すべてを風のせいにして 〜タイムループバタフライ〜

クリヤ

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(11)父方の祖母の正体

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 「だからね、何が目的でキミがここに現れるのかってことをさ」
 「はい……」
 「はっきり教えてほしいってことなんだ」
 「ええ。でも……」
 「なに? なんか問題あり?」
 「いえ、いや。それをしてしまいますと……」
 「うん。はっきり言ってもらって大丈夫だよ」
 「このあとのオーマの人生を縛りすぎるんじゃないかと」
 「えっ? それが心配で、今までぼやかしていたってこと?」
 「まぁ、はい。ボクは、お願いしている立場ですし」
 「あははは! そっかぁ」

 つい、笑っちゃった。
 だってさ、あたしたち。
 お互いのことを思いやって、気づかって、すれ違ってた。
 そういうことじゃん!
 気遣いが嬉しいような、でもアホらしいような?
 そんなごちゃ混ぜの気持ちがあふれ出ちゃってさ。
 笑いながらも、変な涙が出ちゃったみたい。

 「よぉ~し、分かった! もうそれは要らない!」
 「それって?」
 「あたしへの気遣いとか、そういうの」
 「いえ、だけど」
 「だってさ、よく考えてみて」
 「なにをです?」
 「2回もタイムループしてるってことはだよ?」
 「うん」
 「あたしって、もう寿命以上に生きちゃってるってこと」
 「ああ、そうですねぇ! すごいな」
 「そう! 体感ではってことだけどね」
 「うん。やっぱり、すごい」
 「だからさ、もういいんだよ。キミのためだけに生きたって」

 あれ? またシュンスケ、泣いてる?
 この子、よっぽど辛いことがあるんじゃない?
 でも、なんであたしは、それに2回も気づいてないんだろう?
 1回目はともかく、2回目も分からなかった……。
 不甲斐ないっ!
 いや。だから、今度こそはって思えるんだ。

 「じゃ、教えてほしいことがある」
 「なんでしょう?」
 「それっ! その敬語! どうして敬語なの?」
 「どうしてって……」
 「リコも分からないって言ってたから、リコのせいじゃない」
 「はい」
 「誰かに言われて?」
 「……はい」
 「誰? なんで言うこと聞いてるの?」
 「それは……」
 「言えない、は無しだよ」
 「……おばあちゃんです」
 「はぁ? あたし?」
 「いえ、父のほうの」

 父のほうの?
 一瞬、何を言われているのか分からなかった!
 ちょっと考えたら、ああ、そっか。
 リコの夫のお母さんだ!
 あんまり付き合いが無いから、忘れてたよ。

 「ああ、はいはい。……で、なんで?」
 「ボクは、品が無いからだそうです」
 「はぁ?」
 「お父さんは、おばあちゃんがしっかり育てたのにって」
 「なにそれ、なんなの? あのババァ!」
 「口悪いですよ、オーマ」
 「いや、そんなこと言ってる場合? 孫いじめじゃん!」
 「しつけは、いじめじゃないらしいです」

 どういうこと?
 なんで自分の孫をいじめてるの?
 敬語強制に言葉で虐待? 意味が分からん!
 まぢでコロス!
 タメだったら、どっかに呼び出してシメるレベルだわ!
 あれ? あの人って、何才だった?
 っていうか、名前、なんだっけ?

 「ねぇ! あの人、名前なんだっけ? 何才?」
 「え? オーマ、もしかして憶えてないんですか?」
 「何を?」
 「父のほうのおばあちゃんとオーマは同級生ですよ」
 「まぢで?」
 「はい。同じ高校、同じクラスの正真正銘の同級生です」
 「えええええ? まったく憶えてない! 間違いじゃ?」
 「それはないです……。いつも高校時代の話をしてますし」

 え? まぢでどういうこと?
 それならなんで、そんな話をしたことないの?
 リコからも聞いたことがない。
 それなのに、シュンスケにはずっと言ってる?

 「とりあえず、そのおばあちゃん? の名前を教えて」
 「本当に憶えてないんですね。マリコです」

 聞いても分からない。
 どういうこと?
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