の前の光景に驚愕していた。

 本来、ネクロマンサーの召喚するアンデッドは、せいぜい囮や使い捨ての駒に過ぎないはずだった。
 しかし、レイヴンの操るアンデッドたちは違った。
 前衛のスケルトン・ウォーリアたちは陣形を組んで攻撃を防ぎ、後衛のスケルトン・メイジやアーチャーたちは的確に火力支援を行っていた。

 まるで、長年鍛え上げられた軍隊のように——

「おいおい……あのネクロマンサー、やべぇぞ……」
「アンデッドをただの召喚獣じゃなく、完全に部隊として運用してやがる……!」

 周囲のプレイヤーたちも、その異様な戦術に気づき始めていた。

 

 ——そして、その指揮を執るのはただ一人。

プレイヤーネーム:《レイヴン》(Lv55)
職業:《ネクロマンサー》

 日焼けした肌に、クセのある茶髪のセミロングを後ろで束ねた男。
 顎には整った髭を生やし、鋭い眼差しを戦場に向ける。
 彼は、戦況を見極めながら冷静に指示を下していた。

 

「……よし、そろそろ仕掛けるか」

 

 レイヴンが静かに杖を掲げると、スケルトン・ウォーリアたちが一斉に盾を構える。

 

「スケルトン前衛、《防御陣形》を維持しろ。後衛、魔法と射撃で火力を集中」

 

——【スケルトン・ウォーリアが防御態勢に入った】——
——【スケルトン・アーチャーが一斉射撃を開始】——
——【スケルトン・メイジが呪文の詠唱を開始】——

 

 レイヴンの指示を受け、アンデッドたちが完璧な連携で動き出す。

「弓隊、照準を固定。《影縛りの矢》を放て」

 スケルトン・アーチャーたちが暗黒の矢を放ち、バルザグラードの巨体に命中。

——【バルザグラードに鈍足デバフが付与された】——

 

「魔法隊、《ダークフレイム》を集中砲火。やれ」

 スケルトン・メイジたちが一斉に黒炎の魔法を放ち、バルザグラードの体を包み込む。

——【バルザグラードに火傷ダメージ】——

 

「うおおお、マジかよ……!」
「レイドボス相手に、召喚ユニットだけでここまで削るなんて……!」

 周囲のプレイヤーたちは、もはや驚愕を通り越し、呆然としていた。

「な、なあ……あのネクロマンサーの指揮、俺たちより的確じゃねぇか?」
「いや、むしろ軍師だろ……」
「こんな戦術、今まで見たことねぇよ……!」

 

 

◆ 逆襲のバルザグラード

 

 だが——

 

——【バルザグラードが《砂嵐の咆哮》を発動】——

 

「来るぞ、気をつけろ!」

 

 次の瞬間、バルザグラードが咆哮し、巨大な砂塵の竜巻を巻き起こす。

 

「くっ、視界が……!」

 

 周囲が砂煙に包まれ、プレイヤーたちの姿が見えなくなる。

 

——【バルザグラードが《砂塵の呪い》を発動】——
プレイヤー全員に命中率低下デバフが付与される

 

「やべぇ、攻撃が当たらねえ!」
「回復役、すぐに支援を——」
「ぐあっ!?」

 その瞬間、バルザグラードが戦斧を振り下ろし、前衛のプレイヤーたちが次々と吹き飛ばされた。

——【プレイヤー《ヴァルド》が戦闘不能】——
——【プレイヤー《シリウス》が戦闘不能】——

 

「くそっ……やばい、戦線が崩壊する!」

 

 混乱するプレイヤーたち。

 その中で——

「……ふむ、なるほどな」

 レイヴンは、砂嵐の向こうで笑みを浮かべていた。

「だが、俺の軍勢は混乱しない」

 

——【スキル《死者の視界》発動】——

——【支配下のアンデッドは視界妨害を受けなくなる】——

 

「……戦闘再開だ。死者の軍勢よ、突撃せよ」

 

——【スケルトン・ウォーリアが突撃を開始】——

——【スケルトン・アーチャーが狙撃を開始】——

——【スケルトン・メイジが詠唱を開始】——

 

 死者の軍勢は、視界を奪われることなくバルザグラードへと突撃していった。
 そして、その光景を見たプレイヤーたちは——

「……すげぇ」
「あのネクロマンサー、やっぱり本物だ……!」
「よし、俺たちも奴に乗っかるぞ! 支援しろ!」

 次第に戦意を取り戻していく。

 

 戦況は、再びレイヴンの手の中に収まろうとしていた——
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