すべてを風のせいにして 〜タイムループバタフライ〜

クリヤ

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(14)今回のターンは成功だよね?

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 「カ~ンちゃん! 図書館行こっ!」
 「ちょっと待って~。よし、行こう!」

 カンちゃんには、志望大学を聞けた。
 なんと、それはあたしが2回もいった大学だった!
 そういうこと?
 カンちゃんたら、うちの大学に入りたかったの?
 いけなかった恨みがシュンスケに向かったわけ?
 あたしがいったのが気に入らなかったのかなぁ?
 でも、変じゃない?
 シュンスケがクローゼットから出て来なければさ。
 あたしは、いかなかったはずだよ?
 う~ん、どういうこと?

 「たぶん、ここを完璧に暗記して……」
 「うん、うん」
 「これは、絶対憶えておいたほうがいいよ」
 「なるほど。すごくピンポイントだね」
 「あ、う~ん。知り合いが、そこの大学生だから……」
 「へぇ! いいなぁ! 絶対、受かりたい!」
 「きっとカンちゃんなら大丈夫だよ」
 「うち、浪人には反対でさ~。絶対、現役でいきたいんだ」
 「そっか~。ポイント押さえて勉強すれば、いけるっしょ!」
 「うん! ふたりで受かろうね!」
 「……うん」

 今回の受験チートは、自分にじゃなくてカンちゃんに使う!
 でも、少し良心が痛む~!
 同じ志望大学だから、勉強しよって誘ったけどさ。
 今回は、いく気無し。
 だって、シュンスケを助けることにはならなかったし!
 でも、カンちゃんは一緒にいく気みたい。
 嘘ついてるみたいで、少し申し訳ない……。

 「今日もあんドーナツ食べてくでしょ?」
 「うん。カンちゃん、めっちゃ好きだねぇ!」
 「勉強すると、脳が欲しがるのだよ~」
 「あははは! 確かにそうだ。いざ、ゆこう~」

 カンちゃんは本当にあんドーナツ好きだった。
 シュンスケの情報は、やっぱり間違っていないみたい。
 今までそんな親しくなかったけどさ。
 話してみたら、結構おもしろいし、素直でかわいい人。
 こんな人が孫いぢめ?
 親しくなるほど、分からん……。

 あっという間に、試験日。
 もちろん、実質チートなわけだから全然心配はしていない。
 カンちゃんは、首尾よく遠くの大学に合格!
 やった~! 本当にめでたい☆
 これで、シュンスケの希望も叶うはず!
 そして、この無意味なループも終わるんだろう。

 「やったよう! シュンスケ!」
 「はい。良かったです」
 「きっとこれで、マリコからいぢめられないねっ」
 「そう……なんですかね?」
 「きっと帰ったら、何もかも良くなってるって!」
 「は、はい」

 シュンスケは、それでも不安があるみたい。
 あたしの手をやっぱりぎゅっと握って、黙る。
 それから、今までとは違って何度も何度も振り返る。
 そうして、ようやくクローゼットの中に戻っていった。

 「オーマも幸せになってください」

 そう言い残して。

 肩の荷がおりるってこういうこと?
 長~い夢を見ていたような気分。
 ま、実際、ループなんて本人にとっても夢みたいなもんだけど。
 夢っていうか、悪夢だなぁ。

 ま、でも?
 これからの人生は、消化試合みたいなもんじゃん!
 だいたいのことは知ってるし、最後だと思ったら大事にしなきゃ。
 無理して遠くの大学にもいかない。
 地元で実家暮らしで、楽に過ごしたい。
 推薦じゃないけど、地元のD学院にも受かったし。
 やっぱりケイタには会うのかな?
 同じ大学で会うのは初めてだから、ちょっと楽しみ。

 「だから、あの時、どうして一緒にきてくれなかったの?」
 「え? でも……」
 「いつもいつも、私から奪うのはなんで!」
 「奪ってなんか……」
 「そうやって、落ち着いて。私をバカにしてるんでしょ!」

 消化試合だったはずのラスト人生。
 どうして、今、あたしは怒鳴られているのか?
 せっかくのホテル内のオシャレカフェなのに……。
 また間違えたっていうの?
 ループは、終わってないわけ⁉︎
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