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リバースハンド症候群
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ある日、オレの右手の小指の皮が剥けた。
「うわああああああああっ!」
メリメリメリメリッ
右手の小指の先から捲れ上がり、小指の爪まで裏返しになってしまった。
「なんだよこれっ……! ああっ、グロい……でも痛くねえ」
オレは最初病院に行こうかと思ったが、何故か病院に行ってはいけないと強く思った。
本能的に病院に行く事は危険だと身体中が訴えていた。
最初に右手の小指が捲れた時から一週間が経過した。
オレの両手の皮膚は捲れ上がり、前腕は完全に赤身が出ていた。
ドクンドクンと心臓が脈打つタイミングに合わせて前腕の血管も大きく脈打っている。
前腕は熱く、力を入れると蒸気が噴き出す。
「マジで何なんだよ……」
ある日、うっかり崖から転落した。
とても高い崖で、落ちれば間違いなく死ぬ。
オレは両手から蒸気を吹き出し、崖の壁まで近づくと、力強く壁を握る。
指は壁にめり込み、壁に掴まる事に成功した。
「これは凄い、凄いぞっ!!」
オレは色々な事ができると希望を抱いたが、残念ながらそうはいかなかった。
オレの両手は高温で、何かに触れると一瞬でその物は燃えてしまう。
壁に掴まれたのはまだ温度が低かったからだろう。
今ではもう全てを燃やし尽くす事しかできない。
川の水で冷ます事を考えたが、無理だった。
川の水の温度が上がってしまい、僅か十分で川に住む魚が姿を消した。
そのうち自分の家にも火がついた。
オレのいる場所はただオレがいるだけで燃えてしまう。
いつの間にかオレの半径1キロは火の海に変わっていた。
地面すらドロドロに溶け、溶岩の沼をオレは歩く。
ある日空に大きな黒い点が現れた。
その黒い点が少しずつ大きくなり、大きな衝撃がオレを襲った。
なるほど、これは巨大な爆弾だ。
オレが生きていると世界が滅ぶとどこかの軍が判断したのだろう。
オレの意識はもうそこからない。
その後、世界中で前腕が捲れ上がる人間が現れた。
その度に爆弾が投下され、今も人間の住める場所は徐々に少なくなっている。
恐らくこの世界から人間が一人もいなくなるまで続くのだろう。
世界共通でこの症状に対する病名が決まった。
──リバースハンド症候群。
「うわああああああああっ!」
メリメリメリメリッ
右手の小指の先から捲れ上がり、小指の爪まで裏返しになってしまった。
「なんだよこれっ……! ああっ、グロい……でも痛くねえ」
オレは最初病院に行こうかと思ったが、何故か病院に行ってはいけないと強く思った。
本能的に病院に行く事は危険だと身体中が訴えていた。
最初に右手の小指が捲れた時から一週間が経過した。
オレの両手の皮膚は捲れ上がり、前腕は完全に赤身が出ていた。
ドクンドクンと心臓が脈打つタイミングに合わせて前腕の血管も大きく脈打っている。
前腕は熱く、力を入れると蒸気が噴き出す。
「マジで何なんだよ……」
ある日、うっかり崖から転落した。
とても高い崖で、落ちれば間違いなく死ぬ。
オレは両手から蒸気を吹き出し、崖の壁まで近づくと、力強く壁を握る。
指は壁にめり込み、壁に掴まる事に成功した。
「これは凄い、凄いぞっ!!」
オレは色々な事ができると希望を抱いたが、残念ながらそうはいかなかった。
オレの両手は高温で、何かに触れると一瞬でその物は燃えてしまう。
壁に掴まれたのはまだ温度が低かったからだろう。
今ではもう全てを燃やし尽くす事しかできない。
川の水で冷ます事を考えたが、無理だった。
川の水の温度が上がってしまい、僅か十分で川に住む魚が姿を消した。
そのうち自分の家にも火がついた。
オレのいる場所はただオレがいるだけで燃えてしまう。
いつの間にかオレの半径1キロは火の海に変わっていた。
地面すらドロドロに溶け、溶岩の沼をオレは歩く。
ある日空に大きな黒い点が現れた。
その黒い点が少しずつ大きくなり、大きな衝撃がオレを襲った。
なるほど、これは巨大な爆弾だ。
オレが生きていると世界が滅ぶとどこかの軍が判断したのだろう。
オレの意識はもうそこからない。
その後、世界中で前腕が捲れ上がる人間が現れた。
その度に爆弾が投下され、今も人間の住める場所は徐々に少なくなっている。
恐らくこの世界から人間が一人もいなくなるまで続くのだろう。
世界共通でこの症状に対する病名が決まった。
──リバースハンド症候群。
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